韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

49日 19話あらすじ

   

韓国ドラマ「49日」19話です。

49日旅行の最終日。
ジヒョンはあと数時間を残し、エレベーターを呼ぶようスケジューラに頼みます。

もうすっかり覚悟を決めた彼女の様子に、黙って従うスケジューラ。
すると…

涙のネックレスがにわかに光を放ち始めます。

続きをどうぞ。

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涙のネックレスには1つ、また1つと新しい涙の粒。

ジヒョン:「あ…」
スケジューラ:「あ…?」
ジヒョン:「これ…」
スケジューラ:「あれ?これ…涙3滴か?おい!涙3滴だぞ!」
ジヒョン:「つまり…そうだよね」
スケジューラ:「おぉ~、シン・ジヒョン。よっぽど生き返る価値があったんだな。めちゃくちゃ稀なケースだぞ」
ジヒョン:「どうなったの?涙を流してくれる人、いないのに。ホントにいないの」
スケジューラ:「人間の心は変わるものだって言ったろ。永遠なんてものはないってな」
ジヒョン:「じゃあ、私、元に戻れるの?!」
スケジューラ:「誰が泣いたのか気になるだろ?」
ジヒョン:「言わないで!知りたくないの」
スケジューラ:「知りたくない?」
ジヒョン:「誰か知ってしまったら、私だってその3人だけ愛するようになるかもしれないわ」
スケジューラ:「賢明だな。了解。もう行けよ」
ジヒョン:「あんたと挨拶…」

ジヒョンが言い終わらないうちに、目の前のスケジューラの姿がどんどんボヤケていきます。

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目の前のジヒョンの姿が消えていき…
そこでスケジューラは取り残されます。

広い庭園を眺め、一人うなずくスケジューラ。

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ジヒョンの父が娘の病室へやって来ます。

娘にすがりついて泣くジヒョンの母を「どうしたんだ?」となだめようとする彼。
ふと娘の顔に目をやると…

ジヒョン父:「ジヒョン!!!!!」

娘ははっきりと目を開けていました。

ジヒョン父:「(妻に)おい、君!ジヒョンを見るんだ!!!」
ソウ:「お母さん、ジヒョンが目を開けてるわ!!!」

ふと顔を上げるジヒョンの母。

ジヒョン母:「…ジヒョン!!!」

しっかり両親を見つめ、呼吸器の中でかすかな声を上げるジヒョン。

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ガンの部屋。

イギョンの様子を支配人が見に来ます。
すると、彼女は自分の荷物を一式、抱えていました。

支配人:「どうして食事に降りて来ないんです?」
イギョン:「…私、行きます」
支配人:「イギョンさん?どこへ行くって言うんです?」
イギョン:「もうこれ以上ここにいる理由がなくなったので」
支配人:「どういう意味なんですか?ここにいる理由がないって」

それに答えることなく出て行ってしまうイギョン。

支配人:「?…待てよ。俺が知ってるソン・イギョンじゃないな」

そこへガンから電話が入ります。

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そのころ、ガンはアメリカから帰国し、車を走らせていました。

ガン(電話):「おじさん、ジヒョンは元気だよね?」
支配人(電話):「ガン、どうすればいいんだ?俺たち、日数計算を間違えてたようだ」
ガン:「どういうことだよ?」
支配人:「本物のソン・イギョンさんが荷物をまとめて行っちまったんだ。もうここにいる理由がなくなったって」

驚いて、道路脇に車を停めるガン。

ガン:「何だよそれ!もうここにいる理由がなくなった?それじゃあジヒョンが…死んだってことか?」

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ジヒョンの病室。
ジヒョンは駆けつけたチョ博士に呼吸器を外してもらっていました。

ジヒョン母:「ジヒョン…お母さんが分かる?」
ジヒョン:「もちろんよ。(父を見て)お父さん…」
ジヒョン父:「あぁ、お父さんだ」
ジヒョン:「ソウ…」
ソウ:「ジヒョン…」
ジヒョン:「・・・。」
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ガン:「ダメだ!そんなはずない!何かの間違いだ」

そこへジヒョンの母から電話が入ります。

ガン:「はい、お母さん」
ジヒョン母:「あら、ハン社長。帰国したのね?ジヒョンが…目を覚ましたのよ」
ガン:「目を覚ましたんですか?!」

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再びアパートへ戻って来たイギョン。

荷物を置くと、ふといつもジヒョンと並んでぼんやり座った壁際に視線が向かいます。
二人の姿が浮かんでは消え…。

「オンニ、会いたかったわ。具合は悪くない?」…そうやっていつも掛けてくれたジヒョン。

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ガン:「ジヒョン!!!」

彼が病室へ飛び込んでくると、ベッドの上は空っぽになっていました。

ジヒョン母:「あら^^検査を受けに行ってるのよ」
ガン:「えぇ。お父さん、お母さん、おめでとうございます」
ジヒョン父:「君もおめでとうな」
ガン:「ところで…父がシンカへ投資を決めました」
ジヒョン母:「!」
ジヒョン父:「…本当に?」
ガン:「明日こちらへ弁護士を送ると。投資契約書を作って、すぐに送金するそうです」
ジヒョン父:「この恩…どうすれば返せるんだろうな」
ガン:「ヘミドの事業計画案に進行状況、全て検討した上でのことですから」

そこへジヒョンの検査終了の知らせが入ります。
知らせに来たソウを、少し驚いたように見つめるガン。

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ジヒョン父はガンと共にチョ博士の話を聞きにやって来ます。

