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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

ホテル・デル・ルナ9話あらすじ&日本語訳~前編

   

IU(イ・ジウン)、ヨ・ジング主演のtvNドラマ『ホテル・デル・ルナ(호텔 델루나 ホテル・デルナ/ホテル・デルーナ)』9話のあらすじを、セリフの日本語訳もまじえて紹介していきます。

帰宅してからPCをつけないで終わってしまう日が続き、すっかり空いてしまいました^^;
とにかく出来るだけ頑張って続けます。

風変わりな引っ越し

もぬけの殻になってしまったデル・ルナ跡地の前で呆然とするチャンソンを、誰かが双眼鏡で覗いていた。
マンウォルとキム・ソンビだ。

ソンビ「ク支配人、慌てているでしょうな。これまでの情もあるし、便りの一つでも残してはいかがです?」
マンウォル「代わりに別のものを残しておいたわ。退職金兼、明確な解雇通知として」

マンウォルは倒れたチャンソンを家まで運び、白頭山の大きな絵画を彼の部屋に残してきたのだ。

ソンビ「確かに、チャン社長にとってはク支配人とて99人目の人間に過ぎませんからな」
マンウォル「いいえ。ク・チャンソンは特別よ。女々しくなりたくないから、女々しい部分を引っ剥がしたいの」
ソンビ「チャン社長からそんな脆い言葉を聞くのは… 初めてだ。500年にして」
マンウォル「500年?あなた、死んでからもうそんなに?!500年もあの世へ行かずに何やってたのよ?」
ソンビ「私の倍も年季の入った霊に言われる筋合いはないと思いますがね」
マンウォル「私は月齢樹に縛られて逝けないだけ」
ソンビ「私とて拭えぬ恥がこの世に残っているのですよ。このままあの世へ行けばご先祖様に面目が立ちませんからな」
マンウォル「あの世でご先祖様に会うことはないわ。もう何度も生まれ変わってるでしょうに。心配性ね」
ソンビ「私はこのホテルでそんな心配をしていられて有り難いですが、チャン社長はこれでいいのですかな?」
マンウォル「?」
ソンビ「ク支配人のおかげで安らかにあの世へ行く機会を、このまま手放していいものやら」
マンウォル「…私は安らかには逝けないわ」
ソンビ「?」
マンウォル「この世に遺した恥、早めに解決しなさい。時間はあまりないわ。解決しないなら、潔くあの世行きのバスに乗るのよ」
ソンビ「…。」
マンウォル「お客様方は?無事移送できたの?」
ソンビ「死神の協力でうまく移しました。突然の引っ越しに少々混乱はありましたがね」

ソンビたちはホテルの宿泊客を並ばせ、“あの世へ行くか”、“引越し先のホテルにまだ滞在するか” を選択させた。
スタッフの中にも、この機会にあの世行きのバスに乗った者もいる。

ソンビ「職員も何人かバスに乗りました。しばらくは人手が足りません」
マンウォル「あの世へ行きたい職員は、早く身の回りを整理して行くように言いなさい」
ソンビ「まるでホテルを閉めるようなことを言って…。場所を移したのだから、人間の支配人も新しく選ばないと」
マンウォル「必要ないわ。ユナがいるでしょ」
ソンビ「…。」
マンウォル「私の荷物は全部運んだの?」
ソンビ「チャン社長の荷物は、利口な“4位”が引越屋を呼んでちゃんと持って行きましたよ」

駐車場へやってくると、ソンビはさっさとオープンカーの後部座席に乗り込んだ。

マンウォル「何やってんの?運転しなさいよ」
ソンビ「あはは。馬には乗れても車はまだ…」
マンウォル「500年の間、運転の一つも覚えないで何やってたのよ?!」
ソンビ「霊が見栄を張って車を乗り回すのは奇妙なことですからな!」

「!」何も言えず、ソンビを睨みつけたマンウォルは、彼がシートベルトを締めるのを見て、ふと顔を和らげた。
隣で車を運転しながら「霊がシートベルトを締めるなんて」と楽しそうに笑っていたチャンソンの横顔が思い浮かんだのだ。

マンウォル「…。」
ソンビ「屋根が開いていて、実にいいですなぁ。車に乗るのはチャン社長のポニー2号以来、久々ですよ」
マンウォル「見栄とか言いながら嬉しそうね」
ソンビ「早くお乗りなさい。走らせましょうよ。あはははは」

