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スイッチ-世界を変えろ 26話 あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』26話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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偽装入院を終えたクム・テウンは、数日ぶりにオフィスに戻り、デスクの椅子に身を沈めた。「…。」

クム代表「20年来の幽霊がようやく片付いたか」

彼は20年前へと記憶を辿る。

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「最初から全部計画だったんでしょう!」別荘のベランダで、妻ミナは彼を責めた。

ミナ「演奏会で出会ったのも、不良たちから助けてくれたのも!」

#不良から助けてイイとこ見せる作戦とか、何ちゅう古典ネタ(- -;)

クム・テウン「…。」
ミナ「偶然が重なれば運命だって?私が国会議員の娘なのも知らなかったって?!」

#今わかった!ラブレインの女優さんか~。あースッキリ♪

ミナ「あなたはね、私じゃなくてお父さんの後ろ盾が欲しかったのよ」
クム・テウン「誤解だって。そんなんじゃない」
ミナ「何が誤解なのよ!あなた、隠してる女の子どもがいるでしょ」
クム・テウン「!」
ミナ「あなたとはもう終わりよ。お父さんに全部話すから!」

背を向けようとした妻の手を、クム・テウンはさっと掴んだ。「ミナ!聞けよ」

クム・テウン「俺だって知らなかったんだ。子どもがいるのも最近知った」
ミナ「触らないでよ、この詐欺師!」

「!」クム・テウンの動きがはたと止まる。「今、何て?」

ミナ「間違ったこと言った?何もかも嘘だったじゃない!」
クム・テウン「…。」
ミナ「卑劣よ。この詐欺師…」

「詐欺師だと!何だ?もう一回言ってみろ」カッとなって掴み合った末、勢い余った彼は、妻を手すり越しに落としてしまったのだ。

クム・テウン「ミナ!!!」

2階のベランダから落ちただけだ。
だが、落ちた場所が悪かった。
彼女は大きな石に頭をぶつけ、大量の血を流していた。

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殺意はなかったとは言え、妻を死なせてしまったクム・テウンは、サ・マチョンに電話を掛けた。「ちょうどいい仕事を紹介しようと思いましてね」
詐欺から足を洗ったというサ・マチョンに別荘の管理人をしないかと持ちかけ、殺人犯に仕立て上げようとしう計画だ。

彼が少し留守をしている間に、サ・マチョンは別荘にやって来て、洗面所へ移動させた妻の遺体を目撃していた。

クム・テウン「あぁ、もういらっしゃってましたか。まだ準備も出来ていなかったのに」
サ・マチョン「一体… 何をやったんだ?」

「…。」クム・テウンの視線が、血の跡がべったりついたドアに向かう。「ご覧になったんですね」

サ・マチョン「…。」
クム・テウン「見られたついでに、頼みがあるんです」

そう言って、クム・テウンがテーブルに広げたのは、ハンカチで包んだナイフだ。
その刃先は赤い血に染まっている。

クム・テウン「指紋、貸してください」
サ・マチョン「!」

その後はドチャンが布団に隠れて目撃したとおりだ。

クム・テウン「取引を断るなら仕方ありません。あなたは私の妻を殺し、自殺するんです!」
サ・マチョン「やめろ、ヒグマ!」

馬乗りになって首を締めるクム・テウンの腕に、サ・マチョンは床に転がっていたナイフを突き立てる。
「死ねーーー!」首を締める手を一層強めたそのとき、狼狽したドチャンは音を立ててしまった。

