韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

49日 最終話あらすじ

   

「49日」韓国放送が終わってからずいぶん経ってしまいました。(※現在、数カ月後の秋^^;)
人気ドラマの日本放送が重なり、ブログのアクセス制限と私の仕事事情も重なり、訳せないまま残ってしまった「49日20話」をぼちぼち訳すことにしました。

登場人物の名前を思い出すところから始めなければ^^;

祝!日本地上波放送♪

では、どうぞ♪


★「49日(邦題:私の期限は49日)」ノーカット完全版 DVD BOX 1★

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初めて自分自身の姿でイギョンに会うことが出来たジヒョン。
彼女はイギョンと共に病院に庭へ来ていました。

イギョン:「私のことは覚えてるのに、ハン・ガンさんのことは覚えてないんですか?」
ジヒョン:「・・・。」
イギョン:「彼のことも覚えてるんですか?」
ジヒョン:「・・・。」
イギョン:「覚えてるのに… どうして覚えてない振りを?」
ジヒョン:「どうしてかって言うと… 私、もうすぐまた死ぬから」
イギョン:「!!!」

~~それは、意識を取り戻した直後、ジヒョンが検査室にいたときのこと~~

一人でジヒョンが座っていると、そこへ白衣を来た人物が一人…入って来ます。
その人物を見上げたジヒョンは…

ジヒョン:「…あっ?あんた、スケジューラーだよね?」

そう、入って来たのはスケジューラ。
彼は神妙な表情で彼女を見下ろします。

スケジューラ:「寂しいな。もう俺のこと忘れたってのか?」
ジヒョン:「そんなんじゃなくって…。なんであんたのことが見えるの?スケジューラって死んだ人にしか見えないんでしょ?」

そのとき、彼女の頭の中に溢れ出してくる記憶…。

ジヒョン:「思い出したわ…。私、どうして49日間のこと覚えてるの?」
スケジューラ:「あんたへの最後の残酷な贈り物なんだけど…断ってもいい」
ジヒョン:「どういう意味?」
スケジューラ:「・・・。」
ジヒョン:「私、死ぬの?」
スケジューラ:「最後のスケジュールを受け取ったんだけど…俺が最後に担当する死亡予定者がシン・ジヒョン、あんただ」

黙って彼を見上げるジヒョン。

スケジューラ:「死亡予定日は今から6日目」
ジヒョン:「そんな?!」
スケジューラ:「その前に不幸にも”49日の旅行”をすることになり、涙3滴手に入れた。だから、49日間のことを記憶に残すチャンスを与えるんだとさ」

ジヒョンの目から流れ落ちる涙。
信じられない話に、彼女は感情を何とか抑えて口を開きます。

ジヒョン:「つまり、49日間のことを記憶に残すか残さないか、私に選択しろってこと?」
スケジューラ:「望まないなら、6日目に俺とは初めて会うことになる」
ジヒョン:「つまり私…5日後に死ぬって?!」
スケジューラ:「それがあんたに生まれつき定められた寿命だ」
ジヒョン:「・・・。」
スケジューラ:「怒れよ。怒りをぶつけたいだろ」
ジヒョン:「誰に怒るのよ?!」
スケジューラ:「・・・。」
ジヒョン:「誰に!!!どんなに腹が立っても、どんなに無念でも…どうしようもないってわかってるのに。いくら祈っても…」

