韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

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成均館スキャンダル20話対訳:後半之書

   

成均館スキャンダル20話、後半に入ります。

【お知らせ】韓国語のセリフを記載した箇所は削除いたしました。ご了承くださいませ 2020/10/22

王の思い描く新しい国のため、金縢之詞を探しだしたユニ。
しかし、そんな世界を夢見る間もなく捕らえられてしまいます。

3人は大切なユニを助け出せるのでしょうか。
そして、王はどのような決断を下すことになるのでしょう。

続きをどうぞ。

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明かりもつけず物思いに耽る息子の元へやって来た左相。

左相:
情けない奴。
未熟者め…。

ソンジュン:
・・・。

左相:
国の存廃が掛かっているわけでもなし、そんなことに大の男が一生を掛けるつもりか?

(背を向け、出て行こうとする左相)

ソンジュン:
父上!

(立ち上がり父を追うソンジュン)

ソンジュン:
お助けください、父上。

(彼は父の足元にひざまずきます)

ソンジュン:
救っていただきたいのです、あの人を。
あの人に出会い、ようやく私に新しい世が開けました。
書で学び得たように男が作り活躍する世ではない、私の生きたい世が…。
しかし、その国が崩れ去ろうとしているのです。

左相:
・・・。

ソンジュン:
それなのに、情けなく未熟な私には、 どこにも… 何一つ… 出来ることがありません。

左相:
・・・。

ソンジュン:
ですから、私を助けてくださいませんか、父上。

(一人の女性のために涙を流し、助けを求める息子をじっと見つめる父)

左相:
お前は… 私の息子か?

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(ヨンハとジェシンは酒場にいました)

ヨンハ:
私が何と言った?
王のことは信じないと言ったろ?

ジェシン:
・・・。

(何も言わず、また酒を飲もうとした手を、ヨンハが押さえます)

ヨンハ:
何とか言ってくれよ。
もどかしくてたまらない。

ジェシン:
あいつ… 震えてんだろうな、今。
たった一人で…。

(酒がなくなり、女主人に追加を頼むヨンハ。ちょうど彼らの後ろの席にやって来た儒学者たちが「晦日の日まで宿が空いていない」「なぜ突然兵判が儒学者をみな呼び集めたんだ?」「王がなにかやらかしたか、我らの力が必要らしい」と口々に話し始め…)

ヨンハ:
兵判が儒学者を呼び寄せていると…
晦日といえば…?

ジェシン:
閣議… 王が宣布した閣議の日だ。

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左相は老論の面々を集めていました。

左相:
華城へ都を移すことに加勢しましょう。

老論派の一人:
大監!

(ざわめく面々)

左相:
思悼世子の墓所がある華城に遷都することに我々老論が加勢すれば、
王はこれ以上、壬午年の出来事について我々老論を圧迫することはありますまい。

老論派の一人:
大監!突然何事です?

左相:
この私の政治生命をかけた懇請です。

(しかし、老論派の面々は王の遷都に反対する方針を曲げようとはしません)

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(チョソンはじっとこれまでの”彼”のことを思い巡らせていました。あらわになった肌に上衣を掛けてくれた出会い。そして…)

>>回想

(ソンジュンとヒョウン、4人での酒席を先に立ったチョソンを追ってきたユニ)

ユニ:
すまない、チョソン。
私が悪かった。
すべて… すべて私の過ちだ。

(身請けしてくれと頼むチョソンに…)

ユニ:
このように美しく、気性も真っ直ぐなそなたに… 私は恥ずかしく至らない人間だ。
すまない。
申し訳ない…チョソン。

>>

+-+-+-+

(ヨンハとジェシンは足早に出かけようとしていました)

#師兄たちがユニのために朝から大急ぎで動く。こういう姿がすごく気持ちいい^^

ヨンハ:
儒学者たちの宿から辿ってみれば会合の場所の手がかりが掴めるだろうな。

ジェシン:
酉の刻までに調べ出せば方法はある。

(そこにやって来た胥吏は…)

胥吏:
美しき妓女たちから出し抜けに恋文を言付かるとは… 青春とはいいもんですな。
ははははは。

(そう言ってわざとらしく手を差し出す胥吏。ニッコリ笑ったヨンハは懐から金を出し、手のひらに乗せてやります。小さく折り畳まれた手紙をヨンハに手渡す胥吏。開いてみると…?)