クム・テウン「?!」

クム・テウンが力を緩めたスキに、サ・マチョンは別荘を逃げ出したのだった。

#なるほど。それであの絶壁へ移動したわけですね。

~~~~~~~~

チェ・ジョンピル氏も無事退院し、自宅の居間でニュースを眺めていた。

チェ前総理「クム・テウンのヤツめ…。とうとうサ・マチョンも死んで、ネズミのように一人逃げのびたってわけか」

ユン秘書が来客を告げた。「チョ・ソンドゥさんをお連れしました」
恐る恐る入ってきたソンドゥは、ペコリと頭を下げた。「総裁、お目にかかれて光栄です」

チェ前総理「座りなさい」

ソンドゥが向かいに腰を下ろす。

ソンドゥ「僕をなぜお呼びに…?」

「君は…」チェ・ジョンピル氏は目を丸く見開き、彼を見つめた。「自分の出生を知っているか?」

ソンドゥ「母は亡くなりましたし、父は知りません」

チェ・ジョンピル氏は手元の写真を彼に差し出す。
それは…

ソンドゥ「え… これは…間違いなく母さんと僕ですけど」
チェ前総理「その人が君の父親だ」
ソンドゥ「!!!」
チェ前総理「君の実の父親だということだ」

「え…」事態が飲み込めず、ソンドゥは思わず笑った。「総裁、冗談が過ぎますよ」
しかし、そんなソンドゥをじっと見つめたまま、チェ・ジョンピル氏はニコリともしない。

#「本当なんだ!」とか言わずに、ただじっと見つめるだけの説得法、さすが大物は違うね

ソンドゥ「本当…ですか?」
チェ前総理「クム・テウン、あの天下の大悪党はな、君と病気のお母さんを捨てて、私の娘婿になった」
ソンドゥ「!!!」
チェ前総理「私を騙し、娘を騙してな」
ソンドゥ「…そんな!」
チェ前総理「そろそろわかったか。わかったら親孝行してくるといい。俺ならそんな父親を絶対に許しはしないがな」

「…。」写真を手に、ソンドゥはふらふらと立ち上がった。
ソンドゥの背中を見て、チェ・ジョンピル氏は低く笑い声を立てる。「あいつ、クム・テウンのところへ行って時限爆弾になるだろうな」

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どこをどう歩いて来たのかわからない。
ソンドゥは小さな居酒屋で酒をすすっていた。

#パンパンウォくんってさ、どんなにやさぐれたり、酷い目にあったりしてても、清潔感があるよね。そこがいいんだよな。

クム・テウンが母の葬儀に姿を見せた、あのときのことが思い出される。
故郷の先輩だと、それだけ言い、自分に親身になってくれたのだ。

呼ばれてやって来たムンシクは、ソンドゥの落ち込んだ様子を見て、小さく溜息をついた。「…。」

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「これからどうなさるんです?」話を聞き、ムンシクは言った。

ソンドゥ「振りをしないと」
ムンシク「振り?知らないふりをする…そういうことですか?」
ソンドゥ「あぁ。知らないふり、一生懸命なふり、感謝してるふり」
ムンシク「…。」
ソンドゥ「あいつをこの手で殺すまで」

死んだように虚ろだったソンドゥに、ギラリと力が宿った。

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今夜も遅くなった。
ハラが夜道を自宅へと急いでいると、向こうからキャップを目深に被った長身の男が近づいてくる。
黒い革ジャンに、ジーンズ。
もしや…。

ハラ「…!」

そのとき、ハラの後ろからキム室長たちが姿をあらわす。
途端に男が全力で逃げ出し、キム室長たちは後を追って駆け出した。「サ・ドチャン!!!」

ハラ「!」

と、その後に続こうとしたハラを、誰かが物陰から引き込んだ。「!」
ドチャンだ!

#O(≧∇≦)O イエイ!!

ハラ「サ・ドチャン!体は大丈夫なの?」
ドチャン「…。」
ハラ「危ないのに、こんなところに来ちゃダメよ!クム・テウン、あんたを捕まえようっって血眼になってるわ」

「わかってる」ドチャンは小さく顔を歪める。「あのとき俺、興奮しすぎて…。クム・テウンに騙されちまった」

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キム室長に追われた男は、ひとしきり逃げた後、適当な駐車場で立ち止まった。

キム室長「サ・ドチャン!」

