韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ 18話 あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』18話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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公園でドチャンを待っていたハラの前に現れたペク検事は、静かな目で彼女を見下ろした。「その天秤、まだつけていたんだな」

ペク検事「一生俺の顔も見ない勢いだったのに」
ハラ「そういうわけじゃなくて… ずっとつけてたから、外し忘れたのよ」
ペク検事「…。」
ハラ「どうしてここに?」
ペク検事「後をつけた。君がサ・ドチャンに会うんじゃないかと思って」
ハラ「!」
ペク検事「サ・ドチャン… 拘束するつもりだ」
ハラ「先輩、本気なの?サ・ドチャン、賄賂を受け取ってなかったじゃない。今まで私たちのためにどれだけ苦労したか!」

ハラの語気がひとりでに強まる。
「…。」ペク検事はそっと眼鏡を外し、もう一度クールな眼差しで彼女を見つめると…

「一応わかってんだなっ♪」ドチャンが正体を現した。「わかってないかと思ったっ♪」

ハラ「!!!」

「もう!サ・ドチャン!」ハラは思わずドチャンをバンと叩いた。

ドチャン「俺だってわかった途端に!」
ハラ「あんたがからかうからよ!」

「捕まえてみろ~」トコトコ走り出したドチャンを、ハラが追いかけた。

春だ…。

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「フィールギャラリー?」並んで歩きながら、ドチャンが訊き返す。

ドチャン「何で?」
ハラ「つついてみて。何か出てくるはずよ」
ドチャン「だって検事長を捕まえるんだろ?何でフィールギャラリーを?」
ハラ「クム・テウンと検事長、関係してる。フィールギャラリーで上流層の脱税に力を貸してるって情報提供があって、検察で捜査を始めたんだけど、結局嫌疑なしで終わったわ。嫌疑なしで伏せたのがチョン・ドヨン。今の検事長よ」
ドチャン「それはいつ?チョン・ドヨンがクム・テウンを庇ってやった事件」
ハラ「6年前」

「6年前?」ドチャンが立ち止まる。「6年前か…」

ドチャン「現在チョン・ドヨンとクム・テウンが会ってる様子や、コネクションの証拠は?」
ハラ「二人とも徹底してるわ。こっそり会って、電話はプリペイドを使ってるみたい。だけど、そんなチョン・ドヨンがフィールギャラリーに行く日があるの。毎週土曜夜10時」
ドチャン「?」
ハラ「クム・テウンもいないフィールギャラリーに、一人で」
ドチャン「…。」
ハラ「一体何しに行くのかしら。何があるの…?」

ハラが歩き出し、考えに耽りながらドチャンがそれに続く。

ハラ「それであんたが必要なのよ、サ・ドチャン」
ドチャン「話はわかったけど、フィールギャラリーの防犯システムは普通じゃない。簡単じゃないだろうな」
ハラ「得意なのがあるじゃない」
ドチャン「?」

ハラが物言いたげに彼を見る。
「…。」少し考えて、ドチャンはふっと笑った。「待てよ」

ドチャン「オ検事、詐欺師に頼りすぎじゃないのか?」
ハラ「”検詐同一体”なんでしょ?」
ドチャン「同一体?」
ハラ「えーと、同一体はなし。そうね、”検詐連合作戦”?悪くないでしょ」

ドチャンは愉しげに笑った。

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検事長室で書類の確認をしていたチョン・ドヨンは、ふいに重苦しい気分に襲われ、その手を止めた。
サポートする代わり、6年前の仁川事件を忘れるなと念を押すクム・テウンの言葉が、頭に染み付いていたのだ。

検事長「…。」

気を取り直し、検事長は再び書類に視線をおとした。

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「6年前の仁川事件?」ドチャンの話に、ボン監督が訊き返した。
「あぁ」前を向いたまま、ドチャンは小さな声で答える。「オ検事がついにそこまで暴き出した」
「…。」ボン監督が不安げに息をついた。

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フィールギャラリーに新しい催し物の広告が掲示された。

KING OF FABERGE
ロシアの宝石 ファベルジェ エッグ 特別展示会

※ピーター・カール・ファベルジェ=ロシアの宝石商。貴金属や宝石を用いたイースター・エッグで知られています。探した中で、ドラマ内のものと一番近い作品がこれかな?