泣き崩れる彼女の肩に、スケジューラはそっと手を置きます。

スケジューラ:「あぁ。人間の手じゃどうにもならないのが生死だ」

~~~~~~

そんないきさつをイギョンに話したジヒョンは…

ジヒョン:「…それで、覚えておくことにしたんです」
イギョン:「一体どういうことなんです?49日とか、定められた寿命だなんて。誰がジヒョンさんにそんなことを?」
ジヒョン:「いるんです。オンニには理解出来ない、そういう存在が」
イギョン:「それじゃ、ジヒョンさんホントに…」
ジヒョン:「もうすぐお別れです。死ぬんですよ」
イギョン:「あんまりよ。あんなに辛い思いをしてやっと生きられたのに。残酷すぎるわ」

ジヒョンは穏やかな表情で首を横に振ります。

ジヒョン:「49日の旅行をしてなかったら、今頃お父さんの会社はカン・ミノの手に渡って…、友だちと婚約者に裏切られたショックで私、正気じゃなかったはず」
イギョン:「・・・。」
ジヒョン:「もしかしたらそのショックに耐えられなくて、自殺するのが私の運命だったのかもしれません」
イギョン:「・・・。」
ジヒョン:「49日の旅行をしたおかげで、ガンみたいな人に愛されて…愛して、お父さんの会社を守ることも出来て。これまでの人生も振り返ることが出来たんです。むしろ良かったのかもって…そんな気もするんです。何も知らずに死んだら、私の人生は死ぬまで偽物だったことになるから」
イギョン:「…どうして覚えてない振りをするんです?」

イギョンの目をまっすぐ見つめるジヒョン。

ジヒョン:「どうせ死ぬんなら、幸せに生きてるうちに死んだんだって、そう思わせたいんです。子どもっぽくて単純で、明るかったシン・ジヒョンとして」
イギョン:「・・・。」
ジヒョン:「誰にも知られずに死ぬつもりだったけど、オンニは…」

ずっと触れられなかったイギョンの手。
ジヒョンはイギョンの手をそっと握ります。

ジヒョン:「こうやって自分の体でオンニに会えたのに、とても知らない振りなんて出来ないわ」

イギョンはもう片方の手をジヒョンの手に重ねます。

イギョン:「ハン・ガンさんは?」

悲しい目でうつむくジヒョン。

イギョン:「今までジヒョンさんのためにあれだけ苦労したのに…ジヒョンさんのこと愛してるのに、ご両親はご存じなくても、あの人は49日のことを覚えてるでしょう?」
ジヒョン:「・・・。」
イギョン:「目覚めたら好きだって言ってくれって…そう言ったでしょう?あの日、何も言わずにいかないでくれって、そう言ったでしょう?」
ジヒョン:「…もうそんなことしたって仕方ないわ。私はいなくなって…ガンは残されるのに」
イギョン:「・・・。」
ジヒョン:「あんたが好き、愛してる… そんな言葉、ガンの救いになるはずがない。余計切なくて、胸が痛むわ」
イギョン:「ジヒョンさんだって辛いでしょう?」
ジヒョン:「オンニのこと見てて感じたんです。残った人は自分の人生を生きて行かなきゃいけない。だから、ガンには何も言わないでくださいね。私はただ…友だちとしてガンの心に残りたいんです」

何も言えず、涙を流しながら、イギョンはジヒョンの手を握り直します。
そんなイギョンをまっすぐ見つめるジヒョンの目には、もうすっかり覚悟を決めた、強い意志が宿っていました。

+-+-+-+

逮捕されたミノが収容されている施設を訪れていたのはガンでした。
ガラス窓を挟み、向きあう二人。

ガン:「意外だな。先輩が会ってくれるなんて」
ミノ:「お前が威張るザマでも見ようと思ってな。俺を阻止すると大口叩いて、結局やり遂げた。満足だろうな」
ガン:「満足じゃなくて、すっきりした。先輩がこれ以上壊れるのを見なくて済むから」
ミノ:「もう木っ端微塵だ。お前の知ってるカン・ミノはとっくの昔にいなくなった」
ガン:「いや、先輩は戻ってくる。実刑何年になろうとちゃんと罰を受けて戻って来いよ。俺の憧れで、尊敬する先輩として」
ミノ:「…俺を尊敬してたって?」
ガン:「心の傷を克服できずに自壊感にもがきながら、恵まれた環境にぶら下がってた俺とは違う。先輩は自分の環境に、先輩自身に打ち勝った人間だった」
ミノ:「俺が何でお前のこと好きなのか分かるか?」
ガン:「一応好きだったのか」
ミノ:「傷ついた人間だから。両親に傷つけられ生涯血を流してる奴だからだ。正直すぎて自分の傷を癒そうとも思わない、その純粋さが好きだった」
ガン:「・・・。」
ミノ:「俺にはないものだから」
ガン:「…ジヒョンは元気にしてる」
ミノ:「・・・。」
ガン:「まだ先輩のことは知らずにいるけど、知ったとしてもちゃんと乗り越えられるようにそばにいるつもりだから」
ミノ:「それ以上言わないでくれ」

そう言って目を伏せるミノ。

+-+-+-+

自宅に一時帰宅したジヒョンは大好きな両親と3人水入らずで食卓を囲んでいました。

ジヒョン:「食べられるだけでいいのに、作りすぎよ」
父:「全部おばさん(家政婦)が作ったんだ。母さんが作ったのはこのテンジャンチゲしかないからな」
ジヒョン:「だからなのだわ!さっきからこれにばかり箸が動くの」
母:「ふふふ^^」
ジヒョン:「(テンジャンチゲを一口)一番美味しい!」
父:「塩辛いチゲばかり食べてないで…(他のおかずをジヒョンの匙に乗せてやり)これも食べなさい」

そのおかずを一口食べたジヒョンは、他のおかずを箸でつまみ、父に差し出します。

ジヒョン:「お父さんも^^」
父:「あぁ」

娘の差し出したおかずを口にし、幸せで思わず「お父さん最高だろ!」と声を上げる父。
ジヒョンは母にも忘れずに同じおかずを差し出します。

ジヒョン:「お母さんもね」
母:「えぇ^^(おかずを一口)あぁ、本当に夢みたい」
ジヒョン:「え?」
母:「一度でいいから私たち3人家族、一緒にご飯を食べたいと思ってたの」
父:「さすがだよ。君のほうが僕より器量が大きい。俺なんて一度でもジヒョンの笑顔が見られれば他に望みはないと思ってたのに」
ジヒョン:「・・・。そうなの?じゃ、私、お母さんとお父さんの願い、全部叶えてあげたってことね!ふふ、さすがシン・ジヒョン」

ジヒョンの言葉に笑う両親の間で、ジヒョンは黙って俯きます。

+-+-+-+

久しぶりに自分の体で2階の自室に戻ったジヒョン。
彼女は大事なカンガルーのぬいぐるみを見つめ、大事な「親友」と一緒に笑っているたくさんの写真を眺めます。
その中から3人で写っているものを何枚か外し、彼女は手にとってじっと見つめるのでした。

+-+-+-+

翌日、ジヒョンは”通いなれた”イギョンのアパートへの階段を降りてきます。
思い出の場所を、自分の体で一つ一つ確かめるように…。

そんなふうにやって来るジヒョンを、イギョンはアパートの前でじっと待っていました。

ジヒョン:「!… オンニ~!」
イギョン:「…^^」

イギョンの姿に気付き、うれしそうに駆けてくるジヒョン。
イギョンにとって、彼女を呼ぶその声は、このアパートの前でこれまで何度も「聞こえた気がした」声でした。

ジヒョン:「どうして外に?」
イギョン:「毎日ここで私を待ってたはずなのに、一度も気付いてあげられなかったわ」
ジヒョン:「気付かなくて当然だわ。オンニには私が見えなかったのに」
イギョン:「・・・。」
ジヒョン:「(イギョンの手を取り)行きましょ^^」

アパートの中に入った二人は一緒にお弁当を作っていました。
出来たキムパプを一口、パクッとつまむジヒョン。

ジヒョン:「う~ん!私が作るよりずっと美味しい^^」

ジヒョンはキムパプをもう一つ手に取り、今度はイギョンの口元に差し出します。
差し出されるまま食べ、ジヒョンにニッコリ微笑むイギョン。
そんなイギョンをじっと見つめたジヒョンは…

ジヒョン:「私でもオンニのそばにいてあげたらいいのに…」
イギョン:「… 私の心配してる場合ですか?」
ジヒョン:「オンニ、偉そうなこと言っちゃうけど、すぐにオンニの周りにもいい人がたくさん現れるはずですよ」
イギョン:「・・・。」

ジヒョンの言葉に、イギョンは目に涙を浮かべて微笑みます。

+-+-+-+

ガンは事務室でぼんやり考え事をしていました。
そこへ「おい、ガン!」と駆け降りてきたのは支配人でした。

支配人:「(ニコニコ)ジヒョンさんが来たぞ!」
ガン:「!!!… ジヒョンが?!」

ジヒョンはHEAVENの庭で、じっとその大好きな場所を見つめていました。
目に焼き付けるかのように…。

そこへ出てきたガン。
彼女の後ろ姿をしばらく見つめていた彼は…

ガン:「おい、シン・ジヒョン」
ジヒョン:「!(振り返る)」
ガン:「病院にいなきゃいけないのに、こんなところで何してんだ?」
ジヒョン:「病院抜け出しちゃった。あんたと行きたいところがあって」
ガン:「… どこに?」

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ガンはジヒョンを助手席に乗せ、車を走らせていました。

ジヒョン:「私、キムパプ作って彼氏とピクニックに行ったことなかったから」
ガン:「(笑って)俺、いつからお前の彼氏になったんだよ」
ジヒョン:「あ…そんなんじゃなくて…」
ガン:「えらく回りくどいこと言うんだな。おい、好きなら好きだって言えよ」
ジヒョン:「(笑)そうだ、mp3忘れちゃった。あんた持ってる?」
ガン:「mp3を何で?」
ジヒョン:「それもピクニックの必須アイテムの一つよ」
ガン:「mp3も借りて、車も借りて、次は何借りるんだ?」
ジヒョン:「… あんた」
ガン:「… え?」

驚いて彼女を見るガンを、ジヒョンは静かに見つめ返します。

ジヒョン:「ハン・ガン、一日だけあんたを貸してよ。私の彼氏として」
ガン:「・・・・。」

何も言わず、深刻な顔で前を向き直るガン。

ジヒョン:「… 嫌?」
ガン:「ならお前も… 明日一日だけ貸してくれ。俺の彼女として」
ジヒョン:「・・・。」

#放送時は気付かなかったんですが、「明日」って言ってるんですね、ガンは(涙)

+-+-+-+

気持ちのいい公園でお弁当を広げる二人。

ジヒョン:「ジャジャーン!シン・ジヒョン印のキムパプ登場よ^^」
ガン:「お前が作ったのか?」
ジヒョン:「あんた、私が意識失ってる間、お父さんとお母さんの面倒みてくれてたんでしょ。感謝の印よ」

キムパプを掴み、口に放り込むガン。

ジヒョン:「どう?」
ガン:「何て味だよ」
ジヒョン:「?」
ガン:「ほうれん草一つちゃんと選んで買えないのか」
ジヒョン:「美味しくない?」
ガン:「不味かったら食べるか?」

そう言ってジヒョンの口にもキムパプを一つ放り込み、ガンは微笑みます。

ガン:「これ、シン・ジヒョン印のキムパプなんだろ」

携帯のカメラでお弁当を撮ったガンは、ついでのように「カシャッ」とジヒョンに向けてシャッターを。

ジヒョン:「ちょっとー!撮らないでよー!」
ガン:「…^^」

+-+-+-+

一つのイヤホンを分けあい、ぼんやりと音楽を聴く二人。


はたと思いついたガンはわざとらしそうに携帯の写真を見始め…

ガン:「いやぁ、どこん家の息子なんだか…よく撮れてるなぁ」

そこに写っているのはガンの姿でした。
覗き込み、「チッ」と笑うジヒョン。でも、携帯の画面は横目でしっかり見つめます。

ガン:「(別の写真に切り替え)どこん家の娘なんだか、ホント…」
ジヒョン:「ホントに可愛いでしょ!」
ガン:「ホントに駄目だな」
ジヒョン:「・・。」
ガン:「(写真をツンツン)これ、キムパプを思いっきりほお張ってるの見てみろ」
ジヒョン:「ちょっと!こっちに貸しなさいよ」

知らんぷりで携帯の中のジヒョンの写真で遊び、ガンはまたふざけてジヒョンにカメラを向けます。

ジヒョン:「早く貸しなって!人の写真好きなだけ撮っといて遊ぶなんて!」

ガンから携帯を取り上げようとした時、ガンの服からポロリと何かがこぼれ落ちます。

ジヒョン:「・・・。」

それは、ガンの母親の形見、あのブレスレットでした。

※久しぶりなのでちょっと記憶をたぐり寄せると(笑) 「高校時代、花見祭で喧嘩してジヒョンが落とす→ガンが拾う→返せないままずっとガンが持ってる→母の命日にガンがイギョン(ジ)に返す→イギョンがガンに返す」 で合ってたかな^^;

ガン:「あ… これは」
ジヒョン:「これ、あんたが持ってたの?!」
ガン:「・・・。」
ジヒョン:「・・・。けど、ホントはこれ、あんたのお母さんがくれたの」
ガン:「・・・?」
ジヒョン:「もうあたしのこと嫌いじゃないって分かったから話してあげるけど、実はあんたのお母さんと仲良しだったの」
ガン:「?!」
ジヒョン:「知らなかったでしょ」
ガン:「母さんと… 親しかったって?」
ジヒョン:「・・・。」

~~それは高校時代~~

ガンが自宅に寄り付かない代わりに、ジヒョンは彼の家を訪ね、彼の母親とすっかり仲良くなっていました。
庭で楽しく夕飯を食べる二人。

ガン母:「美味しそうに食べるからホントに可愛いね」
ジヒョン:「ガンは食べもしないんでしょう?それなのにどうして毎日作るんですか?」
ガン母:「今まで何もしてやれなかったから。一口でも食べさせたくてね」
ジヒョン:「・・・。ハン・ガンはどうしてそんなにおばさんのこと憎んでるんですか?」
ガン母:「ガンが知りたがってたこと、私は話してやらなかったからね」
ジヒョン:「どうして?」
ガン母:「すごく愛してるとね、誤解されても言えないことがあるのよ」
ジヒョン:「・・・。」
ガン母:「言えばガンがもっと傷つくから」

考えこむジヒョン。

ガン母:「愛し過ぎるとそうなるのね。誤解されて言い訳もしないで…。相手が傷つくより自分が誤解されるほうがマシだってね」
ジヒョン:「・・・。」

