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スイッチ-世界を変えろ 28話 あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』28話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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どこからか聞こえてくる騒々しい音に、チェ・ジョンピル氏は新聞から顔を上げた。「?」
ちょうどそこへユン秘書がやってくる。

チェ前総理「ありゃ何の音だ?」
ユン秘書「前の山に療養所を建てるそうです」
チェ前総理「療養所?人の家の景観を壊すとは。今すぐ工事を止めさせろ」
ユン秘書「え?」
チェ前総理「聞こえなかったか。工事を進めたら辞めさせると区長に言え」
ユン秘書「承知しました」

「総裁」ユン秘書が話を続ける。「クム・テウン代表が来ています」

チェ前総理「クム・テウンが?ヤツがうちへ何をしに?何をまくし立てるつもりか聞いてみよう」

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「お元気でしたか、総裁」向かい側に腰を下ろし、クム・テウンは低く言った。

チェ前総理「ははは。あぁ、おかげで何不自由しとらん」
クム代表「…。」

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チェ前総理はペク・ジュンスからの電話を思い返していた。
彼はチェ前総理にこう依頼したのだ。「音声ファイルがあると言ってください」

ジュンス(電話)そのファイルをサ・ドチャンに渡したと。そうすれば、私がクム・テウンを捕らえます」

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チェ前総理「話は何だ?」
クム代表「穏やかならぬ噂を耳にしまして。ペク・ジュンス検事に聞いたんですが、サ・ドチャンに何やら音声をお渡しになったとか」
チェ前総理「ふふ。お前がペク検事を轢き殺すと報告した、あれか。あぁ、渡した。それがどうした?」
クム代表「総裁、何を考えているんですか」
チェ前総理「俺の南山クラブを奪い、俺の銀行も横からかっさらった。お前は人間か!」
クム代表「この20年間、総裁のもとで学んできたことじゃないですか!」
チェ前総理「こいつめ!」
クム代表「騙し!裏切り!奪う!」
チェ前総理「…。」
クム代表「これまで上等な服を着てこられたのは、私が後ろで黙々と尻拭いをして差し上げたからですよ」
チェ前総理「こいつ!」
クム代表「私を息子のように思っているとおっしゃいましたよね。全て相続すると約束なさいました。その約束を守らないから、あらかじめ貰ったんです。順序を入れ替えただけですよ」
チェ前総理「娘のミナ… お前が殺したろ」

「!」クム代表の顔から血の気が引いた。

チェ前総理「お前が殺したものを、サ・マチョンが殺したと嘘をついたんだ」
クム代表「…。」
チェ前総理「結婚自体詐欺だったくせに、娘まで殺すとは。お前など人間でもない!人間の皮をかぶった悪魔め!」」
クム代表「…。」
チェ前総理「俺も手段を選ばず生きてきたが、お前のことは絶対に許せん。地獄へ行くとき、お前も連れて行くからな!」

「…。」クム・テウンは卑劣な笑みを浮かべる。

チェ前総理「お前の建てた塔、高いばかりで長持ちすると思うか。じき崩れ落ちる。見ておれ。お前を倒すためなら、ペク検事だろうと詐欺師サ・ドチャンだろうと、手を組んでやる。人に噛み付く犬は、殺してしまわねば!」

「!」辛抱ならなくなったクム・テウンが、卓上の湯呑を思い切り払い落とした。

クム代表「本当にこのまま突き進むつもりなら、私も容赦できません」

「警告ですよ」人差し指を突き立て、まっすぐにチェ総裁を指した。

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どうしても取り残されがちなヤン部長は、今日もハラから事後報告を受けていた。

ハラ「Simon Jo、チョ・ソンドゥといって、クム・テウンの隠し子でした」
ヤン部長「何だ?ってことは、この間来てたヤツはクム・テウンの息子だったのか?」
ハラ「はい。面白いことに、本人は知りませんでした。クム・テウンがチョ・ソンドゥの名義だけ借りたんです」
ヤン部長「そうか…」

そこへノックの音が響く。
景気よく入ってきたのは… ヤン部長の客人だ。「おうっ、元気か!」

#何や?新喜劇か?

