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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ 27話 あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』27話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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「僕はサ・ドチャンさんを殺します」思いがけないジュンスの言葉に、ドチャンの目の色がわずかに変わった。「殺す?どういう意味です?」

ジュンス「もはやあなたは殺人未遂犯です。少なくとも1~2年は牢の中にいなければならない。ヒグマとのゲームに勝算はありません」
ドチャン「…。」
ジュンス「僕が… 詐欺師サ・ドチャンとして死にます」

「!」ドチャンが身を乗り出す。「待ってくれ、ペク検事」

ジュンス「ペク・ジュンス検事として生きてください」

深刻なジュンスをひとしきり見つめ、ドチャンは呆れたようにふっと笑った。「なんであんたとして生きなきゃならないんだ?」

ドチャン「ムショ送りになったって、逃げて出てくることだってできる。俺の心配はやめてください」
ジュンス「…。」
ドチャン「その提案はお断りです。俺、ペク・ジュンスとして生きるのは嫌なんでね。何で他人の人生を生きなきゃならない?」
ジュンス「説得はここまで。後は自分のやり方で進めます」
ドチャン「…。」

モニターブースから廊下をぐるりと回ってきたハラが、カードキーで中へ入ってきた。「何よ?2人で何を話したの?」

ジュンス「…。」
ドチャン「…。」

ジュンスはじっとドチャンを見つめ、逆にドチャンは彼と目を合わせようとしない。

#ただまっすぐドチャンを見てるジュンスが、「頼む…!」と言ってるようで、何とも…ㅠㅠ

ハラ「何なのこの雰囲気?先輩、何を話したの?」
ジュンス「…。」

ハラはドチャンに視線を移した。「何を話してたのよ?」

ドチャン「…。」
ハラ「何なのよ、2人とも…」

コ係長とイム係長が入ってくると、ジュンスはようやく口を開いた。「サ・ドチャンの拘置をお願いします」

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デスクに戻ると、ジュンスは何事もなかったように淡々と業務を進めた。

ジュンス「サ・ドチャンの控訴状、用意してください」
コ係長「どのようにしましょう」
ジュンス「クム・テウン代表が殺人未遂で告訴しました。草案にそう書いてください」

「承知しました」コ係長が部屋を出ていく。
「…。」ハラが入れ替わりにデスクの前に立っても、ジュンスは顔をあげることなく、書類を見つめた。

ハラ「サ・ドチャンに言われたとおりにやったけど、あまりに申し訳なくて…」
ジュンス「…。」
ハラ「弁護士を雇ってなるべく早く出さなきゃとは思ってるけど… 刑務所に行くなんて、簡単なことじゃないわ」
ジュンス「…。」
ハラ「先輩、どうして何も言わないの?」

ジュンスは彼女の言葉を振り払うように、さらに書類をめくった。

ハラ「…。」

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歩き慣れた検察庁の廊下を、ドチャンは手錠を繋がれて歩いていた。
ドアが開き、ちょうどハラが執務室から出てくる。
「…。」ドチャンの手錠を見て、ハラは何も言えずに俯いた。

悲しげなハラに、ドチャンはいつもの笑みを見せる。

ドチャン「今までミランさんばっかキレイだって言って、寂しい思いしてたんじゃ?」

「…。」ハラの視線が、まっすぐドチャンへと向かう。

ドチャン「しばらく会えなくなるな。キレイなハラさん」
ハラ「…!」

ハッとするハラの後ろに、ドチャンはそっと視線を移す。
デスクに向かうジュンスの姿が見えた。

ドチャンの視線に気づき、ジュンスが黙って顔を上げる。「…。」
ただ言葉もなくぶつかるその視線で、二人の間にどんな思いが交わされたのか、誰も知る由はなかった。

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『14 冷静と情熱の間で』

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ソウル中央地検から出て来たドチャンを、物陰からそっと窺っている塊は…

