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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ 29話 あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』29話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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誰もいなくなったオフィスで、クム・テウンは荒れに荒れていた。
「!!!」目につくものは手当たり次第に投げ捨てる。

クム代表「脱獄じゃない。作戦だったんだ!また俺を騙し、キム室長を捕まえるための釣りだった!!!」

クム・テウンは携帯を取り出した。

クム代表(代表)「総務に連絡して、キム室長に関する人事資料に支出明細書、全部捨てろと言え。保安室にギャラリー内の1ヶ月分の防犯映像を全部削除させろ。ギャラリーに出入りした痕跡、残らず消すんだ」

電話を切り、クム・テウンは怒りを新たにした。「ペク・ジュンス、サ・ドチャン… また2人して悪ふざけしやがった!」

#今更そんなもの消してもね(*´・ω・)(・ω・`*)ネー

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休憩時間。公園に出掛けると、ドチャンはインテに連絡を入れた。「お疲れ」

ドチャン(電話)「情報提供、タイミングもバッチリだし、よく撮れてた。キム室長が逮捕されたから、あとは時間との戦いだ」

ふぅっと一息つくと、胸のポケットから取り出した黒縁メガネを掛ける。
その瞬間、その顔は再び”ペク検事”へと切り替わった。

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キム室長はその腕に手錠を掛けられたまま、取調室にいた。
直接取り調べを担当するのはオ・ハラ検事とイム係長だ。
ペク検事はモニターブースでその様子を見守る。

ハラ「キム・ヒョヌクさん、サ・ドチャンを殺そうとしましたね」

「…。」キム室長はそれには答えず、頑なに視線をそらす。

ハラ「なぜ殺そうとしたんです?」
キム室長「…。」
ハラ「サ・ドチャンを殺せとクム・テウンが命令したんでしょう?」

「ペク・ジュンス検事殺人未遂」ハラの言葉に合わせ、イム係長がテーブルに写真を並べる。

ハラ「外交官パク・ヨンジンを獄中で殺害、ナム・スンテは山中で自殺を装って殺害、K貯蓄銀行頭取殺害、仁川港湾の倉庫でビクトール、そしてサ・マチョンを殺害」

#壮観な眺め…。でも、チョン・ドヨン氏が抜けてますよ。

ハラ「全て一人でやったなら、無期懲役または死刑です。クム・テウンの命令でやったと自白すれば20年、捜査に協力すれば減刑も可能です。ご選択を」
キム室長「…。」
ハラ「全て、クム・テウンがけしかけたことですね?」

キム室長が顔を上げた。「黙秘権を行使します。弁護士を呼んでください」

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モニターブースにヤン部長が入ってきた。
「ご苦労だな」そう言って、彼はペク検事の肩を叩く。

ヤン部長「情報提供したのは一体誰なんだんだろうな」
ペク検事「登山客が下山中に撮ったそうです」

「そうか」ヤン部長がふっと息をついた。「サ・ドチャンが死なずに済んで良かった」
ガラスの向こうを軽く指す。「彼は口を割ったか?」

ペク検事「黙秘権行使中です。クム・テウンを恐れているんでしょう」
ヤン部長「クム・テウンは召喚したよな?参考人聴取を受けるよう言うんだ」
ペク検事「連絡しましたが、弁護士を通して体調が悪く出頭できないと」
ヤン部長「抜け目のないヤツ…。韓国検察はとかく尊重してもらえんからな」
ペク検事「…。」

「ペク検事」ヤン部長の口調が僅かに重くなる。「この機会に必ずやクム・テウンを捕まえねばな」

ヤン部長「その第一関門がまさにキム室長だ。お前が束草から戻ってくるときの交通事故、あれもヤツの仕業に違いない」
ペク検事「クム・テウンがやらせたんでしょう」
ヤン部長「あぁ。必ずや口を割らせるんだ」
ペク検事「はい」
ヤン部長「最後まで諦めず、クム・テウンを捕まえよう。検事の職を賭けても」
ペク検事「僕も人生の全てを賭けます」

#これ、中身は当然ドチャンなんだけど、どう言えばいいのか… ペク・ジュンスと自分が融合して出来上がった”ペク検事”として本気で言ってるというか。今までとちょっと違う、新しいものを感じる。