ヤン部長「これは叔父(※父親の従兄弟)さん、受付から電話がありました。どうなさったんです?」
叔父「お前に頼み事があってな」
ヤン部長「えぇ、お座りください」

叔父は連れの男性と共にソファに腰を下ろした。
「私はこれで」退室しようとしたハラを、ヤン部長はなぜか引き止める。「もう少しだけいてくれ」
「刑事6部のエースなんですよ」ヤン部長がハラを客人に紹介した。「気にせずお話しください」

叔父「頼みと言うのはだ、(隣の連れをボン!)こいつとはえらく仲が良くてな、弟みたいに思ってるんだ。困ってることがあるっていうから、連れてきたんだが、聞いてくれるよな?」
ヤン部長「もちろん!何でも聞いて差し上げないと。お話しください」

「?」黙っているハラの目がキラリと光る。

叔父「彼が病院を建てたんだ。”事務長病院”をな」

※事務長病院=医療人でない人が主体となって設立した病院。

叔父「ところがだ、金融監督院からやたらと調査が入るらしい」
ヤン部長「(うんうん)」
叔父「それを止めてやってはくれんか」
ヤン部長「あぁ、まぁそれは、まぁ…」

そう相槌を打っておいて、ヤン部長はさっそくハラに助けを求める。「オ検事、どうだろう?聞いて差しあげるべきだよな?」

ハラ「医師でない人が病院を開設すれば、医療法違反および保険詐欺防止告別法違反の嫌疑がかかります」
ヤン部長「ほぉ、そうするとどうなる?」
ハラ「保険詐欺容疑が確定すると10年以下の懲役または5000万以下の罰金に処せられます」

ヤン部長は困った顔で叔父に向き直った。「ちょっと厳しいですねぇ」

叔父「困ってるから頼みに来たんじゃないか」
ヤン部長「えぇ」

ヤン部長はふたたびクルリとハラの方へ。「困っていらっしゃるそうなんだが」

ハラ「法でダメなものは、ダメなんです」
ヤン部長「(叔父に)ダメだそうです」
叔父「お前が部長検事だから助けてもらいに来たのに、ふざけとるのか!」
ヤン部長「ふざけてません。叔父さん、親戚は親戚、検事は検事なんですよ。あ、オ検事、こうやって不法洗浄すれば、今度はどんな罪になる?」
叔父「罪だと?!」

「こいつ!」叔父は、逃げるように退散した。

ヤン部長「それでは宗親会でお目にかかります!」

無事に困った親戚をやり過ごし、ヤン部長はほっと息をついた。

ヤン部長「ありがとうな」
ハラ「お疲れ様でございました」

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執務室の前までハラが戻ってくると、廊下の向こうでコ係長が頭を下げた。
彼が連れているのは、囚人服のドチャンだ!

コ係長「まだ尋問することがあるそうで、ペク検事が召喚なさいました」

「…。」ハラを黙って見下ろすと、ドチャンはふっと笑う。

それっきり、彼は腕を引かれ、彼女の前を通り過ぎた。

ハラ「…。」

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取調室で向かい合うと、ジュンスは早々に手元のノートPCを閉じた。「録画を停止します」
そう言って、テーブル裏のスイッチを切る。

ドチャン「またあの話なら、ハッキリ断ったはずです」

「…。」返事をする代わりに、ジュンスはゆっくり眼鏡を外し、それを胸ポケットにしまう。「クム・テウンに話しました」

ジュンス「サ・ドチャンさんが音声ファイルを持っていると」
ドチャン「音声ファイル?」
ジュンス「クム・テウンが僕を交通事故に見せかけて殺そうとしたとき、チェ・ジョンピルに報告しています。チェ・ジョンピルがそれを録音していると」