血中の酸素量にも特に問題はなく、脳波も正常だと話すチョ博士。

「希望はない」と言ったチョ博士に、ジヒョン父は嬉しくてつい恨み言を漏らします。

チョ博士:「医学的にはありえないことだ。医学を越えた奇跡だと言うほかないよ」
ジヒョン父:「とにかく生き返ったじゃないか」
ガン:「他に異状はないのですか?」
チョ博士:「筋肉や靭帯が硬直してるから、すぐに動くことはできないだろうな」

ホッとして立ち上がったガン。

ガン:「(笑顔)それでは、僕はジヒョンに会いに行って来ます」

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ジヒョンはもうベッドの上に座り、ソウに粥を食べさせてもらっていました。

ジヒョン:「食べる楽しみも忘れて47日も過ごしたなんて…。すごく美味しい」
ジヒョン母:「(笑)ゆっくり食べなさい。これからいくらでも食べられるのよ」
ジヒョン:「う~ん、お母さんのお小言もいいものね。ふふっ」

両手を広げ、もう一度母と抱き合うジヒョン。
二人は再会の喜びを確かめ合います。

#いきなりこんなに回復すると拍子抜けなんですが

「私も!」と立ち上がったソウ。
ジヒョンはソウとも抱き合います。

ジヒョン:「…ありがとう」
ソウ:「私何もしてないわ。ありがとうだなんて…」

体を離し、ソウを見つめるジヒョン。

ジヒョン:「私の友だちに生まれてくれて」
ソウ:「…鳥肌たつくらいキザなセリフだけど、すごく嬉しい」
ジヒョン:「・・・。」
ソウ:「だけど、ありがとうって言いたいのは私よ。ホントにありがとう」
ジヒョン:「・・・。」

そこへ、ガンが入ってきます。
元気に座っているジヒョンを見て、感無量で溜息をつくガン。

ジヒョンはしばらく黙って彼を見つめます。
ガンが彼に近づこうとしたその時…

ジヒョン:「ハン・ガン」
ガン:「!」
ジヒョン:「久しぶりね」
ガン:「?」
ジヒョン:「けど、どうしてここに?私のこと聞いて来たの?」
ガン:「・・・。え?…あぁ」

事故に遭う前と全く同じ調子で自分に話すジヒョン。
彼の心に衝撃が走ります。

ジヒョン母:「この子ったら。ハン社長が今まで…」
ジヒョン:「ところで、インジョンとミノオッパは?」
ガン:「・・・。」
ジヒョン:「ガンも来たのに、どうして来ないの?」
ジヒョン母:「!…あ、あぁ、ミノはヘミドのことでヨーロッパに出張中で、インジョンは…まだ連絡がつかないのよ」
ガン:「・・・。」

ガンとソウを連れて、急遽病室を出るジヒョン母。

二人を前に、ジヒョン母は「ようやく意識が戻ったばかりなのに、ミノたちのことを話してショックを与えるわけにはいかない」と話します。
会社の危機や、ジヒョン父の手術のことも黙っておくべきだと同意するソウ。

ガン:「ジヒョンは…事故に遭う前の記憶に戻ってしまったんですか?」
ソウ:「当然そうよね…」
ジヒョン母:「だから心配なのよ。結婚を前に一番幸せだったときだもの」
ガン:「えぇ…」
ジヒョン母:「ハン社長が苦労して頑張ってくれたことは…ジヒョンが元気になったら私が全部話すわ」
ガン:「そんなこといいんです」

ジヒョン母とソウが病室へ戻り、ガンは一人、廊下に残ります。

ガン:「・・・。」

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ミノの執務室。

彼はチョン理事に電話を入れていました。

ミノ:「新しいオフィスの準備は出来ていますか?明後日ヘミドの持分が入って来たのを確認してから辞表を出します」

部屋を出てエレベーターを待っていると、ミノを見かけた幹部が意味ありげに口を開きます。

幹部A:「病院へ婚約者に会いに行くのか?」
ミノ:「・・・。」
幹部B:「まだ婚約者が目覚めたことも知らないのか、カン室長?」
ミノ:「?!…それはどういう?!」

驚いて、思わずそう言いかけ…口をつぐむミノ。

幹部A:「君のように図太い人間でも驚くことはあるんだな」

去っていく二人。

ミノ(心の声):「どういうことなんだ?ジヒョンが…目覚めたっていうのか?」

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イギョンのアパート。

彼女は何もすることなく、ただひたすら壁際で小さくなって座っていました。
そこへ入って来たのは、ミノ。

イギョン:「!」
ミノ:「申し訳ありません。誰もいないと思ったので」
イギョン:「彼女は去ったわ。もう私のところへは来ません。信じられないなら病院に行って確認なさって」
ミノ:「…分かってます」
イギョン:「分かっててなぜ?どうしてここへ…?」

イギョンはジヒョンからのプレゼント箱に入れてあったアパートの契約書を、ミノに返します。

イギョン:「この部屋に長くいるつもりはありませんから、家主にお金を返してもらってください。数日の間だけ鍵を借ります」
ミノ:「イギョンさんを追い出すために手に入れたんだから、僕には必要ありません。金もすでに支払ったものです。だから、イギョンさんの名前で契約書を作ったんですよ」
イギョン:「鍵をください」

差し出したイギョンの手のひらに、鍵を置いてやるミノ。

ミノ:「これからどうするんです?」
イギョン:「私はシン・ジヒョンじゃないんです。混同しないでください」
ミノ:「ソン・イギョンさんを苦しめたのは本意ではありませんでした」
イギョン:「もう帰って下さい」
ミノ:「・・・。」

