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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ 19話 あらすじ&日本語訳

      2018/05/01

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』19話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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タイムリミットの24時が迫っていた。
1台のトラックが、ギャラリーに近づく。
「車が1台接近中です」ジュンスの無線に連絡が入った。
キム室長にその場を見張っているように言いつけ、クム代表もジュンスと共に外へ出る。

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「目的地に到着しました」ドチャンたちのトラックがナビの告げる場所で停まった。

※↑実際に停めた場所とは違うとみてますが、一応ナビの場所はここ^^;;;

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フィールギャラリーの前に停車した白いトラックに強いスポットライトが当たり、配備されていた機動隊が一斉に銃を向ける。
外へ出て来たジュンスやクム代表が見守る中、運転席の男がゆっくりと降りてきた。

男はゆっくりと帽子をとり… 両手を上げる。
…誰だ?
見たこともない男だ。

男「ロブスターの配達に来たんですが…?」

「…。」ハラの口元がふっと緩んだことに、誰も気づくことはない。

男「ひょっとして、映画の撮影ですかぁ?!」

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クム代表はジュンスと共に、一旦執務室へ戻った。

クム代表「ヤツらめ、俺をからかってるのか」
ジュンス「…。」

キム室長が入ってくる。「ロシアからファベルジェを引き取りに来るそうです」

クム代表「持って行けと言え」

「!」苛立ちが募り、クム代表はソファの背にドンと両手をついた。

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アジア冷蔵流通のトラックの中で、インテがネットの記事をチェックする。

『フィールギャラリーにて特別展示中だったロシア文化財”ファベルジェ エッグ”が、本国へ送還処置となった。フィールギャラリーのクム・テウン代表が意欲的に準備してきた今回の特別展示は、窃盗予告の主が明らかになっておらず、フィールギャラリー側も立場を表明していない。しかし、今回の事件でフィールギャラリーのクム代表のイメージに大きな打撃になるだろうとみられ、名誉毀損などの法的措置が…』

インテ「ファベルジェ エッグ、ロシアに帰るってさ」

気のなさそうに隣から記事を覗き、ウンジがチッと笑う。「そんな卵、最初から狙ってもないのに」
そこへドチャンとボン監督が外から戻ってきた。

インテ「ロシアの文化財を俺たちが盗むわけないんだ(ウンジに)そうだろ?」
ウンジ「私たちの狙うキングは他にあったってことよ」
ドチャン「モニターつけてくれ」
インテ「OK」

目の前のモニターに映し出されたのは、一戸建ての住宅の外観を捉えたものだ。

ドチャン「ここが今回の舞台だ!」

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『10 秘密は染み渡り 真実は露見する』

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ソウル中央地検前に花道を作った検事たちが、一斉に拍手をした。
彼らの間を、チョン・ドヨン氏が夫人を伴い、歩いてくる。

ニュース「本日ソウル中央地検にて退任式をおこなったチョン・ドヨン前検事長が、後輩検事たちに見送られ、検察庁を後にしました。剛直で竹を割ったような検事として、普段から名声と国民の信望の高かったチョン・ドヨン氏は、まもなく行われる国会議員補欠選挙への出馬が確実視されています」

チョン・ドヨン氏が、花道の最後に控えていたチン次長の前に立った。「もうチン検事長と呼ばないとな」

チョン・ドヨン「後を頼む」
チン次長「はい、頑張ります」

チョン・ドヨン氏は改めて後輩たちを振り返る。「国民の望む政治、クリーンな政治をいたします」
再び拍手が沸き起こる。

「囲いの中にいる間に捕まえなきゃいけなかったんだが」ヤン部長が、隣にいるハラに小さくつぶやく。「上まで上り詰めるんじゃないか?」

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「事案が事案ですので、何卒よろしくお願いします」イム係長が、執務室を訪ねてきた男性たちに念を押している。
そこへハラが戻ってきた。