ボン監督とウンジとインテの3人だ。

ウンジ「ドチャンさん、出てくるのに何年かかるかな」
インテ「殺人未遂に検事詐称まで…10年はかかるんじゃないか?」
ウンジ「!」
インテ「しかも相手はクム・テウンだ」
ウンジ「ドチャンさんに10年も会えないの?!」

「ダメーーーッ!」思わず護送車に駆け寄るウンジを、2人が慌てて引き止める。

インテ「後を追ったって会えないって!」
ボン監督「ドチャンのヤツ、全部一人で引っ被って、全く何を考えてるのか…」

「ドチャンさん、可哀相…」遠ざかっていく護送車を見つめ、ウンジがうずくまったまま呟いた。

ウンジ「お父さんの仇を何発か殴ったからって、何で殺人未遂なの?!ペク検事もオ検事もヒドすぎない?好きなだけ利用して、いまさら知らんぷりだなんて」
インテ「だから検事は信用しちゃダメなんだ」

「…。」3人はそれっきり押し黙った。

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病室のベッドの上で、クム・テウンは腫れた頬を冷やしていた。
キム室長がやってくる。

クム代表「サ・ドチャンはどうなった」
キム室長「拘置所へ移送されました。公務員資格詐称、傷害、殺人未遂まで、少なくとも1~2年、長くて10年以上の実刑になるでしょう」
クム代表「…。」
キム室長「詐欺師と共謀したことを隠すためにも、重い求刑になるはずです」
クム代表「隠して済むことか!俺が知ってるのに。ペク検事にオ検事、2人ともタダで済ますものか」

「サ・ドチャンのヤツ…」別荘での出来事が、改めて蘇る。「本当に俺を殺そうとした」

クム代表「何が何でも生かしてはおけん。2000億、サ・ドチャンにも知られたし、検察も勘づいたようだ。まずはそれを回収しなければ」

「弁護士を呼べ」クム代表は指示を出した。

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ドチャンの控訴手続きは滞りなく完了した。
ジュンスたちが検事長室を訪れる。

ジュンス「公務員詐称罪及び殺人未遂で控訴しました」
検事長「お疲れ様」

ハラがすかさず別のファイルを差し出す。

検事長「?」
ハラ「不法資金洗浄容疑でクム・テウンを捜査させてください」
検事長「クム・テウン?なぜ?」
ヤン部長「トルキスタンのガス事業の資金を用意する振りをして、借名財産を処分していたんですが、それを全部海外へ流しています。リヒテンシュタイン、租税回避地として有名な国です」
検事長「確かなの?証拠はある?」
ヤン部長「FinCEN(アメリカの金融情報分析機構)で確認してもらいました」
検事長「クム・テウンのものなのかって訊いてるの」
ハラ「秘密口座なんですから、本名を使うはずはありません。名義はSimon Jo(サイモン ジョ)」
検事長「Simon Joって誰よ?」
ハラ「それを突き止めたいんです」
検事長「…。」

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オフィスへ戻ったクム・テウンの元へ、精鋭弁護士たちが呼ばれた。

クム代表「リヒテンシュタインが安全だと聞いて送ったんですが」
弁護士1「検察がFinCENに協力を求めれば、口座が凍結される可能性もあります」
クム代表「!」
弁護士1「ところで、名義人のSimon Joというのはどなたですか」

「…。」クム代表の視線が、ぐるりとキム室長に移る。
キム室長がビクリとすると、クム室長は再び視線を戻した。

クム代表「それは知らないで結構。対策を教えてください」
弁護士1「洗浄した資金をなるべく早く国内に戻し入れるのが最善かと」
クム代表「金を戻し入れるには口実が必要ですが」
弁護士1「貿易会社を一つ作っていただきます」
クム代表「貿易会社?」
弁護士1「古い外国の名車はそれほど高くはありません。数千万ウォンで購入し、外国へ売り戻しを」
弁護士2「外国にあらかじめペーパーカンパニーを作っておいて、その会社に高額で中古車を販売するんです」
クム代表「ふむ。そうやって2000億を運び込むと」
弁護士1「えぇ。ただし、その方面に詳しい国際弁護士が必要です」
クム代表「キム室長、弁護士を探してくれ」
キム室長「承知しました」
クム代表「(弁護士に)貿易会社を新たに作る必要はありません。うちに貿易会社の看板を掲げている者がいますので」
キム室長「…。」
クム代表「では、詳しいプロセスを」

