韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

ホテル・デルーナ9話あらすじ&日本語訳~後編

   

IU(イ・ジウン)、ヨ・ジング主演のtvNドラマ『ホテル・デルーナ(호텔 델루나 )』9話、後半のあらすじを、セリフの日本語訳もまじえて紹介していきます。

デルーナを探す方法

「クビになったの?ひょっとして私のせい?」ミラが驚いて声を上げる。
サンチェスの家の庭で、彼ら3人はテーブルを囲んでいた。

サンチェス「ミラさん、チャンソンのホテルで何をやらかしたんです?」
ミラ「覚えてないんですよ。ホテルがすごく素敵でテンション上がったんだけど、その後の記憶がパタッと途切れてるの。気がついたら酔っ払ってタクシーに乗ってたわ。お酒飲んだのかな?」
サンチェス「そりゃ飲んだんだろ。好きじゃないか。それで何かやらかしたんだろうな。散々やったろ。俺だって何度も見たぞ」

「ミラのせいじゃない」チャンソンが俯いたまま言った。

チャンソン「ただ… 俺が足手まといだったんだ」
二人「…。」

「ホテルに行く方法を探さないと」チャンソンは立ち上がり、部屋へ戻っていった。

サンチェス「(溜息)マンウォルに捨てられたんだな」
ミラ「付き合ってたわけじゃないんじゃ?」
サンチェス「チャンソンは好きだった。諦めさせるために、マンウォルがバカ高い絵を置いて行ったろ。ヨットクラブでもそういうヤツらはたくさん見たが、マンウォルがそんなことするとはな。酷いよ」
ミラ「じゃあ、部屋にあった山の絵、手切れ金みたいなものね」
サンチェス「よりによって別れのプレゼントに白頭山なんて!チャンソンのやつ、愛国歌を歌うたびに悲しむだろうな」

優しいサンチェスは、チャンソンを思って顔を歪ませた。

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自室に戻るなり、チャンソンはハッと目を見開いた。
白頭山の絵の持ち主であった、前ホテルの会長がそこに立っていたのだ。

チャンソン「会長!」

「やはり君は死者が見えるのだな」驚くチャンソンに、会長はそう言った。

チャンソン「亡くなったと新聞で見ました。ご挨拶に伺えず、申し訳ありません」

会長は白頭山の絵に視線を移す。「この絵が思い浮かんでね、一目見てから逝こうと思ったんだ」

会長「虎はここにいるのかね?」
チャンソン「私が勤めていたホテルで休んでから、あの世へ行きました」
会長「ホテル?」
チャンソン「現在の会長のように、死んだ人しか行くことのできないホテルがあるんです」
会長「実に面白いホテルで働いているんだなぁ。私も行ってみたいものだ」

そうだ!
「大丈夫です!」チャンソンは即座に答えた。「会長には見えるはずですから」

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チャンソンがスーツ姿で庭へ出てきた。

サンチェス「どっか行くのか?」
チャンソン「あぁ、ホテルに」
ミラ「もう行けないんじゃなかったの?」
チャンソン「方法を見つけたんだ」

「行きましょう」チャンソンは“誰もいない背後”に声を掛け、端正に歩きだした。

ミラ「プライドの高い人なのに、まさかしがみつくつもりかしら。よっぽどね」
サンチェス「ミラさんも変だよ」
ミラ「?」
サンチェス「なんで止めないんです?チャンソンが好きでここへ転がり込んだくせに。デートだって妨害したのに、なんで今は黙ってるんだ?」
ミラ「諦めがついたんです」
サンチェス「えっ?!」
ミラ「チャンソンを振り向かせようって決心してたんだけど、あのチャン・マンウォルって人を見たら… 無理だと思って」
サンチェス「マンウォルが金持ちだから?美人だから?」
ミラ「私だって稼いでるわ。美人だし!」
サンチェス「…。」

「だけどあの人には絶対に勝てない気がして」ミラは自分でも不思議そうに首をかしげる。「どうしちゃったんだろ?前世で何か借りでもあるのかな」

サンチェス「まぁ、そうだろうな」
ミラ「?」

「現世でも借りだらけなんだから」サンチェスは厳しい表情で手のひらを差し出した。

ミラ「返しますよ!それに私、アメリカ時代だって友だちとの飲み会はサンチェスの店を使ってたわ」

「グループチャット、チェックしなきゃ」ミラはぷいと立ち上がった。

サンチェス「チッ、グループチャットには俺も入ってるし、その飲み会の幹事は俺だ。なんであんなに恩着せがましいんだか」

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マッコリの瓶を抱えてマンウォルが戻ってきたときも、まだ彼女の荷物は届いていなかった。