『昨今 兵曹判書原曰 金允植以 兵判面前之待令指示也 緊急来要  草善』

ヨンハ:
これは… チョソンの?!

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(兵士たちを集め、出かけようとする父に尋ねるインス)

インス:
儒学者たちの前にキム・ユンシクを立たせるおつもりですか?

兵判:
あの女を連れて来ることになっている手の者がおる。

インス:
以前、紅壁書のときの… その者ですか?

兵判:
これまで私の命令をたったの一度も破ったことのない… 間違いのない者だ。

(そこに聞こえてくる何者かの声)

声:
その命令は… これ以上受けることが出来なくなりました。

(そこには黒装束に身を包んだチョソンの姿。インスは驚きます)

インス:
!!!

ピョンチュン:
掌議、チョソンではありませんか?!

兵判:
お前!(咳払い)あの女は?
あの女を儒学者たちの前に連れて来いと言ったであろう!

チョソン:
大監もいらっしゃることは出来ません。

兵判:
!!!

チョソン:
道を空けるつもりはございませんから。

(兵判から視線を逸らさず、ゆっくり斜めに構え直して背中の剣を抜くチョソン)

#ここまで何も言わずチョソンを見つめているインスの視線が男前すぎる!

(兵判の合図で兵士たちがチョソンを囲みます。一人で戦い始めるチョソン。兵士がチョソンに刀を振りかざした瞬間、インスは彼女を抱きかかえるように守ります)

兵判:
何の真似だ?
今すぐ離れなさい!!!

インス:
この娘に… 一体今何をなさったんですか!!!

兵判:
退きなさい。
この父に任せるのだ。

インス:
いいえ。私の知るところとなった以上、そうはさせません。

(驚いてインスを見上げるチョソン)

兵判:
道を空けろ!儒学者の元へ行くぞ!!!

(構える兵士たち。ピョンチュンも駆け寄り、チョソンを守るように立ちふさがります)

(そこへ突然降り立ったのは… ジェシンでした。インスと背中合わせに立った彼は…)

ジェシン:
道を空けろだと?
… 嫌だね。

(ジェシンから父へ、視線を戻すインス)

ジェシン:
嫌なことは死んでも出来ない性分でね。

(背中合わせのままインスに視線を落すジェシン)

ジェシン:
初めてだな。
お前が人間らしく振舞うのは。

インス:
・・・。

兵判:
あいつら全部片付けろ!!!

(飛びかかる兵士たち)

+-+-+-+

(ヨンハは中から儒学者たちが押す扉を外から押さえていました)

儒学者たち(口々に):
大監はなぜいらっしゃらないのだ!
我々はすぐ宮殿入りしなければ!
成均館がどうなっているのか真実を確認せねばならんな!

ヨンハ:
あぁーーっ!とっくに知らせが届いているはずなのに…。
このくらいはチョン先生が抑えてくれてもいいんじゃないか?
机にかじりついて書物ばかり読んでいる両班たちが、何故こんなに腕っぷしが強いんだ?!

(これ以上押さえていられず扉から離れた途端、中からおじさんたちがワラワラワラと!慌てて微笑んだヨンハは…)

ヨンハ:
兵判大監の命を受けて参りました。
成均館博士、ク・ヨンハにございます。

儒学者たち:
博士???

+-+-+-+

領議政:
殿下、酉の刻でございます。
そろそろ閣議場へお出ましになる時刻にございますが…。

(金縢之詞の箱を撫で、考え込む正祖)

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(続々と集まる大臣たち。左相は目を閉じ、緊張した様子で開始を待ちます)

(ある部屋へ幽閉されているユニ)

(再び王の執務室)

正祖:
そなたもやはり余にあの娘を救ってくれと頼みに参ったのか?