「はい」弁護士が手元の資料に手を伸ばした。

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チョ・ソンドゥは自らに与えられた会社、WK貿易に戻り、デスクに向かっていた。
そこへ訪ねてきたのがクム・テウンだ。
来客に気づくと、ソンドゥは眼鏡を外して立ち上がると、笑顔で頭を下げる。「代表、いらっしゃいませ」

クム代表「何をしていたんだ?」
ソンドゥ「本を読んでおりました」
クム代表「本を?」

ソンドゥははにかんだように目を伏せる。

ソンドゥ「ところで、私に何かご指示でも?」
クム代表「座ろう」

ソファに向かうクム・テウンに、ソンドゥは丁重に頭を下げた。
お前の父親だ… 心の中に、チェ・ジョンピルの言葉が蘇る。「…。」

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前にソンドゥを座らせると、クム・テウンは訪問の目的を切り出した。「お前に話がある」

クム代表「最近も賭博を?」
ソンドゥ「いいえ!やめました」
クム代表「不確かなものに自分の人生を賭ける人類の歴史が、まさに賭博の歴史だ」
ソンドゥ「…。」
クム代表「賭博もいいさ。だがな、合法的な”賭博”も楽しいものだ」
ソンドゥ「え?合法的な賭博?」
クム代表「今からお前に本当の賭博を教えてやる。貿易会社の看板を掲げているんだから、ちゃんと貿易をやってみろ」

ソンドゥが顔を輝かせる。

クム代表「海外の名車を買え。中古でな。それをさらに海外の収集家たちに売るんだ」
ソンドゥ「頑張ります!」

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拘置所の部屋でも、ドチャンは本をめくり、”勉強”に余念がない。
本日は『異性から確実に点を稼ぐハッピートーク』の研究だ。

ドチャン「(本を読み)気にな異性に近づきたいときこそ、”自慢話”を積極的に活用すべきだ」

「自慢?」ドチャンは顔を上げる。「そんなの知らなかった」
「おい、408番」同室の男が声を掛ける。「検事に成りすましたの、お前だろ」

男「公務員の真似事なんかしやがって」
男「お前みたいに詐称する詐欺師が一番タチが悪いんだ」

「寂しいこと言うなよ」ドチャンが苦笑する。「俺はホントに検事なんだって」

ドチャン「司法部との間に深い誤解があって、ちょっと法務部のメシを食う羽目になったが、ここを出ればすぐ検察庁に…」
男「こいつ、さすが詐欺師だな!」
ドチャン「おい、828番。市庁で働いてたんだってな」
828番「!」
ドチャン「公務員同士仲良くしようぜ」
828番「公務員同士だと?」
ドチャン「収賄罪だろ。5年ってことは1億くらい受け取ったか…」

「5000万だ!」828番が反論する。

ドチャン「5000万?あぁ惜しい!そこから1000ウォンでも減りゃ執行猶予なのに」

「!」828番は驚いてドチャンの前ににじり寄った。「ホントか?」

ドチャン「賄賂を送ってきた相手を説得して、判事にこう言わせるんだ。道中すご~く喉が乾いて、1000ウォンのドリンクを買って飲んだんだって。そうすりゃあんたの受け取った金は5000万以下になるだろ。そうすりゃ執行猶予だ」
828番「兄貴!いや、検事さん!ありがとうございます!」