振り返った男がキャップの奥から顔を覗かせる。
「!」見ず知らずの別人だ。「サ・ドチャンって誰です?」

キム室長「何だ、お前?なぜ逃げた?」
影武者「追いかけるから逃げたんですよ。はぁ、飯食ったばかりなのに」

「!」やられた。キム室長は踵を返した。

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「こうなったら本物の殺人未遂犯になってやるさ」ドチャンが言った。

ハラ「絶対ダメよ!私がクム・テウンを捕まえるから!あんたの濡れ衣だって晴らすわ。何があっても法のもとでやらなきゃ」
ドチャン「オ検事、ゲームのルールは俺が決める。俺にとっての法は、クム・テウンに裁きを下すことだ」
ハラ「あんたの気持ちはよくわかるけど」
ドチャン「前に俺が言ったこと、覚えてるか?俺にあまり深入りするなって」
ハラ「!」
ドチャン「あれは別荘だったか」

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「ドチャンさん、ご飯ちゃんと食べてるかなあ」カフェで3人くっついている間も、詐欺団のメンバーたちの頭の中はドチャンのことばかりだ。

ボン監督「ドチャンを見くびるな。元気にしてるはずだ」
インテ「国じゅう血眼になってドチャン兄を探してるのに…。まさかもう捕まったんじゃないよな」
ウンジ「ちょっと!何てこと言うのよ!」

そこへ…
「誰が捕まんだよ?」ぶらりと登場したのは、当のドチャンだ。
「!!!」驚く3人に、ドチャンは明るく笑って見せる。

ボン監督「ドチャ…!」
ウンジ「なんで連絡しなかったのよ!どんなに心配したと思う?」

ボン監督が他の客からドチャンを隠すように、奥の椅子に座らせる。「無事で良かった。大丈夫だよな?」

ドチャン「みんなどうしちゃったんだ?ジメジメしてさ」

「…。」3人がそろって俯いた。

インテ「兄貴、辛かったろうに。みんな心配してたんだ」
ドチャン「心配ないさ」

「聞いたよな?」ドチャンがいつものように軽快に切り出す。「クム・テウンは生きてるって」

インテ「ヒグマだけにウスノロだと思ってたら、あいつ狐だな。兄貴まで騙すなんて」

※곰탱이(クマちゃん)=女の子によく使われる愛称で、鈍くていじらしい、というニュアンスのようです。

インテ「どうするんだ?」
ドチャン「どうするって、やられただけやり返さないとな」
ウンジ「セッティングするの?」

「さて」ドチャンは両手をスリスリとこすり合わせる。「うちの天才ハッカーに実力発揮してもらおうか」

インテ「?」

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病気の体を押し、検察で業務を続ける間にも、心臓の苦しみはたびたびジュンスを襲った。
人知れず席を立ち、暗がりへ行って薬を流し込む。

ジュンス「…。」

急がなければ…。

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「ペク検事、大丈夫か?」ヤン部長がまるで生気のないジュンスの顔を心配げに覗き込んだ。

ヤン部長「ヒドイ顔色だ」
ジュンス「…。」
ヤン部長「ひょっとして、前にサ・ドチャンを褒めたから腹を立ててるわけじゃないよな?」

#蒸し返すなって(笑)

「部長」ジュンスが静かに部長を見る。

ジュンス「クム・テウンを合法的に捕まえるには、サ・ドチャンが死ななければなりません」
ヤン部長「また何を言い出すのやら。何で彼が死ななきゃいけないんだ?」
ジュンス「…。」

「聞いた話じゃ、彼だって…」そう言いかけて、ヤン部長は言葉を飲み込む。

ヤン部長「なぁジュンス、具合が悪くて良からぬことを考えてしまうのかもしれないがな…」
ジュンス「クム・テウンを捕まえるのに、サ・ドチャンがいると支障があります。僕とオ検事、ヤン部長も共謀していましたし」
ヤン部長「…。」
ジュンス「つまり、サ・ドチャンは消え、ペク検事だけ無事残っていなければなりません。もしそうなったときは、部長がしっかり捜査を率いてください」

#凄いこと言ってる…。

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雑木林の中に、アジア冷蔵流通のトラックが停まっていた。
トラックの中で、インテは海外のハッカー仲間にビデオチャットを繋いだ。