ハラ「?」
イム係長「文化財庁から、こちらは関税庁からいらっしゃいました」
ハラ「(男性たちに)協力を要請したオ・ハラです」

ハラが書類を差し出す。「令状は取ってあります」

#どうやって取ったんだろ

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「記事は?」モニターを見つめながら、ドチャンが言う。
「もう出来る」キーボードを忙しく叩きながら、インテが答えた。

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いつものラウンジへ姿を見せたクム代表に、集まっていた南山クラブの面々が立ち上がった。
クム代表の後ろに、今日はジュンスもいる。

クム代表「我々南山クラブの”若い血”、ソウル中央地検ペク・ジュンス検事です」

頭を下げるジュンスに、皆が拍手をした。

クム代表「(端からメンバを指し)こちらはホン・ギソク銀行頭取、こちらはJKグループ戦略室のチュ・ギヨン常務理事、ボラム史学財団イ社長の孫息子さん、ムグン日報のソン・ジョンヒョク主筆、外交部チャ・フンミョン局長」

「さぁ」促され、ジュンスは空いている席に腰を下ろした。

クム代表「今日おいでになれなかった方も多いですし、挨拶は追々することにして。皆さんニュースでご存知でしょうが、チョン・ドヨン検事長が政界への一歩を踏み出しました。我が南山クラブが全力でチョン検事長を圧勝へ導き、後に大権を手に入れられるよう、各自最善を尽くしましょう」

皆がグラスを掲げた。「チョン検事長の圧勝を願って!」

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「ソンドゥは最近ちゃんとやってるのか?」帰りの車の中で、クム代表が言った。

キム室長「一生懸命探していると口では言っていますが」
クム代表「事務所へ行ってみよう」

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チョ・ソンドゥの事務所へ足を踏み入れてみると、中央の椅子にだらしなく寝そべっている男が一人。

クム代表「…。」

周りには酒瓶やゴミクズが転がっている。

物音に気づき、顔に被せた漫画の本を外したその男… チョ・ソンドゥは、入ってきたクム代表に気づき、慌てて立ち上がった。「!!!」

※チョ・ソンドゥが読んでいた漫画は『대물(大物)』。2010年のSBSドラマ『大物』の原作となっています。

クム代表「なんと体たらくな」
ソンドゥ「…。」
クム代表「賭博で会社の金をフイにするわ、勝手に麻薬を売ってバレるわ…一体いつまともな人間になるんだ?」
ソンドゥ「…。」
クム代表「お前より遥かに優秀で後ろ盾のある人間だって、目が回るほど必死で生きてる。それなのにお前は一体なぜ!!!」

「!」クム代表の怒りに、ソンドゥがビクリと小さくなる。

クム代表「無理に縁を引きずってないで、仕事が嫌なら出て行け」

「我々の縁はここで終わりだ」背を向けたクム代表に、ソンドゥがひざまずいた。「すみません!」

ソンドゥ「もう一度だけチャンスをください!」
クム代表「いつまで過去のせい、境遇のせいにする?俺と仕事がしたいなら、他人のせいにせず俺の望む人間になれ!」
ソンドゥ「代表!もう一度だけチャンスをくだされば、死ぬ覚悟でやります!」
クム代表「能がないなら、あるふりでもしろ。品位がないなら、あるふりでもしろ。ないならあるふり、それが装うってことだ」

「それがそんなに難しいか!!!」全身からこれまでの怒りを絞り出すように、クム代表は怒号を浴びせた。
彼らが事務所を出ていくと、ソンドゥはうんざりと溜息をつく。「はぁ、全く」

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クム代表はチョ・ソンドゥとの因縁に苦しんでいた。

始まりは1年前のことだ。

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ある女性の葬儀場へ駆けつけてみると、そこはガランと静まり返っていた。

クム代表「…。」

喪章をつけた若い男が一人、壁にもたれ、居眠りをしている。
それがソンドゥだったのだ。

「どちら様?」クム代表に気づき、ソンドゥが立ち上がる。

クム代表「… 地元の先輩です。急な知らせを受けて来ました。そちらは?」
ソンドゥ「息子です」

「!」クム代表は呆然として、女性の遺影を見つめた。

#お母さん若すぎない?