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「引越し先は田舎みたいね。遠足みたい」ユナは引っ越し屋の車の助手席で、のどかな景色に心躍らせていた。

そこへ、グレーの車がやってきて、彼らの車を追い越す。
後部座席で、血に塗れた女の霊がじっとこっちを見ていた。「!」
カーステレオからふいに声が聞こえてくる。「助けて… 助けて…」

「この世を彷徨う霊はおおぜいいる。気にするな」隣でヒョンジュンが言った。

ユナ「私はデル・ルナの支配人になるのよ。あの霊、デル・ルナにお連れしようよ」

予定変更だ。
ユナはグレーの車を追うよう、運転手に指示した。「追加料金は払いますから」

ヒョンジュン「社長に怒られるぞ。ク支配人じゃあるまいし」

神の公平性

チャンソンは麻姑神の薬局を訪ねた。
そこにいたのは物静かな2番目の麻姑神だけだ。
チャンソンを一見し、彼女は言った。「デル・ルナを探しに来たの?」

チャンソン「ご存知だったのですか?ホテルが移動したこと。それなら、どこへ行ったのかもご存知ですね」
2番め「教えたら行くつもり?」
チャンソン「…。」
2番め「チャン・マンウォルのせいで死にかけたそうじゃないか。強い呪いを胸で受け止めたらしいね。解かなければ君の魂はひどく傷ついたろう」
チャンソン「チャン・マンウォルさんが僕を守り抜きました。僕は無事です」
2番め「君のおかげでチャン・マンウォルが無事だったの。君が守ったんだ」
チャンソン「?」

「姉さんはいい人を送り込んだものだわ」彼女はそう言って笑みを浮かべた。

2番め「この調子でしっかりおやりなさい」
チャンソン「僕はそういう役目であのホテルへ行くことになったんですか?彼女が過去に結んだおぞましい因縁があらわれても、何事もなく通り過ぎるよう阻止しろと?」
2番め「きっちり役目を果たしておいて、なぜそう腹を立てるの?夢でみたチャン・マンウォルが不憫だったかい?」

「はい」チャンソンは即座にうなずいた。「不憫です」

チャンソン「味方にならず阻止したと褒められると、腹が立ちますね。彼女は僕のことを邪魔者だと、捨てて行ったのに!これからも…邪魔者だと? 」
2番め「味方になった方が格好がいい。邪魔者は格好が悪いわね」
チャンソン「?!」
2番め「スマートに抱きしめて宥めてやる、格好のいい役割は誰もがやりたいさ。付きまとってすがりつく格好悪い役割は… 善人にしかできない」
チャンソン「僕を過大評価するのはやめてください。誰もが嫌がる役を引き受けるほど、善人ではありません」
2番め「そうかい?それならやめなさい」

「これを飲めばいい」そう言って、2番めの麻姑神は小箱を差し出した。
中に入っていたのは、薬の入った容器だ。

チャンソン「これは何です?」
2番め「飲めば霊が見えなくなる」
チャンソン「!」
2番め「もう霊やデル・ルナが見えることもあるまい」
チャンソン「!… すべて見えなくなるんですか?」
2番め「あの女だって君を捨てて行ったじゃないか。君だって捨てる機会を与えられるべきだ」
チャンソン「…。」
2番め「神も公平なときはあるさ」
チャンソン「行く方法を聞きに来たのに… 2度と行けなくなる方法を教えられるとは」
2番め「結果は神が与えるんじゃない。人間が出すものだ。一様にね」

「機会をありがとうございます」薬の容器を開けようとしたチャンソンを、2番めの麻姑神は思わず止めた。「今飲むつもりかい?悩みもしないで」

チャンソン「飲まずに悩むと思いましたか?善人だから?」
2番め「…。」
チャンソン「お話ししたとおり、格好悪い役割を進んで受けるほど善人じゃありません。それでも躊躇したのは… 好きだったから」

チャンソンは薬の容器をギュッと握りしめた。

チャンソン「抱きしめて宥めるくらいではとても及ばない、意地悪な人です。邪魔だからと捨てられて、追いかけて行ったとしても喜ぶはずもないし、またいつ危険な真似をするかわかりません。だけど…」

チャンソンは薬を箱に戻し、蓋をした。

チャンソン「それでも追いかけた方がいいかどうかは… 少し考えてみます」

薬局を出て行くチャンソンの後ろ姿に、2番めの麻姑神は満足気に笑みを浮かべた。

新たなるデル・ルナ

マンウォルたちは新しく場所を移したデル・ルナに到着していた。
みすぼらしくなった外観に気を落とすマンウォルを励ますのに、ソンビとソヒは忙しい。
ただ、中へ一歩入れば、そこは以前と変わらぬデル・ルナだ。