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高級料理店の個室に、ジュンスが現れた。「ペク・ジュンスです」
刺し身をつまんでいたイ・ギロ氏が、不機嫌そうに座れと椅子を指差す。

イ・ギロ「お前、何をしてる?」
ジュンス「…。」
イ・ギロ「私は民族正義党の院内総務だ。韓国第一野党の院内総務だぞ。青二才が検事づらしおって、世間を舐めてるのか?何様のつもりで遠い親戚まで全部嗅ぎ回っとるんだ?!電話が鳴り止まんじゃないか!」

じっと俯いたまま、ジュンスは身じろぎ一つしない。
「あぁ」イ氏はポケットから小さな財布を放り出した。「小遣いをやろうか」
「…。」ジュンスが顔を上げ、まっすぐにイ氏を見た。「済州島に20万坪の土地を借名で購入されたそうですね」

イ・ギロ「あぁ。自然が好きだから土地を買った。それがどうした?」
ジュンス「違法に用途を変更なさいましたね」
イ・ギロ「それは政界引退後にみかん農園でもやろう思って買ったんだ。ん?!みかん1箱送ってやるから、それでも食え」
ジュンス「昨年3月ドンソンホテル、テバングループ会長の孫、ヨム・ギソン、前大統領の息子ミョン・ジニョク、そして外交官パク・ヨンジンが有名モデルや女優と催した麻薬パーティー。そこに院内総務の娘婿もおられましたね」
イ・ギロ「!」
ジュンス「私はその現場に出動していました」

「証拠はあるのか?」イ氏が不安げに尋ねる。「何も掴めなかったと聞いたが」
ドチャンが持ってきた封筒を手に取った。「総務のお嬢さんも麻薬をやっていたという証拠がここに」
イ氏が封筒を受け取り、緊張した面持ちで書類を取り出す。

ジュンス「お嬢さんの毛髪を採取し、科捜研に成分分析を依頼した結果、新種の麻薬LSDTを日常的に服用していたという分析書です」

イ氏が沈痛な面持ちでギュッと目を閉じた。
書類を閉じると、その場に起立し、ジャケットのボタンを閉じる。「ペク君」

イ・ギロ「いや、ペク・ジュンス検事、ご勘弁ください。話し合いで解決しましょう。私は… どうすればよろしいのです?」
ジュンス「明日、国会議員の辞職」
イ・ギロ「!」
ジュンス「政界の引退のご宣言を」
イ・ギロ「!!!」

#マジメで正義感が強いだけじゃなく、ジュンスもとんでもなく肝っ玉が大きい。意外といないキャラかもしれませんね。ドチャンはもちろん、ハラもすごい度胸の持ち主だし、3人共ホント強心臓だわ。

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ヤン部長は渋い表情で新聞を睨んでいた。
イ・ギロ議員の政界引退がさっそく報じられたのだ。

『民族正義党院内総務イ・ギロ、電撃的政界引退宣言
~後輩たちのために政界を去り、済州島でみかん農業をして暮らす予定~
瑞草区の補欠選挙はまもなく公示される模様』

ハラが慌てた様子で入ってくる。「お聞きになりましたか?検事長が国会議員の補欠選挙に出るって」

ヤン部長「エライことだ…。捜査がまとまるまでどれくらい掛かる?」
ハラ「はっきりはわかりません」
ヤン部長「急がないと。国会議員になってしまえば難しくなる。国会議員の特恵は1つや2つじゃないぞ。免責特権に防弾国会、そうなれば捕まえるのは無理だ」

※免責特権=国会での仕事について民事・刑事上の責任を問われない。
※防弾国会=国会の開催中、議員は法的なあらゆる責任を免れる。不逮捕特権。

ハラ「なるべく早くやります」

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「おめでとうございます」検事長室で役員たちがチョン・ドヨン検事長を囲む。
その中にはジュンスの姿もあった。

