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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ 7話 あらすじ&日本語訳

      2018/04/09

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』7話あらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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「どうして…?」ペク検事の火傷の痕に、キル検事は思わず漏らした。
「2004年1月14日木曜日午後2時」シャツのボタンを閉めながら、ペク検事が早口で唱える。

ペク検事「場所はヘドン米店裏の納屋。チャンフン、お前が家から持ってきた芋を焼いて食べようと火を起こしたら火事になって、2人で消そうとして火傷を負った」
ハラ&ヤン部長「(ボー然)」
ペク検事「その直前、合コンした女子高生が可愛いかったって自慢して、俺にラブレターを代筆してくれと頼んだよな」
シン氏「ジュンス!(キル検事に)納屋に入ったのは僕たち2人だけです。(一同に)ジュンスでなければ絶対に知らないことです」

#何気にラブレターの件はスルーするシンさん(笑)

「ペク・ジュンスに間違いありません!」シン氏は高らかに宣言した。
「うわっ」ヤン部長の安堵は一周回ってキル検事への怒号となる。「お前!何なんだ!」

チョン検事長「キル検事、良かれと思ってやったことだろうが、少々度が過ぎたな。ペク検事に謝るんだ」

言い逃れようのない大失敗だった。
キル検事はぎゅっと目を閉じ、深く項垂れた。

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立入禁止の病棟へ忍び込んだチョ社長たちは、一番奥の扉へと辿り着いた。
ここに違いない。
「ペク検事~、お迎えにあがりましたよ!」踏み込んでみると…
ベッドはもぬけの殻だった!

「代表、いませんでした」チョ社長はすぐさまクム代表に連絡を入れる。

クム代表(電話)「いない?」
チョ社長(電話)「ペク・ジュンスが… いないんです」
クム代表「…。」

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「2次会はどこだ?」「江南でカラオケです」皆が口々に言いながら料亭を出て来た。
検事長たち上層部の車を見送るなり、ハラはペク検事の腕を掴み、店へと駆け戻る。
誰も居ない部屋に入り、扉を閉めると、胸の中で膨れ上がっていた言葉が溢れ出す。「あんたホント凄いよ!」

ハラ「先輩の肩に火傷の痕があるって、何で知ってたの?そんなの私も知らな… いや、知らなくてトーゼンか」

「とにかく天才よ!」そこまで言って、足元の座椅子にぐったりと身を沈める。「はぁ~、死ぬかと思った!あぁ、オ・ハラの検事人生、これで終わるんだなぁってさ」

「…。」ペク検事は表情を変えることなく、静かに口を開いた。「オ検事」

ハラ「?」
ペク検事「危険を承知でこんなマネを?どう収拾をつけるつもりだったんだ?」
ハラ「違うでしょ。やらかしたのは私じゃなくてキル先輩だし、収拾したのは詐欺師、あんたが全部やったのよ」
ペク検事「…。」

何も言わず、じっと見つめるペク検事にハラは小さく微笑みを返す。

「…………。」

あれ?
何かが違う。
この静かで深く、
懐かしい眼差しは…?

「!」ハラは思わず立ち上がり、彼をじっと見た。「まさか…」
彼の視線がハラの胸元へと移る。「?」
そこに光っていたのは、天秤のネックレスだ。

ペク検事「結局、彼女は壊れてしまったんだな。それだけが残ったということは」
ハラ「!!!」

#もうっ!こういうの大好き!眼差しで気づくとか、2人しか知らない女神像やネックレスでわかるとか。

「…。」やはり彼に間違いないという確信と、女神像を預かったあの日の切なさ。
二人だけの記憶を彼の口から聞けた感激と、結局壊してしまったというバツの悪さ。
いろいろな感情が入り混じり、ハラは目を潤ませながら笑みを浮かべた。「先輩…」

ハラ「先輩がどうしてここに… ううん、なんでそんなことが…」

「僕の居場所、まだ残ってるか?」ジュンスが尋ねる。

ハラ「何のこと?」
ジュンス「言ったじゃないか。戻ってきても居場所がないかもしれないと」

そう、意識の戻らないジュンスの様子を見に、病院へ行った時のことだ。
彼のベッド脇で、ハラは寂しさの余り、そうボヤいたのだった。

#ということは、このとき実際は意識が戻っていたのに、戻っていない振りをしていたということになりますよね?