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『15 滝は急流を生む』

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陽が西から低く執務室に差し込んでいた。
ペク検事とハラは、並んで捜査ボードを眺める。

ペク検事「このうち、確かな証拠を入手できる事件から遡ってみよう」
ハラ「サ・マチョン殺人事件から捜査するべきじゃない?」
ペク検事「その事件、サ・ドチャンさんが戻ってくれば、証言してくれるはずだ」
ハラ「そうね。現場にいたんだから。キム室長の手から逃れたのがハッキリして良かったわ」

「どうして脱獄なんか…」ハラはポツリと呟き、うつむく。

ペク検事「生きるためだろう。それが生きる道だったからだ」
ハラ「!」
ペク検事「僕がサ・ドチャンを見つけ出して、証言させる」

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とっぷりと日が暮れ、ペク検事は疲れた様子で執務室を後にした。
廊下を進んでいくと、向こうからやって来たのはコ係長だ。

「…。」彼の前で立ち止まると、コ係長はどこか泣きだしそうな顔で、ぎゅっと唇を噛みしめた。

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ドチャンは拘置所に勾留中、コ係長を呼び出していた。

コ係長「サ・ドチャンさん…?いやぁ、確かにうちのペク検事とソックリですね」
ドチャン「騙してすみませんでした」

「いいえ」コ係長は首を横に振る。「騙されるのも無理はありません」

コ係長「ところで、何故私をお呼びになったんです?」
ドチャン「ペク検事は僕の代わりに死のうとしています」

「!」コ係長がつぶらな瞳をいっぱいに見開く。「ペク検事が?」

ドチャン「そこでコ係長に協力していただきたくて。ペク検事を死なせるわけにはいかないんです」

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検察庁を一緒に出たドチャンとコ係長は、数本のビールとツマミを買い、公園のベンチに並んでいた。
「ペク検事」ビールを一口流し込み、コ係長がそう呼びかける。

ドチャン「ドチャンと呼んでください」
コ係長「私もずいぶん悩みました。ペク検事、いや、サ・ドチャンさんの作戦が正しいと思ったから、決心したんです。人を助けることじゃないですか」
ドチャン「ありがとうございます。今、検察庁内で僕の正体を知っているのは、コ係長だけです。オ・ハラ検事も、僕をペク・ジュンス検事だと思っていますから」

コ係長は頷き、じっと前を見つめる。

ドチャン「ひとつ間違えば、コ係長にも危険が及ぶかもしれません。大丈夫ですか」
コ係長「私はこんなシャープなルックスでも、頭だけは単純なんです」
ドチャン「?」

「今この瞬間から、私の目の前にいる御方はペク・ジュンス検事です」ドチャンの目をまっすぐに見て、コ係長はそう言い切った。
「!」ドチャンの顔に喜びが滲む。
コ係長もまた、温かく彼に微笑み返した。

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「お酒くさ~い!」疲れて帰宅したドチャンを、詐欺団メンバーみんなが出迎える。
ウンジが上着を、インテがカバンを受け取った。

ボン監督「ご苦労なことだ。半分検事で半分詐欺師。フライとヤンニョンのハーフ&ハーフじゃあるまいし」

ドチャンは思い切りソファへダイブする。

ボン監督「キム室長は口を割ったのか?」

ドチャンは黙ったまま、指を「ノンノン」と横に振る。

インテ「何とかして喋らせないとな」

「クム・テウンががっちり脅してるでしょーよ」そう言ってウンジがインテの首をがっちり締め上げる。「絶対口を割らないようにね」

ドチャン「キム室長のことはオ検事に任せて、俺たちはヤツに連絡だ」
インテ「誰?」
ボン監督「誰も何も。チョ・ソンドゥだろ」

インテが深い溜息をつく。「木っ端微塵にしてやる!」
「OK~」ドチャンがソファから起き上がり、両手をすり合わせた。「久しぶりにセッティングするか」

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翌日。
鼻歌をうたいながら運転席に乗り込んだチョ・ソンドゥは、後部座席に隠れていた人影に思わず叫び声を上げた。「わあっ!」