(振り返った王の前にはソンジュンの姿)

ソンジュン:
キム・ユンシク、いいえ、キム・ユニをお見捨てになりますようお願いに上がりました。

正祖:
・・・。

ソンジュン:
そして、私のこともお見捨てになりますよう、お願いに上がったのです。

正祖:
・・・。

ソンジュン:
殿下が夢見ておられる新しい朝鮮には希望がないためです。
殿下がキム・ユニをお見捨てになろうとされる理由は…
あの娘が国法を欺き、五倫を乱して、
女人の身でありながら禁女の空間、成均館へ足を踏み入れたためではありません。

正祖:
・・・。

ソンジュン:
礼と法度に不相応な庶子たちを登用なさったののは殿下ご自身でいらっしゃいます。
殿下の改革のため…

正祖:
余の寵愛が過ぎたようだな…。

ソンジュン:
… 民のための闘いではなく
あの老論たちを打ち負かすために闘ってこられたのですか?
殿下が夢見る大東の世は、民ではなく信念で満ちているのみなのですか?

正祖:
やめよ。
やめるのだ。

(何かを正祖の前に置くソンジュン)

ソンジュン:
自らの居場所を知らず、動くことの出来ない羅針盤は、正しい方向を指し示すことが出来ぬ…
殿下がくださった警句はお返しいたします。

(一礼して去るソンジュン。正祖は何も言うことが出来ず。彼の前に残されたのは、かつて自身がソンジュンに授けた羅針盤であり…)

+-+-+-+

(まだ儒学者たちをなだめるのに四苦八苦しているヨンハ)

儒学者:
こやつめ!!!
畏れ多くも私を誰だと思うておる!
私は刑曺參議大監の次男、ク・チャンソであるぞ、ク・チャンソ!

ヨンハ:
おっと!
明倫堂の柿の木の通りにお住まいのあの…ク・(ユソ?)大監の?

ク・チャンソ:
あ、あぁ…

(儒学者ク・チャンソに抱きつくヨンハ)

ヨンハ:
ク・ヨンハでございます、叔父上!

ク・チャンソ:
???

ヨンハ:
あれですよ、あの!
科挙に立て続けに落ちた末に、300坪ほどの土地で私どもの家族を族譜に載せてくださった!

(ざわめく儒学者たち)

ク・チャンソ:
そ…それはその… こやつめ!

ヨンハ:
心得ております。
それは全て、私のような情けない者に対し、孔子の教えを自ら実践してお見せくださった
殺身成仁の精神であったと…。

※殺身成仁=身を殺して仁を成す。仁義を守るためには命をも捨てること。

(目を閉じ、深く頷いて見せるヨンハ。気まずく黙りこむク・チャンソ)

ヨンハ:
卑しい身分ゆえ成均館の儒生となる資格がないと自暴自棄になっていた私に
(指で文字を書いてみせる)「有教無類」、
教えの前ではいかなる差別もなく万民平等である…
これは論語衛霊公篇の言葉ですが、皆さん覚えておいででしょう?

(もちろん!と一斉に頷く儒学者たち)

ヨンハ:
尊い悟りを授けてくださったものです。

(チャンソに丁寧に頭をさげるヨンハ)

ク・チャンソ:
내…내가 ?
わ… 私がかね?

(ヨンハはチャンソを見つめ、ニッコリ)

ク・チャンソ:
そ、そうとも!もちろんだ。

ヨンハ:
(再び指で書いてみせる)「得天下英才而教育之」

一同:
・・・?

ヨンハ:
利口な若者を見出し、教えを授けることは人格者の三つの喜びのうちの一つである。
これは孟子先生のお言葉ですが。

(愉快そうに笑い、感心する儒学者たち)

ク・チャンソ
孔孟の教えを率先するために私が君をだな… 見出したのではないか。

ヨンハ:
まさか、 直した族譜の墨が乾く間もなく、その教えをお忘れになったのでは?

ク・チャンソ:
あ…

ヨンハ:
成均館儒生としての資質を云々なさるおつもりなら、
まず最初に罰を受けるべきは私と叔父上かと存じますが?