そのとき!
扉が豪快に開き、陽気な声が場の雰囲気をぶった切った。「サプラ~イズ!」
ドチャンだ。「いやぁ、ペク検事!名演技だな」

ドチャン「詐欺ってのはやっぱタイミングなんだ」
ハラ「ってことは、2人グルになって…?」
ドチャン「驚いたろ?こういうのを大どんでん返しって言うのかな」

料亭で一度席を立ったペク検事は、別室でドチャンからジュンスへと、中身をバトンタッチしていたのだ。
どこも変わらないよう、ジュンスはしっかり前髪を上げ、ドチャンが掛けていた眼鏡も受け継ぐ。
世にも見事なすり替わりだった。

#ドチャンからジュンスへ眼鏡を手渡すところ、何度も見返しちゃいました。短いけど今回一番の見せどころでは?よ~く見ると、手渡す直前からドチャンの持っている眼鏡部分が合成だとわかります。
でも自然!面白いね~。

「帰ってきてくれてありがとう、先輩」ハラはそう言って、まっすぐジュンスに抱きついた。
「…。」ドチャンが小さく咳払いをして2人から背を向けたその瞬間、ふらりとよろめいたジュンスは、そのままバタリと倒れてしまったのだ。

ハラ「先輩!!!」

#いや、倒れたというか、絶対スヤスヤ寝てる。

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『04 拳を握ったまま握手はできない』

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帰りの車の中で、チョン検事長はさっそくクム代表に連絡を入れる。

クム代表「そうですか。それで… 火傷の痕はあったんですか?」
チョン検事長「えぇ、確かに。本物でなければ知り得ないことまで証言しましたよ。ペク・ジュンス本人に間違いありません」

病院を襲ったチョ社長を出し抜いてソウルへ?
それとも病院にいたのは最初から別人だったのか?
クム代表はさらに混乱した。

#チョン検事長は内通者だと見せかけて、実は自ら囮捜査をしている可能性もゼロじゃないと考えてましたが、どうやらそれはなさそうですね。

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ウンジはベッドに横たわっているジュンスを不思議そうに覗き込んだ。「凄いわ」

ウンジ「ドチャンさんとソックリ!瓜二つだわ。双子じゃないの?」
インテ「けど、ここに連れてくるのはおかしくないか?検事と一緒にいろって?」
ボン監督「ドチャンを救ってくれたって言うじゃないか、この人が。しばらくは我慢しよう」

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「キル・デロに仕掛けられるのが予めわかってた?」別の部屋で、ハラが訊き返す。

ドチャン「俺みたいな特殊な職業の人間は、いつだって万が一の場合に備えてる」
ハラ「キル・デロが何かやってたわけ?」
ドチャン「総務課にからんでてさ、何があったのか総務職員に聞いてみたら、キル・デロが俺… いや、ペク・ジュンスの個人情報を持って行ったって言うんだ」
ハラ「!」
ドチャン「すぐさまうちのチームを出動させた」

キル・デロがジュンスの同級生を探し当てたことも、後をつけたボン監督が把握済みだった。

ハラ「ペク先輩は?」
ドチャン「ペク検事が危ないと思ったんだ」

ドチャンはジュンスを搬送した救急隊員を探し、予め会いに行っていた。

ドチャン「ヤツら、ペク検事の行方を探すに違いない、最後には救急隊員まで探し出すだろうって。ペク検事を探している人物が現れたら、すぐに連絡するよう頼んでおいた。幸い連れ出した道中でペク検事の意識が戻ったから、状況を説明したんだ」

#ちょっと待ったーっ!ここ矛盾してますね。
ジュンスはハラがベッド脇でぶつぶつ話していた内容を知っていました。あれは睡眠学習か?それとも、ドチャンに連れ出されたときも途中まで寝た振りしてたのか?