「検事さん、僕も無念なことが」隣の男が後に続く。「話を聞いてください」

ドチャン「OK、一人ずつな」

ドチャンの前に小さな行列が出来た…。

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面会室にドチャンが姿をあらわすと、詐欺団の3人がガラス窓の向こうで立ち上がった。

ウンジ「ドチャンさん、大丈夫?顔がやつれ…」

ガラス窓に貼りつく3人を前に、ドチャンは落ち着いた様子で椅子に腰を下ろす。

ウンジ「…元気そうね。相変わらずカッコいい♪」

3人は安心し、そろって椅子に座った。

ドチャン「久しぶりに”魂の最盛期”を突っ走ってる。よく食ってよく寝てるから、みんな心配すんな」

そう言って、ドチャンはニッコリ微笑む。

ボン監督「そうさ!うちのドチャンはな、無人島に置き去りにされたって、カモメを騙して魚を運ばせる男だ」

「ふふふ」そう明るく笑って、ドチャンは看守をチラリと窺い、声を潜めた。「あっちの動きは?」

インテ「オオグマは毎日弁護士たちと会議。パンパンは急に中古車を買いに回ってる」
ドチャン「中古車?」
インテ「収集家たちの好きなビンテージの外車だ」

ドチャンが小さく頷いた。「読めた」

ドチャン「海外にある2000億。それを戻し入れようとしてるんだ」
ボン監督「インテがダミーのハッキングで焦らせたから、オオグマもビビったんだろう」
ドチャン「そのためには貿易会社を用意するだろうし、仲介する国際弁護士も必要だ」

#おまい、頭イイな~(定期コメント)

ボン監督「ほぉ~~~」
ドチャン「OK、セッティングしてみるか」

「セッティング?」3人が顔を見合わせる。

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さっそく作戦開始だ。
今回の作戦は”ビッグストア(詐欺の舞台となる場所)”を拝借する。
本物の弁護士事務所に、その権威をこっそり借りるのだ。

インテは”インサイド・マン(ビッグストアでターゲットを迎え入れる役割)”。
キム室長が接触しようとする弁護士パク・ヒョク氏に成りすます。

正午。
狙うは本物のパク・ヒョク弁護士が昼食に出掛けるタイミングだ。

ボン監督は”ビッグストア・マネージャー(舞台監督)”。
パク弁護士が受付係と昼食に出掛けたところで、すかさず偽の受付係を中へ導き、執務室の写真を全てインテのものに入れ替える。

ウンジは”テーラー(ターゲットの監視役)”。
キム室長がやって来るのは12時半。
本物のパク弁護士がそこから30分は戻ってこないよう、引き止めるのだ。

手早く昼食を済ませたパク弁護士は、12時半になる前にすでに席を立ってしまった。
「もう出てきちゃった!」店の前でビールの試食販売をしていたウンジは慌てて彼を捕まえる。「新発売のビールなんです」

ウンジ「飲んでいただいて、アンケートをお願いします」
パク弁護士「お酒はやめたんです」

「ん?そんなの知らなかったわ」ウンジはぶつぶつと呟く。

ウンジ「あ、これサイダーですよ。ビールじゃなくて」

約束の12時半より少し早く、キム室長が弁護士事務所へ到着した。

キム室長「(受付に)パク・ヒョク弁護士の部屋はどちらですか」
偽受付「突き当りを右へ曲がった部屋です」

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キム室長がパク弁護士の部屋へやって来た。
すでにスタンバイしていた”偽パク弁護士”、インテが通話を終え、立ち上がる。

キム室長「ご連絡したキム・ヒョヌクです。約束の時間より5分早いですが」
偽パク弁護士「Roy & Roys社韓国支社のパートナー弁護士、パク・ヒョクです」

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ウンジは本物パク弁護士を引き止めるのに四苦八苦していた。