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祭壇を前に酒を酌み交わしながら、ソンドゥは弱々しく溜息をついた。「療養施設に入って、もう10年でした」

クム代表「それでさっぱり連絡が…。今は何を?」
ソンドゥ「日雇いの仕事をしたり、ヤクを売ったり。お陰でムショにも何度か出入りいました」
クム代表「…。」

ソンドゥが焼酎を手に取り、自分の盃に注ぎ足した。「これでも人生の目標はハッキリしてるんです」

クム代表「人生の目標?」
ソンドゥ「父親を探すことです」
クム代表「父親?見つかったら?」

「殺しちまおうと」ソンドゥが無表情で淡々とつぶやく。

クム代表「…。」
ソンドゥ「息子を放り出して逃げたヤツが父親ですか?母さんはずっとそいつを忘れられずに病気になって、結局… あんなザマで死んだんです」

ソンドゥの目から涙が流れ落ちる。「俺… 父親に会ったら殺してやります」
そう言って、彼はもう一杯、酒を口に流し込んだ。

クム代表「その目標、私が力になれると思うんですが」
ソンドゥ「?」

「… 地元の先輩として、何かしてやりたい」クム代表はそう付け足した。

ソンドゥ「…。」
クム代表「私と仕事をしてみないか?」

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「一体いつまともな人間になるんだ?」全く進歩のないソンドゥに、クム代表は改めて遣る瀬ない溜息をついた。

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「我が自慢のオ・ソラ記者!」検察庁の前で、ハラが妹を呼び止めた。「これから取材?」

ソラ「どうしちゃったの?自慢だなんて」
ハラ「どこ行くの?」
ソラ「チョン・ドヨン検事長の家。記者たちが大勢呼ばれてるの」
ハラ「へぇ。相当なものを見せてくれそうね」
ソラ「そんなのあるわけないわ。政界に進出したから、仲のいい夫婦、質素な生活、溢れる人間味、そういうことでしょうよ」
ハラ「あんたの想像してるより遥かにたくさんのモノを持ってる御方よ」
ソラ「(頷く)」
ハラ「オ記者、記者っていうのはね、上手く質問することが大事なの」
ソラ「そんなの基本よ」
ハラ「気になるときは、我慢しないで質問するのよ。いいわね?」
ソラ「何でそんな当たり前のことを?」

「オ記者、早く行こう」記者仲間が声を掛ける。
「じゃあね」ソラが歩き出した。

ハラ「気になったらすぐ訊かなきゃダメよ!」

ハラは携帯を取り出し、『お調子者』に電話をかけた。

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マスコミ各社がチョン・ドヨン氏の自宅を訪れ、仲睦まじい夫婦にしきりとシャッターを切った。
2人で優雅にピアノに向かい、一緒にキッチンに立つ。

「少し休ませてください」いよいよ疲労困憊した妻が、寝室へ逃げ込んだ。
記者たちをとりなし、チョン・ドヨン氏は妻の後を追う。

妻「私… 静かに暮らしたいのに」

瞬時に苛立ちをつのらせ、チョン・ドヨン氏は体を震わせる。「夫がやろうとしてることくらい協力できないのか!」

チョン・ドヨン「黙れ!」
妻「…。」

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妻が再びリビングへ戻り、夫婦揃ってのインタビューが始まっていた。

記者「チョン・ドヨン候補、家具はどれも長く使っておられるようですね。質素なお姿がうかがえます」
チョン・ドヨン「ええ、結婚する時に用意した家具そのままです。”Oldies but goodies”という言葉があるでしょう?”古いモノは良いモノだ”」

記者たちから和やかな笑い声が漏れる。

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チョン・ドヨン氏の自宅内での様子が、あらかじめ家中に仕込まれた隠しカメラを通し、『アジア冷蔵流通』トラック内のモニターに映し出されていた。

ドチャン「インテ、今だ!」
インテ「OK!」

インテがキーボードのEnterキーを押した。

その途端…

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記者たちの携帯が一斉に鳴り、ニュース記事が送られてくる。
そこには…?