ミノは言葉もなく、彼女のアパートを後にします。

#冷たいイギョンの前で、どこまでも静かに話すミノ。この虚しさ。なんだかすごく悲しくなってきますね…。

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ジヒョンの病室。

ジヒョンは元気に両親と話します。
これまでずっと両親が付き添ってくれたことを聞き、感謝するジヒョン。

ジヒョンのベッドの足元で、ニコニコしながらそのやり取りを見守っていたガンですが…

ジヒョン:「ところでハン・ガン、あんた何でずっとそこにいるのよ?」
ガン:「・・・。」

慌てた両親は…

ジヒョン母:「!」
ジヒョン父:「こら!お前が眠っている間、ガンが花を取り替えに来て、すごく気を遣ってくれたんだぞ」
ジヒョン母:「そうよ。ものすごくあなたのこと心配してくれたのに。私たちの面倒まで見てくれて」
ジヒョン:「そうなの?(ガンをチラリ)」
ガン:「・・・。(かすかな期待)」
ジヒョン:「結構義理固かったのね。ありがとう」
ガン:「(笑)」
ジヒョン:「ちょっと!人は急に変われば死んでしまうって言うでしょ」
ガン:「・・・。」
ジヒョン:「あんたらしくもない。もう帰って」
ジヒョン両親:「!」
ガン:「…あぁ、そうだな」

立ち上がるガン。
ジヒョンは何も言わず、うつむきます。

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事務室へ戻ったガン。

支配人:「ジヒョンさんに会って来たか?」
ガン:「…おじさん。ジヒョンがさ、俺のこと覚えてないんだ」
支配人:「?!」
ガン:「いや、事故から今までの間、一緒にいた俺のことを忘れてしまってるんだ。49日の記憶は全部失くなってる」
支配人:「そうなのか…。49日のことは天機漏泄(重大機密)だって言うが、そのせいだろうな」
ガン:「・・・。」

やるせなく、ガンはソファに腰を落とします。
隣りに座り、ガンを見つめる支配人。

支配人:「うちのガン、一体どうすりゃいいんだろうな。また片思いのスタートか?」
ガン:「けど…こんなに寂しいものとはな」
支配人:「いや、寂しくて当たり前だ」
ガン:「寂しがってる俺がおかしくてさ。生き返ったのに…そのくらい何でもない」

強がろうとして、自分に言い聞かせようとして…。
でも、やっぱり寂しくて口調が弱くなるガン。

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HEAVENの庭へ出て来たガンは、テーブル席に座ります。
彼の心をめぐる、47日間の出来事。

突然やって来て「48日間だけ働かせてくれ」と言い出した彼女。
「ホテルで友だちを見て…」と倒れた彼女。
事実に気づき、彼女を抱きしめた自分。
母の命日を一緒に過ごしたこと…。
目の前でピアノを弾いて口ずさんだあの歌。
明るく自分に手を振る姿…。

ガン(声):「必ず目覚めて、今言いたいことを…もう一度言って欲しい…そうジヒョンに伝えてください。何も言わずに行かないでくれって。母さんみたいに何も言わずに…」

ガン:「…全部忘れるなんて」

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イギョンのアパート。

暗いままの部屋に座り込み、イギョンはじっとカレンダーを見つめていました。

イギョン:「イス…。いつ来るの?…早く来て」

何もせず、ずっと彼を待っているばかりのイギョン。
そんな彼女を、スケジューラが隣で見つめていました。

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翌朝。

イギョンのアパートにガンがやって来ます。

ガン:「電話がないのでお邪魔しました」
イギョン:「・・・。」
ガン:「ジヒョンが目覚めたってお知らせに」
イギョン:「え?」
ガン:「病室で意識が戻ったんです」
イギョン:「…良かった!本当に良かった」
ガン:「良かったには違いないんですが。あいつ…これまでのこと覚えてないんです。きっとイギョンさんのことも覚えていないと」
イギョン:「…そうなんですか」
ガン:「だから、とにかく僕からご挨拶させてください。ジヒョンを助けてくださってありがとうございます。本当にありがとうございました」
イギョン:「…いいんです」
ガン:「そこでなんですが、ジヒョンのためにカフェも辞めてしまったから、うちの店で働きませんか?」
イギョン:「私のことは気になさらないでください」
ガン:「イギョンさんの専攻にも合ってますし」
イギョン:「私、待っている人がいるんです」
ガン:「・・・。」

イギョンはそう言うと、引き出しに大切にしまってあった物を出して来て、ガンに差し出します。
それは、ガンの手から一度イギョン(ジ)に渡った、あのブレスレットでした。

イギョン:「渡してくれってジヒョンさんに言われたんです。ガンさんのお母さんの遺品だって」
ガン:「!」

再び、イギョンの手からガンの手に渡るブレスレット。

ガン:「これが…母さんの物だと?どうして…」
イギョン:「それ以上は聞いていないんです。直接聞いてみてください」
ガン:「・・・。」
イギョン:「それから…ありがとうって。与えられるばかりで去ってしまってごめんなさいって。ガンがいなかったら、ここまで持ち堪えられなかったって…そう伝えるように言われました」
ガン:「・・・。」

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ミノは再び衝撃を受けていました。

ミノ:「どういうことなんです?!JCに返済する金が揃ってるとは?!」
チョン理事:「こっちが聞きたいね。君はシンカの企画室長だろう!」
ミノ:「・・・。」
チョン理事:「借用金を返す合意書を明日シンカに出すんだ」
ミノ:「そんなはずはないのに…」
チョン理事:「全部お前のせいだ。シン社長の遺言状に欲を出し、うちを脅迫して不渡りを伸ばさなければこうはならなかったぞ!」
ミノ:「・・・。」