~~~~~~~~~~

当時の彼女の話が今はよく理解できるジヒョン。
イギョン(ジ)が49日の挑戦を諦めようとしたとき、事務室でガンに言った言葉がありました。

イギョン(ジ):「前にある人が言ってたわ。愛してるから誤解させるんだって。それが相手を傷つけないためだって。すごく愛してるとそうなるんだって」

~~~~~~~~~~

あのときのイギョン(ジ)の言葉を、ガンは今、ジヒョンと歩きながら思い出していました。
彼はそっと、隣にいるジヒョンを見つめます。

ガン(心の声):「母さんの言ったことを伝えてくれてたんだな…」

ジヒョンがじっと前を見つめたまま口を開きます。

ジヒョン:「今は分かる気がする。あんたのお母さんが言ったことも、その気持ちも…。
ガン:「…そうだな。気持ちを隠すのは、知らずにいるよりずっと辛いことだから」
ジヒョン:「・・・。」

そう。お互いを思い、相手のために辛い心をじっと隠している二人。

ふとジヒョンが足を止めます。

ガン:「?」
ジヒョン:「!」

「気持ちを隠すのは、知らずにいるよりずっと辛いこと」
…ガンが言ったのは、イギョンの体を借りた自分の言葉でした。何も言えずガンを見つめるジヒョン。

ジヒョン:「・・・。」
ガン:「… (気まずくて)何でウチに遊びに来てたんだよ?俺もいないのに」
ジヒョン:「あ… あんたがあんまり家にいないから、あたしが友だちになって差し上げたのよ」

ふっと笑ったガンは彼女の手を掴み、歩き出します。

+-+-+-+

ガンが彼女を連れて来たのは、ある大きなオブジェのある場所でした。

ジヒョン:「どうしてここに?」
ガン:「ここに…お金を投げて願い事をすれば叶うんだってさ」
ジヒョン:「ホント?ちょうど良かった。願い事があったんだよね」

静かに微笑み、ポケットから出した小銭を1枚差し出すガン。
ジヒョンはそれを受け取り、チャリンと投げて手を合わせます。

ガン:「・・・。」

目を閉じる彼女をじっと見つめるガン。

~~それはここへ来る前のこと~~

ガンの事務室をイギョンが訪ねていました。

イギョン:「ガンさんには言うなってジヒョンさんに言われたんですけど、これまでだってあんなに寂しくて辛かったのに…」
ガン:「・・・。」
イギョン:「今になってまた、残される人のために一人であんなふうにしてるのがいたたまれなくて…」
ガン:「・・・。」
イギョン:「ジヒョンさんの望みどおり見送ってあげるには…辛いだろうけど、ガンさんは知っていたほうがいいと思って」
ガン:「・・・。」
イギョン:「私には… ジヒョンさんの心情が理解できるから」
ガン:「… 僕の一番の願いは…ジヒョンが生きることだったのに」
イギョン:「・・・。」
ガン:「本当にそんなことがあるって?一生会えなくてもいいから、生きてさえいてくれればいいのに」
イギョン:「・・・。」

無言のイギョンに、ガンの声は震え、瞳に涙が滲みます。

~~~~~~~~~~~~

そう、ガンは全て知っていたのです。
知っていながら、愛するジヒョンの気持ちの汲み、知らないふりをして付き合っていたなんて…。

願い事をする彼女の横顔を見つめるうち、自分も目を閉じるガン。

ガン(心の声):「ジヒョンが僕のそばで生きられますように…」
ジヒョン(心の声):「ガンが私のことを忘れられますように…」

目を開けるジヒョンですが…

ガン:「(目を閉じたまま)目、つぶれよ」

素直に「うん」とふたたび目を閉じるジヒョン。

そして、静かに目を開いたとき、二人は穏やかに笑いあうのでした。

+-+-+-+

ガンは車を走らせていました。
一人で…。

ガン:「そうだ。良くやった…。ハン・ガン、これで良かったんだ」

震える声で、懸命に自分に言い聞かせるガン。

ガン:「けど、何でこんなに不安なんだろう」

+-+-+-+

病室に戻ったジヒョンはシャワーを浴び、寝間着に着替えていました。

ジヒョン:「あぁ、さっぱりした」
母:「疲れてるんだから、さっとシャワーすればいいのに。お風呂に入ったの?」
ジヒョン:「ちっとも疲れてないわ。今日はすご~く楽しくて幸せだったもの!」