本物パク「結構です」
ウンジ「そんなぁ!学費を稼ぎたくて必死で働いてるのに、人間扱いもしてくれないんですか!」
本物パク「…。」
ウンジ「禁酒してるからって、味見もしてくれないんですか」
本物パク「いや、そうじゃなくて、酒は飲まないんです」
ウンジ「サイダーですってば!」

パク弁護士は仕方なくコップを手に取り、口へ運ぶ。「プハッ!これビールじゃないですか!」

ウンジ「???…サイダーなんだけどな(一口飲んで)ビール味のサイダーかな?」

ウンジはアンケートを差し出す。「お飲みになったんですから、アンケートお願いします」
この時点で、まだ12時25分だ。

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インテのミッションの肝は、高額の手数料を提示することだ。

キム室長「20%?」
偽パク弁護士「ご存知でしょうが、この仕事はノーハウが売り物ですから。確実な仕事が出来る分、お高くなります」
キム室長「…。」

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弁護士事務所の入り口で、ボン監督はヤキモキしていた。
中の状況はどうなっているのやら…。

と、インテとキム室長の面談が終わる前に、本物が戻ってきてしまった!
掃除夫に扮していたボン監督は、入り口で忙しくモップを掛ける振りをして、パク弁護士めがけてバケツの水をひっくり返したのだ。

パク弁護士「あああ!」

踏んだり蹴ったりのパク弁護士は、来た道を引き返し、廊下の先のトイレへと向かう。
こうして、パク弁護士が執務室へ戻る前に、彼らは無事ミッションを完了させた。

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拘置所にいるドチャンを面会室で待っていたのは、ハラだ。
彼女は同伴した弁護士を彼に紹介する。「弁護してくださるチョン・チュンギ弁護士よ」
「先にお二人でお話しください」チョン弁護士は挨拶もそこそこに、席を外した。

「何だよ」座るなり、ドチャンは軽く笑みをこぼした。「”キレイなハラさん”って言ってほしくて来たわけじゃないよな」
「何でわかった?どんなに寂しかったか」ハラも彼の言葉に乗っかってみせる。

ドチャン「覚えてないのか。俺、オ検事に初めて会ったときにキレイだって言ったんだけど」

初めて会ったときのことを思い出し、ハラは目を伏せて笑った。

「しばらく会わない間にキレイになった」ペク検事の振りをして検察庁に来る羽目になった彼は、ハラにそう言ったのだ。

ハラ「あんたには本当に申し訳ないわ。犠牲が大きすぎた」
ドチャン「俺の心配はいい。しっかりメシ食って、仕事頑張れよ。夜、家に帰るときは一人じゃダメだ」

「…うん」何度も頷き、ハラは微笑んで見せる。
「…。」少し考えて、ドチャンは身を乗り出した。「オ検事、よく聞けよ」

ドチャン「親父が俺に遺産を遺してくれた」
ハラ「遺産?」
ドチャン「2000億」
ハラ「2000億?」
ドチャン「2000億の持ち主が誰なのか、教えてくれたんだ」

「Simon Joのこと」ドチャンが言う。

ハラ「私も口座を追跡して調べたけど、Simon Joが誰なのかは突き止められなかった。それなのに、あんたにどうやって…」
ドチャン「言ったろ。親父の遺産だって。親父は生涯クム・テウンを捕まえようと息巻いてたんだ。それくらいは調べるさ」
ハラ「…。」
ドチャン「Simon Joは… チョ・ソンドゥだ」
ハラ「チョ・ソンドゥ?!」
ドチャン「あいつ、思ったより卑劣で恐ろしい本性の持ち主だ。気をつけたほうがいい」
ハラ「クム・テウンがどうしてチョ・ソンドゥにそのお金を?」
ドチャン「… 息子だから」
ハラ「!」
ドチャン「父親の遺産にしちゃ、なかなかのもんだろ。”クム・テウンの弱点”」
ハラ「どうしてそれが弱点になるの?」
ドチャン「ただの息子じゃない。隠し子だ。正確に言えば、”捨てた息子”。チェ・ジョンピル総裁の娘と結婚するために、無情に捨てたんだ。チョ・ソンドゥを…」
ハラ「…。」
ドチャン「クム・テウンは死ぬまで自分の息子だと認めないだろう。プライドのためにもな」
ハラ「…。」
ドチャン「オ検事、チョ・ソンドゥを捕まえろ。お前の名で海外に2000億あると言うんだ。そうすりゃあっちで勝手に分裂する」