そこへ鳴り始める電話。発信者はインジョン。

チョン理事:「どうする?どう責任取るつもりだ!」
ミノ:「事態を把握し、改めて話します」

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電話に出ないミノに、インジョンはメールを送ります。
一度食事をしたいと。

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ミノに呼び出され、店の制服のまま走って来たHEAVENのジュニ(男店員)。
彼は笑顔で頭を下げます。

ジュニ:「何かご用ですか?」
ミノ:「キ・ジュニ。お前、社長(ガン)から何か聞いてないか?シンカの資金のことだ」
ジュニ:「あぁ(笑)、それでしたか。うちの社長がアメリカに行って投資を受けてきたんですよ」
ミノ:「何だって?なぜ言わなかった!」
ジュニ:「(キョトン)どうして…言わなきゃいけないんです?」
ミノ:「?」
ジュニ:「僕はね、金で良心を売るような男じゃないんです」
ミノ:「お前それじゃ…これまで俺に報告したガンの情報、嘘だったのか?」
ジュニ:「僕はHMじゃなくて、あのおじさんの会社にだって試験受けて入れますから!」

そう言ってさっさと戻って行くジュニ。
そこへ、ミノに関する陳情書が受理されたと検察庁から電話連絡が入ります。
調査したいことがあるから、明日の朝検察庁へ来るようにと。

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インジョンは、ミノと一緒に来たことのある定食屋に来て、一人で座っていました。
彼女の見つめる携帯の画面には、笑顔の二人の写真。

彼女の前に、二人分の料理が並びます。
一口、二口、口に運ぶうち、彼女の目から流れ落ちる涙。

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ミノはジニョンを相手に酒に逃げていました。

ミノ:「チャ・ジニョン、笑っちまうだろ。酒を飲むしかないなんてな」
ジニョン:「俺も今日までだから、好きにするといい。辛くて見ていられないよ。お前が壊れていくのは」
ミノ:「(笑)これ以上俺のそばにいたって、何も手に入らないからだろ」
ジニョン:「そんな姿初めて見るからだ」
ミノ:「・・・。」
ジニョン:「高校のときからお前はすごいヤツだった」
ミノ:「そのカン・ミノがこのざまだ。自分でも分かってる。けどな…このままじゃ死なない」

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その後。

家でぼんやりしているミノのところへ、インジョンがやって来ます。
ミノは彼女の顔も見ず…

ミノ:「どうやって入って来た?」
インジョン:「ジニョンさんに聞いたの」
ミノ:「何で来たんだ?…俺の前に現れないでくれないか」
インジョン:「・・・。」
ミノ:「頼むから現れないでくれ!!!」
インジョン:「・・・。ソウルを離れる前に挨拶に来たのよ」
ミノ:「!」
インジョン:「しばらくチナンに行ってるから、必要があればいつでも連絡して」

インジョンを黙って見上げるミノ。

インジョン:「オッパ…。ごめんね」
ミノ:「お前は…ごめんの一言も俺に言わせてくれないんだな」

インジョンは表情もなく、静かにミノのマンションを出て行きます。

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ジヒョンの病室。
ジヒョンは車椅子に座っていました。

インジョンに会いたがるジヒョンを前に、母は困り果てていました。
インジョンは具合が悪いからと言えば、「私が目覚めたって聞いたら元気になるはずだ」と言い張るジヒョン。
電話にも出ないからと言えば、家まで行ってみてくれと…。

そこへ、花束を持ってやって来たガン。

ガン:「おい、シン・ジヒョン。復活祝いだ」

ガンは彼女の腕に花束を持たせてやります。

ジヒョン:「・・・。」
ガン:「これから毎日来るからな。そう思っとけ」
ジヒョン:「・・・。」

ガンは買って来たケーキをジヒョンの母に手渡します。

ジヒョン:「それ、インジョンが来たら一緒に食べるわ」
ガン:「・・・。」

ガンはジヒョン母と顔を見合わせます。

母:「あ…ジヒョン、あなたの友だちのジョンウン、じゃなくて、ソン・イギョンっていう子がいるでしょ?」
ジヒョン:「あぁ、サークルの友だちよ」
母:「その子に印鑑を預けたこと、覚えてない?」
ジヒョン:「覚えてないけど。それ、どういうこと?」
母:「え?(ガンをチラリ)あ…いいのよ。治療受けに行かなきゃね」
ガン:「僕が連れて行きます」

さっとジヒョンの車椅子の後ろに回るガン。

ジヒョン:「何であんたが?」
ガン:「(構わず)お母さん、行って来ます」
母:「そうね」

+-+-+-+

リハビリを受けるジヒョン。
その姿をガンはじっと見守ります。

+-+-+-+

その後、ガンは病院内の公園へジヒョンを連れて来ます。

ガン:「風が気持ちいいな」
ジヒョン:「どこまで行くつもり?」
ガン:「・・・。」
ジヒョン:「ハン・ガン、あんたどうしちゃったの?」
ガン:「嫌か?」
ジヒョン:「嫌なんじゃなくて…気まずいよ」

車椅子を止め、ベンチに腰掛けるガン。

ガン:「何が気まずいんだよ」
ジヒョン:「・・・。」

黙ってジヒョンを見つめるジヒョン。

ガン:「・・・。生き返った気分はどうだ?嬉しいか」
ジヒョン:「(真剣な表情)…嬉しいわ。すごく嬉しい」
ガン:「…俺もすごく嬉しい。お前が生き返って」
ジヒョン:「・・・。」
ガン:「シン・ジヒョン、47日間何してたんだ?眠ってただけか?夢を見たりしなかったのか?」
ジヒョン:「だとしたら?あんたに言わなきゃいけない?」
ガン:「その夢に、ひょっとして俺は出て来なかったか?」
ジヒョン:「何であんたが?!…私、部屋に戻るわ。休みたいの」
ガン:「…(うなずき)了解しました。ご用命どおりにいたしましょう」