「ふふふ」と笑う母と娘。

父:「誰と何して来たんだ?そんなに楽しくて幸せだなんて」
ジヒョン:「(笑)お父さん、早かったのね!」

父に駆け寄ったジヒョンは父にそっと話しかけます。

ジヒョン:「お父さん、どうして幸せなのかお父さんだけに言ってあげようか?」
父:「父さんだけに?」

うんうんと頷いたジヒョンは、父の耳元にこっそり…

ジヒョン:「お父さんの娘に生まれてすごく幸せだったわ^^」
父:「!!!…おぉ~そうか!」

あまりの喜びに満面の笑みで娘を抱きしめる父。

母:「また父娘で私のこと仲間はずれにしてるのね」
ジヒョン:「ちがうよーーー」

そして、母の元へ戻ってきたジヒョンは、愛おしそうに母にしがみつきます。

ジヒョン:「お母さ~ん!(囁き)お母さんの娘に生まれて幸せだったわ!」
ガン:「本当?!^^」
ジヒョン:「私、すご~く幸せだった」

ひとしきり笑い合って、母から体を離すジヒョン。
数歩、進んだ彼女は突然立ち止まります。

ジヒョン:「!!!… あ!」

お腹を押さえ、苦しみだした彼女は、あっという間にその場に崩れ落ち…。

母:「どうしたの、ジヒョン!!!!」
父:「チョ博士を呼んでくるんだ!!!」

狼狽する両親の声を遠くに聞きながら、ジヒョンは静かに目を閉じます。

+-+-+-+

静かに目を開けたジヒョン。

それは彼女の体ではなく、魂でした。

体からゆっくりと起き上がると、そこに立っていたのはスケジューラ。
彼は優しく微笑み、黙って彼女に手を差し伸べます。
素直にその手を取り、立ち上がるジヒョン。

ジヒョン:「本当に待ってたんだね…」

彼はそれには答えず、丁重に頭を下げます。

スケジューラ:「これまで本当に…本当にお疲れ様でした」
ジヒョン:「・・・。」

彼女の背後で、娘の名を叫ぶ父の声が響きます。

父:「ジヒョン!!!」

静かに振り返るジヒョン。
そこには、父に抱きしめられる抜け殻になった自分の姿がありました。
思いを断ち切るように向き直った彼女は…

ジヒョン:「早く行こう」

黙って頷いたスケジューラは、「ついて来て」と彼女の前に立って歩き出します。
病室を出ていこうとするジヒョンの背後に再び聞こえてくる父の泣き声。

父:「ジヒョン…!」

立ち止まり、思わず振り返ろうとする彼女。

スケジューラ:「・・・。」

しかし、彼女は振り返ることなく、再び歩き出すのでした。

+-+-+-+

病院の廊下を進むと、そのエレベーターは静かに主を待っていました。
前まで来て、彼女を振り返ったスケジューラは、黙って握手の手を差し出します。
握り返すジヒョン。

そうして二人は、何も言わずに見つめ合ったまま握手を交わします。

そして…。

彼が柔らかくかざしたその指先の向こうで、すっと開くエレベーターの扉。

ジヒョン:「・・・。」

まっすぐエレベーターに乗り込んだジヒョンは、振り返って彼をじっと見つめます。

ゆっくりと閉まっていく扉の向こうで。

笑顔のまま…。

+-+-+-+

ジヒョンの病室。

そこには、娘の横で苦しそうに泣き崩れる母親の姿がありました。
その隣に、悲しみにうなだれる父。

チョ博士:「交通事故が原因の外傷性腹部大動脈瘤破裂による急死だ」
父:「こんなに突然逝っちまうなんてあるか!!!」
チョ博士:「大動脈瘤の損傷があれば…時限爆弾のように、いつだって破裂する可能性がある」
父:「・・・。」

そこへ飛び込んできたのは… ガンでした。
涙で赤くなったその目の先には、白い布ですっぽりと覆われた彼女の姿。

ガン:「・・・。」

ガンは黙ったまま、静かに横たわる彼女を見つめます。
目から溢れ、零れ落ちる涙。

+-+-+-+

田舎の農園。

会社を離れたインジョンは、農家で作業を手伝っていました。
ふと、彼女のポケットの中で携帯が鳴り始めます。

インジョン:「もしもし?・・・。」

そう言ったきり、電話を落としてしまう彼女。
その場に崩れ落ちた彼女の目からも、ボロボロと涙がこぼれ落ちます。

+-+-+-+

ミノは収容先で取り調べを受けていました。
調査官が受話器を差し出します。

調査官:「電話です」

ミノ:「(受話器を取り)はい」
インジョン(電話):「オッパ…。ジヒョンが… 死んだわ」
ミノ:「… え?」

呆然とする彼の目から流れたのは、純粋で美しい一筋の涙。

+-+-+-+

ジヒョンの葬儀会場では、彼女の死を悲しむ人たちが涙を流していました。

両親、ソウ。イギョン。

HEAVENの人たち、そして、彼女が昏睡状態のときは真実の涙を流さなかった同級生たちも。

そして…

そっとやって来たインジョンもまた、遺影の中で微笑むジヒョンを見つめて涙を流します。

+-+-+-+

葬儀後。

友人たちが見守る中、小さな記念樹と共に、愛するガンの手によってジヒョンは埋葬されます。

+-+-+-+

薄暗い独房。

そこにも一人、ジヒョンを思い、嗚咽するミノの姿がありました。

+-+-+-+

ジヒョンの家。

葬儀を終え、帰宅した両親がやって来たのは、娘の部屋でした。
そこは驚くほど綺麗に片付けられており…。

父:「あいつ… 自分が死ぬって分かってたみたいに片付けて」
母:「家に戻ってきた日、夜通し片付けたみたい」
父:「ジヒョンが逝った日、君の耳元で何て言ったんだ?」
母:「お母さんの娘に生まれて幸せだったって」
父:「・・・。」
母:「あなたには?」
父:「お父さんの娘に生まれて幸せだったと…」
母:「・・・。私たちに挨拶して逝くために、しばらく目覚めたんだわ」

静かに頷く父。
そうして、二人は黙ったまま、じっとそこに立っていました。

+-+-+-+

ガンは事務室のソファで一人、何も出来ずにぼんやりと横になっていました。
そこへ「ちょっと、ハン・ガン!」… 聞き慣れた懐かしい声が聞こえてきます。

ガン:「!!!」

ハッと目を開け、辺りを見回すガン。
起き上がったものの、やはり彼女の姿はなく、ため息をつく彼の目に止まったのは、以前彼女が預けて行った箱でした。

そこに入っていたのは、「ハン・ガン社長へ」と書かれた封筒。
彼は中に入っていた便箋をそっと開きます。

手紙:「私はソン・イギョンです。ここにある物は私に必ずお返しください。私にとって大切な物です。私は友人を必要としている人です。ハン・ガンさんが、寄りかかれる人が誰もいない私の友だちになっていれると嬉しいです。シン・ジヒョンのいい友人だったように…」

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ガンが持ってきた箱を開けてみたイギョンは、小さくため息をつきます。

イギョン:「… まだあったなんて。5年前に会社で使ってた物なんです」
ガン:「・・・。ジヒョンはおせっかいですからね」

そのとき、イギョンは箱の中のある物に気付き、ハッと驚きます。
彼女が手に取ったのは、可愛いハートのキーホルダーが付いた、何かのカギ。

イギョン:「驚いたわ…。イスのものなんです」
ガン:「イスって?」
イギョン:「ジヒョンさんがしてくれたんだけど… 私、イスが遺したものの整理もしてあげられなかったんです」

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イギョンがやって来たのは、イスが生前よく来ていたライブハウス。
そこは当時のまま、荒れた状態で残っていました。

彼女は散らかったその部屋の中で、迷わず隅っこにあるロッカーに向かいます。
持ってきたカギでそのロッカーを開ける彼女。

付き添って来たガンが後ろで見守ります。

そこには…。

彼の使っていた楽譜やノートが高く積まれており、ふとその奥に目をやると…
小さなピンクのリュック。

イギョン:「!!!…これがどうして?昔、全部捨てたのに」
ガン:「何です?それは」
イギョン:「春川で捨てられた時に持ってたんですけど、孤児院を出るときに処分したんです」