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チョ・ソンドゥはムンシクを連れ、中古車ディーラーを訪れていた。
値下げ交渉をしながら、調子よく車を見て回る。

ムンシク「1000万代のボロ中古車、代表は何のために買い集めるんでしょう?」
ソンドゥ「そんなの誰にわかる?とにかく言われたとおりに、”振り”をしないとな」
ムンシク「あぁ~、”振り”ですか」

そこへ…
「また会いましたね」彼の前に現れたのは、コ係長だ。

コ係長「WK貿易社のチョ・ソンドゥ代表ですよね」
ソンドゥ「えぇ。前に会いましたけど… な、何か用ですか?」
コ係長「まぁ用事があるから来たんですが」

「車を見にいらしたんですね」周囲を見回すコ係長を、ソンドゥは不安げに見つめた。

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取調室でソンドゥは不安にかられていた。「何で呼ばれたんだ?何もしてないのに…。またムショ行きじゃないよな?」
扉が開き、ハラが入ってくる。
冷たい目で彼を一瞥すると、ハラは資料を開いた。「チョ・ソンドゥさんの海外口座が金融当局に捕捉されました」
「?」差し出された資料に、ソンドゥが目を凝らす。

ハラ「出処を明らかにしていただきませんと」
ソンドゥ「海外に僕の口座があるって?ぼ、僕マイナスの通帳しかないけど…」
ハラ「2000億。チョ・ソンドゥの名前になっていますが、ご存じないと?」
ソンドゥ「2!2,2,2,2000億?!」

ソンドゥは驚いて資料を掴んだ。「論理的にあり得ない」

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「何だと?」クム・テウンは思わず立ち上がった。「ソンドゥが検察に呼ばれた?」

クム代表「罪状は何だ?」
キム室長「中古車を買おうとしていたところへ急に押しかけたそうで…。理由はわかりません」
クム代表「今すぐチン検事長に連絡しろ」

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検察庁を出て来たソンドゥを待ち受けていたのは、キム室長だ。「チョ社長」

ソンドゥ「おぉ~キム室長!迎えに来たのか」
キム室長「一体どんな名目で捕まったんですか」
ソンドゥ「さぁ。いきなり海外に裏金があるんじゃないかって」
キム室長「!」
ソンドゥ「妙だよなぁ。Simon Joって名義になってるってさ」
キム室長「Simon Jo?!」
ソンドゥ「知らなかったのか?俺がそのSimon Joらしいけど。2000億もあるってさ」

「!!!」黙り込むキム室長を、ソンドゥが静かに見つめる。「どうなってるんだ?」

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ジュンスは夜遅くまでデスクに残っていた。

#ジュンスは今どこに泊まってるんだろう。詐欺団とは袂を分かつ形になっちゃったはず。心配ですわ…。

疲れはピークに達していたが、ただただここは踏ん張るしかないのだ。

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「資金洗浄の専門家はどうなった?」クム・テウンがキム室長に進捗を尋ねる。

キム室長「何人か国際弁護士に会ってみましたが、力のある弁護士は手数料が高すぎて、悩んでいるところです」
クム代表「今そんなこと言ってる場合か!数千億が行き来するのに、安全が一番だろう!」
キム室長「…。」
クム代表「これ以上ペク・ジュンスに暴かれる前に、さっさと交渉して進めろ」

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詐欺団のアジトには、ガラス棚にたくさんのスマートフォンが並んでいる。
もちろんお飾りではない。
それぞれ何のやり取りに使用しているものか、付箋で用途が書いてある。