ドチャンは思わず笑った。「ペク検事が嘘までつくとは」

ジュンス「そのせいで、サ・ドチャンさんの命がさらに危うくなりました。チャンスさえあれば、クム・テウンはサ・ドチャンさんを殺そうとするはずです」

「…。」ドチャンの顔からゆっくりと笑みが引いていく。

ジュンス「そこで、私がサ・ドチャンさんを脱獄させます」
ドチャン「… 脱獄?」
ジュンス「拘置所内にも医務室はありますが、重患者が出れば外部の大病院に移送されます。救急車からサ・ドチャンが脱出すれば、そのニュースを耳にしたクム・テウンは殺しに駆けつけるでしょう」
ドチャン「…。」
ジュンス「結局、サ・ドチャンはクム・テウンの部下の手にかかり、死ぬことになります」

ジュンスの意図をはかるように鋭い目で見つめながら、ドチャンが小さく頷く。

ジュンス「ですが、死ぬのは… 僕です。救急車の中で、サ・ドチャンさんと僕が体を入れ替えるから」

笑みを浮かべ、ドチャンはゆっくりと背もたれに身を委ねた。「よく出来たシナリオですね」

ドチャン「しっかり聞き届けましたよ」
ジュンス「…。」

※先輩の説明するセリフの中で、”サ・ドチャン”と呼び捨てにしている箇所がありますが、そこが”サ・ドチャンさんと入れ替わった自分”ですねㅠㅠ

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”取り調べ”を終え、廊下を歩きながら、ドチャンは考えを巡らせた。

あんたのシナリオと俺のシナリオ…
どっちのシナリオどおり流れていくか
見ものだな…

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クム・テウンはやはりドチャンの出方を警戒していた。「このままじっとしているヤツじゃない」
「えらく気に障る」本棚から取りかけた本を、また戻す。

「チョン・ドヨンのように、そっと処理しろ」背後のキム室長を小さく振り返った。

キム室長「同じやり口を繰り返せば、尻尾を掴まれるかもしれません。オ検事もチョン・ドヨンの件を調べているじゃありませんか」
クム代表「他に方法があるのか?」
キム室長「…。」

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拘置所の部屋に、間食とドリンクが配られた。
「検事さん」届いたものが一旦全てドチャンの前に置かれると、ドチャンはドリンクだけを取り、間食を除ける。「皆でわけて」

一本のドリンクを前に、ドチャンはふぅっと深く息を吐き出す。
意を決すると、それを一気に口に流し入れ…

倒れた。

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「ドチャンが倒れた?!」ボン監督は電話での知らせに目を丸くした。
「えぇ」電話の相手はジュンスだ。「今頃」

ボン監督「クム・テウンがやったんですか?ドチャンを殺そうって?!」
ジュンス「僕がやったんです」
ボン監督「え?ペク検事がどうして?」
ジュンス「今すぐ拘置所へ、サ・ドチャンさんを迎えに行ってください。看守たちのことは僕が手回ししておきました」
ボン監督「脱獄させろと?」
ジュンス「サ・ドチャンさんも同意済みです。急いでください」

「行こう!」電話を切るなり、ボン監督は駆け出した。

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ボン監督への電話を終えると、ジュンスは用意させてあった救急車に後ろから乗り込んだ。
待機していたのはコ係長だ。

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拘置所の医務室では、医務官がドチャンに心臓マッサージをおこなっていた。

医務官「危険です!急いで大きな病院へ移送しなければ!」

それを聞いた看守が電話を掛けたのは… 119ではなく、キム室長だ。

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キム室長がクム・テウンの執務室へやって来た。「サ・ドチャンが拘置所で倒れたそうです」

クム代表「サ・ドチャンが?」
キム室長「はい。今は医務室にいますが、もうすぐ大病院へ移すそうです」

「脱獄を狙った芝居だとしたら…」クム・テウンの口元に笑みが滲む。「ヤツを消す、いいチャンスだ」

クム代表「キム室長、今すぐ行って後をつけろ。万が一、脱走しようとしたら、捕まえて連れてこい」
キム室長「はい、代表」

「キム室長」背を向けたキム室長を、クム・テウンが呼び止める。

クム代表「今度また逃したら、許さんぞ」

絶好の機会だ。
クム・テウンは決意を新たにした。「サ・ドチャン、今度はきっちりカタをつけてやる」

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キム室長たちの車が見張っている前で、救急車が拘置所を出発した。