『検事長出身A候補、中国文化財兵馬俑を密輸』センセーショナルなタイトルに、兵馬俑の参考写真が続く。

「今回の選挙で検事長出身って一人しかいないぞ」囁き合う記者たちを前に、まだ何も知らないチョン・ドヨン氏は笑顔を絶やさない。
すぐさま動いたのはオ・ソラ記者だ。「チョン候補!」

ソラ「ひょっとして兵馬俑をご存じですか?」

「!」チョン・ドヨンがビクリと硬直する。
ソラが携帯の記事を突きつけた。「兵馬俑を密輸した疑惑があるという記事なんですが」
「!!!」咄嗟の展開に言葉が出ず、チョン・ドヨン氏はただ目をパチパチとしばたたかせる。

記者たち「…。」
チョン・ドヨン「… 兵馬俑を?そんなはずが。中国の文化財じゃありませんか」

#この「兵馬俑を?」の演技が天才的

ソラ「全く根拠のない記事だということですか?」
チョン・ドヨン「え、えぇ、全く…」

そのときだ!
地下室への通気口を通して、煙が噴射された。
地下室へ続く扉から、あっという間に煙が漏れ出す。

記者「火事じゃないか?」
チョン・ドヨン「!!!」

「下りて来ないでくださいね」記者たちを制し、チョン・ドヨン氏は大慌てで地下への階段を下りた。

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「OK!」顛末をモニタリングし、ドチャンがパンと手をたたく。「最高のタイミングだ!」
記者たちがぞろぞろと地下へ下りていくのが見える。

ドチャン「いよいよ隠していた真実の幕を上げてやろう♪」

「スイッチオン!」ウンジが”いかにもな”赤いボタンを押した。
すると、地下室の換気扇が回り始め、部屋に充満していた煙を一気に吸い出す。

下りてきた記者たちが目にしたのは…
煙の中から徐々に姿を現した『兵馬俑』だ!

「やめろ!」「撮るなーーっ!」チョン・ドヨン氏の叫びも虚しく、記者たちがなだれ込む。
その後に広がったのは、見るに耐えない惨めな光景だ。

~チョン・ドヨン THE END~

モニターの大騒ぎを、ただ一人、ボン監督だけが複雑な表情で見守っていた。「…。」

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ドチャンはすぐさまハラに電話を入れる。「オ検事、こっちはセッティング完了だ」

ハラ「お疲れ様、サ・ドチャン。検事と詐欺師が手を組めば、天下無敵ね」

電話を切り、ハラはデスクの受話器を取った。「取締班、出動してください」

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南山クラブの面々は、会合の席で食事を共にしていた。
「例の展示会はどうなったんです?」メンバーがクム代表に尋ねる。

クム代表「虚言症患者に仕業でした。何事もなく終わりましたよ」

質問したメンバーがホッとしたように頷いた。

クム代表「ペク検事自ら警察戦力まで率いて、出向いてくださったお陰です」
ジュンス「身に余るお言葉です」
メンバー「やはり代表のギャラリーを狙える者などあろうはずがありませんよ」

笑い声が場を包む。
そこへキム室長が慌ただしく階段を下りてきた。「代表、大変なことに」

クム代表「大変なこと?」
キム室長「チョン・ドヨン候補の自宅で兵馬俑が見つかったそうです」

「!」クム代表の手から、ミートナイフが滑り落ちる。「何だって?」
「兵馬俑?」メンバーが顔を見合わせる。

クム代表「…。」

~~~~

チョン・ドヨン氏がフィールギャラリーに駆け込んだのは前日のことだ。

チョン・ドヨン「ファベルジェ エッグが開いたというのはどういうことです?展示は中止になったそうですね」
クム代表「大したことではありません。ご心配なく」
チョン・ドヨン「心配せずにいられますか。徹底した防犯をすり抜けて仕掛けたということは、並の腕じゃありませんよ」
クム代表「…。」
チョン・ドヨン「こうしちゃいられません。”うちの子たち”を連れて帰らなければ」
クム代表「検事長は自分勝手ですねぇ。ギャラリーを心配して来たのかと思えば、品物を運び出せと?」
チョン・ドヨン「やはり心配で…」

「お持ちください」クム代表は立ち上がり、目を丸く見開いた。「そんなに心配なら」