(そのやり取りを扉の向こうで聞いているチョン博士)

チョン博士:
ようやく高みの見物席から下りてきた様子だな。
ク・ヨンハ庠儒、通だ。

※通=合格

+-+-+-+

(厳しい表情で急ぐ兵判の姿)
(外へ出てきたヨンハの前には、厳しい表情で待っているジェシンが)

ヨンハ:
兵判は?

ジェシン:
宮廷にな。かろうじて儒学者会合は阻止したが… 閣議場へ向かったようだ。

ヨンハ:
あとは全て王の手に掛かっているってことか?

(これ以上ユニのために何も出来ず、溜息をつく二人)

+-+-+-+

(閣議場。大臣たちの前で口を開く正祖)

正祖:
皆が華城遷都に反対しているという事実を余はよく分かっている。
余の曲げることの出来ぬ夢だ!
そなたたちが曲げることの出来ぬ党論には一寸の妥協案も見出せぬ。
余はそなたたちの反対意見を不利に追いやる秘器を見つけ出した。
金縢之詞!

(ざわめく大臣たち)

正祖:
壬午年の事件で老論たちを謀反に追いやり、ただの一度で制圧し、余の意志を貫くことができる秘器。

(そこへ閣議場へ入って来たのは兵判)

兵判:
殿下、兵曹判書ハ・ウギュがお目にかかります。

正祖:
まさに!
(金縢之詞の箱に触れ)ここに。これがそうである。

兵判:
殿下!それは!

正祖:
余の言葉はまだ終わってはおらぬ、兵判!!!

兵判:
・・・。

(金縢之詞が入った箱の鍵を開ける正祖。慌てて前へ進み出る兵判)

兵判:
私は全て分かっております。その金縢之詞は!!!

正祖:
金縢之詞は!!!
… 残ってはいなかった。

(じっと目を閉じていた左相が目を開ける)

正祖:
余の愚かさを嘲笑っているかのように。
しかし、余は華城遷都の夢を諦めはしない。
そなたたちを打ち負かすために始めた闘いではなく、
我が民のために始めた闘いであるからだ。
余は最後までやり通すつもりである!

(静かに目を閉じる左相)

+-+-+-+

(閣議が終わり、大臣たちが外へ出てきます)

大臣の一人:
一体これはどういうことです?
金縢之詞はなかったではありませんか。

兵判:
だ、だからもう私にもさっぱり…

声:
大監。

(後ろからやって来たのは大司憲)

大司憲:
辛丑年、先代王遺旨簒奪事件の主犯として義禁府へ押送せよとの御命が下されました。

兵判:
な、何と!

+-+-+-+

(ゆっくりと火に包まれていくのは、王があれほど欲した金縢之詞。王はユニと共にそれを見つめていました)

正祖:
私にもそう約束してほしい。

(顔を上げ、正祖を見つめるユニ)

正祖:
余の取るに足らぬ死ではなく、余の短い生涯でもなく、
余の夢… 余があれほど望んだこの地の明日を。
そなたがいつまでも覚えていてくれるか?
私もやはりそなたの記憶の中で生きて行けるよう…

ユニ:
そう… いたします、殿下。

(微笑みあう二人)

+-+-+-+

(放免され、廊下を歩いているユニの前に偶然現れた左相。驚いて頭を下げるユニを、左相は厳しい視線で見つめます)

(二人は左相の執務室で向きあっていました)

左相:
女人の身で成均館とな…
思ったより大胆な人だったようだ。

ユニ:
・・・。

左相:
曲がりくねった足取りで行き迷わぬよう、私を境界と思うことにしていると言ったか。

ユニ:
・・・。

左相:
うまくは行かぬであろう。
目を開いていても落とし穴に出食わすのが人生であるから。

ユニ:
・・・。

左相:
一人では容易いことではなかろうに。
… うちの息子のそばで力になってくれるか?

ユニ:
… !!!

左相:
この老いぼれの欲が過ぎたかな?

(驚いてただ左相を見つめるユニ)

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(そして成均館)

ソンジュン:
ありがとうございます、師兄。

ジェシン:
これが最後だ。
ここからはお前の努めだからな。

ソンジュン:
・・・。

ジェシン:
俺がこれ以上あいつのことで気を揉まずに済むように、
しっかり、ちゃんと、最後までやれよ。

ソンジュン:
これまで師兄が大切にしてくださったお気持ち… 忘れはいたしません。
ありがとうございます。

ジェシン:
やめろや… 照れくさい。

声:
ここで何してんだ?