海外ハッカー「スプーキー?!
インテ「Hi、ジャック!久しぶり
海外ハッカー「急にいなくなったから、探したんだぞ。FBIにでも捕まったのかと思った
インテ「ビジネスで忙しかったんだ

インテはさっそく本題にはいる。「前にFSBサーバーをハックしたあのプログラム、まだ持ってる?

インテ「持ってたら、プレゼントしてくれないかな
海外ハッカー「あのプログラム、すごく高かったんだぞ。でも、君にならあげるよ。すぐ送るから

すぐにFTP通信を使い、プログラムの送受信が開始された。

ウンジ「計画通りにやれば、本当にできるの?」
ボン監督「そりゃうちのインテ次第だ」
インテ「俺を何だと思ってんだ?信じろよ」
ボン監督「信じます!」
ウンジ「信じます~!」
ボン監督「信じますか!」
2人「信じますぅ~!」

「叩け!さすれば開くであろう」インテがキーを叩いた。

※『マタイによる福音書』第7章より

次の瞬間、モニターにリヒテンシュタイン銀行のシステムが映し出される。

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クム・テウンは今日もデスクで静かに本をめくっていた。
そこへ、携帯にメッセージが入る。「?」
何気なく開いてみた彼は、凍りついた。「!」

***

[web]
あなたの預金が引き出されました。
名義 : HJ89615-3186KLU
金額 : 920,000フラン

リヒテンシュタイン銀行

***

「92万フラン… 10億ウォン?!」クム・テウンは直ちにリヒテンシュタインのシステムにログインする。
そうしている間に、再び携帯にメッセージが届いた。
また同じ金額が引き出されたというのだ。「何だこれは…。キム室長!」

キム室長が駆け込んできた。

クム・テウン「秘密口座から金が漏れてる」
キム室長「え?」
クム・テウン「何が起きているのか、今すぐ調べろ」

「承知しました」キム室長はその場で背を向け、携帯を取り出した。

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インテたちが見つめるモニター内では、クム・テウンの口座から金を引き出すプロセスが完了し、DONEの青い文字が表示される。

ボン監督「よし!」
ウンジ「出来たの?」
ボン監督「こりゃいくらだ? 1,10,100… いやぁ!よくやったぞ!」

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キム室長が電話を切った。「韓国のハッカーが攻撃しているそうです」

#こんな立ち電話ですぐわかるのか(笑)

クム・テウン「韓国のハッカー?!どこでこんな真似をしているのか、すぐ追跡出来るだろうが!」
キム室長「IP追跡中です」
クム・テウン「今すぐ捕まえて来い!」

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キム室長はただちに子分たちを連れ、IP追跡であっさり居所の割れた韓国ハッカーを捕まえに、ゾロゾロと繰り出した。

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クム・テウンの携帯が鳴った。
画面には『チェ・ジョンピル総裁』とある。

「私だ」電話がつながると、チェ前総理が短く言った。

クム代表「どうなさったんです?話すことはないと思いますが」
チェ前総理「2000億」
クム代表「なぜそれを…」
チェ前総理「もともと俺の金じゃないか。有効に使うぞ」
クム代表「悪戯が過ぎますね。いいお年でいらっしゃるのに」
チェ前総理「金を返してほしいか。それなら帳簿を持って来い。1時間後、あそこへ持ってくるんだ」

電話が切れた。

クム代表「老いぼれめが!」

クム・テウンは引き出しを開け、帳簿を手にギャラリーを出た。
懐には、伸縮式の鉄パイプを忍ばせる。

クム代表「老いぼれめ…ケリをつける時が来たか」

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突き止めたIPアドレスを元に、キム室長一団が雑木林へやって来ると、そこにトラックが1台停まっていた。
慎重に周りを取り囲み、荷台を開けると…

そこにいたのはハッカーではなく、木箱いっぱいのハチだった。