キム室長「(運転手に)あの救急車を追え」

救急車の後を、キム室長の車が追いかける。

キム室長「やはり脱走するつもりだ。このまま追いかけろ」

追われている救急車の中にいるのは、囚人服に着替えたジュンスだ。
慎重に周囲を伺うと、ジュンスは運転席に声を掛けた。「この辺が良さそうです」
運転席にいるコ係長がミラー越しにジュンスを見る。「ペク検事、本当にここまでしなきゃいけませんか…」

ジュンス「後のこと、よろしくお願いします」

#あかん(´;ω;`)ブワッ

コ係長はぎゅっと唇を噛み締めると、思い切ってブレーキを踏んだ。
急げ!
扉を開け、囚人服のジュンスが飛び出し、林の中へ全速力で駆け込む。

コ係長「捕まえろ!」

後をついてきたキム室長一味が追いかけた。
走り出してすぐに、ジュンスの心臓は悲鳴を上げる。

ジュンス「あぁっ!」

#こんなときにホントごめん!ソンベはドチャン走りじゃなかった

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一方、ドチャンを乗せたもう1台の救急車が、ボン監督の運転で車庫へ辿り着いた。
程なくして、同じ車庫から別のワゴンで、ボン監督が再び出発する。

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もうここが限界だった。
ひとしきり走ったところで、囚人ジュンスは心臓をおさえ、倒れ込む。

キム室長はゆっくりと近づき、懐からナイフを取りだした。
今までさんざんコケにされた憎悪が湧き上がる。
近づきざまにその足で思い切り蹴り上げた。

ジュンス「うっ」

襟首を掴み、彼はナイフを振りかざした。

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「オ検事!」イム係長が慌てた様子で入ってきた。

イム係長「サ・ドチャンが病院へ移送中、脱走したそうです」
ハラ「サ・ドチャンが?!」

出動する彼女を、取材陣が取り囲む。

ニュース「先日、殺人未遂および詐欺容疑で拘置所へ収監されたサ某氏が、本日脱走しました。サ氏は拘置所で突然失神し、近隣の病院へ移送中、脱走したとのことです。警察では脱走経路を追跡し、近隣を捜索しており、市民の安全に万全を期しています」

「あの詐欺師、脱獄したの?!」次女とテレビを観ていたハラの母親が目を丸くした。

ソラ「脱獄?!」
母「わぁ、凄いね。並の詐欺師じゃないわ。脱獄してどこへ行こうっていうの?」

ソラは立ち上がった。

母「どこ行くの?」
ソラ「どこって、大事件が起きたのに!」

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救出されたドチャンは、アジトのベッドの上で意識を取り戻した。
そばについているのはウンジだ。「大丈夫?」
「ボン監督!」呼ばれて、ボン監督とインテが駆けてくる。「ドチャン!」

ドチャン「ペク検事は?」

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作戦に先立ち、ドチャンはメンバーたちに面会室で話していた。

ドチャン「ペク検事はやると言ったらやる人だろ」
ボン監督「あぁ。あんな物静かな人が意地張ると一番怖いんだ」
ドチャン「そこでなんだが… セッティングが必要になりそうだ」
ウンジ「セッティング?何?」
ドチャン「ペク検事のシナリオどおりになってると見せかけて、実はその上に俺が手を加える」

ジュンスが乗った救急車をインテがこっそり追いかける。
脱走したジュンスをキム室長が殺そうとした瞬間、腕っぷしのいい男たちを引き連れて、インテが助けに入るシナリオだ。

ドチャン「準備しておいて、ペク検事を取り戻すんだ」

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ベッドの上で、ドチャンは安堵の息をついた。「計画通りになった」

ボン監督「ドチャン、これはダメだぞ」
インテ「成功はしたけど、危険すぎた」
ウンジ「こんなセッティング、絶対二度とやらないわ」

「…。」ジュンスの計画を尊重した上で、ドチャンはジュンスをも救い出すため、これまでならやらなかった危ない橋を渡ったのだ。ジュンスだけではない、ドチャンたちもみんな命がけだった。