立ち上がり、ガンは再びジヒョンの車椅子を押し始めます。

そんな二人の様子を、ミノが木陰からそっと見ていました。

+-+-+-+

インジョンの家。

インジョン:「ジヒョンが…目覚めた?!」
ジヒョン母:「あなたは目覚めないでほしいと思っていただろうけど、目覚めてあなたを呼んでるわ」
ソウ:「ジヒョンがあんたを連れて来いってしつこいから、お母さんと一緒に行って」
インジョン:「ジヒョンのところに行けって?」
ソウ:「ジヒョンはあんたとミノさんのことも、会社のことも何も知らないわ」
インジョン:「私は外国にでも行ったって言ってよ」
ジヒョン母:「ジヒョンに謝れって言ってるんじゃないの。行って少しだけ…これまで通りに接してやってちょうだい。それもしてあげられないの?」
インジョン:「(首を横に振り)…私、行けません。行かないわ」
ジヒョン母:「なぜ?今までジヒョンを騙して上手く演じてたくせに。そのときみたいにすればいいのよ」
インジョン:「お母さん!」
ジヒョン母:「お母さんなんて呼ばせないわ!」
インジョン:「・・・。」
ソウ:「シン・インジョン。あんたにちょっとでも良心が残ってるなら行くのよ!」
インジョン:「(涙)」
ソウ:「行って、これまで通りに接してあげるの!」
ジヒョン母:「行きましょう」

インジョンの手を掴むジヒョン母。

インジョン:「お母さん、私が悪かったんです!全部私が悪かったんです!お願いですからジヒョンのところへだけは…お願いですから!私、ジヒョンに合わせる顔なんてないんです!」

嫌がるインジョンの腕を掴み、無理やり引っ張っていくソウ。

+-+-+-+

病室へ戻って来たジヒョン。
ガンはまだ彼女のそばに残っていました。

ジヒョン:「ハン・ガン、あんたホントに仕事もしないで毎日来るつもり?」
ガン:「あぁ!毎日来て、一日中遊んで行くからな」
ジヒョン:「私…あんたに設計を頑張って欲しいの」
ガン:「・・・。」

ジヒョンは、後ろに飾ってあるスケッチを振り返ります。

ジヒョン:「あれ、あんたが描いてくれたんでしょ?」
ガン:「・・・。」
ジヒョン:「すごく気に入ったわ。あんた、人並み外れた才能があるのに、どうして使わないの?」
ガン:「…見せる人も、分かち合う人もいないから」
ジヒョン:「・・・・。」
ガン:「俺が一生懸命設計したら、お前が見てくれるか?」
ジヒョン:「(戸惑い)一体どうしちゃったの?」

そこへジヒョンの母が入って来ます。
インジョンを連れて。

顔を上げられず、うつむいたまま入ってくるインジョン。
すると、ジヒョンは「インジョンと二人きりにしてくれ」と言い出します。

ジヒョン母:「二人きりに?」
ジヒョン:「ハン・ガン、お母さんにコーヒーを一杯だけご馳走してあげて」
ガン:「お母さん、行きましょう」
ジヒョン母:「え、えぇ」

+-+-+-+

二人きりになると、ジヒョンはじっとインジョンを見つめます。
何とか顔を上げたインジョンは…

インジョン:「…ジヒョン」
ジヒョン:「ねぇ、シン・インジョン。私、ず~っと眠ってる間、夢を見たのよ」
インジョン:「・・・。」
ジヒョン:「婚約式の日、靴のかかとが壊れちゃったでしょ?あのとき、あんたが自分の靴を脱いで…。その場面が何度も浮かぶの」
インジョン:「・・・。」
ジヒョン:「あのとき、あんたは無意識のうちに…自分の靴を脱いで裸足で走ったのよ」
インジョン:「・・・。」
ジヒョン:「あの瞬間は…私のために靴を脱いでくれたの」
インジョン:「それ…どういうこと?」
ジヒョン:「靴はね、女のプライドだって言うわ。あんたはあの瞬間、私のためにプライドを全部捨てたの。婚約式のことなんか忘れて、私のことを真っ先に考えたのよ」
インジョン:「・・・。」
ジヒョン:「私が…あんたの友だちだったから」

目を閉じ、噛み締めるように口にするジヒョン。

インジョン:「…ジヒョン」

閉じたジヒョン目に、かすかに涙が光ります。

ジヒョン:「眠くなっちゃった。…もう帰って」
インジョン:「・・・。」

ジヒョンの目から零れ落ちる涙。

+-+-+-+

家に帰ったインジョンは、ひたすら泣き続けます。
ジヒョンを思い…。

+-+-+-+

夜。ジヒョンの病室。

彼女は、椅子に座ったまま眠ってしまった両親をぼんやりと見つめていました。

ジヒョン:「・・・。」

+-+-+-+

イギョンのアパートでは、まだイスだけを待ってウロウロしている彼女の姿がありました。
そのそばで、もう見ていられずイライラを募らせるスケジューラ。
以前ペナルティを受けたせいで、あと1週間任期が残っているのです。

そのとき、彼を呼ぶ先輩スケジューラの声が。

#素朴な疑問。先輩スケジューラの任期は何年なんだ?それとも先輩はスケジューラじゃないのか?