ドチャン「結局はペク検事と俺が互いに互いを救ったってことになる」

「皮肉にもな」ドチャンはそう言って満足気に笑みを浮かべる。

ハラ「とにかく、凄いよあんた」
ドチャン「何事にも抜かりがないのが俺の魅力だ… なぁんて自分の口では言えないけどな」
ハラ「それでも先輩がタイミングよく目覚めるなんて、そこまでは予想できなかったでしょ」
ドチャン「そもそもセッティングってのは99%の緻密な計画に、若干の運が伴わなきゃいけないもんだ」

「1匙くらいかな?」ドチャンがそう言って笑ってみせると、ハラもつられて笑った。

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ドチャンとハラがリビングへ戻ると、チームの面々は重苦しい表情で2人を見た。

インテ「検事さん、あの人いつまでここにいるんです?」
ボン監督「(インテをたしなめ)おい」
インテ「だって、『Speeping with the Enemy』じゃあるまいし、気まずいじゃないですか」

※『Speeping with the Enemy』=邦題『愛がこわれるとき』ジュリア・ロバーツ主演の1991年の映画。

ハラ「悪いけどしばらくの間…」
ドチャン「気まずいことなんかないさ。ビビるなよ。検事の前でビビるのは罪を犯したヤツだ。俺たち何かやったか?」
インテ「…。」

「罪を犯していないとでも?」背後で低い声が響く。
「?」そこに立っていたのは、ジュンスだった。

ジュンス「刑法118条、公務員資格詐称罪」
ハラ「!」
ドチャン「…。」

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「病院にいなかった?」訊き返すクム代表に、帰ってきたチョ社長が付け加える。「何日か前に退院したそうです」

チョ社長「でも、名前はペク・ジュンスじゃないって。ファン・ドンチャンとか何とか。つまりペク検事は端からそこへ行ったこともないってことです」

「そんなはずはありません!」隣でキム室長が反論する。

キム室長「束草にいたのは間違いなくペク・ジュンス検事でした」
チョ社長「(キム室長に)話が合わないだろ、論理的に!キム室長が別人をトラックで煽ったんだってば。罪もない人を殺していいのか?惨いヤツ!そうでしょう?代表」
クム代表「ペク・ジュンス… 何かと頭痛の種だな」
チョ社長「そんなことありませんよ。僕がきれいサッパリ始末しますから。本物だろうと偽者だろうと俺たちには邪魔なんですから」

「そうでしょう?代表」調子に乗ってまくし立てるチョ社長を、クム代表が一喝した。「ペク検事には手を出すな」

チョ社長「…?」

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「そんなことわかってるわよ」ハラがジュンスに異議を唱えた。

ハラ「先輩の意識は戻らないし、ナム・スンテは先輩じゃなきゃ会わないって言うし。切羽詰まってやったことよ」
ジュンス「結論は変わらない。法の前でサ・ドチャンさんは公務員資格詐称罪、オ検事は教唆罪。3年以下の懲役または700万ウォン以下の罰金」

「…。」頑ななジュンスの言葉に、皆が押し黙る。

ジュンス「共犯は他にもいる」
皆「?」
ジュンス「僕自身だ。僕もそのショーに加担したんだから」
ハラ「先輩」
ジュンス「僕も法の裁きを受ける」

「はいはい」ドチャンがため息混じりに遮った。「厳格な検事さんのおっしゃることはよくわかりますよ」

ドチャン「やっぱ本物の検事はどこか違いますね。まるでナイフだ」
ハラ「あんたまで!」

「本物の俳優が戻ってきたんだから代役はスイッチオフってことで」ドチャンは立ち上がる。「俺はこれで舞台を降りますよ」

ドチャン「俺のことは控訴するなり好きにすればいいけど、うちのメンバーは情状酌量にしてください」
メンバーたち「…。」
ドチャン「検事さんたちの事情に無理やり巻き込まれただけなんだから」

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翌朝。
ヤン部長は飲みかけたジュースを吹き出した。「控訴だって?!」
「えぇ」ハラがため息混じりに言う。

ヤン部長「わぁー参ったな。ジュンスは言い出したら聞かないじゃないか」
ハラ「…。」
ヤン部長「なぁ、あいつは伊達にジュンスって名前じゃないぞ。なぜ名前をジュンスと言うか、法を遵守(=ジュンス)するからだ!」
ハラ「だから心配なんです。先輩の性格はわかってるから」
ヤン部長「どうしたものかな…」

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廊下を歩くキル・デロを見て、すれ違う人々が皆クスクスと笑う。
「昨日のショー、面白かったぞ」露骨にからかう者もいた。

「検事長の誕生会に起きた一夜の騒動…」スマートフォンを見ながら呟いたのはオ・ソラ記者だ。
キル検事は思わず彼女のスマートフォンを取り上げた。「もう記事に?」

ソラ「(スマホを取り返し)いいえ。見出しを考えてみたんだけど、どうです?」
キル検事「オ記者、長い付き合いなんだし、勘弁してくれよ」
ソラ「それならちょっとボカします?”某K検事が同僚を陥れようとして赤っ恥” こんなのは?」
キル検事「…。」