ドチャン(心の声)「ペク検事、あまり寂しく思うなよ。俺のシナリオどおりになったんだ。もう誰一人失うもんか。オ・ハラも、あんたも…」

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手ぶらで帰ったキム室長を、クム・テウンは思い切り殴りつけた。「逃しただと?」

クム・テウン「俺は何て言った?拘置所内で始末すれば、こんなことにはならなかったろ!」
キム室長「…申し訳ありません」

「わ… 痛そうだな」入ってきたチョ・ソンドゥがクム・テウンに頭を下げた。「知らせを聞いて来ました」

ソンドゥ「行動の読めないヤツだから、いつまた代表に危害を加えに来るか…。しかも、ペク・ジュンスは検察庁でピンピンしてますし」
クム代表「キム室長、お前、お前一体何度失敗した?いつまで許してやらなきゃならん?!」
キム室長「…。」

「行け」冷たく背を向けるクム・テウンを前に、キム室長の目には憎しみが宿った。「…。」

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キム室長はバーのカウンターにいた。
「…。」かつて、クム・テウンがついでくれたウィスキーを、一人グラスにつぐ。

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ずいぶん前のことだ。
オフィスにキム室長を呼び、クム・テウンはグラス片手に言った。「俺には嫁も子どももいない」

クム代表「引退するときになったら、ギャラリーと財産、誰に相続する?」
キム室長「…。」
クム代表「キム室長、俺には君しかいない」

嬉しくなって俯いたキム室長の足に、クム・テウンがトンと手をかけた。「息子のように思ってるんだ」

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そう言っておきながら、無茶な汚れ仕事ばかり言いつけ、出来なければ怒鳴りつける。
その反面、できの悪いチョ・ソンドゥはいつまでもそばに置き、2000億の隠し口座まで用意していたのだ。

キム室長「結局利用されただけだ…」

彼には大きな切り札があった。
ナム・スンテから取り上げたあのUSB、「焼却しろ」と言われたまま、実はまだキム室長の手元に残っていたのだ。
そこには、クム・テウンが外交官と麻薬取引をする決定的な場面が収録されている。
これさえあれば…。

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翌日。

”ペク検事”がさっそうと検察庁へ登庁した。
向こうから歩いてきたミランが、さっと髪を直す。

ミラン「おはようございます、ペク検事」

「おはようございます、ミランさん」いつになく凛々しくクールなペク検事に、ミランは首を傾げた。「?」

#面白いね。ちゃんとミランさんには挨拶してあげるんだけど、今度こそは徹底して”ジュンスっぽく”やるぞという構え。

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ハラたちの執務室は重い空気に包まれていた。
「コ係長」ハラが沈黙を破る。

ハラ「ソウル拘置所収監者の前科を詳しく調べてください」
コ係長「なぜそれを?」
ハラ「脱走に見せかけた他殺の可能性もありますから」
コ係長「はい」
ハラ「イム係長」
イム係長「はい」
ハラ「拘置所付近の防犯カメラの映像、全て入手してください。高速道路も」
イム係長「わかりました」

そこへ厳しい表情で入ってきたのがペク検事だ。
捜査員たちが一斉に立ち上がり、頭を下げた。

ハラ「先輩、どうしてずっと連絡つかなかったの?」

「…。」ペク検事はチラリとハラを見て、そのままデスクへ向かう。

ハラ「サ・ドチャンの脱走のこと、聞いたよね?」

「あぁ」そう言ったっきり、ペク検事は座って資料をめくり始める。
「…。」コ係長がそっと彼の横顔を見つめた。

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誰もいない取調室へ入ってくると、ペク検事はふぅっと溜息をついた。
ガラス窓に向かって眼鏡を外すと、そこに現れた姿は… ドチャンだ。

ドチャン「それにしてもよく騙されるよな。秘密にしてくれってペク検事に言われたし…」

と、そこでドアが開く。
彼は慌てて眼鏡を掛け直し、再び”スイッチング”をペク検事へ切り替えた。
「サ・ドチャン、大丈夫だよね」ハラは、入ってくるなり訴えるような切ない目で彼を見る。