中を開けると、そこにはピンクの靴が入っていました。

イギョンが手に取ったその靴を、じっと見つめるガン。

イギョン:「(ため息)これ、持って来てたのね」

リュックの中をもう一度探ってみたイギョンは、そこに一冊の通帳が入っているのに気付きます。

~~~~~~~~

高校時代のイスとイギョン。
二人仲良く銀行にやってくると、イスは窓口で「通帳一つ作ってください」と告げ、イギョンに学生証を出すよう声を掛けます。

イギョン:「どうして私の名前で作るの?」
イス:「俺、学生証持って来てなくってさ、絶対必要なんだ」

ニッコリ笑って学生証を出すイギョン。

彼が書類に記入する間、イギョンは貰ったバラの花を大切に持って、彼のことをおとなしく待っています。
花見祭でジヒョンたちに会った、あの日ですね…。

そんな彼女の姿をいとおしそうに眺めながら、書類に彼女の名前を書き込むイス。
振込依頼書に書いた、その名前は…

姓名「イギョン、イスだよ」

~~~~~~~~

イスが遺した通帳を見つめるイギョン。

そこには、コツコツとイスが通帳に振り込んでいた記録と、「振込人欄」に並ぶ彼からのメッセージが並んでいました。

「イギョン、イスだよ」
「俺が約束してた」
「イウォルのペンションを」
「お前にプレゼントしたくて」
「通帳を作ったんだ」
「これからも少しずつ」
「俺たちの夢が」
「たまっていくはずだ」
「辛いことがあっても」
「二人一緒にいれば」
「乗り越えられる」
「これは秘密なんだけど」
「実はソン・イギョンの方が」
「ソン・イスの保護者なんだ」
「俺が生きていく」
「理由をくれたから」
「この世で俺を」
「必要とする」
「唯一の人なんだ」

イギョンを愛するイスの精一杯の気持ちが込められた1冊の通帳。
5年のときを経てイギョンの元へやって来たその通帳を、イギョンは大切に抱きしめ、イスを思って泣きます。

そんなイギョンを見つめていたのは…

イス。

イス:「あぁ…だから、元気出してくれ。泣きやんでくれよ…」

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イギョンと別れたガンがやって来たのは、ジヒョンの家でした。
中に入ると、何やらジヒョンの両親が言い争っている様子。

父:「この写真、捨てずにずっと持ってたのか?!」

責める夫に何も答えず、母はじっとアルバムの写真を見つめます。

父:「ジヒョンだけで飽き足らずに、とっくに死んだ子まで思い出してどうする?!」
母:「恋しく思い出しながら生きていきたいのよ!」
父:「・・・。」
母:「子どもたちがみんな先立ってしまって、何を慰めに生きろっていうのよ」
父:「(辛くてたまらず、アルバムを取り上げようと)頼むから、もう片付けよう。な?」
母:「いや!(アルバムにしがみつき)放っておいて!!!」
父:「あぁ、そうか。好きにしろ!!!」

立ち上がり、自室に戻ってしまう父。
ガンは、アルバムから剥がれて下に落ちてしまった写真を一枚、拾い上げます。
初めて、横にガンがいることに気付く母。

母:「ハン社長… どうしたの?」
ガン:「どうしていらっしゃるかと思って」
母:「・・・。」

母は彼から受け取った一枚の写真を見つめます。
リュックを背負い、カメラに向かって微笑んでいる少女の写真。

ガン:「お母さん、これは… 誰なんです?」
母:「ジヒョンの姉なの」
ガン:「ジヒョンに… お姉さんが?!」
母:「…いたのよ」
ガン:「!」
母:「ジヒョンみたいに埋葬してもやれないで… 胸に刻んでおくことさえ出来なかった子」
ガン:「・・・。」
母:「ジミン…!」

~~~~~~~~

幼い頃。

ジミンが買ってもらったばかりの新しいピンクの靴を履こうとすると、
トコトコと駆けてきて片方を奪って逃げる子が。

ジミン:「ジヒョン!」

姉から奪った靴を嬉しそうに履いてみるジヒョン。
そんな妹を、ジミンは怒るでもなく好きにさせ、残された片方を履きます。

~~~~~~~~

母(声):「年子だったんだけど、ジヒョンは何でもお姉ちゃんと同じじゃないと嫌だって大騒ぎだったの」

~~~~~~~~

結局、優しいお母さんにお揃いのピンクの靴を買ってもらったジヒョン。
二人の姉妹を連れ、母はピクニックに行こうと駅へやって来ます。

ふと、風船を持って通りかかった子どもを見かけたジヒョンは、母親が目を離した好きにその子を追いかけて行ってしまい…

ジミン:「お母さん、ジヒョンが!」
母:「え?ジヒョン?!(ジミンに)ここにいてね」

「ジヒョン!」とジヒョンを追いかける母。

そんな母娘の姿を、隣でじっと見つめている女性の姿があることに、そのときは誰も気づいていませんでした。

すぐにジヒョンの姿を見つけた母親は、彼女の手を引いて、元いた場所へ戻ってきます。

母:「?!」

そこに、ジミンの姿はありませんでした。

泣きながら娘の名を呼び、ジヒョンの手を引いて彷徨い歩く母…。
周りには、そんな非常事態を遠巻きに眺める人たちがいるだけで、どんなに呼んでも、どんなに探しても、大切な娘の姿はありません。

~~~~~~~~

ジミンの写真を見つめながら、ポツリポツリと母はガンに話します。

母:「1週間にお金を要求する電話が2回掛かってきて… そのたびにお金を持って出かけたわ。でも、誰もいなかった。それからはもう連絡が来ることはなかったの」
ガン:「ジヒョンは全く覚えていないんですか?」
母:「しばらくはお姉ちゃんを探して泣いていたけれど… あの子はすごく幼かったから、そのうちに忘れてしまったわ」

写真を受け取り、じっと見入るガン。
それには理由がありました。

ガン:「これと同じカバンと靴を持っている人を知ってるんですが… その人も両親がいないんです」
母:「!!!靴と… カバン?」

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さっそくイギョンの家にジヒョン母を連れて来るガン。
突然の話にイギョンは警戒を隠せません。

イギョン:「一体何をおっしゃってるんですか?どうしてリュックを?」
ガン:「ジヒョンには行方不明のお姉さんがいるんですが」
イギョン:「・・・。」
ガン:「イギョンさんが持っているリュックと靴… 同じ物を持ってたんです」

カバンから姉妹の写真を出し、そっとイギョンの前に置くジヒョン母。

ジヒョン母:「写真を見て」
イギョン:「(かたくなに)いいえ。私、確かに母に捨てられたんです」
ジヒョン母:「そう言わずに… 靴とリュック、一度だけ見せてほしいの」
イギョン:「・・・。」
ガン:「そうですよ、イギョンさん。確認だけさせてください」

逸らしていた目を初めてジヒョン母に向けたイギョン。
穏やかにうなずく彼女に背中を押され、イギョンはクローゼットへ向かいます。

イギョン:「ジヒョンがお姉ちゃんと同じ物を欲しがるものだから、ジヒョンは太陽、ジミンは星の印をつけて区別していたの。ジミンは星が好きだったから」

イギョンはクローゼットから出してきたリュックを黙って差し出します。

ジヒョン母:「!!!」

ため息とも驚きともつかぬ息を漏らし、思わずそのリュックを手に取るジヒョン母。
蓋を開いてみると、そこには星のマークが描かれていました。
ジヒョン母は何も言えず、ただただその星を見つめます。

ガン:「これは…!星の絵のようですね」
イギョン:「きっと私が描いたんです」
ガン:「!」
ジヒョン母:「あなたが描いたのよ」
イギョン:「・・・。」

そして、中を探ると、そこには写真に写っているのと全く同じ靴が入っていました。
そこにも刺繍で星のマークが描かれています。

ジヒョン母:「!!!… これは私が縫いつけたの」
イギョン:「・・・。」

顔をあげ、イギョンを見つめて涙を流す母。

母:「あぁ!生きていたのね!!!」
イギョン:「・・・。」
母:「ジミンが生きていたんだわ!!!」
イギョン:「・・・。」

あまりの展開にまだ反応できないまま、泣き崩れる母をまっすぐ見つめるイギョンの目にも涙が滲みます。

※整理すると、イギョンが自分を捨てたと思っていた母親は、実の母親ではなく、自分を誘拐した犯人。「弟が生まれてからは…」と前に言ったのも、その犯人に生まれた子ども。ここで二人の関係がわかったとき「弟が生まれてからは…」のセリフを思い出し、「ずるい!」と叫んだのを覚えてます^^;