ソンドゥ「な、な、何だ?!」

「Hi!パンパンウォ~」ボン監督とインテだ。
驚くソンドゥに、彼らはすかさず黒い布を被せた。

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彼ら詐欺団は、どんなミッションにも最善を尽くす精神を決して忘れない。
たとえそれが『パンパンウォ君をビビらせる』なぁんて朝飯前の仕事だったとしてもだ。

頭に黒布をかぶらせたまま、ぐらぐらした岩の上に立たせる。
汽笛と波の音とカモメの声が聞こえ、ときどき波しぶきが飛りかかる。
強い海風が布越しにソンドゥの頬を打った。

「チンピラの真似事で人を苦しませた罪!」後ろ手に手首を縛った縄を、ボン監督がグイグイと揺らす。
「人の善意を利用して殺そうとした罪!」インテが付け加える。

「た、た、助けてください!」グラグラする足元に縮み上がり、ソンドゥは声を震わせた。

ウンジ「海に落としてやろうか」

たとえここが荒波を見下ろす断崖絶壁ではなく、静かな空き倉庫の中だったとしても。

ソンドゥ「ご、ご、ごめんなさい!二度とやりません!」

「ダメだぁああ!!!」野太い雄叫びと共に、ボン監督がいよいよ彼を”断崖”の上から突き落とす。
「うわぁああ!」ソンドゥは叫び声を上げて、岩から転落した。

… 床の上に。

恐る恐る身を起こしたソンドゥの頭から、インテが黒布を剥がす。

インテ「殺したくてたまらないがな、ドチャン兄が言うから助けてやる」
ソンドゥ「!」
インテ「俺らはお前の命を握ってるんだ。今度やったら…!」

「待ってください!」インテが拳を振り上げたのを、ソンドゥが遮った。

ソンドゥ「死ぬ前にやらなきゃならないことがあるんです」
インテ「!」
ボン監督「そりゃ何だ?」
ソンドゥ「あるヤツをあの世まで連れてって、母さんにひざまずかせないと」

「ついて来い」インテがソンドゥの肩を掴んだ。

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ソンドゥを待っていたのはドチャンだ。
彼の話を聞いて、ドチャンは小さく笑い声を漏らした。「クム・テウンに復讐したいって?」
ソンドゥは静かに頷く。

ソンドゥ「見ていてください。ヤツに血の涙を流させてみせます」
ドチャン「自分の父親なのに?」

ソンドゥは目を見開いた。「どうしてそれを?」

ドチャン「復讐はな、冷徹にやるもんだ。鼓動が早くなれば、何も出来ない。しくじるだけだ」

#今のドチャンが言うと、何とも重いよね…。

ソンドゥ「やり方を… 教えてください!」

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クム・テウンは料亭へチン検事長を呼び出していた。

#クム・テウンに呼ばれてノコノコ出掛けていく時点でうんざり…。

クム代表「サ・ドチャンの脱走劇、ペク検事とオ検事もグルになってやったことです」
検事長「どういうことです?!証拠はあるんですか?」

#チン女史の得意ゼリフ。「証拠はあるの?」

クム代表「そのために監察部があるんじゃないですか。監察庁監察部を動かしてください」
検事長「監察部を?」

クム代表は身を乗り出し、声を潜める。「密かにペク検事とオ検事を調査すれば、検査詐称の主犯が誰なのか、間違いなく明らかにできるはずです」
検事長「もし、万が一それが本当だとわかったら、そのときはどう…」

#なんでそれを訊くのか

クム代表「詐称の線で追い込んでください。そうすれば私の生きる道が開けます」

#チン検事長自身はクム・テウンに弱みを握られているわけでもないし、描かれてる範囲では特別に恩恵を受けていることもないはず。作家さん、この人をどう書こうか、だいぶ前からわからなくなってるでしょ。曲がったことが嫌いそうなのは前から変わりないけど、思考停止してるよ…。(←さんざん文句ばっか^^;