(大木の陰からくるりっと現れたのはヨンハ。手を振りながら笑顔で二人に近づいた彼は…)

ヨンハ:
主役がさっきから待ってるっていうのに。
行こうって!大物のやつが帰ってきたんだから!行こう!

(ソンジュンの肩に手を回し、歩き出したヨンハの首根っこを掴み、引き戻すジェシン。ソンジュンも足を止め、振り返りますが…)

ジェシン:
(ソンジュンに)行けよ。

ヨンハ:
何だよ、一緒に行こうって!うん?

ジェシン:
お前が割り込む場かよ?

(笑顔で背を向けるソンジュン。ジェシンを見てニッコリ笑ったヨンハは彼の肩にポンと手を置き…)

ヨンハ:
それなら、私の場所は… ここかな?

(照れてヨンハを小突くジェシン)

ヨンハ:
何だよ~。

ジェシン:
ははは!

(ソンジュンの後ろ姿を見送る二人。そしてジェシンの笑顔を見たヨンハは彼の肩に手を回し、反対の方向へ…)

ヨンハ:
行こう!

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(ソンジュンがやって来たのはいつもの書庫。ゆっくりとユニの姿を探します)

(一番奥に佇む後ろ姿を見つけ、それでもなお、ゆっくりと歩みを進めるソンジュン。彼女の後ろ姿から一瞬たりとも目を離すことなく…)

>>回想

ユニ:
私が捧げられるものは許しではなく情人の… 女人の心だけ。

>>

(彼女の真後ろまでやって来たソンジュン)

ソンジュン:
芸ある熊を見たか?

ユニ:
(笑顔になって)ワンさん?!

※二人が1話で使った合言葉。”재주는 곰이 부리고, 돈은 왕서방이 버는 꼴이다”(芸は熊が振るい、金はワンさんが稼ぐ=苦労した人は得をせず、第三者が儲けを持って行く、という意)から来ているようです。

(振り返るユニ。二人は再会を喜び、笑顔で見つめ合います)

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(夜の街中。妓女の服の紐をスルッと解いたヨンハは、あらわになった白い肌に、横に垂れ下がっていた赤い布を合わせ…)

ヨンハ:
うーむ、君にこの色は全く合わないな。
このク・ヨンハが作る服を着こなすには、君は顔立ちが古典的すぎる。

妓生:
成均館の儒生であったと聞きましたが… この腕前は一体どこで身につけられたのです?

ヨンハ:
生まれ持った才能さ。
私はク・ヨンハだからね。

(微笑むヨンハの頭上から舞い降りてくる青い紙。「青壁書だ!」という叫び声が響きます)

ヨンハ:
また始まったか。また…

(上を見上げてニッコリ)

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(屋根の上では青い紙を撒きながら走る青壁書の人物。そこへ、たった一人でそれを追う武官が現れます。あっという間に先回りして立ちふさがり、青壁書を捕らえたその武官はジェシンでした。青壁書の覆面を剥ぎ、顔を見たとたんシャックリを始める彼。気を取り直し、懐から取り出して見せた青壁書は赤い添削だらけで…)

ジェシン:
こんな出鱈目な文章、やたらと書いてると癖になるぞ。

(直した青壁書を渡し、黙って背を向けるジェシン)

ジェシン:
近頃成均館では一体どう教えてんだ。
まともな壁書を見かけないな。ヒック!

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(成均館。「博士様」「質問があるのですが」とある博士の後をゾロゾロと追いかける儒生たち。振り返った博士は… キム・ユニ!)

儒生:
論語爲政篇についての私の点数が間違っているようで…。

ユニ:
学ぶばかりで思案することがなければ…

(そこへ、横から答案を奪い取る人物が。それは、厳しい表情のソンジュン)

ソンジュン:
学ぶばかりで思案することがなければ、頭が固まってしまうということだ。
(儒生に)君!自ら考えることなく師匠の後をぞろぞろついて回ってばかりいるとは…。
それを学者の姿勢とは言えない。不通だ!