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そんな様子をそばで見守っていたスケジューラは、これまでのことを思い出していました。

スケジューラ(ジヒョンへのセリフ):「純度100%の涙、両親、兄弟血縁を除いてな!」

そう、イギョンが流した涙がネックレスにたまらなかったのは、彼女がジヒョンの実の姉だったからなのです。

スケジューラ:「イギョンが…シン・ジヒョンの姉さんだって?!」

~~~~~~~~

ジヒョンを誘導し、エレベーターへと向かっていたときのこと。
ジヒョンが彼の後ろでふと足を止めます。

ジヒョン:「ところでさ、残りの涙2滴は誰のだったの?」
スケジューラ:「逝く前に知りたくなったか?」
ジヒョン:「今度はもう戻って来られないから、知ってから逝きたいの。一番最初はガンで… あとの2滴はソウとイギョンオンニでしょ?」
スケジューラ:「・・・。パク・ソウは合ってるけど、ソン・イギョンじゃない」
ジヒョン:「?!… じゃあ、誰なの?」

~~~~~~~~

さらに時は遡り…

インジョンはミノに言われ、呼吸器を外そうとジヒョンのベッド脇へやって来ます。
彼女に付いて病室へ入ったジヒョン(魂)は、硬い表情でベッドの上の自分を見つめるインジョンに只ならぬ気配を感じ…

ジヒョン:「シン・インジョン!どうしたの?何するつもり?」

インジョンの手がゆっくり…ゆっくりとジヒョンの口元へ伸びます。

ジヒョン:「シン・インジョン、ダメよ!インジョン、やめて!!!きゃー!」

思わず叫んで座り込んでしまうジヒョン。
そのとき、ハッとして後ろを振り返ったインジョンは、ちょうどそこにあった鏡に写っていた自分の姿に驚愕し、我に返ります。

インジョン:「はっ!!!」

恐る恐る、自分の姿とベッドのジヒョンを見比べ、後ずさりするインジョン。
彼女は震える手を見つめます。

インジョン:「私、今何てことを…!何てこと…!そんな…!私、あんたのこと…」

恐怖にしゃがみこんだまま、そっと顔を上げるジヒョン。

インジョン:「(ベッドに向かって)ジヒョン、私、今何てことしてたの…?何てことしてたのかしら…!どうしてあんたのこと… こんなこと望んでたわけじゃないのに!!!」

ボロボロと涙を流し、物言わぬジヒョンに話すインジョン。
彼女の頭の中には、ミノと出会い、恋に落ちたあの夜のことが蘇っていました。
そして、失ってしまった大切な人たちのことも…。

~~~~

ミノ:「呼吸器を外せ」
ソウ:「あんたとは今この瞬間、終わりよ!!!」

~~~~

インジョン:「私自身だった。あんたのせいなんかじゃなくて…自分のせいだったんだわ」

インジョンの言葉に、ジヒョンも声を押し殺し、泣き崩れていました。

インジョン:「私がひがんだせいで、あんたが死にそうになったのよ。オッパを騙したのも、あんたをこんな目に遭わせたのも、ソウを失ったのも、私が壊れたのも…全部、私自身のせいだわ」

インジョンは力なく、床の上に跪きます。

インジョン:「ジヒョン…。私が悪かった。本当に… 私が悪かったわ」

・・・・。

どのくらいの間、そうしていたでしょう。
床の上に座り込んでいたインジョンがそっと立ち上がります。
再びベッドの上のジヒョンに近づくインジョン。

インジョン:「ジヒョン…。ごめんね」

そっと伸ばした彼女の手は、今度は呼吸器ではなく、ジヒョンの頬をそっと撫でます。

~~~~~~~~

そして、そんなことがあった後。

ミノの部屋を訪れ、彼を見下ろしたインジョンの目は冷たく、怖いほど落ち着いていました。

インジョン:「私、ジヒョンの呼吸器を外しに行ってたの」
ミノ:「お前、気でも狂ったか?俺みたいに頭のおかしい奴がヤレと言ったからってなぜ…」
インジョン:「ううん。オッパは本気でヤラせようとしたわけじゃない。そのくらい怖くて辛かっただけ。私も気がおかしくなってたのよ。愛することも…憎むこともできないジヒョンのことで」
ミノ:「・・・。」
インジョン:「オッパ、私たち… もうやめましょう。ううん、やめなきゃダメよ」
ミノ:「とっくの昔に手を引けといったろ。ここを去れと金まで渡したのに!!!」
インジョン:「オッパはジヒョンのお父さんが脳腫瘍だと知って、シンカの不渡りを保留にしたでしょう?どうしてなの?いつ亡くなるかも分からないジヒョンのお父さんを、不渡りにまで陥れることが出来なかったからでしょう?」
ミノ:「遺言状を手に入れるためにしたことだ」
インジョン:「不渡りが出れば遺言状なんて必要ない状況だったわ」
ミノ:「・・・。」
インジョン:「それなのにオッパは、チョン理事とヒョクサンを脅迫までして不渡りを出せないようにしたですって?」
ミノ:「!!!」

初めて顔を上げ、ハッとしたようにインジョンを見つめるミノ。

インジョン:「そうしたのはなぜ?」
ミノ:「・・・。」

気を取り直すように立ち上がったミノは、あくまでも冷静に答えます。

ミノ:「シン社長に最小限の配慮をしたまでだ。あのときは手術を受けないと言い張っていたから。どうせ死ぬ人だったからな」
インジョン:「申し訳ないからよ。1年半、ジヒョンのご両親と情を深めて、オッパを信じてくださったお二人が気がかりだったからでしょう?!だから踏みとどまったんじゃない」
ミノ:「あのとき保留にするんじゃなかった」
インジョン:「心にもないこと言わないで!」
ミノ:「俺は絶対にやめられない。ズタズタに裂けても!!!…続けるから」
インジョン:「・・・。」

~~~~~~~~

インジョンはミノの母親の元を訪ねていました。

インジョン:「ジニョンさんから預かった封筒があるでしょう、お母さん!」
ミノ母:「何言ってるんだ、この娘は!知ってても言わないさ!」
インジョン:「お母さん!ミノさんを愛していらっしゃるでしょう?それなら封筒をください。じゃないとミノさんが駄目になってしまうんです!」
ミノ母:「?」
インジョン:「(目に涙を溜め)お母さん、どうかお願いです。ミノさん、おかしくなってしまったんです。お母さんの愛する息子カン・ミノが、父親よりも…もっと悪い人間になろうとしているんですよ!」
ミノ母:「・・・。」

耳を貸そうとしなかったミノの母も、インジョンの必死の訴えに驚いたように彼女を見つめます。

~~~~~~~~

郵便局の窓口で一通の封筒を差し出すインジョン。
そこには「検事さま宛」と書かれていました。

インジョン:「速達でお願いします」

全てを終わらせ、外へ出てきたインジョンは、もう本人の前では言えないジヒョンへの思いを、心のなかで語ります。

インジョン:「ジヒョン…。時間を巻き戻したいわ。純粋なあんたの気持ちを誤解することもなく、あんたに真心で接したあの頃に… 戻りたい。お互い目が合うだけで笑顔になれた… あの頃に」

そんなインジョンの瞳から…
一筋の涙が。

ちょうどそのとき…

ジヒョンの涙のペンダントに3滴目の涙が宿ったのです。

~~~~~~~~

再び、スケジューラーと共にエレベーターへと向かうジヒョン。

スケジューラ:「3滴目の涙は… シン・インジョンだ」
ジヒョン:「… インジョン?!イギョンオンニだと思ってたけど… インジョンだったのね。あの子ったら!偽りじゃないと思ったわ!」