呼ばれて庭園へやって来たスケジューラは…

スケジューラ:「ペナルティになるようなことしてないのに、何で呼んだんですか?」
先輩:「こいつめ!もう任期が終わるからって、先輩も何も関係なくなったか?!」
スケジューラ:「もううんざりしてるんですから。人間の感情が全部戻っちまって」
先輩:「記憶も全て蘇ったのに、話しかけることも出来なくてヤキモキするだろうに」
スケジューラ:「もういいですって。辛くて死にそうだ」
先輩:「もう死んでるくせにまた死ぬのか?ソン・イギョンに会ってからにしなきゃね」
スケジューラ:「え?」
先輩:「今日、お前の任期終了の日だろ」
スケジューラ:「俺、ペナルティであと1週間やらなきゃいけないんですけど?」
先輩:「スケジューラの仕事をあと1週間やれと言ったんだ。ソン・イギョンに会うのもその後だと言った覚えはないね」
スケジューラ:「ははっ、ははっ、そうか♪何でそれ確認しなかったんだ?」
先輩:「・・・。」
スケジューラ:「それじゃ…明日イギョンに会えるんですか?」

+-+-+-+

イギョンのアパート。

イスから貰ったたくさんのカードを出し、眺めるイギョン。
懐かしい彼の文字が、今でも変わることなくそこに並んでいます。

そこへ…

どこからか突然舞い降りてきたものが。

ふわりと彼女の前に落ちたのは、銀色の封筒でした。

イギョン:「?」

そっと手にとってみるイギョン。

【INVITATION ソン・イス様からのご招待です】

+-+-+-+

きっとほとんど眠れずに夜を過ごしたイギョンは、ハッと起き上がり、時計を見ます。
朝6時。

シャワーを浴び、綺麗に髪を整えた彼女は、
ジヒョンから送られた化粧品を顔に塗り、鏡の中の自分を見つめます。

顔を上げた彼女は…すっかり覚悟が出来た落ち着いた表情で…。

+-+-+-+

指定された場所にやって来たイギョン。
あたりを見回しながら歩いて行くと…

ベンチに座っている男性が一人。

…ベンチに座っていたイスは、イギョンが来たことに気づき、視線だけわずかに動かして緊張を走らせます。
まだ彼女に横顔を見せたまま立ち上がり…
ゆっくりと彼女の方を振り返るイス。

彼女に笑いかけたイスは少しずつ彼女に近づきます。
彼女もまた…イスに向かって1歩、また1歩と…。

イス:「…ソン・イギョン」
イギョン:「・・・。」
イス:「久しぶり。ちっとも変わってないな」
イギョン:「…イス!」

恐る恐る彼の頬に手を伸ばしてみるイギョン。
指先に触れた彼の肌の感触にハッとして、手を引っ込め…
そして、もう一度、彼の頬に触れてみます。
イギョンの目からボロボロと零れ落ちる涙。

イギョン:「…イスなのね!!!」

自分の頬に触れる彼女の手をぎゅっと握り、イスはうなずきます。

イギョン:「!!!」

たまらずイスの胸に飛び込むイギョン。
イスも…彼女を強く抱きしめます。
彼女の目から涙が溢れます。

イギョン:「どうして…今頃来るなんて。遅いよ…遅いってば」
イス:「今がそのときなんだ。…今までずっと来られなかった」

泣きじゃくりながら何とかうなずくイギョン。

+-+-+-+ +-+-+-+

一旦vol.1として公開したのがここまで。
そして、続きです。

+-+-+-+ +-+-+-+

体を起こしたイスは、両手の指で優しくイギョンの涙をぬぐいます。
ドキドキして震えるイギョンの手を握るイス。

イス:「行こう」
イギョン:「・・・。」
イス:「行くところがあるんだ」
イギョン:「…どこに?」
イス:「今日は…ただ俺について来ればいい」

+-+-+-+

バイクの後ろにイギョンを乗せ、イスがまずやって来たのは、事故現場でした。

彼が倒れていたその場所を前に、並んで立つ二人。

イス:「俺はあの時…浮ついてたんだ。音楽をやって…新しい世界を感じて、それまでの窮屈な暮らしが嫌だった」
イギョン:「私の面倒まで見て大変だったはずよ。若かったのに」
イス:「それはお前だって同じだ。俺たちの間に出来た傷が深かったから、話じゃ解決できないと思った。だから、俺の気持ちをハッキリ見せてやりたかったんだ」
イギョン:「・・・。」
イス:「音楽をやりながら女の子たちとも遊んだけど、お前は俺のふるさとみたいな人だった。だから、婚約指輪を買ったんだ」
イギョン:「・・・。」

事故現場の脇の土を掘ってみるイス。
そこには、仲良く二つ並んで指輪が埋まっていました。
イスはホッとして、それを拾い上げます。

イギョン:「・・・。」
イス:「手を出して」

イスは差し出したイギョンの手に指輪をはめてやり、自分の手にももうひとつの指輪をはめます。
そして、彼女の手を取ると…

イス:「さぁ、次だ」

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一緒に来たかった遊園地で、二人っきりで遊ぶイスとイギョン。

イス:「絶対一緒に来ようって約束したろ。ソン・イスが^^」

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遊園地を出てきた二人は…

イギョン:「次はどこに行くの?」
イス:「いちいち聞くの、相変わらずだな、ソン・イギョン。何も聞かずに、怒らないで無条件でついて来いって」
イギョン:「^^」

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イスが次にイギョンを連れて来たのは、イギョンの家の前でした。
そこで、「買い物に行って来いよ」と言い出すイス。
彼と離れるのが不安なイギョンですが、「絶対にいなくなったりしないから」と説得し、イギョンはいったん買い物に出掛けます。