チン次長「より大きな世界で大志を成してください」

「あぁ」チョン検事長は感慨深げに息をつく。「ここにずっといたいが、政界から急かされてね」

検事長「政界に行けば検察の福祉と地位向上に一層努力しよう」

「ありがとうございます」皆が頭を下げる。

検事長「結果がどうあれ、また君たちに会いに来るよ」
チン次長「いつでも歓迎します」

「ペク検事をよろしく頼む」検事長の言葉に、チン次長は思わず困惑の色を浮かべた。「…はい」

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「500億?!」ウンジが驚いて声を上げた。「この卵ひとつが?」
「ただの卵じゃない」クッションを抱きかかえ、インテが言う。「ファベルジェの卵なんだから」

ウンジ「だから卵じゃない」
インテ「ロシアの宝石細工の名匠カール・ファベルジェが作って有名になったんだ。残ってるのは全世界に42個。その中でも一番高い。別名キング・オブ・ファジェルジェがフィールギャラリーに来る、そういうことだ」
ウンジ「わぁ、凄いね、500億なんて。それでこれを盗もうってわけ?」

「おい、盗むなんて」黙っていたボン監督が口を開く。「俺たちは泥棒か」

ウンジ「いつも気になってたんだけど、詐欺と泥棒はどう違うの?」

「わかってなかったのか」そう言って、ボン監督はウンジのポケットからさっとお札を抜き取った。

ウンジ「私のお金!」
ボン監督「(札を見せ)お前の金。こっそり持っていけば泥棒だろ?」
ウンジ「トーゼンでしょ」

ボン監督は札をウンジに返す。
と、また手を差し出した。「くれよ」
「?」ウンジが訝しげに札をその手に乗せた。

ボン監督「ありがとう、大事に使うよ」
ウンジ「ちょっと!この詐欺師!」

「あぁ!」ウンジが目を見開く。「これが詐欺か」

そこへドチャンがカメラ片手に現れた。「さぁ、ポスターの写真撮らないとな」
「OK!」皆が立ち上がる。

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彼らはアジトの片隅に簡易スタジオを組み、テーブルに乗せた”ただの卵”を丹念に撮影した。
いろいろな角度から撮影し、挙げ句には石で潰してまたそれを撮る。「カット、確認だ」
ひとしきり撮影し、出来上がった映像を皆で覗く。

ウンジ「わぁ~カッコいい」
インテ「広告の交渉は全部済んでるから」
ドチャン「OK、2つとも上げるんだ」
インテ「OK!」

ボン監督がトレンチコートにハットを被り、玄関へ向かう。「俺はスパイに会ってくる」

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ターミナルへ出掛けたボン監督は、待合ベンチの隣に座った”スパイ”と密かにアタッシュケースを交換した。
先にボン監督が立ち去るのを見送り、残ったスパイ… チョ・ソンドゥも反対方向へ歩き出した。「…よっこらしょ」

#おおお!元気だったか~っ!(゚∀゚)

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ボン監督が持ち帰ったアタッシュケースを開くと、そこに入っていたのはフィールギャラリーの詳細な見取り図だ。

一方、車中でアタッシュケースを開けたチョ・ソンドゥは、中に詰まった札束に目をランランと輝かせた。「わぁ!」
運転席のムンシクと固くハイタッチを交わし、札束を一つ彼に渡してやる。「ご苦労だったな」

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ボードに貼り付けたギャラリーの見取り図を、詐欺団の面々は皆で眺めた。
全部で8つも防犯カメラがあるようだ。

ボン監督「入りづらそうだな」

皆の視線がドチャンに向かう。

ドチャン「…。」

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さっそく詐欺団メンバーはそれぞれ行動に移った。
結婚写真を撮るため、インテとウンジが新郎新婦に扮し、フィールギャラリーの展示室を借りる。
撮影する名カメラマンはボン監督だ。

ボンカメラマン「(反射板を当て)写真には光が大事だからね。さぁ、テスト~!(カシャ)あら、新郎さん超キレイ、新婦さんは超凛々しい!さぁ、1,2,3!(カシャ)もう1枚、ラブリ~♪ ラブリ~♪」