検事長「…。」
クム代表「詐欺師と検事が内通していた…。ペク・ジュンスは偽物で、オ・ハラ検事も関わっていたとしたら?」
検事長「…。」
クム代表「毒樹毒果…」

※毒樹毒果=毒のある木には毒のある実がなる。違法に入手した証拠から派生して得られた二次証拠を指し、証拠として使用できないという理論。

検事長「毒樹毒果…」

クム・テウンは口角にニヤリと笑みを滲ませてみせた。

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キム室長が再びハラの取り調べに呼ばれていた。

ハラ「北漢山で自殺したナム・スンテ、あなたが殺したんでしょう?」
キム室長「…。」

ハラがファイルを差し出した。
細かな表に、車両写真が添えてある。「その日、あなたの借名車両が北漢山を出入りした証拠が見つかりました」

ハラ「キム・ヒョヌクさん、チャンスは何度も来ません。誰が殺人を指示したのか言わなければ、あなたは無期懲役になります」
キム室長「!」
ハラ「後で後悔しても無駄です。よく考えてください」
キム室長「…。」

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クム・テウンはチョ・ソンドゥをオフィスへ呼んだ。

クム代表「拘置所へ行ってキム室長に会ってこい」
ソンドゥ「はい。何と言えば?」
クム代表「キム室長、口は堅いが、そろそろ揺れる頃だ。口止めをして来い」
ソンドゥ「どんなふうに…」
クム代表「釜山の海雲台にキム室長のお母さんがいらっしゃる。20億のアパートをご用意したと言え」

#ふん、変わり映えしない手口(・ε・)

「…。」ソンドゥが黙って目をそらす。

クム代表「そう言えばわかるはずだ」

「行って来い」背を向けようとしたソンドゥを再び呼び止める。「それから…」

クム代表「キム室長がいないから、今後はお前が代わりをやれ」
ソンドゥ「はい!信じてくださってありがとうございます」

「このご恩、必ずやお返しします」ソンドゥはそう言って、まっすぐにクム・テウンを見つめた。

クム代表「行って来い」

笑顔で頭を下げ、背を向けた瞬間、ソンドゥの顔から笑みが消えた。「…。」

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フィールギャラリー前のスロープをゆっくり出てくると、ソンドゥはそこで振り返った。

ソンドゥ「死んだって… 父さんとは呼べそうにないな」

彼は携帯を取り出し、ドチャンに連絡を入れた。「ソンドゥです。キム室長に会いに行くんですが、どうすれば?」

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面会室のガラス越しに、ソンドゥは溜息をついた。「キム室長も苦労ばかりだな」

キム室長「…。」
ソンドゥ「代表が海雲台にアパートを買ってくれるらしい。キム室長のお母さんのために」
キム室長「!」
ソンドゥ「そう伝えろってさ」

ソンドゥが周囲を窺い、顔を近づけようとすると、キム室長が先に口を開いた。「チョ社長」

ソンドゥ「?」
キム室長「クム・テウン代表とどういう関係ですか」
ソンドゥ「どういう関係って?」
キム室長「前から疑っていたんです。息子ではないですか?」

「…。」ソンドゥがふっと苦笑する。「よくわかったな。何でわかったんだ?」
キム室長は気が抜けたように目を伏せる。「やはり…」

ソンドゥ「俺はクム・テウン… あの犬野郎の息子だ」

「!」その言い様に、キム室長は驚いて顔を上げる。「どういうことです?」
ソンドゥはもう一度周囲を窺い、覗き込むように顔を寄せた。「そこでなんだが…」
「…。」キム室長も、それに答えるように身を乗り出す。

#キムシルチャンニム♪ ニョキッと出した右ヒジから左ヒジまでが長いわ♥

二人はそうやって、人知れず話を交わした。

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詐欺団の3人は今日もアジトでヒマを持て余していた。

ウンジ「クム・テウンから連絡ないね」
インテ「キム室長が捕まったから体勢を整えてるんだろ」
ウンジ「国際弁護士のセッティング、失敗だったらどうしよう。クム・テウンに警戒されてるかも」
ボン監督「待ってみよう。ドチャンが動けば動くほど、クム・テウンは不安になって焦るはずだ」

「見てろ。5つ数える間に連絡があるから」そう言って鳴らない携帯電話を見る。
「1」そう言った瞬間、電話が鳴った。
クム・テウンからだ!