黒ずくめの彼らめがけて、ハチが一斉に襲いかかる。

一味「わあああ!!!!!」

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とっくに別の場所に移動した詐欺団3人は、モニターを見つめ、溜息をついた。

ウンジ「惜しいなぁ。これが手に入ってたらホント凄いのに!死ぬまでお金の心配せずに暮らせるわ」
ボン監督「こら。俺たちのミッションはここまでだ」
ウンジ「わかってるわ」

「うちの天才ハッカー♪」そう言って、ウンジはインテの顎をスリスリと撫でた。「よくやったわ」

インテ「(ニッコリ♪)」

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「…。」静かな執務室で、ハラは考え事に耽っていた。
「検事」コ係長とイム係長がやってくる。「出動準備ができました」

ハラ「いいわ。行きましょう」
イム係長「ところで、どこへ行くんです?」
ハラ「道中お話しします」

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扉が開き、クム・テウンが姿を現した。
彼が入ってきたのは、あの別荘だ。

クム・テウン「…。」

そこはシーンと静まり返り、人の気配はない。

クム・テウン「総裁?クム・テウンですが」

居間を見回していると、後ろの階段から足音がした。
笑みを作り、振り返ると…

そこにいた人物に、クム・テウンの笑みがさっと消え失せた。

クム代表「サ・ドチャン!」

#背後から聞こえた足音が、本当に年配者みたいだった(笑

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チェ前総理はクム・テウンに電話を掛けた直後、ドチャンに連絡を入れた。「言われたとおりにしたぞ」

ドチャン(電話)「ありがとうございます、総裁」

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「ははは」事情が飲み込めたクム・テウンが笑い声をあげる。

クム代表「2000億、お前の仕業だったか」
ドチャン「帳簿は?」

クム・テウンが手に持った帳簿を掲げてみせ、ドチャンの足元に放り投げる。
拾い上げてめくってみると、それは全くの白紙だった。

クム代表「たかがあんなまやかしに騙されるわけがない。あそこの口座、その程度の悪戯で侵入できると思ったか。ははは」
ドチャン「…。」
クム代表「老いぼれを冥土へ送ってやろうと来てみたが、思いがけずお前が行くことになるとはな」

「父親のもとへ」クム・テウンはそう付け足す。

ドチャン「いいさ。ここで始まったから、ここでケリをつけよう」
クム代表「始まった?」
ドチャン「20年前、お前は妻を殺した濡れ衣を親父に着せようとした」
クム代表「ふむ、なぜそれがわかったのか…」
ドチャン「その場に俺もいたから」

「あぁ!」クム代表は1階が見下ろせる2階のスペースを指さした。「あのとき、お前が上にいたんだな」

ドチャン「俺は2度も父親を失くした」

「しかも同じヤツの手にかかって…」ゆっくりとドチャンがクム・テウンに迫る。

ドチャン「無事生きていてくれて有り難い。今日、ケリをつけよう」

クム・テウンは後ずさりをしながら、懐に隠し持っていた伸縮式パイプを取り出した。

クム代表「早まるなよ、サ・ドチャン。今日は死ぬ振りをするつもりはない。お前を殺しに来たんだから」

次の瞬間、クム・テウンが思い切りパイプを振り下ろした。
ドチャンは懸命に逃れ、スキを狙って殴り返す。
「わああああ!」倒れたクム・テウンに馬乗りになり、ドチャンは叫びながら彼を激しく殴りつけた。「麻薬売買!殺人!お前の罪、何が何でも暴いてやる!!!絶対に許さない!!!」

クム代表「殺せるなら殺してみろ。殺せるもんか」
ドチャン「!」
クム代表「お前の親父もマヌケだった。復讐したいなら、詐欺なんかじゃなく俺を殺さなきゃダメだろうが!」

「はははははっ」口の中を血で赤く染め、クム・テウンは狂気じみた笑い声を上げた。

クム代表「お前は親父にそっくりだ。人を殺せん。なぜって?マヌケな詐欺師だから。はははははっ」

カッとなったドチャンの両手が、クム・テウンの首を締めつける。「見くびるな」