そこへギャラリーのスタッフがやって来て声を掛けた。「展示会があるので2時間以内に終わらせていただかないと。ご存知ですよね?」

ボンカメラマン「ええ、わかってますよ」

「あと2時間」そう言ってボンカメラマンは再びシャッターを切る。「あ、新郎さん、手をこうやってみようかしら。そうやって新婦さんを見下ろして」

カメラを持ったまま手を組んでみせると、親指が勝手にシャッターを押した。カシャカシャッ

ボンカメラマン「あぁキレイ!この世で一番キレイだって想像して」

そう言って、カメラのボタンを睨む。「何で勝手に押されちゃうの?壊れたのかな」
試しに、あらぬ方向へ… 実際には隅っこの防犯カメラへ向けてシャッターを切る。

ボンカメラマン「新婦さん、新郎さんの肩に手をこうやって上げてみて」

そうやってカメラを持ったまま手を上げ、今度は反対側の防犯カメラに向けたシャッターボタンを押した。

ボンカメラマン「このままそうやって。指が長くてキレイだわ~!超ステキ!(カシャ)今度はエロティックに。唇をこうやって、ドッキング♪」

「ここホントきれいに撮れるわ~」そうやって、ダメ押しにあちこちに向けてシャッターを切り、ボンカメラマンは2人にウィンクをしてみせた。これでOK!

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ギャラリーで撮ってきた写真を見ながら、ドチャンは見取り図と照らし合わせる。
見取り図だけではわからなかった内部の様子が、詳細にイメージできた。

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「だって納得できないでしょ?」熱血記者オ・ソラがキル・デロ検事に詰め寄る。

ソラ「ペク・ジュンス検事、すぐにでもクビなりそうだったのに、何事もなかったようにカムバックするなんて」
キル検事「ハン・ジヨンが来て陳述したんだ。ペク検事は賄賂だと知らずに受け取ったって」
ソラ「…。」
キル検事「決してペク検事の肩を持つわけじゃないが、常識的に考えて、賄賂だとわかっていたら翌日そのまま車に積んで来るか?どこかへ処理するだろ、バレないように」
ソラ「バレないように?わぁ、たくさん受け取ったから詳しいのね」
キル検事「おい、何で俺が?」
ソラ「…。」

#このお二人、結構お似合いじゃありません?(笑)

「なぁ、オ記者」キル検事は不安げに声を落とした。「俺、逆取材しちまったわけじゃないよな?」

ソラ「ハン主任はどうして賄賂を渡したんです?」

キル検事は思い起こすように視線を泳がせる。「そりゃまぁ検事に気に入られようって」

ソラ「検事だとわかって渡した?」
キル検事「検事は… 人気あるじゃないか」
ソラ「…。」

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ソラが姉の執務室へやって来た。「オ検事、取材させて」
「オ記者、取材は記者室で」ハラは書類から顔もあげずに言う。「忙しいのわかるでしょ」
ソラは誰もいないデスクの椅子に腰を下ろした。「明日出す記事のタイトル、何がいいか選んでくれる?」

ソラ「”ソウル中央地検ペク某検事、賄賂事件の真実は?”」
ハラ「はいはい、頑張って書いてくださいな」
ソラ「”ソウル中央地検ペク・ジュンス検事、実は詐欺師” これは?」

「!」ペンを持つハラの手がピタリと止まった。「オ・ソラ」

ソラ「やっと反応したわね」
ハラ「…。」

ソラは身を乗り出した。「この間、偶然ペク検事を見たの」

ソラ「ハン主任と会ってたわ。…病院で」
ハラ「…。」
ソラ「驚きなのはペク検事が白衣を着てたこと。私も最初はチンプンカンプンだったわよ。似てるだけかなぁって」

「…。」ハラは何も言えず、ギュッと唇を噛みしめる。

ソラ「ハン主任は検事だと思って賄賂を渡したんじゃない。医者だと思って渡したの。検事が医者になりすました詐欺事件よ!」
ハラ「…。」
ソラ「記事にしていいわね?」

「じゃあね、お疲れ」背を向けたソラを、ハラは慌てて追いかけた。「オ・ソラ!」

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ソラの手を引いてハラがやって来たのは、密会部屋、いや、取調室だ。

ハラ「オ・ソラ、絶対記事にしちゃダメ。絶対よ」
ソラ「どうして?私だって特ダネがほしいの。検事が医者になりすましたなんて、絶好のネタよ」
ハラ「ダメって言ってるのよ!」
ソラ「そんなに深い仲だったの?