※不通=不合格

ユニ:
!!!

ソンジュン:
質問をしたのであれば書から目を離さないでいるべきものを、
大胆にも尊い師匠の顔ばかり眺めているとは。
決して学者の姿勢とは言えまい。
君は不通、不通だ。

ユニ:
知っている事でも反問するのは学問の基本。
ゆえにこの儒生は通です。
さらに、師匠に深い尊敬の心を抱く美しい弟子の心も通。
それも大通です、イ博士。

(じっと睨み合う二人。そこへやって来て儒生たちを押しのけた大司成は…)

大司成:
一体何をしているんです、イ・ソンジュン博士、キム・ユンシク博士?
君たちは学問にしろ儒生管理にしろ、
毎度このように言い争うばかりとは…。
部下職員の管理不徹底で、私は今度の人事異動でまた脱落いたしましたよ!
しっかりしてくださいよ、お願いですから!
いつまでこうやって言い争ってばかりいるつもりですか?!
そんなことではこの私、生きているうちに中央朝廷へ足を踏み入れることなど出来ないではありませんか!

#うーん、このへん↑かなりいい加減な聞き取り&訳です。全然見当違いかも。ごめんなさい!

(ふたたび睨み合う二人。大司成はハッと儒生たちの視線に気づき…)

大司成:
ですからね、これは私ためではなくですね、
全てはこの成均館の平和のため…

(取り繕う大司成を残し、その場を後にする二人。振り返った大司成が気づいたとき、二人はそそくさとお互い反対の方向へ)

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(その夜。昼間と同じように部屋で向き合った二人。壁を指でスッと撫で、指先を見たユニは)

ユニ:
今日の掃除当番はイ・ソンジュン博士ではなかったかしら。
やれと言った掃除もまともにせず、嫉妬ばかりしていて夫として通が貰えると?

ソンジュン:
間違っていると言われるのは仕方がないが、
嫌いだと言われるのは聞き入れられないな。

(ふいにユニにくちづけをするソンジュン)

ソンジュン:
ならば、これは通か?

(驚いて思わず笑ってしまうユニ)

ソンジュン:
通を貰うまで辞めるつもりはないからね。

(再びユニに、今度はゆっくり顔を近づけるソンジュンだが、ユニは指でさっと彼の口唇をおさえ、ろうそくの灯りを吹き消す。ニヤリと微笑み、彼女を押し倒すソンジュン)

ユニ:
今日はどうなさったの?

(ゴソゴソしていたソンジュンは、机の上のに置いてあった赤い本に手を伸ばす)

ソンジュン:
まだ慣れないからね…

ユニ:
そんな本をいつまで…

ソンジュン:
これだな…
あれ、こうではなかったか?

ユニ:
!!!

( 完 )

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無駄がなく抑制のきいた言葉は、ひとたび俳優たちが口にすると洒落た会話となってイキイキと私の心の中で踊り、
どの登場人物も個性的で魅力に溢れ、カメラワークや照明、衣装、音楽、あらゆる面で素晴らしいドラマでした。

こうやってじっくり聞き取っていると、特にヨリムの魅力に改めてウキウキしております^^
彼がいなかったら堅物とぶっきらぼう二人で一体どーなっていたことか(笑

リアルタイムで1話からTwitterのお仲間と一緒に観始めたものの、難しくて最初は全然話が理解できず、こうやって聞き取り翻訳をやろうだなんて、考えもしませんでした。
6話?くらいでどうにもこの萌え萌えなセリフたちを書き留めたくなり、回を追うごとにシーンを増やしながら最終回に至りました。

途中から始めたので、こうやって最後までたどり着いても、何となくこのまま手放すには忍びなく^^;

すでに原作本は少しずつ読んでいますが、ドラマ成スとも何らかの形でまだまだ付き合いを続けていこうと思います。
とりあえず1話から順に観直しだな^^

長い文章を最後までお読みいただきありがとうございました!