ソヒ「ヒョンジュンたちが途中で霊に会ったようで、お客様としてお連れするそうです」
マンウォル「(呆れて)あいつら… やっぱり寄り道してたのね」
ソヒ「ヒョンジュンは支配人のそばで学んだようです。ク支配人は13号室のお客様の一件以来、彷徨っている霊を見かければ放っておけませんでしたから」

「そうね」マンウォルは呟いた。
偶然出会った不憫な霊をつぎつぎと連れてくるチャンソンの姿を思い出し、思わず顔がほころぶ。「…ビビリのくせに、お人好しなんだから」

何気なく振り返ると、エントランスが開いた。

マンウォル「?」

姿を現したのは… 他でもないチャンソンだ。

マンウォル「ク・チャンソン?!」

チャンソンはまっすぐ彼女の前に進み出た。

チャンソン「亡くなった会長が自宅まで訪ねていらしたので、ホテルへお連れしました」
マンウォル「!!!」
亡き会長「私のところを辞めて移ったホテルは、随分立派だと聞いてね。来てみたんですよ」

「素敵なところだ」会長は豪華なロビーを見渡す。
マンウォルは抱えていたマッコリの瓶を背後に隠し、笑顔を見せた。「お客様として丁重におもてなしいたします」

ソヒ「お部屋へご案内いたします。こちらへ」

会長が歩き始めると、マンウォルの顔からあっという間に笑みが消えた。「あんた、頭を使ったわね。知り合いの霊をそそのかして、ホテルまでついて来るなんて」

チャンソン「ついて来たのは確かですが、頭を使ったわけじゃありません。会長には別件でお会いしたんですから」
マンウォル「別件って何よ?」

「ク・チャンソンさん」会長が振り返る。「さっきの絵だが、私の秘書に連絡してみるといい。私の記念館を作ると言っていたから、十二分に支払ってもらえるはずだ」

マンウォル「絵って?!」
チャンソン「あなたが厄介払いした白頭山の絵ですよ」

「あんた!」マンウォルは目を丸くした。「あんた…半額の半額にしたって売れないって言ったくせに!」

チャンソン「売らずにいたんですよ。会長が亡くなった後なら、価値が跳ね上がるはずですから」
マンウォル「なんで黙ってたのよ!知ってたら…」

「手放さなかったでしょう」チャンソンは強い口調で遮った。

マンウォル「!」
チャンソン「退職金にしては破格でしたね」
マンウォル「詐欺だわ」
チャンソン「詐欺じゃありませんよ。まさか捨てるとは思っていませんでしたから。あの絵も… 僕のことも」
マンウォル「…。」

マンウォルはため息をついた。「山分けしましょ」

チャンソン「嫌です」
マンウォル「この欲張りハーバード詐欺師!」
チャンソン「…。」
マンウォル「いいわ。4分の1」
チャンソン「駄目です!全部元通りにならないなら嫌ですよ」
マンウォル「…。」
チャンソン「捨てるときは知らなかったでしょう。どんなに価値があるか」

「?」チャンソンの視線が、マンウォルの手元に移った。
握りしめているのはマッコリの瓶だ。「お金に困っているんですね。マッコリなんて」

マンウォル「もういい!出てって!!!」

招かざる客

「とりあえず絵を現金に替えないとな。何よりお金に弱いんだから」フロントへ出て来たチャンソンは、誰かがドアの向こうに立っているのに気づいた。

ドアを開け、チャンソンは丁重に頭を下げる。「いらっしゃいませ」
「入ってもいいのか?」“客”が尋ねる。

チャンソン「もちろんです。お入りください」

“客”… いや、大洞井神は品よく微笑んだ。「親切な人間だ。ありがとう」

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異変に気づいたマンウォルが社長室を飛び出したとき、辺りはすでに水浸しになっていた。
ソヒが慌てた様子で駆けてくる。「大変です」

ソヒ「入ってはいけないものがホテルへ入ったようです」
マンウォル「ホテルが水浸しだわ。一体何が入ってきたのよ?」
ソヒ「入ってきた時、すれ違いました。人間の霊ではありません。若い姿をした神様です」
マンウォル「神?!」

それなら知っている。
マッコリ工場の近くで出会ったばかりだ。「あれね。どうやって入ったのかしら」

ソヒ「ここは麻姑神の管轄です。他の神は無許可で立ち入れないはずですが」

ロビーの扉が開き、チャンソンの入ってくるのが見える。
全身ずぶ濡れだ。

マンウォル「… 誰かさんが招き入れたんだわ」

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「普通のお客様だと思ったんです」チャンソンはそう弁明した。「あの霊は何なんです?」

