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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

ホテル・デルーナ14話あらすじ&日本語訳~後編

   

IU(イ・ジウン)、ヨ・ジング主演のtvNドラマ『ホテル・デルーナ(호텔 델루나 )』14話、後半のあらすじを、セリフの日本語訳もまじえて紹介していきます。

招待客

チャンソンに勇気づけられ、マンウォルはホテル・デルーナへの招待状を2通用意した。
1通はパク・ヨンス警部に、もう1通はイ・ミラに届けられる。

その夜。
さっそく二人は揃ってデルーナを訪れた。
二人が案内されたのは、スカイバーだ。

ソンビ「ここは酔って過去の生を夢に見る、“醉生夢”。私がバーテンダーです。今日は神が特別に、お二人がしばし過去の生に戻ることを許されました」
ヨンス「神?」
ミラ「そのくらい美味しいってことよ!」
ヨンス「あぁ~」
ミラ「前は記憶が途切れちゃって覚えてないから、今日はゆっくり飲まないと」

ソンビが二人の前にカクテルを差し出した。
ほんのり紫色を帯びていて、上に青い花びらが乗っている。

ミラ「花びらですね」
ソンビ「月霊樹という木の花びらです」
ヨンス「月霊樹?月桂樹じゃなくて?」
ミラ「(イラッ)あるんでしょうよ、もう」

「綺麗だわ」ミラは逸る心をおさえ、グラスを覗いた。

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チャンソンとマンウォルは月霊樹の前に来ていた。

チャンソン「あなたに縁のある人が、今ここに来ています」

「…。」マンウォルは緊張の色を隠せない。

チャンソン「彼らを通して、あの人の話が聞けるはずです」

彼女を残し、チャンソンはその場を離れた。

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ミラが月齢樹のカクテルに口をつけ… 過去への旅に出た。

~~~~

「チョンミョンさん」ソンファ姫は一人で湖の畔にいたチョンミョンに声を掛けた。

ソンファ「父上があなたをお呼びです」
チョンミョン「城主様がなぜ?」
ソンファ「あなたが反乱軍と内通しているという報告があったのです」
チョンミョン「!」
ソンファ「このまま父のところへ行けば、あなたは殺されるわ。そこで、私が軍を出しました」
チョンミョン「?」
ソンファ「今あなたが待っていた者の一味を捕らえるつもりです」
チョンミョン「そ、それはどういうことですか」
ソンファ「あの盗賊一味は高句麗の遊民です。彼らを討伐して城主に差し出せば、疑いも晴れるでしょう」
チョンミョン「彼らはただ商団の荷をくすねて流離う盗賊たちです」
ソンファ「あなたが反逆者として死ねば、あなたの部下たちはもちろん、あなたと繋がりのある城内の異民族たちは皆死ぬことになるわ」
チョンミョン「!」
ソンファ「たとえ数百人になろうと、反乱軍を恐れる父上は皆殺しにするでしょう」
チョンミョン「…。」
ソンファ「彼らを捕らえてください」

「…。」選択の余地はない。チョンミョンは満月の装身具をぎゅっと握りしめた。

~~~~

続いてヨンスが月霊樹のカクテルを口にする。

~~~~

別の土地へ出発しようとしていたところを、ヨヌたち一団は軍隊に襲われた。
懸命に応戦するも、彼らは捕らえられてしまう。
ヨヌの前に現れたのは…チョンミョンだった。

ヨヌ「盗みを働いた奴らだけ捕らえればいいだろ。なぜ集落の者全員捕らえるんだ?」

「俺は盗賊一味を捕まえに来たんじゃない。反乱勢力の討伐に来た」視線を逸したまま、チョンミョンが淡々と言う。

ヨヌ「何だって?」
チョンミョン「奴隷としてでも生き残れるように、手を尽くすつもりだ。そのために、お前たちには反乱軍として死んでもらう必要がある」
ヨヌ「あんた… 何言ってんだ?」

チョンミョンは小さく溜息をつき、俯く。「共に生きられる道を探そうとした」

チョンミョン「お前たちが行こうとしていたトンム山の新たな国に、俺も… 一緒に行こうと思っていたんだ」
ヨヌ「!」
チョンミョン「だが、勘づかれてしまった。お前たちの命を借りてでも伏せなきゃならない」
ヨヌ「…。」
チョンミョン「無事に隠し通せたら… そのとき俺の命で償おう」

「命で償おうなんて思うな」ヨヌがポツリと言う。

チョンミョン「?」
ヨヌ「マンウォルを助けろ」
チョンミョン「!」
ヨヌ「言い訳なんてせずに、裏切り者として生きるんだ。そうすれば、マンウォルは生きていられる」
チョンミョン「…。」