一人になったイスが始めたのは、イギョンのアパートの内装でした。
綺麗に壁紙を貼るイス。

そこへやって来たのはキョンビンです。

キョンビン:「ここの人、引っ越したんですか?」
イス:「違いますよ。塗装をやり直してるんです」
キョンビン:「イギョンさんは…いや、ここに住んでる人は?」
イス:「用事で出掛けてますよ」
キョンビン:「あの…(イスの顔を見て)ひょっとしてどこかで会いませんでしたか?」
イス:「あ゛ー仕事してんだからあれこれ聞かないで」
キョンビン:「・・・。」
イス:「今日明日は絶対来ちゃダメです。何日か経ってからどうぞ」
キョンビン:「それなら、ノ・ギョンビンという人が来たと、必ず伝えてくださいね」
イス:「早く帰れば伝えてやるし、うだうだしてたら伝えねーし」

首をかしげて出て行くキョンビン。
閉まったドアを振り返ったイスは…

イス:「あいつ…人を見る目があるくせに。ドクターだって?お前はな、男やもめだからダメだ。うちのイギョンを誰だと思ってんだ?」

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急いで買い物を済ませて帰ってきたイギョン。
すっかり綺麗になったアパートの中に入って彼の名を呼びますが、返事はありません。
イギョンは突然不安に襲われますが…

イス:「ここだ」

着替えたイスが顔をだします。

イギョン:「どうして部屋をこんなふうにしたの?私、あんたについて行くのに」
イス:「一日だけでも綺麗なところにいたかったんだ」
イギョン:「・・・。」
イス:「あ゛ー何だよ、この部屋!前はあんなに綺麗にしてたのに」
イギョン:「・・・。」
イス:「あとはお前の趣味に合わせてやれよ^^」

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ベッドに並び、手をつないで眠る二人。
イギョンは彼の肩に体を預け、彼はそんなイギョンを優しく見つめます。

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夜が明け…

イスとイギョンは湖のほとりへやって来ます。
手をつなぎ、イスの横顔を見つめるイギョンと、ぼんやり前を向いたまま歩くイス。

イス:「どうした?」
イギョン:「すごく不思議。昨日は夢じゃないかと思ったけど、夜もそばにいたし、朝になっても一緒。こんなにお日様が眩しくても見えるし、触れることだって出来るわ」

イスは立ち止まります。

イス:「けど、俺は死んだ人間だ」
イギョン:「・・・。」
イス:「お前に会うために5年待った。この指輪をはめてやって、お前を愛してた、一瞬だって他の人を想ったことはない、結婚しよう…そう伝えるつもりだったんだって」
イギョン:「・・・。」
イス:「だけど…」

言葉をつまらせるイス。

イス:「今はそうじゃない。言いたいことが変わったんだ」
イギョン:「・・・。」

イスはイギョンとつないだ手を離します。

イス:「あのときまではお前のこと愛してた」

思わず、離れたイスの手をもう一度握り、彼の目を見つめるイギョンですが…

イス:「今この瞬間から、お前のことは愛していない」
イギョン:「・・・。」
イス:「お前を傷つけたまま逝きたくなかった。お前が俺のこと忘れて、幸せになってほしくて5年待ってたんだ」
イギョン:「ダメよ、そんなこと言わないで、イス。私あんたと一緒に行く」
イス:「俺たち、一緒に行くことはできない。お前が俺と一緒に行きたくて死を選んだとしても…その瞬間、永遠の別れだ」
イギョン:「・・・。」
イス:「死ぬってのはそういうことなんだ」
イギョン:「ここで…一人でいるなんて辛すぎるよ。耐えられないの」
イス:「俺のために耐えてくれ。お前と離れてこそ、俺は来世で幸せになれるんだ。お前が不幸なままじゃ俺の心も曲がっちまって、イイ奴にはなれない。我儘に生まれ変わって、愛されることも愛することも出来ない、不幸な人生になるだろうな。」
イギョン:「・・・。」
イス:「この指輪、捨てろよ」
イギョン:「嫌よ!」
イス:「捨てるんだ。もう意味のない物だから。」
イギョン:「・・・。」
イス:「ただお前の誤解を解くためだけに存在した物だったんだ」

止めようとするイギョンを振り切り、自分の指輪を外して思い切り湖に投げ捨てるイス。

イギョン:「!!!」
イス:「お前が俺にとってどんなに大切な人だったか…分かったろ」
イギョン:「・・・。」
イス:「決して捨てられたんじゃない。俺にとって一番大切な人だった。すごい存在だったんだ」
イギョン:「・・・。」
イス:「だから… 他の人にとっても最高に大切な人になれるはずだ」

涙を流し、うつむくイギョン。

イス:「俺のために幸せになるっって…そう約束してくれ。俺が未練を残さず逝けるように…。もう一度生まれ変われるように」
イギョン:「・・・。」
イス:「イギョン…」
イギョン:「・・・。」
イス:「俺のために幸せになるんだ」

そして…

イスはイギョンの薬指の指輪を外します。
涙をこらえながら振りかぶった彼の手から離れた指輪は、遥か遠く、キラキラと光る水面へと消えていき…。

イス:「ありがとう。お前に会えて…幸せだった」
イギョン:「私… 謝らなきゃいけないことばかりなのに。与えられてばかりで、何一つ返してないのに…!」
イス:「お前のことを愛してくれる人に返してやるんだ。俺の代わりに…その人に」