ニヤリとしてオ記者が立ち去ると、キル検事はがっくりと壁に倒れかかった。「はぁ」

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「綺麗に咲いたものだ」日当たりのいい窓辺で、前総理チェ・ジョンピルが植木の花を愛でた。

クム代表「総理が大切にしてくださったお陰です」
チェ前総理「歳を取ると知恵がつく、辛抱強くなる、弱ってくると言うが、全部真っ赤な嘘だ。徳の積み方が足りなかったのか、辛いことが増えるばかりだ」
クム代表「…。」
チェ前総理「辛抱がきかなくてな」

「先が短いからだろうか」チェ前総理が目を見開く。

チェ前総理「例の検事は名前を何と言った?ペク・ジュンスだったか」

茶を持ってきた女性をチラリと気にし、クム代表は前総理に向き直った。

チェ前総理「大騒ぎで探しても尻尾一つ掴めないって?そいつの前じゃクム代表もひよっこだな」
クム代表「本物か偽者かはもはや関係ありません。ターゲットが明確になった以上、あとは集中するだけです」

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外へ捜査に出ていたコ係長はしばらくペク検事と連絡が取れないでいた。「出勤もなさってないし、何かあったのかな」
そこへちょうど待ち人が現れ、声を掛ける。「クム・テウン代表でいらっしゃいますね?」

「どちら様で?」声を掛けられたのは… 他でもないフィルギャラリーのクム代表だ。

コ係長「中央地検から来ました。刑事6部の捜査官コ・ギボンです」

そう言って名刺を差し出す。

クム代表「捜査官の方がなぜ?」
コ係長「ペク・ジュンス検事からのご依頼で」

#おいおいおいっ!ビックリした!名前出しちゃダメだってば!

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「サ・マチョン?」クム代表が訊き返した。

コ係長「覚えておいでですか?」
クム代表「覚えがあるような気もしますが…。それをなぜ私に?」
コ係長「クム代表がサ・マチョン死亡事件の担当刑事だったと記録がありましたので。その昔は名の知れた詐欺師だったそうですが」

「あぁ!サ・マチョン」クム代表が声をあげる。

クム代表「自殺だったと思いますが」
コ係長「えぇ、それはわかっています。ところが、他殺の可能性があるとか…。刑事でいらっしゃったので、具体的な捜査の経緯をご存知かと思いまして」
クム代表「…。」
コ係長「当時、他殺が疑われるような状況や物証はありませんでしたか?」

「ふむ」クム代表が考えを巡らせた。

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ギャラリーを出ていくコ係長の後ろ姿を、クム代表はそっと目で追った。「ペク・ジュンス、なぜ今さら20年前の幽霊を呼び出そうと?」

#不思議な構図ですね。ナム・スンテの一件からクム代表が殺そうとしたのがペク・ジュンス。サ・マチョンのことを知りたいのはジュンスではなく実はドチャンなんだけど、そっちの線からもクム代表に繋がってる。

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黒い服に黒い帽子の若い男が、ヒソヒソと何か報告している。
それを聞いているのは、いつになく神妙な顔をしたポン菓子オヤジだ。

ポン菓子オヤジ「そんなことがあったのか。わかった。引き続き見張ってくれ」

男は頭を下げ、立ち去った。
「おじさーん」入れ替わりにやって来たのは、オ・ハラの母親だ。「ポン菓子2袋くださいな」
彼女を見るなり、ポン菓子オヤジは別人のように顔を輝かせる。「おやおや!ヘップバーン女史じゃないですか」

ハラ母「私を覚えていらっしゃるの?まぁ、覚えがいいのね」
ポン菓子オヤジ「お嬢さんが検事だって言ってたでしょ。どこにお勤めで?」
ハラ母「ソウル中央地検よ」
ポン菓子オヤジ「おぉ~!凄いところだな。ヘップバーン女史にはサービスしとかないと」