~~~~

月霊樹の前で、マンウォルは一人立ち尽くしていた。
ミラとヨンスを通して、遠い過去の出来事が流れ込んでくる。

マンウォル「ヨヌとの約束だったのね」

麻姑神(花売り)がやって来て、そっと声を掛ける。「あやつはずっとホテルにいた」

マンウォル「?」
麻姑神「月の宿の最初の客は… あやつだ」
マンウォル「!」
麻姑神「ここでずっと罪を償っていたのは、お前だけじゃない」

麻姑神の視線につられて、マンウォルは月霊樹を見上げた。
一匹のホタルが弱々しい光を放っているのが目に入る。

マンウォル「…!」

彼の苦悩がマンウォルの心の中に流れ込んでくる。

~~~~

姫と婚礼をあげ、初夜の寝室に入ったチョンミョンは、寝床で待っているのがマンウォルであると察知した。
来るべきときが来た…。

チョンミョン(心の声)「待っていたぞ…。躊躇うことなく俺に刃を向けろ。そうすれば、喜んでその刃に飛び込もう」

~~~~

麻姑神「お前は一度もあやつの名を口にしたことがない。お前が呼べば、姿を見せるだろう」

「ずっとそこにいたの?」マンウォルが呼びかける。

マンウォル「いたのなら… ちゃんと姿を見せて。コ・チョンミョン」

月霊樹からホタルが飛び上がり、しばらくふわふわと舞っていた思ったら、その光はコ・チョンミョンへと姿を変えた。

#ここ!びっくりしなかった?突然実体で現れすぎやろ(笑)

マンウォル「言いたいことがあるなら言って。全部聞いてあげるわ」

「言い訳なんかないさ」チョンミョンはそう言って、ニコリと微笑んだ。「…妹よ」

マンウォル「最後の瞬間、私を見守ると言ったでしょ。私が月霊樹に縛られて恨みを募らせている間、あんたはその言葉に縛られて旅立てずにいたのね」
チョンミョン「…。」
マンウォル「私の恨みは… 全部解けたわ。だから、あんたもそこまでにして」

チョンミョンは小さくうなずいた。「これで本当に… 最後なんだな」

マンウォル「えぇ。最後よ」

チョンミョンは目に涙を溜め、それでも懸命に微笑んでみせた。

マンウォルが手に握っていた満月の装身具を改めて見つめる。
そこに清らかな涙がこぼれ落ちると、装身具はキラキラとした光の粒となり、消えていった。

顔を上げるとチョンミョンの姿は消え、一匹のホタルが月霊樹の枝へと舞い上がる。
麻姑神が手のひらにホタルをとまらせた。

麻姑神「この魂にあの世まで辿り着く力はない。このままにしておけば、消滅する。生まれ変わることも出来ないだろう」

手のひらのホタルを、麻姑神はマンウォルに差し出した。「そうならぬよう、お前がこやつを送り出してやりなさい」

マンウォル「!」
麻姑神「それが、お前の最後の償いだ

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マンウォルが社長室へ戻ると、チャンソンがそこで待っていた。
彼女は黙って彼の隣に腰を下ろし、彼の肩に身を預けて目を閉じた。

マンウォル「…。」

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ミラがふと気づくと、そこはタクシーの後部座席だった。
隣で眠っているヨンスの肩を叩き、彼を起こす。