泣きじゃくりながら、首を横に振るイギョン。
彼女の頬を両手で包んだイスは、優しく彼女に口づけます。

涙混じりの…最後のキス。

そして、彼女に微笑みかけたイスは、1歩、また1歩と彼女から遠ざかります。
思わず、彼を追いかけて近づくイギョン。
もう一度微笑み、今度こそイギョンに背を向けて歩き出すイス。
彼女はそこに立ち止まったまま、少しずつ遠ざかっていく彼を見つめます。

ただただ泣いている彼女の視線の向こうで、すっと消えていく彼の後ろ姿。

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ミノがやって来たのは母親のいる病院でした。
病室の前に立ち、扉の向こうに見える母の姿を見つめるミノ。

ミノ(心の声):「お母さん。必ず成功してお迎えに来るつもりだったのに…申し訳ありません」

そこへ、スーツ姿の男性が二人やって来て、ミノに声を掛けます。

男性:「あなたを横領および背任の罪で逮捕します」

ミノの目の前に掲げられる逮捕令状。

ミノ:「逮捕?陳情書だと言ってたのに…!」

ミノは連行される前に、一度だけ母に会わせてくれと願い出ます。

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母の病室に入り、正面に座って話しかけるミノ。

ミノ:「お母さん、ジニョンが持って来た書類、ちゃんと隠してくれてますよね?」
母:「どちらさん?」
ミノ:「それは僕が受け取りに来るまで誰にも渡しちゃ駄目ですよ」
母:「(素知らぬふり)」
ミノ:「僕を見てください。この顔以外には誰にも渡しちゃ駄目です。お分かりですね?」
母:「・・・。」

自分のことが分からない母に、成す術のないミノ。
何気なくメガネを外した母は、驚きに目を見開きます。

母:「ミノ!!!」
ミノ:「!」
母:「お前!MBAとかいうのが終わって帰って来たのかい?
ミノ:「・・・。」
母:「知らせもなしに帰って来るなんて。いくら具合が悪くたって空港に迎えに行こうと思ってたんだよ!」
ミノ:「母さん…」
母:「母さんが仕送りしてたお金、ちゃんと受け取ってたかい?少なかったろう?」
ミノ:「…いいえ」
母:「おやおや、母さん悲しませないために嘘つくところは変わらないね。それじゃあ…MBAが終わったら博士になるのかい?」

思わずうつむいたミノの目から涙がこぼれます。

母:「母さん、お前は立派になるって分かってたよ。一度だって気を揉んだことはないよ。いつだって全校一位だったんだから」
ミノ:「母さん…」
母:「お前は父親とは違う。そう思ってた」
ミノ:「!」
母:「全く立派な息子だよ。ありがたい息子だ」

ミノの体を抱きしめる母。
ミノもただただ言葉もなく、母の肩で涙を流すのでした。

+-+-+-+

外へ出てきたミノは、手錠をはめられ、両脇を抱えられていました。
車に乗り込もうとして、ミノはもう一度母のいる病院を見上げます。

そこには、窓から自分を見つめている母の姿。

彼はそっと手元の手錠を隠します。

走り去る、ミノを乗せた車。

+-+-+-+

ミノが逮捕されてことは、ジニョンからインジョンの耳に伝わります。

+-+-+-+

取り調べを受けるミノ。

取調官:「被害者の訴えによると、社長秘書であるシン・インジョンさんと共謀したとのことですが」
ミノ:「違います」
取調官:「シンカ産業のあらゆる情報を流した人物は、シン・インジョンさんではありませんか?」
ミノ:「…違います」

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再び一人になったイギョンは、ベッドの上でイスの言葉を思い返していました。

イス(声):「俺のために耐えるんだ。お前と離れてこそ、来世で幸せになれる。イギョン、俺のために幸せになってくれ」

何とか起き上がるイギョン。

イギョン:「…そうなりたいけど」

そして、彼女の心にジヒョンの言葉が蘇ります。

ジヒョン:「辛いときは、こんなふうに名残り惜しそうにしていた私を思い出して…元気に生きてください」

+-+-+-+

イギョンがやって来たのは、ジヒョンのいる病院でした。
病室の前まで来て、扉を開けようとし、迷うイギョン。
「ジヒョンはこれまでのことを覚えていない」…そんなガンの言葉が気に掛かるのです。

ためらった末に、ドアから手を離すイギョン。
背を向けて帰ろうとすると、ちょうどそこへジヒョンが出てきます。

ジヒョン:「…オンニ?」
イギョン:「!」

振り返り、驚くイギョン。
ジヒョンはゆっくりイギョンに近づきます。

ジヒョン:「イギョンオンニ」
イギョン:「ジヒョンさん…」
ジヒョン:「オンニ、私に会いに来てくれたの?」
イギョン:「私を…覚えてるんですか?」
ジヒョン:「オンニ!!!」

たまらずイギョンに抱きつくジヒョン。
イギョンも微笑み、トントン…と優しくジヒョンの背中を叩きます。

+-+-+-+

病院前の公園にやって来た二人。

イギョン:「私のことは覚えてるのに、ハン・ガンさんのことは覚えてないんですか?」

悲しそうにうつむくジヒョン。

イギョン:「?…彼のことも覚えてるんですか?」
ジヒョン:「・・・。」
イギョン:「覚えてるのに、どうして覚えてない振りを?」

イギョンをまっすぐ見つめたジヒョンは…

ジヒョン:「なぜかって言うと…私、もうすぐまた死ぬからなんです」

+-+-+-+

ここでエンディング。

最終話放送開始約10分前。間に合った!

 - 49日(私の期限は49日)