ハラがうんざりしたように息をつく。「そうじゃなくて」

ハラ「初めて見たときからイチャイチャしてたくせに。それでも、私は記者よ。記事にするわ。お姉ちゃん、どこまで知ってたの?」

「…。」観念して、ハラは顔を上げた。「いいわ。全部話してあげる。そのかわり絶対に秘密よ」

そうして、どうしてこんなことになったのか、自分たちがどんな闇にち向かっているのか、
ハラは妹ソラに話して聞かせた。

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夜。
誰もいないフィールギャラリーにやってきたチョン・ドヨン検事長は、カードキーで中へ入り、地下への階段を下りた。

地下2階へ辿り着くと、ある扉の前で、また別のカードキーを取り出す。
大きな扉がゴーッと鈍い音を立てて開いた。
薄暗い部屋に並んでいたのは…
10体の兵馬俑だ。

#見て!ボーリングだよ!

「元気だったか?我が子たちよ」整然と並ぶ兵馬俑に、彼は笑いかけた。「はははっ!」

チョン検事長「力を出せ!もっと上へ!上へあがるんだ!キングへ!!!」

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ファベルジェ エッグの展示会オープンの日がやって来た。

ファベルジェ エッグのケースの前に立ち、クム代表がじっと見つめる。
そこへ得意客たちが姿を見せた。

客「まぁ、何て豪華なんでしょう!卵をこんなふうに…」

客が展示ケースを取り囲み、感嘆の声を上げる。

クム代表「皆さんが見ておられるのは、ファベルジェ エッグです」
客「わぁ~」
男性客「やはりファベルジェは素晴らしい」
女性客「生きているうちにキング・オブ・ファベルジェを見られるなんて信じられないわ」

好反応に満足げな表情を浮かべるクム代表に、キム室長がそっと近づいた。「代表、ちょっと…」
展示に背を向けると、キム室長がタブレットの画面を差し出した。「これをご覧ください」

そこには…

『あなたのキングを頂戴します。 2018.4.22 FROM sdc』

クム代表の顔に滲んでいた笑みが、すーっと引いていく。「!」
実にふざけた動画はあらゆるところへ配信され、またたく間に広がった。

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検察庁でもこの謎の動画がさっそく話題になる。

コ係長「これ、フィールギャラリーにあるファベルジェを盗むって広告らしい」
イム係長「わぁ、大胆不敵な泥棒ね」

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動画広告に出鼻をくじかれ、執務室へ戻ったクム代表はソファへ身を沈めた。「はぁ」

クム代表「一体誰がこんなイタズラを?」
キム室長「広告会社に問い合わせましたが、匿名で処理しており、掲示者はわからないそうです」
クム代表「”あなたの王を…”? キング・オブ・ファベルジェを盗もうって?」

キム室長が静かに考えを巡らせる。「SDC…」

キム室長「サ・ドチャン…?」

#アッタマいい~~~!(゚∀゚)

キム室長「サ・ドチャンではないですか?!」
クム代表「!!!… あいつめ、堂々と挑戦状を?」

「はっ!」クム代表が豪快に声をあげる。

キム室長「どういたしましょう」
クム代表「… 放っておけ。広告を出した以上は来るはずだ」
キム室長「…。」
クム代表「警察兵力を密かに要請し、ギャラリーの周囲をもれなく警備させるよう、ペク検事に言うんだ」
キム室長「承知しました」

#キム室長が実際にジュンスに連絡するところがみたいです♪

クム代表「そうだ。口を開けておいて、入って来たらそのとき食ってしまえばいい」

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チョン・ドヨン検事長が部屋にジュンスを呼んだ。

検事長「例の妙な広告、見たろう?」
ジュンス「はい」
検事長「イタズラだとは思うが、念のため保険について相談しに行ってくれ」

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「先輩」検事長室を出てきたジュンスを呼び止めたのは、ハラだ。