喜ぶ彼女に、静かにうなずくスケジューラ。
満足気に微笑み、ジヒョンはまたゆっくりと歩き始めます。

~~~~~~~~

そして現在。

ジヒョンは血のつながった妹だと知ったイギョン。
でも、ようやく分かったそのとき、大切な妹はもう彼女のそばにはいませんでした。

どうしようもない悲しみと後悔に涙は止まりません。

イギョン:「ジヒョン…!ジヒョン!」

声を掛けることも抱きしめることも出来ず、イスはただ彼女を見つめます。

イギョン:「あなたが妹だったなんて…。もっと早く気付くべきだったのに。もっと私の体を使わせてあげられたのに!」

イス:「先輩が言ってたのはこれだったのか?」

~~~~~~~~

それは数日前のこと。

スケジューラの任期終了を前に、願い事を叶えられる日が来たことを告げられた彼は…

スケジューラ:「あ、そうか!なんで確かめなかったんだろ。それじゃ… 明日イギョンに会えるんですか?」
先輩:「そのかわり、シン・ジヒョン旅行者のことは最後までしっかり面倒みて来なきゃ駄目だよ」
スケジューラ:「(真顔になり、うなずいて)…当然しっかりやるべきでしょう。そこはご心配なく」
先輩:「ところで…お前の願い事は相変わらずなのかい?誤解を解いて指輪を渡し、愛を確かめ合って。残される人には何の助けにもならん、あの願い事だよ」
スケジューラ:「何言ってんですか!5年の間あんなふうに生きてるのを見てるだけで気が狂いそうなのに!」
先輩:「ふふふ、どうしたんだい?若い奴らは、愛、愛!愛が全てだろうと思ってたがね」
スケジューラ:「先輩!わざと俺の記憶と先に戻したでしょ!それでイギョンの暮らしっぷりを見せて願い事を変えさせようって!そうなんでしょ!」
先輩:「ははは!それなりに頭は回ってるようだね」
スケジューラ:「シン・ジヒョンとイギョンが意思疎通できるようになったのは?それも何かあるんでしょ」
先輩:「シン・ジヒョンから聞いてなきゃ、5年ぶりに現れたお前を見て落ち着いていられるか?心臓麻痺でも起こしてその場でグッバイだ」
スケジューラ:「う~ん。そんなんじゃなくて…他に理由がありそうだけど?」
先輩:「それは見てれば分かるさ。つながって、こじれて…。ジヒョンとイギョン、あの子たちの縁はひょっとしたら来世まで続くかもしれないね」
スケジューラ:「それ… どういう意味なんです?」

~~~~~~~~

泣くだけ泣いて涙も枯れたイギョンは、ベッドの上に座ったまま、ぼんやりと前を見つめていました。

イス:「これで… お別れだ、イギョン。今日がスケジューラとしての最後の日なんだ。心安らかに逝けそうだ。ジヒョンの分まで…幸せに生きてくれ」

彼女に向かって、そっと指を伸ばしてみるイス。
その指は、彼女の頬の間近まで来て、すっと遠ざかります。

立ち上がり、もう一度彼女を振り返った彼の目から、笑顔と共に一筋の涙がこぼれ…。
ふと次の瞬間、そこには最初から誰もいなかったかのように、彼の姿は消えていました。

グッバイ、イス…

+-+-+-+

後日。

イギョンは食卓でテキパキと食事をしていました。
もうカップラーメンは食べません。
ご飯を炊き、ウィンナーと野菜の炒め物や、野菜のスープ、サラダをきちんと作って、食べながらPCで求人情報をチェックします。

『YRホテルリゾートレジャー コンサルタント営業』

+-+-+-+

ハン・ガンはハンガンのほとりで一人、たたずんでいました。

ガン(心の声):「ジヒョン…。今になってようやく、お前が何も言わずに逝きたかったワケが分かった気がする。一人で寂しく黙っていた代わりに、残された人たちがお前のお陰でなぐさめられるようにしたんだな。49日はお前の言ったように祝福だったんだと思う。たくさんのことが元の場所に戻ったから。お前も… どこかで幸せにな。ジヒョン… 」

******* 2年後 *******

故郷、チナンを歩いているインジョンの姿。
そこへ…

「早くおいでよ!!!」

明るい女子高生たちが彼女の前を通り過ぎます。

インジョン:「?!」

その瞬間、彼女の中でわっと蘇る、高校時代の自分たち。

遅刻しそうになって走っているジヒョンとソウの姿が近づいてきます。

ジヒョン:「パク・ソウ!早く!!!(ピンクパンサーだって走るでしょ?)」

そう叫び、息を弾ませながらインジョンの前を通り過ぎる二人。

~~~~~~~~

案の定、遅刻してしまった彼女たちは、廊下に正座し、ずっと手を上げていなければならない罰を3人仲良く受けていました。
(#冬ソナ1話でも、遅刻した生徒たちが正座して手を上げさせられてましたね。男子は腕立て伏せで^^)

そのとき…

「キュルキュルキュル…」

インジョンとソウの視線はジヒョンのお腹へ。
顔を見合わせた彼女たちは思わず「ぷっ」と吹き出します。
楽しそうに笑って、あたりの様子を伺ったインジョンは、ポケットからチョコパイを取り出して(#裸のまま入ってたよ!)半分に割り、片方をソウの口に、もう片方をジヒョンの口にポイッと入れてやります。
そして再び、さっと両手を上げ…^^