マンウォル「この辺りの井戸を守る神よ」
チャンソン「神?“金の斧 銀の斧”に出てくるみたいな?」

「そう」マンウォルは苛立った様子でチャンソンを睨む。「大洞井神様よ」

マンウォル「そんなの中に入れてどーすんのよ!」
チャンソン「知らなかったんです。初めて見るのに、霊のお客様と区別がつくわけないでしょう」

マンウォルはチッと舌を鳴らす。「ヒョンジュンがいないからこうなったの」

マンウォル「全部あんたのせいよ!」
チャンソン「えぇ、全部僕のせいってことにして… どうすれば?探して追い出せばいいですか?」
マンウォル「追い出せないわ。招き入れたのはこっちだから」
チャンソン「自分の井戸を放り出して、神様がなぜここへ?」
マンウォル「気に入らないことがあるんでしょうよ。神がいなくなったから、外も大変なことになってるはず」

そのとおりだ。
井戸水が突然枯渇し、マッコリ工場は大騒ぎになっていた。

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マンウォルは会議室で頭を抱えていた。

ソンビ「井戸水が枯渇すれば、この辺りのマッコリはおしまいだな」
マンウォル「マッコリに使われるべき水が、なんでうちのホテルに溢れてるのよ!綺麗な壁紙が全部濡れちゃうわ。はっ!カビだって生える!腐っちゃうかも…」
ソンビ「どの客室にいるのか、客室長が探していますから」
マンウォル「追い出すことはできなくても、説得して自ら出て行くよう仕向けることは出来ませんか?」
ソンビ「…。」
チャンソン「見つかったら行ってみます」
マンウォル「ヘソを曲げた神がどんなに恐ろしいか!昔は人身御供を捧げて機嫌を取ったんだから」
チャンソン「神が求めたわけじゃなくて、人間が神を恐れたんでしょう」

「ク支配人はなぜまたここへ?」ソンビが話題を変える。「麻姑神に会わなかったんです?」
そこへソヒが飛び込んできた。「見つけました。8階、一番奥の部屋においでです」

マンウォル「お酒と料理を用意して」
ソヒ「何も要らないそうです。ただ一つだけ…」
一同「?」
ソヒ「扉を開けてくれたク支配人を呼んでくれと」
マンウォル「駄目よ」

「社長の私が行くわ」立ち上がろうとしたマンウォルを、ソヒが制する。「いけません」

ソヒ「生きている人間が来るようにと、そうおっしゃいました」
一同「!」
ソンビ「つまり人身御供を捧げよと?」

「…。」皆が押し黙る。

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神に捧げる生贄を捕まえに行こうとするマンウォルを、チャンソンは慌てて引き止めた。
そもそもこの町の人々のせいで神がヘソを曲げたんだから、町の人間を捧げればいいというのがマンウォルの言い分だ。

チャンソン「危険です」
マンウォル「仕方ないでしょ!あんたは駄目!」
チャンソン「!」
マンウォル「…。」
チャンソン「扉を開けたのは僕です。礼を言われたので、悪さをするつもりはないでしょう。会ってみます」

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マンウォルとチャンソンは8階の廊下を進んでいた。
奥へ行くほどに目の前が白く水蒸気で曇る。

マンウォル「引き止めてほしくて強がってるのなら、一度だけ止めてあげるわ。ク・チャンソン、引き返しなさい」
チャンソン「あなたに引き止めてもらえると、僕も格好がつきますね」
マンウォル「結構よ、ビビリのくせに。黙って逃げなさい。せっかく解放してやったのに、どうして戻ってきたのよ?」
チャンソン「また3秒くれたじゃないですか」

「1,2,3」チャンソンはゆっくりと指で数えてみせる。

「意地を張らずに頼めば、今から行きますよ」電話でそう言った時、マンウォルはすぐに拒まなかった。
3秒。
3つ指を折る間、彼女は躊躇ったのだ。

チャンソン「短い間だったけど、僕が来てくれることをあなたは願った。3秒の間」
マンウォル「…。」

「来るに決まってるじゃないですか」チャンソンは微笑んだ。

マンウォル「笑わないでよ。腹が立つわ」

「腹が立つんじゃなくて、心配なんでしょう」そう言って、チャンソンは彼女の肩にそっと手を置く。

マンウォル「?」
チャンソン「心配しないで。経験上、神には可愛がられる方なんです。お人好しだからかな」

もう一度明るく微笑んでみせると、チャンソンは廊下をまっすぐに進み、一番奥の部屋へと消えていった。

マンウォル「ク・チャンソン!」

神の恐れるもの

奥の部屋へ入ったチャンソンの目の前に広がっていたのは、かつて人々が井戸とともに暮らしていた光景だ。
「そこにおいでですか?」チャンソンは井戸を覗き込んだ。「大洞井神?」