ボン監督「バッテリー切れてないよな?」

詐欺団の3人はひたすら連絡を待っていた。

ウンジ「インテ、高く吹っかけ過ぎたんじゃないの?何で餌に食いつかないのかな」
インテ「ドチャン兄に言われたとおりにしたんだけど」

そのとき!
1台の携帯が唸り始めた。
『パク・ヒョク弁護士』と付箋の貼られた、まさにそれだ。

「はい」インテが電話を取った。「パク・ヒョクです」

キム室長(電話)「前にお目にかかったキム・ヒョヌクです。もう一度お目にかかりたいんですが」

早々に約束を取り付け、電話を切ると、彼らはホッと安堵の息をついた。

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クム・テウンの執務室のドアが開く。
姿を見せたのは、ペク・ジュンスだった。
「ようこそ、ペク検事」クム・テウンが立ち上がり、余裕を見せる。

クム代表「顔色がよろしくありませんね。一心同体だった詐欺師が牢屋送りになって、そんなに心が痛みますか」
ジュンス「実にご立派です。検察はクム代表の手のひらで踊らされているんですから」
クム代表「まぁその程度は。それに、タダじゃありませんからね。えらく費用が掛かりますよ」
ジュンス「その費用、突き止めましょう。代表の資金洗浄、捜査します」
クム代表「…。」
ジュンス「それを阻止したら、殺人教唆、麻薬密売まで全て調べ上げます」

ジュンスの言葉に、クム・テウンは冷たい笑みを浮かべる。「宣戦布告と受け取りますよ」

クム代表「戦争を仕掛けられたら、戦わなければ」
ジュンス「…。」

2人の視線がぶつかる。
先に逸したクム・テウンが笑い声を上げた。「私は今の方がずっと楽ですよ」

クム代表「ペク・ジュンスなのかサ・ドチャンなのか、敵軍なのか自軍なのか混乱するより、明確な敵と戦う方がよっぽど楽ですから」
ジュンス「…。」
クム代表「この戦争が終わったら、前に申し上げた通り、ペク検事が詐欺師と内通した罪を問いますよ」

「そうなれば…」クム・テウンはゆっくりとジュンスの周囲を歩く。「もう一生、検事の仕事は出来ません」

クム代表「私の前で堂々と検事を気取っていられるのも、今回が最後だということです」
ジュンス「ひょっとしてご存知ですか」
クム代表「?」
ジュンス「私が束草からソウルへ戻るときの交通事故、キム室長に指示なさいましたね」

「…。」クム・テウンの口元に滲んでいた笑みが消える。

ジュンス「その計画、チェ・ジョンピル総裁に報告なさった…」
クム代表「!」

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確かにそうだ。
チェ前総理の自宅をおとずれ、クム・テウンは事細かに報告した。

クム代表「ペク・ジュンスがソウルへ戻ってくるそうです。私が麻薬取引現場の隠し映像の在り処を知ったようでして」
チェ前総理「そんなものがなぜ…。それが世に出ればお前はオシマイだ。現場が映っているんだから」
クム代表「放ってはおけません。キム室長に指示しました。ソウルへ戻る道中で突き落とせと。ペク・ジュンス検事、魚の餌になるでしょう」

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「ところが…」ジュンスの話は続く。「そのときのやり取り、チェ総裁が録音しておいたそうで」

ジュンス「その音声ファイル、今はサ・ドチャンが持っているそうです」
クム代表「!!!」
ジュンス「そのファイルがどこにあるのか、私はまだ知りません。まさか拘置所へ持って入るわけはないし…」

「…。」思いもよらぬ隠し玉に、狼狽したクム代表は思わず笑い声を漏らす。
その反応に、ジュンスはキラリと目を光らせた。「…。」

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ここでエンディングです。

皆かなりイキイキと頭の中で日本語で喋ってくれるんですが、ジュンスだけは本当に難しいです…。

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