ソウとジヒョンは、インジョンが口に入れてくれたパイを半分かじり、残りをインジョンの口に押し込みます。
口からあふれたチョコパイを見て笑うジヒョン。

~~~~~~~~

キラキラと輝いていた高校時代の自分たち。
そんな姿を鮮明に思い出し、しばらくそこに佇んでいたインジョンは、やがて顔を上げ、懐かしいチナンの空をまっすぐ見上げるのでした。

+-+-+-+

刑務所。

インジョンはミノを訪ねていました。

インジョン:「オッパの顔を見るのは2年ぶりね。悪いところはどこもない?」
ミノ:「もう十分だから、来るのはこれで最後にするんだ。そう言おうと思って出てきた」
インジョン:「お母さん、少し前にチナンに転院したの」
ミノ:「・・・。」
インジョン:「空気がいいせいか、顔色がずいぶん良くなられたわ」
ミノ:「どうしてうちの母さんの面倒を?いつまで借りを作らせるつもりなんだ?!」
インジョン:「・・・。」
ミノ:「あと3年だ。3年」
インジョン:「あと3年だけ続けるわ。オッパがこうなったのは… 私のせいだから」
ミノ:「・・・。」
インジョン:「3年経ってオッパが出てきたら、そのときはオッパの意志に従う」
ミノ:「お前のせいじゃないんだ、インジョン。提案したのはお前だが、選択したのは自分自身だ。だから… 罪悪感や責任感を抱えたりせずに、俺なんかさっと掃き捨てて自分の道を行け。俺みたいな男を好きになった罪で、これ以上罰を受けるな」
インジョン:「オッパ。私、今、自分の道を進んでるのよ。最初からこうしてれば… どうしてそれができなくて、いろんな人を苦しめたのかしら…」
ミノ:「それは俺の方だ。お前にもすまないし、ジヒョンにもすまない。母さんにも申し訳なくて…。俺のほうがひどいよ」
インジョン:「・・・。」
ミノ:「”すまない”なんて言うのも申し訳ないくらいな」
インジョン:「あと3年、頑張ってみましょうよ。そのときになれば、きっとオッパも自分自身を許せるわ」
ミノ:「・・・。」

#◯年後っていう最終回の展開はあまり好きじゃないけど、この女子高生時代の記憶やミノ絡みのインジョンのシーンはすごくイイ!親友同士で一つのチョコパイを分け合うところなんて、よくぞこんな素敵なエピソードを入れてくれたなぁなんて、すごく感激しました。高校時代のインジョンがすごく可愛らしくて、それがまた涙を誘います。

+-+-+-+

ガンは建築現場で図面を広げ、現場監督相手に憤慨中。

ガン:「全く!立体図と平面図、両方見ながらやってくれって何回も言ったでしょう!!!窓の位置が違うじゃないですか!」
現場監督:「あ、それは… 設計がすごく独特だから」
ガン:「生コンが来るまでに型から付け直してください」
現場監督:「…はい」

そこへ電話が鳴ります。

ガン:「はい、ハン・ガンですが」

+-+-+-+

そして、今度はHEAVEN。

ウェイトレスとして働いているイギョンの視界に入って来たのは、おおきなお腹を抱えて階段を上がってくる支配人の妻の姿でした。
「おばさん!」と駆け寄ったイギョンの声は、以前とは比べものにならないほど明るく…。

支配人:「(妻に)おっと、気をつけなきゃ!連絡くれたら迎えに行くのに一人で来るなんて」
支配人妻:「(お腹をさすり)この子がお父さんをビックリさせたいって言うものだから^^」

うれしそうに笑い、妻のお腹に耳をくっつける支配人。

イギョン:「支配人に会いにいらっしゃったんですか?」
支配人妻:「イギョンさんったら!今日はイギョンさんが最後の日だから会いに来たのよ^^」
イギョン:「・・・。」
支配人妻:「(イギョンの手を取り)寂しくてたまらないわ」
イギョン:「赤ちゃんが生まれたら会いに来ますから^^」

笑顔でうなずく支配人の妻。

支配人:「さぁさぁ、イギョンさんは忙しいから、ファジュンさんは座って待っててくださいな」

彼は妻にピッタリ寄り添い、中へ案内します。
… と、そのすぐ近くの席では?

すっかり女らしくなったソウに熱烈アピールしているのは、HEAVENのジュニ。

ジュニ:「可愛い、可愛いよ!一番可愛い!」

そこへやってきたイギョン。

イギョン:「ジュニさん、昼休みの時間は終わりましたけど。事務室へ戻らないんですか?」
ジュニ:「(時計を見て)はっ!(ソウに)会ってまだ5分しか経ってないと思ってたのに!」
イギョン:「^^」
ソウ:「(イギョンに)ここ、パティシエは雇わないんですか?」
イギョン:「ソウさん、ここはベーカリーじゃないですから^^」
ソウ:「(ガッカリ)」

二人の微笑ましい姿に、イギョンはニコニコと微笑みます。
そこへやって来たのは精神外科医のキョンビン先生でした。

キョンビン:「イギョンさん!」

笑顔で駆け寄ったイギョンは、庭のテーブル席をすすめます。

キョンビン:「最後の日まで忙しそうですね」
イギョン:「えぇ。お昼ごはんまだでしょう?私もまだだから一緒に食べましょうよ^^」

ニッコリ微笑んでうなずくキョンビン。
イギョンが店内へ戻ろうとすると、店員のスンジョンが声を掛けます。

スンジョン:「座って話してなよ!私が持って来るから」
イギョン:「(席につく)」
スンジョン:「イギョンさんがヘミドに行ったら、先生はどうするんです?」
キョンビン:「何をどうするって?リゾートがオープンしたら遊びに行けばいいでしょう^^」
イギョン:「彼女もいないのにお一人で?」
キョンビン:「(うんうん)」
スンジョン:「おっ!!!お二人って… ホントに友だち同士だったのね~♪ 」
キョンビン:「ただの友だちってわけじゃないですよ」
スンジョン:「え?」
イギョン:「私が真っ暗なトンネルに閉じ込められて身動きできずにいたとき、道を見つけられるように手をさしのべて、明るく照らしてくれた… そんな友だちなんです」
キョンビン:「命の恩人とも言えるかな^^」
スンジョン:「・・・^^;」

そこへ急いで駆け込んできたのは… ガン。

ガン:「イギョンさん!」

さっと立ち上がったイギョンは、キョンビンの目の前に代わりにスンジョンを座らせ…

イギョン:「オンニとお話なさっててくださいね」
キョンビン:「^^」

ガン:「腹減って死にそうなんだけど、助けてくれますか?」
イギョン:「準備できてますよ」
ガン:「あぁ助かった。それ、持って来てくださいね」

+-+-+-+

ガンたちが事務室でミーティングをしているところへ、イギョンが昼食を持ってやって来ます。

イギョン:「どうぞ、社長」
ガン:「ありがとう」

そう言って、資料に視線を戻したガンは、ハッとして再び顔を上げます。

ガン:「あ、そうだ。今日はイギョンさん最後の日なのに送別会はしないのか?」
イギョン:「夕食は両親とすることにしたんです」
ガン:「あぁ、そうでしたね」
イギョン:「明日の約束、忘れないでくださいね」

イギョンが事務室を出ていくと、ガンは少し物思いにふけるようにぼんやりと前を見つめます。

+-+-+-+

ジヒョンの家。
そこでは、イギョンがジミンとして、両親と共に食卓を囲んでいました。

母:「考えれば考えるほど不思議だわ。こうなるのがわかってたみたいにホテル観光学科を専攻していたなんて」
父:「会うたびにそれだ。飽きないのか?」
母:「専攻もそっちだし、経歴だってあるのよ。経営支援部のチーム長くらい任せればいいのに、平社員からだって言い張るもんだから」
父:「あぁ、分かった。もういいから。娘だって素振りも見せずに無理やり入社させるだけでも大変だったんだ」
イギョン:「お母さん、私、試験に受かるのもギリギリだったんです^^;」
父:「それじゃあ、ヘミドへはいつ行くんだ?」
イギョン:「明日ジヒョンに会いに行って、明後日行こうと思ってるんです」
父:「そうか」
母:「ジヒョンが喜ぶわ」
イギョン:「・・・。」

言葉が出ず、父をチラリと見たイギョンに、父は優しくうなずきます。

イギョン:「(母に笑いかけ)そうですね^^」

+-+-+-+

翌日。

イギョンとガンはジヒョンの眠る樹の下へ来ていました。

イギョン(心の声):「ジヒョン。ハン・ガンさんは目が回るほど忙しくしてるわ。あなたが頼んだ通り、私のいい友だちになってくれたし。HEAVENの人たちに愛されたあなたの性格のおかげで、私もすんなり適応できたの」

ガン(心の声):「ジヒョン。人間はみんないつか死ぬと分かっていても、そう思いながらは生きられないけど、お前の49日のおかげで、俺は自分の人生をその49日のように生きてる」

ジヒョンが眠る樹の下を離れ、隣に仲良く並ぶイスの元へ移動する二人。

ガン(心の声):「死ぬ日がいつ来るのか分からずに生きていれば決して変わることのなかったことが、お前の49日のおかげで変わるのを見たから」

二人は持って来た花束を、それぞれジヒョンとイスにたむけます。

ガン(心の声):「ここに、僕たちにとって一番大切な二人がいます」
イギョン(心の声):「私たちの人生を変え、美しく逝った二人がいます」
ガン(心の声):「二人と共に過ごした49日のおかげで…」
イギョン(心の声):「私たちは今日が最後の日であるかのように… 大切に生きていきます」
ガン(心の声):「ジヒョン、お前に会えて…」
イギョン(心の声):「イス、あんたに会えて…」
ガン(心の声):「…幸せだった」
イギョン(心の声):「…幸せだったわ」

+-+-+-+


★チョ・ヒョンジェ(ハン・ガン役)、チョン・イル(イス役)の二人も参加の「49日」OST★

ここで「49日」全話の翻訳終了です。

愛が溢れる素晴らしいドラマでした。翻訳できて幸せです^^

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。


 - 49日(私の期限は49日)