大洞井神(声)「あぁ。そなたが招き入れてて、おおいに楽しんでいるよ」
チャンソン「恐れ入りますが、ここは大洞井神様のいらっしゃるべき場所ではありません。ご自身の場所へお帰りください」

「帰りたくないのだ」井戸の底になみなみと満ちた水から、大洞井神の声が聞こえる。

チャンソン「なぜそんなにお怒りなのですか?話してくだされば、私が解決に努めます」
大洞井神(声)「帰りはせぬ… 帰りたくない… 帰りたくない… 」

声が幾重にもこだまする。

大洞井神(声)「私は逃げて来た。恐れているのだ」
チャンソン「?」
大洞井神(声)「私は… 捨てられるのが怖い」

これまで一度も水を枯らすことなく、大洞井神は豊かな水をこの地にもたらしてきた。
その美味しい水でマッコリを作り、人々は代々富を手にしてきたのだ。

大洞井神(声)「だが… もう彼らが望むだけの水をもたらすことが出来なくなった。私は干上がっていく一方だ。すっかり干上がり、ぶざまに捨てられる前に逃げてきたのだ。少しでも惜しまれるうちに、自ら彼らを捨てた」

気がつくとチャンソンは青いオーラに満ちた不思議な空間にいた。「?」
彼の前に大洞井神がふわりと舞い降りる。

大洞井神「不格好な大洞井神の中はいかがかな?」
チャンソン「悲しいです」
大洞井神「歓迎されぬ場所へ入ってしまい、すまない。しかし、私には行くあてがないのだ」

大洞井神は懐にぶらさがっていた小さな瓢箪を手に取り、チャンソンに差し出した。「力を貸してくれ」

大洞井神「貧しい神だが、助けを求めたからには礼をしよう」
チャンソン「?」
大洞井神「そなたの恐れているものを見せてくれ。力になれるはずだ」

「…。」チャンソンはゆっくりと目を閉じた。
悲しげなマンウォル、そして死神が浮かび、次の瞬間… 彼の目から涙が流れ落ちる。

頭上でゆっくりと井戸の蓋が開いた。
まるで月のように丸く、優しく輝いている。
誰かが顔をのぞかせた。
「ク・チャンソン!大丈夫?」マンウォルだ。

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「大丈夫です」井戸の底から元気な声が返ってきて、マンウォルはホッと肩をなでおろした。

チャンソン「方法が見つかりました」

男に潜んだ闇

ヒョンジュンとユナはまだ森の中に留まっていた。

ユナ「気になることがあるから訊くわ」
ヒョンジュン「普通は“訊いてもいい?”って言うもんじゃないのか?」
ユナ「この前病院で会ったおばあさん、誰なの?」
ヒョンジュン「…。」
ユナ「知ってる人なんでしょ」
ヒョンジュン「うん。妹なんだ」
ユナ「え?妹?あのおばあさんが?」
ヒョンジュン「おばあさんになっても僕にとっては“お兄様~”って言ってた可愛い妹だよ」

「お兄様…」ユナは小さく笑った。「名前は?」

ヒョンジュン「ヒョンミ。チ・ヒョンジュンの妹、チ・ヒョンミだ」
ユナ「ヒョンミか。一度会いに行ってみなきゃ。ヒョンジュンお兄様を覚えてるかしらね」

「ダメだよ」おどけるユナを、ヒョンジュンは静かに止めた。「絶対に」

ヒョンジュン「絶対行っちゃダメだ」
ユナ「ちょっと!妹に会いに行って悪口言うとでも?好きなのに」

そう言って、ユナはハッとする。

ヒョンジュン「…。」
ユナ「あぁ~!やっちゃった!お化けの出る山ん中で何やってんだか」

照れて駆け出したユナは、ふと目の前の土に目がとまる。
チェック柄の布が土の中からはみ出していたのだ。
引っ張り上げてみたそれは、彼らのそばを彷徨う霊の服と同じだった。「見つけたわ…」

ヒョンジュン「この人だけじゃないみたいだ」

「ほら、あそこ」ヒョンジュンの指差した先には、何体もの霊がいた。

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すぐに大勢の警察官が集まり、遺体の捜索をおこなっていた。
「ここにもありますよ、パク警部!」捜査官に呼ばれ、かがんでいた若い刑事が振り返る。