マンウォル「庭に月齢樹を見に行くからシャンペンを持ってきて」
ソヒ「まだ社長の荷物が到着しておらず、シャンペンはありません」
マンウォル「何ですって?あの子たち何やってるのよ!どこかで道草食ってんでしょ」
ソンビ「久しぶりにマッコリは如何ですかな?昔を思い出して」

マンウォルは苛立った様子で息をついた。
ついさっき、昔は質素な“満月堂”でマッコリを飲んだものだと昔話をされ、文句を言ったばかりなのだ。

マンウォル「あの頃の話はしたくないと言ったはずだけど、すぐ忘れるのね」
ソンビ「…。」
マンウォル「500年も遺恨を晴らせないのは、それが何だったのか忘れたからじゃないの?“フナ”みたいに」
ソンビ「フナ?!私は首席合格した儒生ですぞ。孤高な鶴ならまだしも…」

「鶴?」マンウォルは乾いた笑い声をあげる。
「おつむが弱いのはどっちも一緒よ」そういってマンウォルはくるりと背を向け、立ち去った。

ソンビ「おつむだと?!あの軽薄者め!」
ソヒ「堪えなさいませ。ホテルの外観がみすぼらしくなって、機嫌が悪いんですよ」
ソンビ「チャン・マンウォルがまともなのは外見だけ。中身は間違いなく悪霊だ。ク支配人も追い出したし、この間だって人間を呼び入れて妙な真似をしようとしたじゃないか」
ソヒ「ク支配人を追い出したのは、そのときのことが原因でしょうか?」
ソンビ「女々しくなりたくないからと本人は言っていたが」
ソヒ「社長がまた危険なことをしないか心配ですわ。止める人間もいなくなったのに。ク支配人はもう霊が見えなくなったんでしょうか」
ソンビ「チャン社長からそう聞いた。麻姑神をよほど脅迫したに違いない」

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マンウォルが月齢樹を見に庭園にやってくると、先客がいた。
花かごを抱えた、一番上の麻姑神だ。

「場所が変わって心配したが、花はしっかり付いたままだねぇ」麻姑神に言われ、マンウォルもチラリと樹を見上げる。

マンウォル「ク・チャンソンの目は元に戻った?」
麻姑神「薬は渡したさ。飲めば見えなくなるはずだ」
マンウォル「そう…。良かった」
麻姑神「あんたがうやうやしく頼み事をするのは初めてだから聞いてやったがね、薬を飲むか飲まないか、選択するのはあの子だよ」
マンウォル「…。」
麻姑神「どうするだろうねぇ」
マンウォル「楽しそうね。うやうやしいついでに、もう一つお願いするわ。(青い花を見て)この青いのも元に戻して」
麻姑神「これは私にもどうしようもない。花が咲くか咲かないかは、あんたの心次第さ」
マンウォル「!」
麻姑神「綺麗に蕾をつけたのに、咲かないと勿体ないねぇ」
マンウォル「期待しないで!咲かないわよ。花見なんてさせないわ!」

プイと背を向けたマンウォルに、麻姑神は愉しげに笑い声を上げた。

支配人のいないデル・ルナ、窮地に?!

夜になっても、旧デル・ルナはもぬけの殻だった。
チャンソンが一人なすすべもなくロビーに佇んでいると、誰かが訪ねてきた。
不動産業者だ。
この建物を売りに出すため、写真を撮りに来たと言う。

チャンソン「ここを売るんですか?!」
業者「何か問題でも?」
チャンソン「はい。ここは問題だらけです!」

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不動産業者から新デル・ルナに電話が入っていた。

ソヒ「社長、不動産業者から“相続税は払ったのか”と」
マンウォル「何税?」
ソヒ「相続税が未納だと、譲与税の算出に支障が出るそうですが、私も何のことだか…」
マンウォル「私にわかるわけないでしょ」
ソヒ「ク支配人に連絡してみましょうか?」

「ダメよ、連絡なんかしちゃ」マンウォルは目を丸くした。

デル・ルナに宿泊していた元弁護士を支配人室へ呼び、書類を調べさせたところ、亡くなったノ支配人からマンウォルに相続されており、相続税の申告のため書類が整った状態だという。あとは払うだけだと言うが、マンウォルにはもちろんそんな準備はなかった。
旧デル・ルナの土地を売って払っても、ほとんど残らないという。