ポン菓子オヤジはヒョイとポン菓子の袋をつまみ上げる。「今日からポン菓子はタダ!」

ハラ母「本当?」
ポン菓子オヤジ「嘘~!フハハハっ」

※ポン菓子は”뻥(ポン)“、嘘も”뻥(ポン)”。同じ言葉なので、掛詞になっています。嘘は嘘でも重いものではなく、嘘っぱち、ホラ吹き、デマといった軽いニュアンスですね。

ポン菓子オヤジ「考えてみりゃ我々は凄い縁ですよ」
ハラ母「縁?どうして」
ポン菓子オヤジ「うちの息子はソウル中央地検の検事長なんです」
ハラ母「本当?!」
ポン菓子オヤジ「(うんうん)」
ハラ母「検事長っていったら50を過ぎてるけど…(ジロリ)嘘でしょ!」
ポン菓子オヤジ「嘘ですよ!ハハハッ」
ハラ母「嘘ばっかり!」
ポン菓子オヤジ「だから”ポンオヤジ”なんですよ。ポンポンポン!ポン菓子売りのポン(ホラ吹き)オヤジ」
ハラ母「…。」
ポンオヤジ「ところで、お嬢さんはもうご結婚を?」

「いいえ」そう答えて、ハラの母は物憂げにため息をついた。「言わないでちょうだいな」

ハラ母「検事仲間の中に夢中で追い回してる男がいるんだけど、聞いた話じゃ生白くてヒョロヒョロらしいわ」
ポンオヤジ「確かに、検事じゃいくらも稼げませんよ。そんな立派なお嬢さんなら玉の輿を目指さないと」
ハラ母「あらまぁ、気が合うわね!」
ポンオヤジ「その生白い検事の名前は?」
ハラ母「ペク・ジュンスっていうのがいてね」

「!」ポンオヤジの目がキラリと光る。「ってことは、刑事6部」
「えぇ」そう答えて、ハラ母はハッと顔をあげる。「え?」

ハラ母「どうしてそんなことご存知なの?ソウル中央地検としか言ってないのに」
ポンオヤジ「そのペク・ジュンスがうちの息子なんですよ」
ハラ母「えぇっ?!」
ポンオヤジ「嘘ですよ」

ハラ母はポン菓子の袋を突き返す。「おじさんが食べて。今日は買わない!もう食べないわ!」

ツカツカと帰っていく彼女を見送り、ポンオヤジは感嘆の声を上げた。「いやぁ、世間は狭いもんだ。オ・ハラの母親だったのか?!」

#大混乱です!整理しておきましょう。サ・ドチャンの父にソックリなポンオヤジは、ペク・ジュンスのこともオ・ハラのこともよく知っていて、「ジュンスは自分の息子」と言ったけど嘘だと否定。整理すればするほど混乱。

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「お前、ペク検事と駆け引きしてるんだよな?」心配したボン監督がドチャンに尋ねる。

ドチャン「男同士で駆け引きなんか」

※この“駆け引き“は男女間の恋の駆け引きでよく使われる”駆け引き”です。

ボン監督「引っ張りすぎて倒れちゃダメだ。ペク・ジュンス検事だって… ペク・ジュンス検事は只者じゃないからな」
ドチャン「まぁ見てろよ。俺に頼らざるを得なくなるから。それより大事なのは、回復したペク検事に取って代わられる前に、ヒグマの正体を暴き出さなきゃならないってことだ。時間がない」

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「先輩、覚えてる?」ハラはジュンスとともに、ドチャンの部屋にいた。「私がどうして検事になったか」

ハラ「泥棒女だって濡れ衣着せられたとき、クラスの子も先生も、誰も信じてくれなかった。喧嘩はしても泥棒なんかしないってどんなに叫んでも。そのとき、たった一人私のこと信じてくれて、最後には汚名を晴らしてくれたのが先輩だった」
ジュンス「…。」
ハラ「先輩がソウル法大に合格したとき、私も法大に行って検事になるって言っちゃったのよね。カバンに教科書も入れずに通ってたくせに。先輩みたいな名門じゃなかったけど、法大に行ったわ。研修生になってからもホント夢中で勉強した」