 - 成均館スキャンダル

Comment

  1. […] This post was mentioned on Twitter by きみっつ, Kmadam. Kmadam said: @horikom ほらね!RT @yujina: 成均館スキャンダル20話対訳:後半之書 http://is.gd/GRrrhv […]

  2. na-mim より:

    ゆじなさん、お疲れ様でした。
    お見事としか言いようがありません。全くすばらしい。脱帽です。

    細かな単語の訳語一つ一つに神経が行き届いていて、日本語としてとても美しいです。ブログタイトルの美しい言葉とは韓国語、日本語双方だったのですね。

    たとえば감히とか자꾸とか、辞書どおりだと不自然な日本語になってしまう単語の扱いもさすがだし、백성を百姓と訳さずに民とされたのは、相当日本史への造詣も深いとお見受けしました。

    感動と憧憬と、そして個人的には焦燥と諦念を感じつつ、最初からまた読ませていただきたいと思います。
    ありがとうございました。

  3. よっち より:

    ゆじんしさん、完走お疲れ様でした。
    記事を読みながら、再度の視聴を心に決めました(笑)。
    私にとって時代劇はまだまだ高い壁の向こうにあり、完全な理解は困難ですが、このドラマを機に視野が少しだけ広がった気がしています。
    私も原作本を解読中(笑)です。
    進みはほんの少しずつですが、しっかりと楽しんでおります。
    これからもこちらのサイトで楽しく韓国語の学習をさせていただきたいと思います。
    よろしくお願いいたしますね♪

  4. えむえむ より:

    yujinaさま、心から、GOOD JOB!!

    以前、「イタKISS」でお世話になっておりましたが、
    キム・ヒョンジュンの長い潜伏期
    →気晴らしに見直した韓国版アンティーク西洋骨董洋菓子店
    →ユ・アイン君
    →成均館スキャンダル→ソンス廃人…
    以上の過程を経て、またまたyujina様の恩恵をいただいております。

    本番放送中、iMBCはあんなに繋がらなかった一方、
    KBSは綺麗に接続できたのに、何で本番死守で見なかったんだろうと
    後悔ひとしお。

    これだけ脚本が見事で、映像が美しく、歴史的事実と現代にかぶるテーマを被せたドラマだったなんて、久々にはまりきってしまいました。

    実は、私も韓国から原作4巻取り寄せたのですが、
    ドラマの余韻からなかなか抜け出せなくて、未だ読み進めない状態です。

    yujinaさまのセンス溢れる訳とキャプチャーに浸り、
    大ファンの緑コメに今回も共感を揺さぶられながら、
    この難しい内容を完結させて訳して下さったことに、感謝いっぱいです。

    20話では、ヨリムと儒者達のやりとりが大好きで、
    yujinaさまの訳のおかげで、くっきりと堪能することができました。

    ユチョンにも新しい魅力を発見し、
    実は容貌よりも声が好きなジュンギのダークヨリムに心掴まれ、
    イ・サンのチョン・ヤギョン博士とは違った魅力のアン・ネサンにも惹きつけられた一方、
    ああ、困ったことに、やはりコロ墜ちしてしまった想定内のわたくしです。

    そもそも、韓国版の映画「アンティーク」4人組みの絶妙な演技が大好きで、アイン君を知ることになったのが始まりだったのですが、
    演技がうまいことだってわかってはおりましたが、
    可愛い、殺人笑みと同居するセクシーさがあることも感じていたにもかかわらず、
    コロ・ジェシン師兄の目の表情で全てを語る表情演技は、
    囁きの声のトーンとせつない印象的な流し目…って、
    あれは女心への反則です。

    特に、メイキングで感じるユ・アインの演技の上手さには惚れ惚れで、
    KBSほんとうは賞をあげたかったでしょとつつきたくなります。
    男にはいくつになっても可愛いところがなければ…というのは
    私の持論ですが、其処にセクシーさが加わると、無敵なのでは?
    今後の演技が楽しみですね。

    また男装の女の子?
    と思っていたキム・ユニも、堂々として、自然で気持ちの良いキャラでした。ほんとうの意味で自立した女の子。
    チャルグム4人組それぞれの父子関係も合わせて、
    今回も真実の親子の情の在り方を考えさせられ、感動する場面も多かったです。