ドチャン「俺は親父とは違う」

クム・テウンが必死に伸ばしたその手は、ドチャンの首には届かない。「サ・ドチャン… 助けてくれ…」

ドチャン「どうした?平気な振りしてみろよ」

ドチャンがさらに力を込めたそのとき!
ハラが飛び込んできた。「サ・ドチャン!やめなさい!」
後につづいたコ係長たちがドチャンを引き剥がす。

ドチャン「やめろ!親父を殺したヤツなんだ!!!」

捜査員たちに抱えられ、ドチャンはありったけの力で喚き散らした。

ハラ「逮捕してください…」

コ係長により、ドチャンの手首に手錠がはめられる。
床に倒れたまま、クム・テウンが高笑いを上げる声が部屋に響いた。

ハラ「…。」

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ドチャン逮捕のニュースが直ちに報じられた。

オ記者(ニュース)「フィールギャラリー代表クム・テウン氏の殺人未遂容疑で逃走していたサ・ドチャンが、今日午後、ソウル中央地検オ・ハラ検事の捜査チームにより逮捕されました!再びクム・テウン氏に危害を加えようとしていたところを、現場での逮捕となりました」

中央地検前で待ち受けるジュンスの表情は固い。
程なくドチャンを連行する車が戻ってきた。

記者たちがこぞってシャッターを切る中、瓜二つのジュンスとドチャンが、初めて公衆の面前で対面する。
「わぁ、本当にソックリ」「双子じゃないのか」思わず記者たちから声が漏れた。

記者「なぜ検事に成りすましたんです?」
記者「クム代表を殺そうとした理由は?」
記者「本当に殺そうとしたんですか?」

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取調室の椅子にだらりと体をうずめ、ドチャンは退屈そうに爪をかじっていた。
彼に向かい側に陣取り、厳しい視線を送るのは、ジュンスだ。

ハラはモニターブースで見守りながら、久しぶりにドチャンと会った夜道でのことを思い返していた。
あのとき、ドチャンは新たな作戦について、彼女に打ち明けたのだ。

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「別荘にクム・テウンを呼ぶ」彼の作戦はいつにも増して大胆だった。「そして殺す」

ハラ「殺人だけは絶対にダメよ!」

「そのとき」ドチャンが強調する。「オ検事が踏み込んで俺を逮捕するんだ」

ハラ「!」
ドチャン「わかるよな?犯罪現場を作るんだ。俺はクム・テウンを殺そうとして逮捕され、取り調べでオ検事やペク検事、ヤン部長は自分の検事詐称に何の関わりもないと陳述する」
ハラ「そんな!私たちを守るために?」
ドチャン「ペク検事とオ検事が検察庁にいないと、クム・テウンを捕まえられないだろ」
ハラ「…。」
ドチャン「そして、俺に重刑を求めるんだ。そうすれば皆、俺との共謀はなかったと信じるはず」
ハラ「何考えてるのよ!10年は牢の中で暮らすことになるわ」
ドチャン「そこは俺に考えがあるから、心配するな。タイミングを合わせて別荘に来てくれ」

「気をつけろ」ドチャンが彼女に近づき、声を低くした。「少しでも遅れたら、本当にクム・テウンを殺すかもしれない」

#私はドチャンのこういうシリアスかつクールなシーンが一番好きかも。黒マスクのシーンとかネ♪ んで、そういうときはハラがとても素直なのもイイ^^

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取り調べが始まった。

ジュンス「名前を」
ドチャン「ペク・ジュンス」

「!」ジュンスの隣で調書を取るコ係長が、ビクリとしてドチャンを見た。

#なんか変な感じだよね…。本当はコ係長とあれだけ仲良く仕事してきた仲間なのに、今まったく別の立場で対面してる、この感じ。

ジュンス「職業」

「検事」ドチャンはそう言って、ジュンスを挑発するように薄笑いを浮かべた。

ドチャン「ソウル中央地検、刑事6部」

「!」ジュンスの眉間のシワが一層深くなり、拳がドンとテーブルを叩く。「ふざけているんですか!」

ドチャン「…。」
ジュンス「もう一度訊きます。名前は」

「面倒くせ」ドチャンは溜息をついた。「サ・ドチャン」
コ係長はようやく調書の1行目を埋めた。

ジュンス「職業」
ドチャン「検事…」
ジュンス「(ジロリ)」