ソヒはひとまず不動産業者に折り返し電話を入れ、対処すると伝えた。

ソヒ(電話)「ところで、相続税のことをなぜご存知なのです?」
業者(電話)「物件を見に来たら、ク・チャンソンという方に会いましてね。今、一緒にいるんですが」

「そこに?」ソヒはマンウォルに気づかれぬよう、こっそりチャンソンに電話を代わってもらい、マンウォルに繋いだ。

マンウォル(電話)「ねぇ不動産屋、簡潔に話して。どれくらい残りそう?騙そうなんて考えるんじゃないわよ。うちのホテルにはMBAを修了した有能なスタッフがいるんだから」

「クビにしたじゃないですか」電話の向こうから思わぬ声が聞こえた。

マンウォル(電話)「… ク・チャンソン?!」
チャンソン(電話)「相続税、譲与税、さっぱりわからないでしょう?それなのに、有能なスタッフをなぜクビにしたんですか」
マンウォル「なんでそこにいるのよ?不動産屋に就職でもしたわけ?」
チャンソン「突然クビになったから驚いて来てみたんです。いざいなくなったら惜しくなりましたか」

冷静ながら、彼の声は怒りに満ちていた。

マンウォル「…。」
チャンソン「意地を張らずに来てくれと言うなら、いますぐ行っても構いませんが」
マンウォル「…業者に伝えて。無関係な人間は追い出して、しっかり戸締まりしろと」

「…。」短い沈黙の後、静かな声が聞こえた。「えぇ、わかりました」
電話が切れる。

マンウォル「…。」
ソヒ「ク支配人がそこにいたんですねぇ。あぁ、夜遅くまで探し回ったんですわ」
マンウォル「また電話してきたら、死んでから来いって言っといて」

一人になり、マンウォルは資料に埋もれた支配人室をぼんやり見回した。

マンウォル「…。」

後ろを振り返ると、彼女が選んだツートンカラーの靴が床にキチンと揃えて置いてある。「…。」

マンウォル「地味な糞色の靴履いて、まともなホテルで頑張りなさい、ク・チャンソン…」

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助けを求める霊の乗った車を追っていたユナたちは、暗い森の中へ迷い込んでいた。
さっきとは別の霊もいるようだ。
さらに追いかけようとしたユナを、ヒョンジュンが危険だと止めた。

ヒョンジュン「さっきの車、ドライバーを見たか?」
ユナ「サングラスをかけた若い男だったわ」
ヒョンジュン「その男の車に霊がいて、後を追ってきたらまた別の霊がいた。なんだかちょっと…」
ユナ「酷い目に遭わされたのかな?さっきの男に」
ヒョンジュン「霊より人間の方が危険なこともある」
ユナ「無念な死だったとしたら、なおさら放っておけないわ。私だってそうだったもの」
ヒョンジュン「…。」
ユナ「気をつけるから」
ヒョンジュン「人を見たら、急いで車に戻るんだぞ」
ユナ「うん。だけどさ、人間が霊を怖がるのが普通なのに、霊が人間を怖がるなんてね」
ヒョンジュン「そうだな。普通の人に見えたけど」

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バーでソンビが作るカクテルが気に入らなかったマンウォルは、この地の名産であるマッコリ工場でさっそくマッコリを数本調達した。
ほろ酔いでフラフラ工場の庭に出てくると、井戸が目に入る。
美味しいマッコリの秘訣は、この井戸にあるようだ。

近づいてみると、井戸から青白い妖気が上がり、誰かが姿をあらわした。

マンウォルがペコリと頭を下げると、相手は向こうを指差し、口を開いた。「あの丘の向こうに移ってきた大きな樹はそなたか?」

マンウォル「そうです」
相手「きれいな家が建っていたが、そこが霊の泊まっていくという月の宿なのだな」
マンウォル「はい。私がそこの主です」
相手「私はここの大洞井神だ」

※大洞井神=里の大きな井戸を守る神

マンウォル「井戸を守る神霊様がいらっしゃるから、ここの水は美味しいんですね。おかげでいいお酒を味わいましたよ」

マンウォルはもう一度ペコリと頭を下げ、背を向けて歩きだした。

大洞井神「…。」

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ここで区切ります。

 - ホテル・デル・ルナ