    そして何より、
    正祖という歴史的にも優れた王様と韓国の文化を再発見して、
    正しい政治のためには、表面的なマニュフェストが問題でなく、
    確固たる政治理念、哲学、未来への国家としてのヴィジョンが切実であることを考えさせられました。
    また、それを担う優秀な青年を育てる教育の大切さも。

    ドラマにおいて、
    金勝之書を焼き捨てたとしても、
    自分の癌に侵された命が理想の実現に至らず尽きたとしても、
    目の前にいる純粋な若い儒者たちの心根に、信頼のおける希望の後継を見いだせたからこそ、正祖は真に力を得ることができたはずです。

    何のかんのと、欧米諸国にはキリスト教精神があり、
    韓国でも儒教とキリスト教、仏教の精神が社会を支える力になっており、
    では 日本はと考えると、どうなるのでしょう。

    長くなってしまいましたが、
    またyujinaさまの渾身の文章を読み返しながら
    しばらく ソンス病にどっぷり浸る日々を送りそうです。

    もういちど、感謝をこめて。

    いつも身勝手な雑文で申し訳ない訪問者より。

  5. minahiro より:

    ありがとうございました。m(_)m
    今読み終えて またあの時のことを思い出し 少し興奮しております♪
    2人が博士になってからの会話が とても気になってました。
    イソンジュン❤あんな事いってたんですね^^
    ラストの雰囲気がぁ~~~~妬ける!!今みても♪
    赤本。。。リアル視聴の時は?だったんですが ゆじなさんの和訳で ヨンハが渡したものだったと初めてわかりました。

    なぜチョソンが兵判のしもべになったのか?・・・解らなかったんですが私の理解不足でしたらスイマセン。
    ユチョンが好きで見だしたドラマでしたが 周りの役者さん達がステキで内容も私好みでイソンジュン❤と思いながらコロに魅かれる・・・と毎週月、火がとても楽しい、といった時間でした。
    そこで ゆじなさんの和訳を知り このドラマがもっと味わい深くなりました。感謝です♪
    噂ですが ユチョンがまたドラマをするみたいなので
    ゆじなさん好みでしたら また和訳お願いします(^人^)

    ほんとに ありがとうございました♪ 2月の疲れもぶっ飛びました^^

  6. violet より:

    ユジンさん、こんにちは(*^_^*)!

    ちょっとコメント遅くなりましたが、成均館スキャンダルの完走、おめでとうございます、そして何よりお疲れ様でした。

    私は、最初ただ単純に話が面白そうと言葉もわからず無謀にも視聴を初めて、頭を抱えるほど台詞の意味が(?_?)(?_?)(?_?)(?_?)で理解できずに、あらすじ求めてネットを連日彷徨い、ユジンさんのブログにたどり着きました。
    綺麗に訳された文章に出会い、ほっ(^o^)、これで視聴が内容が理解できて、楽になると安堵したものでした。

    色々印象的な言葉が多かったのですが、忘れもしません、7話でのソンジュンの渾身の激励シーンにて、下記の文章です。

    《一度厳しくしてガッカリさせておいて、その後一気に持ち上げる。
    ソンジュンよ、君がいつも読んでいる書物にはこういう駆け引きテクニックが満載なのか?!
    それはぜひ読みたいぞ!》
    ↑↑↑↑
    私はこの文書を読んでコロっと墜ちました。
    コロことジェシンでもなく、カランことソンジュンでもなく、ユジンさんの文章に堕ちましたよ。
    なんて素敵な、ユーモアのある誉め言葉なんだろうかと…….。
    私もこんな言葉をさらっと紡ぎ出せたり、書けたらいいなと羨ましくもあり、これはユジンさんに後ろにくっついて行こうと決めました。
    ユジンさんが名付けられた『イ・ソンジュン・マジック』も言い得て妙でした。

    このドラマと出会ったおかげで、ユジンさんとお知り合いになれて、作品共々私の記念になりました。
    本当にどうもありがとうございました、そしてこらからもよろしくお願いいたします。

    PS.私、今まで一度も二番手組合に加入しなかったのですが、最近加入いたしましたわぁ^^;^^;。

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