ハラ「話があるの」

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ハラは、今度はジュンスを連れて取調室へやって来た。

ハラ「私、検事長を捜査してるの」
ジュンス「!」
ハラ「先輩がいると厄介なのよ」
ジュンス「俺が検事長とよく会ってるのを知っていて?俺が黙っていると思うか?」

ハラはまっすぐジュンスに向き直る。「最後のチャンスよ。先輩」

ハラ「このチャンスを逃せば、先輩も無事じゃすまないかもしれない」
ジュンス「…。」
ハラ「万が一、検事長と共犯の嫌疑がかかれば、原則どおり控訴して取り調べるわ」
ジュンス「…。」

辛くなり、ハラは思わず目を伏せた。「私の知ってるペク先輩に、戻ってくれないかな」

ジュンス「君のやりたいようにやれよ。俺はわが道を行く」
ハラ「…。」
ジュンス「俺はサ・ドチャンを捕まえる。邪魔をするな」

「…。」ハラを残し、ジュンスが出口へ向かう。

ハラ「先輩」
ジュンス「…。」
ハラ「先輩、この程度だったの?」

それには答えず、ジュンスは部屋を出た。
ドアがバタンと乱暴に音をたてる。

ハラ「…。」

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取調室を出たジュンスの足が止まった。「…。」
心がキリキリと音を立てて痛む。

「2番めの要求は?」クム代表に訊かれ、彼は短くこう言った。

「オ・ハラ検事の安全を保証してください」

クム代表は彼の条件を飲み、ハラには手を出さないと約束したのだった。

#泣いた(´;ω;`)

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4月22日。
客のいない展示室で、クム代表はファベルジェ エッグを前にしていた。
ケースの状態を入念に確認する。「特殊ガス圧力センサー…」
キム室長に防犯カメラのチェックを指示したところへ、客が入ってきた。

#おんなじ面々(;´∀`)

客「今日を逃したら見られないかもしれないでしょ」
客「本当に盗みに来るかしら」
客「まさか」

「大丈夫でしょうか」男性客がクム代表に声を掛ける。

男性客「妙な広告のせいで心配になって」

「心配ありません」クム代表が皆に余裕の笑みを浮かべる。

クム代表「我々フィールギャラリーは世界レベルの防犯システムを備えています。基本のシステムも最先端ですが、特別にアメリカのメラトンセキュリティに依頼し、特殊ガス圧力センサーを取り付けました」
客「ほぉ~」
クム代表「展示ケースの中は完全に密封された状態です。アリ1匹出入りすることは出来ません。何も心配なさらず、キング・オブ・ファブリジェをお楽しみください」

ホッとした客が皆、ケースのファブリジェ エッグにスマートフォンのカメラを向け、思い思いにシャッターボタンを押した。
とそのとき!
当のファブリジェ エッグがパチパチと音を立て、稲光を発する。「!!!」
次の瞬間、特殊ガスなる真っ白な気体が噴射され、展示ケースの中は真っ白になった。

#爆笑

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「準備できたよ」インテがリビングへ出てきて、ドチャンに声を掛ける。

ウンジ「私も」

隣でボン監督が心配そうにドチャンを見上げる。「間に合うよな?」
何も言わず、ドチャンはニッコリ微笑むと。ハンドスピナーをピンと弾いた。

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特殊ガスで真っ白になった展示ケースを、皆が固唾をのんで見守る。
ゆっくりと霧が晴れるように、再びファブリジェ エッグの輪郭が現れた。

あるじゃないか…。

クム代表がホッと胸を撫で下ろす。

クム代表「もう心配ありません。特殊防犯システムが誤作動を起こしたようです。キング・オブ・ファブリジェは無事です!」

笑ってみせたものの、クム代表は気が気ではない。
案の定、これで終わりではなかった。
今度は、展示ケースの天井から水滴が滲んできたではないか。

クム代表「!!!」

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窓辺のソファで膝を抱え、ドチャンは曇り空を見上げた。「雨が降りそうだな」

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展示ケースの天井から滲んだ水滴は、やがてポタポタとファブリジェ エッグの頭に滴り落ちた。

クム代表「!!!」

その滴は、ちょうど降り始めた雨のようにだんだんと激しくなる。
と!
まるで雛が生まれるように、卵がパカっと開いたのだ!