「お目覚めですか?」助手席のユナが振り返った。

ユナ「お二人ともかなり酔っていらしたので、支配人がお送りしろって。タクシーを呼んだんです。二人だから帰れますよね?」

「えぇ」ヨンスがぼんやりとしたまま頷く。
「お気をつけて」ユナがタクシーを降りていった。

ミラ「あぁ、またやっちゃった。前もタクシーで帰されたの。今回はお酒を飲んだところまで覚えてるんだけど…」

「…。」黙ってシートに身を預けたまま、ヨンスの目から涙がこぼれ落ちる。

ミラ「ヨンスさん、どうして泣いてるの?」
ヨンス「わからない。すごく悲しくて…」

「あなたが泣いたら… 私も悲しくなるわ」ミラが指先で彼の涙を拭う。

ヨンス「俺… どうかしちゃったみたいだ」

「私がいるんだから、泣かないで」ミラはヨンスを抱き寄せた。

#泣いた。泣いたわ。
「なぜか」パク・ヨンスが涙を流すという表現にとどめた脚本が憎い。過去生に戻ったことは覚えてないというのも憎い。前に道路越しにマンウォルを観たとき「あれ?」っていう顔をするだけにとどめた場面といい、さり気なくて逆に余韻が残ります。幸せになってほしいわー。

近づく別れ

ユナはヒョンジュンに贈り物をした。
古い懐中時計だ。

ヒョンジュン「すごく古いものに見えるけど」
ユナ「70年以上前のものよ。あんたが生きているときから今まで、ずっと時間が流れている時計なの」
ヒョンジュン「探すのに苦労しただろうな。ありがとう」

ユナが明るく笑う。

ヒョンジュン「それから、ごめん」
ユナ「私より70も年上のおじいさんなのをわからせたくて、すごく苦労して手に入れたのよ。だから、あんたの妹みたいに私が老けていっても、あんたのほうがずっと年上だってこと、忘れないで」

「ユナ」ヒョンジュンはそっと切り出した。「僕、もうすぐ旅立つよ」

ユナ「?」
ヒョンジュン「妹のヒョンミを待っているって言ったろ?ヒョンミ、かなり具合が悪いんだ。ヒョンミが逝くとき、僕も一緒に逝かないと」
ユナ「…!」
ヒョンジュン「ユナ、この時計が出来たとき… 僕はもう死んでいたんだ」
ユナ「!」
ヒョンジュン「死んでいる僕の時間、生きている君と一緒に流れはしない。あまりに早く死んでしまって… 悔しいよ」

最後の償い

ホタルを収めた瓶を抱えて、マンウォルはトンネルの前にいた。
「送ってくるわ」一緒に来たチャンソンに声をかける。

チャンソン「すぐ戻って来ますよね?」
マンウォル「もちろんよ、すぐ戻るわ」

努めて穏やかに送り出したものの、チャンソンは車に乗り込もうとするマンウォルを思わず引き止めた。「帰って来ますよね?」
腕を掴んだ彼の手に、彼女は優しく触れた。「待っていて」

彼女とホタルを乗せ、車は走り出した。

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それから1ヶ月。

マンウォル不在のまま、ホテルの運営は続いていた。
チャンソンもまた、以前と変わらず誠意を持って接客に当たっている。

ソンビ「チャン社長が帰らぬまま、1ヶ月が過ぎた」
ソヒ「社長がいないのに、ホテルはなぜそのままなのでしょう」
ソンビ「もはやチャン社長が月の宿の主人ではないからと…」
ソヒ「…?」
ソンビ「…そう推測できる」

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ヒョンジュンに呼ばれ、チャンソンは庭園にやって来た。
あれほど咲き誇っていた月霊樹が、すっかり枯れ上がっている。

ヒョンジュン「昨日まではまだ少し残っていたのに… もう何も残っていません」
チャンソン「…。」
ヒョンジュン「社長はもう… 戻って来ないんでしょうか」

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小雨の中、チャンソンはトンネルの前で物思いにふけっていた。

チャンソン「…。」

雨粒がピチャンと跳ねる音に、チャンソンが行ったり来たりする足音が交わる。
何度トンネルを覗いても、何一つ変わりはなかった。

チャンソン「…。」

「待っていて」そう言ったマンウォルのまっすぐな目が思い出される。

チャンソン「チャン・マンウォルさん、早く帰ってきてください。そろそろ… 不安です」

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「スタッフ全員、新しい社長が来ることには絶対反対です!」ヒョンジュンたちは揃って死神に訴えた。