~~~~

クム代表「ヤツら… 狙いはコレだったのか?」

つぶやくクム代表を、ジュンスが鋭い眼差しで見つめた。「…。」

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アジトへ戻った詐欺団たちは、チョン・ドヨン候補の衝撃的なニュースを報じるテレビを眺めていた。

オ記者(テレビ)「民族正義党チョン・ドヨン候補の自宅で、密輸が疑われていた兵馬俑10点が発見されました。チョン候補は模造品だと主張していますが、通報を受けて出動した関税庁当局が兵馬俑を押収し、文化財庁が中国文化財団当局と協力し、真偽を鑑定…」

ニュースが終わらないうちに、ボン監督が暗い表情でテレビを消した。

インテ「やれやれ、チョン・ドヨン、”泥棒は自然と足が痺れる”っていうけど、結局自分の手で兵馬俑を持ち出したんじゃないか」

※도둑이 제 발 저린다=泥棒は自然と足が痺れる。悪いことをすると、気が咎めて、結局はバレてしまう、という意味。

ウンジ「あぁ、やっぱりドチャンさん最高に冴えてるわ。あんなこと思いつくなんて」
インテ「孫子の兵法に出てる戦法だよ。東で騒ぎを起こし、西を撃て。声東撃西(ソンドンギョクソ)だ」
ウンジ「城東警察署(ソンドンキョンチャルソ)?」
インテ「…。」
ウンジ「… 知ってるってば。冗談もわからないの?」

「…。」物憂げな目で考え込んだまま、ボン監督は動かなかった。

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髭の男が一人、すでに大半がシャッターをおろした商店街を歩いてきた。

#今年一番の「わー、この人誰だっけ!」感。自力で思い出したかった(笑)

ポン菓子屋が陣取っている場所も、売場にビニールシートが掛かったまま、人の気配はない。

探偵「…。」

彼は、ハラがドチャンの調査を依頼した探偵だ。
実は常々ポン親父に情報を流し、活動を手伝っていたのも彼だった。

ポン親父は食堂で一人、酒を飲んでいた。
男は黙って前に座ると、コップに酒を注いでやる。

探偵「サ・ドチャンさん、あなたの息子さんでは?」
ボン親父「…。」
探偵「いつまでドチャンさんを避けて、隠れて暮らすおつもりですか」

「いいんだ」ポン親父がため息混じりに言う。「図々しいにも程がある」

ポン親父「親父だと言って20年ぶりに現れて、お前の人生を台無しにしたなんて言えるわけがない」

「俺には無理だ」ポン親父は涙に声をつまらせた。

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執務室へ戻ったクム代表は、苛立った様子でジャケットを脱ぎ捨てた。

クム代表「ヤツらが狙ったのはファベルジェ エッグじゃない。兵馬俑だった。俺が仕立てようとしたキング… 検事長を狙っていたんだ」

怒りに任せてソファを叩くクム代表を、キム室長が黙って見つめる。

クム代表「恐れ多くもこのクム・テウンを弄ぶとは!!!俺は騙す人間であって、騙される人間じゃない!!!」
キム室長「チョ・ソンドゥに問題が」
クム代表「?」
キム室長「数日前チョ・ソンドゥがギャラリーの事務室へ来たそうです」
クム代表「なぜだ?」
キム室長「建築事務所に届けるからと、ギャラリーの図面を全てコピーして持っていったとか。連絡してみましたが… 嘘でした」

「!」クム代表が大きな溜息をつき、天井を仰ぐ。

キム室長「チョ・ソンドゥ、サ・ドチャンと内通しているのでは?」

あまりの怒りに、クム代表は瞼を震わせる。「今すぐ探せ!引っ張ってこい!!!」

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直ちにキム室長が手下を連れ、チョ・ソンドゥの事務所へ向かったものの、そこに彼の姿はなかった。