ボン監督「(電話を取ろうとしたインテに)マインドコントロールだ!お前は今から国際弁護士パク・ヒョクだぞ」

「弁護士パク・ヒョクです」インテは明日会う約束を取りつけた。

インテ「(電話を切り)クム・テウンが明日会おうって。資金洗浄の件、ギャラリーでプレゼンしてくれって!」
ウンジ「ヤダ!私、クム・テウン怖いよぉ」

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約束通り、インテはパク・ヒョクを装い、フィールギャラリーを訪れた。

偽パク弁護士「ひとまずWK貿易会社がリヒテンシュタインにビンテージ車を輸出します。そして、私が現地にて国際弁護士の協力を受け、この方面で最高権威者であるパナマのローファームを通じて10個のペーパーカンパニーを作ります」
クム代表「…。」
偽パク「そして、リヒテンシュタイン現地で何度か売り買いを繰り返した後、10個の口座を通じて韓国のWKへ200億ずつ送るのです。そうすれば2000億がそのまま韓国へ入るでしょう。その後、これらのペーパーカンパニーは採算不足を理由に廃業の手続きを踏みます」
クム代表「…。」
偽パク「最後に、一番重要な”コース”です。WKチョ・ソンドゥ社長は入ってきた2000億を手にカジノへ走ります」

クム・テウンが思わず笑う。「今何と?」

偽パク「そうすれば資金追跡を避けることができますので」
クム代表「!」
偽パク「カジノに一定の手数料を払い、キレイになった現金を返してもらうんです。カジノにそういう仕事をこっそりやってくれる人が何人かいます。そちらには代表から接触を」
クム代表「現場から現ナマで持ち帰ると」
偽パク「はい、2000億ほどの現金を持って帰るとなると、引っ越しトラック並の用意が必要でしょう」

#これ、インテがどんなに緊張したかと思うと、正気じゃいられないわ。クム・テウンもあまり知識はなさそうだけど、突っ込んだ質問されたらアウトだよね。

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検察庁の廊下に放置されたジュースのコップを発見したのは、風紀番長キル・デロ検事だ。
キル検事はコップを手に、ペク検事の執務室のドアを開けた。「コ・ギボンさん、あなたが飲んだんでしょう?」

コ係長「違いますよ、私は胃酸過多でジュースは飲めないんです」
キル検事「あんたが飲んだに決まってる。飲んだら捨ててくださいよ」
コ係長「…はい。片付けます」

「キル先輩、何かご用でも?」ハラがたまりかねて声を掛けた。

キル検事「オ・ハラ、検事がそんなんじゃダメだぞ」
ハラ「…。」
キル検事「お前、前に通行証を出さずにゲートを飛び越えたろ。それでも検事なのか?いくら地方大出身者でも基本的秩序は守るべきだろ」
ハラ「そんなこと言いに入ってきたんですか」

「…。」ペク検事が、言い争う二人を順に見比べる。

キル検事「そんなこと?前に言おうとしてうっかり忘れてたからだ。そのペンダントも奪ったって言ってたよな」
ハラ「…。」

「…?」ペク検事の視線が、ハラの首元へ向かう。

キル検事「持ち主に返せよ。とにかくお前は基本がなってない、基本が」

キル検事はそのまま部屋を出て行った。

ハラ「(ペク検事に)あいつ、私に喧嘩売ってるよね!」

#いいえ、ただのネタ振り係です。

ハラ「はぁ、食欲失せるわ」

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ペク検事とハラは仲良く昼食に繰り出した。「いつも私ばっかバカにして」

ハラ「顔さえ見れば文句ばかりなんだから」

まだキル検事に喧嘩を売られた怒りが収まらないハラに、ペク検事はそっと笑みを浮かべる。

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「キル・デロのヤツ、ホントきもいわ」ピザ屋でピザにかぶりつきながら、ハラはまだ怒っていた。

#ハラを奥のソファ席に座らせてやる優しさを感じる一コマ♪

ハラ「あいつのこと考えるだけで食欲がすっかり失せるんだから!」

「本当に食欲が落ちるのか?」ペク検事がからかうように微笑む。「美味しそうに食べてるじゃないか」

ハラ「これはご飯じゃなくてピザだから」
ペク検事「(笑)」
ハラ「それに、先輩だからって何で人のペンダントまでケチつけるわけ?」
ペク検事「オ検事、そのペンダント、持ち主に返せよ」