ソヒ「社長を戻らせてください!」
ソンビ「私も反対ですぞ!チャン・マンウォルには500年でようやく慣れたんだ。また別の人物?嫌だね!」
死神「チャン・マンウォルが戻るか否か、それは当人の決めることだ」
ヒョンジュン「支配人がいるのに、社長が戻ってこないわけありません」
死神「三途の橋に足を踏み入れたなら、彼を忘れている可能性もある」
3人「!」

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その頃…

マンウォルはチョンミョンと共に、長い長い三途の橋を歩いていた。

「…。」マンウォルがその歩みを止める。

#確かにそのハイヒールじゃ辛かろう

1歩先を歩いていたチョンミョンが振り返った。

チョンミョン「…。」
マンウォル「…。」

チョンミョンが黙って彼女に手を差し出す。
このまま一緒にいこう… 優しい手がそう彼女に語りかけた。

マンウォル「…。」

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「この地での記憶をすべて捨て、最も遥かな記憶に導かれて、橋を渡るかもしれぬ」死神の言葉に、3人は力強く掲げていた手を思わず下ろしてしまった。

ヒョンジュン「だから、花が散ってしまったのかな」
ソヒ「木は死んでしまったのね…」
ソンビ「確かに。花はすべて散ってしまった。チャン・マンウォルはとうとう…死んだのだな」

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この先どうなるのか、それは死神にもわからなかった。
「月の宿に新たな主人が来るのですか」彼は枯れ上がった月霊樹の前で麻姑神に尋ねた。
麻姑神は首を横に振り、静かに微笑む。「月の宿の主人は、この月霊樹だ」

死神「花も葉も散り、死んでしまったではありませんか」
麻姑神「…。」

+-+-+-+

チャンソンはバス停のベンチにポツンと座り、バスが来るのを待っていた。

彼の前にバスが滑り込んでくると、乗車口の扉を開ける。
車体広告の大食い王キム・ジュニョンが、まっすぐチャンソンを見つめていた。

チャンソン「…。」

「こんな熱いのをキム・ジュニョンは5個も1口で食べるのよ!」出会った日、そう言って目を輝かせたマンウォルの姿がふいに蘇る。
キム・ジュニョンが訪れた店にわざわざ連れて行ったこともあった。
終いには勇気を出してキム・ジュニョン本人のサインまでもらいに走ったのだ。

彼女と過ごした日々は、どれも花のように美しく輝いていた。

バスが扉を閉めて走り去ると、ふたたび静けさが戻る。
その途端、言いしれぬ悲しみの渦がチャンソンを襲った。

+-+-+-+

「花はすべて消えたわけじゃない」麻姑神の言葉に、死神が振り返る。「?」

麻姑神「まだ残っている。月を夢見る花を、そこに入れておいたのだ」

チャンソンが支配人に就任してまだ間もない頃。
ソファで眠ってしまった彼を見て、麻姑神は彼の胸にそっと月霊樹の花を置いた。
青い花がふわりと開いたかと思うと、彼の胸の中へと消えていったのだ。

+-+-+-+

三途の橋。

手を差し伸べるチョンミョンをひとしきり見つめていたマンウォルは、彼にかすかに微笑みかけた。
そして…
次の瞬間、くるりと踵を返した。

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ここでエンディングです。
多忙だったりネットが繋がらなくなったりで、翻訳作業が飛び飛びになってしまいました。

大きな山場でしたね…。
ミラやヨンスを現世のドロドロ要素にしてしまうのではなく、彼らがマンウォルの遺恨を解いてくれたことが私は嬉しかったです。

この先の展開を知らずに言いますが、チョンミョンとの決着はマンウォルの根源にあるテーマだったので、16話中の14話に持ってくるとは思いませんでした。
でも、それを乗り越えた後の彼らをもっと描きたかったということなんでしょうね。
逆に今後デルーナがどうなるのか、ソヒたちがそれぞれどうなるのか、マンウォルとチャンソンがどう愛を成就させるのか、何も読めなくて俄然楽しみになってきました。

 - ホテルデルーナ 〜月明かりの恋人〜