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ショッキングなニュースをテレビが伝えていた。

記者「山中にて遺体が5体埋められているのが発見されました。遺体は他にもあるとみて、警察が捜索を続けています。今日発見された遺体の死因を調べるには一週間以上…」

グレーの車がコインパーキングへ入ってくる。
運転席から降りてきた男は、係のアルバイトが見ているニュース映像に目を留めた。「?」

係「連続殺人事件らしいですよ。死体が5つも見つかったって」

「へぇ」適当に相槌を打ち、男はその場を後にした。

男「あんなのどうやって見つけたんだ?」

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サンチェスのピザ屋に友人たちが集まっていた。
そこへもうひとり、誰かが入ってくる。
グレーの車の男ではないか。「やぁ!」

ジウォンと呼ばれる彼を皆が歓迎する中、一人凍りついたのはサンチェスだ。
「あいつがなんでここに?」ミラにそっと尋ねる。

ミラ「私が連絡したの。リストになかったから」

彼女は向かいの席をジウォンに勧めた。

ジウォン「久しぶりだな、サンチェス」
サンチェス「そうだな…。お前が来るとは」
ジウォン「会いたい人がいてさ。ク・チャンソンも帰国したんだろ?」
サンチェス「…。」
ミラ「うん、戻ってきてるわ。ジウォンさん、知り合いだっけ?」

「よく知ってるよ」ジウォンの笑顔に、サンチェスが緊張を高める。

ジウォン「すごく出来が良かったじゃないか、彼」

ミラが同意してうなずく。

ジウォン「どうしてるかな。会いたいもんだ」

これからも僕を…

大洞井神から託された瓢箪を、チャンソンは自然豊かな池へ移した。
以前の勤務先の会長から場所を提供されたのだ。
ここなら大洞井神も安らかに過ごせるだろう。

マンウォル「ここのマッコリの味も変わるわね」
チャンソン「よそから水を引いてくるでしょう。ラベルが同じなら、水の味が変わってもほとんどの人は気づかないはずです」
マンウォル「ここの美味しいマッコリが飲めなくなると思うと、悲しいわ」
チャンソン「大洞井神様も悲しんでおられました」
マンウォル「チッ。捻くれて、罰みたいに井戸を干上がらせたくせに… 悲しい?」
チャンソン「腹を立てたわけじゃありません」
マンウォル「?」
チャンソン「罰を与えるなら、力のあるあなたを呼んだでしょう。か弱い僕を呼ぶわけがない」

「井戸の底で何を見たの?」マンウォルが彼を振り返る。

チャンソン「“恐れ”です」
マンウォル「恐れ?」
チャンソン「大洞井神様の弱みを知る代わりに、僕が一番恐れていることをお見せしました」

チャンソンの深刻な表情に、マンウォルは黙ったまま彼をじっと見つめる。

チャンソン「とても… 怖かった」

井戸の底で彼が思い浮かべた“最も恐れていること”。
それは、死神の裁きのもと、灰となって散っていくマンウォルの姿だった。

チャンソン「僕があなたの夢に入れるように、あなたには僕の“恐れ”がすべて見えたはずです」
マンウォル「…。」
チャンソン「僕が神様にそうしたように、あなたも僕を安全な場所へ移したんですね」

チャンソンは懐から小さな容器を出した。「これが何だか知っていますよね」

マンウォル「薬だわ」
チャンソン「麻姑神が突然くれたのは妙だと思ったんです。あなたが頼んだんでしょう」
マンウォル「好きなように考えなさい」
チャンソン「…。」

「安全でいてちょうだいな」そう言って、マンウォルは先に歩きだした。

チャンソン「嫌です」
マンウォル「!」
チャンソン「危ない目に遭って、あなたを困らせます!」
マンウォル「何ですって?」

チャンソンは麻姑神から渡された薬を池へ投げた。

マンウォル「ク・チャンソン!どれだけ貴重な薬だと思ってるのよ!」
チャンソン「…。」
マンウォル「頼み込んでやっと手に入れたのに!」
チャンソン「僕にはもう安全な場所などありません」
マンウォル「!!!」
チャンソン「僕はこれからも足手まといで危ない目に遭い続けます。あなたは… これからも僕を守ってください」

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ここでエンディングです。

家の事情で時間を取れなくなり、長期間お休みしていましたが、リハビリも兼ねて続きを訳してみました。
キャラの名前を思い出すところからスタートしたので、口調やら訳語やら、以前と合っていないところがあるかもしれません。ごめんなさい!

また、日本放送で正式に「ホテル・デルーナ」という名前になったので、私の記事も今回からそれに合わせています。(←納得してない 笑)
これまでの記事はそのうち直しますね。

 - ホテルデルーナ 〜月明かりの恋人〜