キム室長「!!!」

#珍しく怒りを露わにするキム室長。よっぽど日頃からソンドゥにムカついてます^^;

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アジトの2階へ上がる階段にうずくまったまま、ボン監督は物思いに沈んでいた。
そこへ、アクビをしながら自室から出て来たドチャンが、彼の姿に気づく。「?」

ドチャン「…。」

その沈んだ背中に、ドチャンはやれやれと息をついた。「兄貴、またどうしたんだ?」
階段を上がっていき、ボン監督の隣に腰を下ろすと、背中をそっと擦った。「全部上手くいくって。心配すんなよ」

ボン監督「俺がどのツラさげて…。俺にはまだ昨日のことみたいだ。6年前の事件…」
ドチャン「…。」

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6年前。
ドチャンは司法試験の一次試験を明日に控えていた。

「ドチャン、この前の模試も1等だったろ」
「あんた首席をとるんじゃない?」

予備校の教室を出るドチャンに、クラスメイトたちが声を掛ける。
廊下の先でドチャンを待っていたのは、ボン監督だった。

#差し入れの袋を見せて笑うボン監督の顔が心の底までイイ人すぎて、悲しみが襲ってくる…。

2人はボン監督が持ってきた差し入れをテーブルに広げた。

ボン監督「明日の試験は心配ないんだろ?サ・ドチャン検事」
ドチャン「はははっ、兄貴は?映画、上手く行ってるのか?」
ボン監督「キャスティングも終わったし、来月には撮影始められそうだ」
ドチャン「お~、そりゃ良かった!いいシナリオだったぞ、ボン監督」

2人は温かく笑いあった。

「それはそうと」ボン監督が顔を曇らせる。「ボン・マンギュのせいで気が狂いそうだ」

ドチャン「どうした?弟がまたやらかしたのか?」
ボン監督「あいつ最近、密輸業者とつるんでるようだ。明日訪ねていって足をへし折ってやろうかと思ってな」
ドチャン「…。」

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ボン監督の弟ボン・マンギュは、手に入れた10体の兵馬俑を倉庫に並べ、チョン・ドヨン検事長に披露していた。

しかし、少々話が違ったのだ。「検事さんよぉ」マンギュは訴えた。

マンギュ「ふざけてるのか?密輸品に領収書なんて」
チョン・ドヨン「万が一に備えなければ。私は密輸品とは知らずに買ったんだ」
マンギュ「ははっ!さすが検事さんだな。OK、1体いくらで書いてやろうか?」
チョン・ドヨン「100万ウォン」
マンギュ「バカな!本物の文化財だぞ。1体1億ってことになってたろ」
チョン・ドヨン「領収書にそう書いてくれってことだ」

マンギュはノートにペンを走らせ、『領収書』を書くと、ビリっと破ってチョン・ドヨンに差し出した。
受け取ったチョン・ドヨンはポケットから封筒を出す。「ほら、1000万ウォンだ」

「!」マンギュは嘲笑を浮かべ、封筒を床に叩きつけた。

マンギュ「とんだ詐欺師だな。領収書だけ偽の値段にしろっつったろ!」
チョン・ドヨン「どうせ盗品じゃないか」
マンギュ「!」
チョン・ドヨン「文化財管理法違反に国際窃盗までつけて、牢屋送りにしてやろうか」
マンギュ「わぁ~、こんなチンピラがいるとはな」

#最低…。最初の頃に『敵と内通してなきゃいい上司』とか言っちゃったのを取り消したい。

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ボン監督がキョロキョロしながら歩いてくる。「マンギュ!いるんだろ?」
彼は大きな倉庫の扉を開け、中へ入った。

と、次の瞬間、転がるように飛び出してきたのだ。「わぁ!!!」

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ここでエンディングです。

一体何のために兵馬俑をかこってたのか。
野心や闘争心を奮い立たせるため?
常々気になってた目の血走り方といい、この方、だいぶ危ないですね…。

 - スイッチ-世界を変えろ