「なぜかって?」ハラが声を震わせる。「検事になりたかったから」

ハラ「先輩の後を追って検事になりたかった」
ジュンス「…。」
ハラ「それなのに、そんな先輩が死ぬような目に遭ったのよ。私に怖いものなんてあると思う?!」

そう言って、ハラは潤んだ目でジュンスを睨んだ。

ハラ「クビになったって構わない、そう思って始めたのよ」

「だからって、君のやったことが正当化できるわけじゃない」ジュンスから返ってくる言葉は何も変わらない。

ジュンス「僕らは検事なんだ。間違った方法は間違った結果をもたらす」
ハラ「そんなのわかってるわ!あいつら脱法に違法、殺人だって平気で犯す化物なのよ。そいつらより先に私たちが牢屋送りになったら?それが先輩の言う”法に従う”ってことなの?!順序を逆にしようって言ってるだけよ。ヒグマを捕まえて、それから罪を償うって言ってるの!」

「…。」涙を流して訴えるハラを前に、ジュンスは堅く口をつぐむ。

ハラ「それがそんなに悪いこと?」

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「不思議だ」ハラと並んで夜景を眺めるのは、ドチャンだ。「研究課題だな」

ドチャン「あれだけ彫刻なみにビジュアルがいいと、融通の利かない人間にはなり得ないんだ。もともと美男美女に対しては皆好意的に接するから」

「俺をみろよ」ドチャンが語気を強める。「心はいつだってオープンだろ」

ハラ「だよね。融通の利かない先輩のこと、ツインのあんたが理解してやって」
ドチャン「…。」
ハラ「先輩のことは何としても私が説得する。もう少し力を貸して」
ドチャン「俺はそうしたいけど、ペク検事が控訴するって睨むんだから、どうしようもないだろ」
ハラ「あの体じゃ先輩は出勤できないわ。あんたが抜けたら捜査はここでストップする。そうなったら、あいつらその隙に大喜びで逃げ出すわ。あんたを拉致したヤツら、捕まえたいんでしょ?」
ドチャン「またやられるんじゃないかって、怖いんだ」
ハラ「私が危ない橋を渡ろうとするから守ってやりたいって言ったじゃない!」

「まさか」ドチャンが目を丸くする。「信じたのか?」

ハラ「はぁ、詐欺師…!あんたの吐く言葉に一つくらい誠意はないわけ?」

ムッとするハラの横顔に、ドチャンはフッと笑った。「ペク検事を襲ったヤツら、捕まえられないのがそんなに悔しいか」

ハラ「先輩のこともあるけど、あんたまで危険な目に遭わせたことは責任を感じるわ」
ドチャン「…。」
ハラ「だから、どうしても捕まえなきゃ」

ドチャンの目が力強い光を帯びる。
彼は立ち上がり、目の前に広がる夜景を見下ろした。「OK、やってみよう」

ハラ「ホント?OK!二言はナシよ」
ドチャン「その代わり3つ条件がある」
ハラ「条件だなんて…」
ドチャン「1つ、今後俺のことは礼儀正しく”先輩”と呼ぶこと」
ハラ「ホントの先輩じゃあるまいし」
ドチャン「2つ、何かにつけて俺のこと詐欺師詐欺師って言うが、今後はそう呼ばないこと」
ハラ「わかった、了解。ホントすっかり巻き上げられちゃって、誰が見ても詐欺師でしょーよ」

「バイバイ」さっそく詐欺師呼ばわりされ、ドチャンがそっぽを向く。

ハラ「やれやれ… ”先輩”」
ドチャン「…。」
ハラ「3つめは簡単なのにしてくれなきゃ聞けないわ」
ドチャン「簡単なことだ」
ハラ「?」
ドチャン「ペク検事を見るとき、あまり切ない目をしないこと」
ハラ「私がいつそんな目で…。何よ?ひょっとしてヤキモチ?」

「いやいや」ドチャンが首を横に振る。「トーゼン違う」

ハラ「それじゃどうして?」
ドチャン「鏡現象だ。俺とソックリな人をあんな切ない目で見てると、まるで俺がそんな目で見られてるように錯覚するから」

「笑っちゃう」コツンとドチャンをつつき、ハラがスタスタとその場を後にする。
ドチャンも軽快な足取りで続いた。

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ここでエンディングです。

サ・ドチャンとペク・ジュンスの初対面が、セリフだけの事後説明になってしまったのは残念ですねぇ。
その過程もちょっと無理があって、正直ピンと来ません^^;

それでも、2人の演じ分けや編集がとても自然で違和感なく、”これはジュンス” ”これはドチャン”なんて一切意識しなくても、当たり前に別人と認識して見ていられるのは凄いと思います^^

 - スイッチ-世界を変えろ