#あかんあかん、完全にドチャンに戻ってるよ~

「???」ハラは不思議そうに彼を見つめる。「先輩?」

ペク検事「新しいのを買ってやるから。返してやりな」

「…。」ハラはどこか悲しそうな目で俯いた。「これ、彼女から奪ったのよ」

ペク検事「?」
ハラ「…キレイなミランさん」
ペク検事「ミランさん?何でミランさんのを奪うんだよ?」
ハラ「!!!」

カマをかけさせれば天下一品だ。
「ちょっとゴメン」ハラはそう断って、店の外へ出た。

ペク検事「?」

#これはどう考えてもドチャンが気を抜きすぎだよねぇ。バレて困ることは何一つ思い浮かばないけど^^
「この人ペク先輩じゃない!」じゃなくて、「この人ドチャンだ!」というバレ方をしてほしかった。

ハラ(独り言)「先輩じゃなかった!サ・ドチャンがどうしてここに?」

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店内へ戻り、椅子に腰を下ろすと、ハラはさっそく次の手に出た。「ちょっと行くところがあるの」

ペク検事「どこに?」

「先輩に会いに」ハラはまっすぐにドチャンを見て言った。

ドチャン「…。」
ハラ「ペク先輩、どこへ隠したの?サ・ドチャン」

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公園のベンチに並び、ハラはドチャンの隣でむんずと腕を組んだ。「言いなさい」

#さっき「キル検事が自分ばかり目の敵にする」って怒ってたけど、自分だって相手がドチャンだとわかった途端に態度かわってるよね~(笑)

ハラ「どうして私まで騙してペク先輩の振りしたのか」

「…。」ドチャンは困り果てた様子でガックリと頭を垂れる。

ハラ「言いなさいってば!」
ドチャン「ペク検事に念を押されたんだ。オ検事が心配するからって。だから秘密にした」

「…。」ハラは言葉を失い、溜息をついた。

ドチャン「ペク検事、俺を逮捕したときから決心してた。自分がサ・ドチャンとしてクム・テウンに殺されるって。脱獄できる状況を作って、自分と俺をスイッチさせるつもりだったんだ。自分は病気で死ぬから、俺がペク検事に代わって捜査を続けられるように。そこで俺はもう一歩先を行った。ペク検事が計画を実行したら、俺に知らせるようチームメンバーに頼んでおいた。それで殺される前にキム室長から奪い返せたんだ」

ドチャン「いくら余命宣告されたからって、生きられる間は生きなきゃダメだろ。それでちょっと隔離処置したんだ」

ハラが立ち上がる。「すぐ車を出して」

ドチャン「?」
ハラ「今すぐ確かめに行かないと」

さっさと歩き出したハラを、ドチャンは仕方なく追いかけた。「オ検事!」

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関係者以外立ち入り禁止のドアを、今日も二人の警備員が守っている。
ドチャンの顔を見て、彼らが黙ってドアを開けた。

病室の扉の前で立ち止まると、ドチャンは持っていたカードキーで鍵を開ける。
ハラに入るよう促し、自分は身を引いて廊下の壁にもたれかかった。「…。」

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ハラが病室へ入ると、ベッドの脇にいた医師が振り返る。
一礼し、ハラはベッド脇へ近づいた。「状態は…どうなんですか」

医師「いらっしゃるのが遅すぎました。今の時点では何とも申し上げられません」
ハラ「…。」
医師「それでも最善を尽くして助けるつもりです」

医師が退室する。
じっと身を横たえているジュンスを、ハラは見つめた。
何も言わない物静かなジュンスが、自らが死んでまでクム・テウンを捕まえようと、そんな過激な決心までしていたなんて…。
その覚悟を、彼女は知らずにいたのだ。

ハラ「…。」

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ここでエンディングです。

黙って自分を犠牲にし、一人ベッドに寝ているジュンスを思うと、「あぁソンベ~(´;ω;`)」ってなるし、
ドチャンだとわかった途端に冷たく怒られてるのを見ると、「あぁドチャナ~(´;ω;`)」ってなる。

要するにどっちも好き。

 - スイッチ-世界を変えろ