ハラ「まさかクム・テウンが何かやったわけじゃないよね?」
ペク検事「…。」
ハラ「本当に逃げたんなら、私に何も連絡してこないはずないわ。心配してるのわかってるはずなのに」
ペク検事「…。」
ハラ「本当に何かあったんなら、どうしよう!」
ペク検事「ずいぶん心配そうだな」

「当然でしょ」ハラがため息をつく。
彼女は椅子に腰を下ろし、物憂げに頬杖をついた。

ペク検事「相手はサ・ドチャンさんだ。どこにいようと元気にしてるさ」
ハラ「私も最初はチャラい詐欺師だと思ってたんだけど… 調子がいいのは表面だけだって、最近わかったの」
ペク検事「…?」
ハラ「私と知り合って、検事やって… 牢屋にまで。サ・ドチャンの人生、なんでこうも狂うのかな」

「心が痛むわ…」ハラが独り言のように呟く。

ペク検事「…。」
ハラ「私… この借りをどうやって返せばいいんだろう」

そう尋ねて、彼女は再びうつむく。「サ・ドチャン、いい人なのに」
沈む彼女をただ見つめ、ペク検事は小さく微笑んだ。「…。」

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執務室の電話が鳴った。
「ペク・ジュンス検事の部屋です」コ係長が電話を取る。「え?情報提供?」
電話で話しながら、メールをチェックする。

『情報提供します』メールが届いていた。

#思いっきりGmail使ってる検察庁(笑)

クリックすると、届いていたのは映像だ。
車が林の中を進んでいくと、脱走犯に掴みかかっている長身の男が顔を上げる。
キム室長ではないか!

ペク検事がコ係長をチラリと見て、反対のハラをチラリと見る。

ペク検事「この映像、送ってきたのは間違いなくサ・ドチャンだ」
ハラ「つまり、サ・ドチャンがセッティングしたってことね」
ペク検事「これでキム室長を逮捕できる」
ハラ「うん」

ハラは妹のソラに電話を掛けた。「オ・ソラ記者、特ダネあげようか」

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テレビでオ・ソラ記者が速報を伝えた。

ソラ(ニュース)「速報です!脱走中のサ・ドチャンは殺された可能性が出てきました」

「!!!」揃ってテレビを前にしていたクム・テウン一味が身を乗り出す。

ソラ(ニュース)「匿名で情報提供されたこの映像には…」

テレビいっぱいに、林の中が映し出される。
キム室長の姿がハッキリと映っていた。

ソラ(ニュース)「脱走犯サ・ドチャンを追うグループが撮影されています。確認したところ、彼らはサ・ドチャンを殺人未遂で控訴したクム某氏が運営するギャラリーの職員であると明らかになり、衝撃が広がっています」

「キム室長!」クム・テウンが立ち上がる、「お前一体何をやってる!!!」
そのとき扉が開いた。「!」
入ってきたのはペク検事たち検察チームだ。

キム室長「!!!」
ペク検事「ソウル中央地検から来ました」
ハラ「キム・ヒョヌクさん、あなたを特殊暴行容疑で緊急逮捕します」

コ係長に手錠を掛けられ、キム室長は救いを求めてクム・テウンを見る。「…だ、代表」
「キム室長」クム・テウンは狐につままれたような顔でキム室長を見た。

クム代表「一体どういうことだ?何をやったんだ?」
キム室長「!!!」

クム・テウンが、長年仕えてきたキム・ヒョヌクを切り捨てた瞬間だ。

ハラ「クム・テウンさん、次はあなたです」

困った顔を装うクム・テウンに、ペク検事がピクリと眉を上げて見せた。

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病院の廊下の奥、赤く『関係者意外立入禁止』のテープが貼られた扉が開く。
医師が入ってきて、通用カードで病室のロックを解除した。
ベッドに横たわっているのは… ペク・ジュンスだ。

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ここでエンディングです。
ソンベ~(´;ω;`)

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