『Today!』

#爆笑

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「行こう」ドチャンの声に、皆すみやかに立ち上がった。

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この怪事件はさっそくニュースの格好のネタとなった。

『フィールギャラリー”ファブリジェ エッグ展”緊急中断。状況把握中』

ニュース「本日ファブリジェ エッグ展を開催中のフィールギャラリーにて、信じられないことが起きました。2日前、匿名広告によるファブリジェ エッグの盗難予告が話題になりましたが、厳しい警備をすり抜け、警告メッセージを送ってきたことで、本当に盗難事件が起きる可能性もあるとして、憂慮の声が高まっています」

検事長室で唖然としてニュースを見ていた検事長の携帯に、速報記事が一斉に届く。

『フィールギャラリー 模造品騒動は事実と判明』
『卵を割る広告… 過去にあったフランスの美術品泥棒と類似』
『フィールギャラリーの防犯を担当した米S社、以前も破られたケースは多々』
『フィールギャラリーが標的にされた理由は?』
『匿名の盗賊、クム・テウン代表の財産を狙っているという情報』
『韓国版怪盗ルパン、彼の狙いは何?』
『フィールギャラリーの地下2階を狙っている噂も』

「!」最後に入ってきた見出しに、検事長はハッと口を開けた。

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展示は急遽中止され、客は全員外へ出された。
呆然と立ち尽くすクム代表を、キム室長がそっと窺う。「…。」

+-+-+-+

居ても立ってもいられず、検事長がフィールギャラリーへ駆け込んだ。
ドチャンたちは、みな揃ってアジア冷蔵流通のトラックに乗り込む。

#自分がドアを開けて若手を先に乗せてやるドチャン兄♪

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クム代表は展示ケースの前に立ったまま、ずっとそこを動かずにいた。
そこへキム室長がやって来る。「妙です」

キム室長「メラトンセキュリティーに電話してみましたが、5日前、ギャラリーへ向かう途中で帰ったそうです」
クム代表「どういうことだ?途中で帰った?」
キム室長「どうやら警備員が騙されたようです」
クム代表「!」
キム室長「ロシアから、警備上の問題で今日24時で返納処理してくれと」
クム代表「…。」
キム室長「展示品に異常はないので…」

「そういう問題じゃない!」クム代表の怒号が飛ぶ。

キム室長「!」

「この屈辱、絶対に許すものか」クム代表は声を震わせた。「誰であろうと、絶対に!」

キム室長が時計を見た。「24時まであと1時間です」

クム代表「1時間。ヤツら、1時間の間に来て、これを持って行くっていうのか?」

そこへ姿を見せたのはペク・ジュンスだ。「思ったより怖いもの知らずですね、サ・ドチャンは」

クム代表「…。」
ジュンス「ご心配なく。警察機動隊の隊長が同期なので、秘密裏に配置しておきました」
クム代表「感謝します。サ・ドチャンを捕まえたらどうなさるんです?」
ジュンス「警察へ引き渡します」

クム代表の目が微かに動く。「いや」

クム代表「私にください」
ジュンス「…。」
クム代表「私に引き渡し… その後の安否は不問に」
ジュンス「…。」

後ろからさらに足音が響く。「?」
現れたのはハラだった。「罠なんでしょう?」

ジュンス「!」
ハラ「(クム代表に)機動隊を配置したとか。安否は不問に?サ・ドチャンのこと、最初から殺すつもりなんですね」

ストレートなハラの物言いに、クム代表は思わずフッと笑う。

ハラの厳しい眼差しがジュンスへ向かう。
ジュンスは何も言わず、さっと顔を背けた。

ハラ「…。」

+-+-+-+

詐欺団のメンバーを荷台に乗せ、ボン監督の運転する冷蔵トラックが夜道を走っていた。
彼らの向かう先は…?

+-+-+-+

「あと10分です」キム室長の声に続き、クム代表の乾いた笑い声が響いた。

クム代表「気になって仕方がない。10分以内にこれを持ち出す?どうやって?」

リミットが刻一刻と迫る。
さぁ”キング”の運命や如何に!

+-+-+-+

ここでエンディングです。

笑って泣いて笑いました!
これだから韓ドラはやめられません♪

 - スイッチ-世界を変えろ