ドチャン「…に成りすました詐欺師」

コ係長は職業欄に『詐欺師』と記した。

ジュンス「検事を詐称したことがありますか」
ドチャン「詐欺師が検事に成りすましてるのにさぁ、気づいた人は一人もいなかったんだよな」
ジュンス「検察庁内に、共謀者はいなかったということですか」

その質問に、ドチャンはふっと笑った。「これだから検察ってやつは」

ドチャン「国英数が出来るからって、自分たちが一番賢いと思ってる。み~んな騙されてたぞ」
ジュンス「…。」

ピリピリするジュンスをそっと窺い、コ係長は調書にごくシンプルに記した。『共謀者なし』

モニターブースではハラと一緒にヤン部長も取り調べを見守っていた。
共謀の事実はないというドチャンの供述に、ヤン部長はふっと息をつく。

ジュンス「殺害目的でクム・テウン代表に近づいたことは?」

「…。」ずっと背もたれに身を沈めていたドチャンが、むくりと身を乗り出した。「検事さん」

ドチャン「殺人なんて物騒な話はやめましょうよ」
ジュンス「…。」
ドチャン「男同士、ちょっと殴り合っただけなのにさ。傷害で行こうよ」
ジュンス「!」
ドチャン「クム・テウンに和解を持ちかけてくれりゃ尚いいし」

コ係長の調書はさらに短縮を極める。『いいえ、和解を希望します』

ドチャン「公務員資格詐称は3年以下の懲役、傷害は7年以下の懲役だ。俺は初犯だし、動機には酌量の余地がある。法廷で素直に認めて、弁済供託もやってさ、判事の前でちょっと反省してる振りでもすりゃ、せいぜい2年くらいじゃないか?」
ジュンス「サ・ドチャン… そんなふうにしか言えませんか」

まだまだ険しくなっていくジュンスの顔を見て、ドチャンは笑みをこぼした。「おたくみたいに冷酷な人間には、理解できないよな」

ジュンス「冷酷?」

ジュンスは立ち上がり、手元の資料を放り投げる。「コ係長、席を外してください」
「はい」コ係長はどこか逃げるように部屋を出た。
同時に、ジュンスはモニターに声を掛ける。「しばらく録画を中断します」
テーブルの下の録画スイッチを切り、ドアにロックを掛けた。

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検事長室のテレビでいつものように”取調室生中継”を見ていたチン検事長は、突然暗くなった画面にハッと目を見張った。
慌てて受話器を取り上げる。
モニターブースのヤン部長が電話を取った。

検事長「ヤン部長、ペク検事はどうするつもり?!どういう状況なのよ?!何があっても暴行はダメ。わかってるの?!」
ヤン部長「入って確認します」

ヤン部長が取調室の中へ続く扉を押してみるが、ロックされていて開かない。「ジュンス!どうした?開けろ!」

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「オ・ハラ検事から聞きました」2人きりになった取調室で、ジュンスが切り出した。

ジュンス「僕とオ検事を守るために、わざとクム・テウンの殺人未遂で捕まったと」

ドチャンが小さく微笑んだ。「もう何発か殴りたかったけど、思ったよりオ検事が早く来ちゃったもんで」

ジュンス「私にはサ・ドチャンさんが”目障り”なんです」
ドチャン「?」
ジュンス「ペク・ジュンスとサ・ドチャン、2人のうちどちらか生き残らなければならないとすれば、それはペク・ジュンスです」

「…。」ジュンスの意図を探るように、ドチャンはじっと上目遣いに彼を見つめる。

ジュンス「だから僕は… サ・ドチャンさんを殺します」
ドチャン「…。」

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モニターブースには、ガラス窓を通して2人の姿は見えているものの、声は聞こえない。
ピリピリとした緊張感だけが、ガラス越しにハラへと伝わっていた。

ハラ「あの2人、何であんなに深刻そうなの?」

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ここでエンディングです。
25話で鬱屈としていたものが、26話で一気に解消されました。
やっぱりこのドラマはドチャンたちが先手を取って動いてこそ。
受け身じゃ死んでしまいます。

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