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マンホール-不思議の国のピル14話あらすじ&日本語訳vol.2

   

ジェジュン、ユイ、チョン・ヘソン、バロ出演のKBSドラマ『マンホール 不思議の国のピル』14話レビュー、後半です。

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スジンの病室を訪れたクギルは、ジェヒョンに付き添いの交代を申し出た。「帰って少し休んでください」

ジェヒョン「えぇ、ありがとうございます。服だけ着替えてきますね」
クギル「どうぞ」

ジェヒョンはもう一度ベッドに向き直り、スジンの布団を整える。「スジン、すぐ帰ってくるからね」
何気なく眺めているうちに、クギルの視線がある一点で止まった。「!」
ジェヒョンの手首だ。やはりあの傷がある!

ふいにジェヒョンが振り返ったので、クギルは慌てて目をそらす。

ジェヒョン「?」

クギルが自分の手首を見ていたことを、ジェヒョンは察した。「…。」

ジェヒョン「それでは少しだけお願いします」
クギル「…。」

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作業服にヘルメット姿で、ソクテは懸命にリアカーを引いていた。
「重い?」リアカーの上で、チンスクが言う。
「大丈夫だよ。羽根みたいに軽い」息を切らしながらも、ソクテは笑顔だ。

チンスク「幸せ~♪ 女の子になった気分」

二人がトンネルを抜けると、ピルが一人でマンホール相手にハンマーを振るっているのが見えた。

チンスク「ちょっとピル!まだやってたの?」
ピル「お前らどうしてここに?仕事の時間じゃないのか?」
ソクテ「お前の気狂い沙汰を手伝いに来たぞ」

ソクテがリアカーから取り出したのは、ドリルだ!

ピル「何だそれ?」
ソクテ「時間旅行するって話を信じて助けるんじゃないぞ。そうしてでもスジンを助けたいって気持ちに感動して手伝うんだ。いいな?」
ピル「…。」
ソクテ「俺、区役所をクビになる覚悟で来たんだぞ」
チンスク「そうよ。ほら、退いて」

二人の気持ちが嬉しくて、ピルは黙って後ろに引いた。
そこへ…「おい!ピルピルピル!」随分慌てた様子で駆け込んできたのは、クギルだ。

#もう少しこの感動に余韻プリーズㅠㅠ

クギル「なんで電話に出ないんだよ?」
ピル「兄貴?」
クギル「(ピルに)お前に大事な話がある」
ピル「何だよ?」

ピルの腕を掴み、クギルは人のいないところまで引っ張っていった。「早く早く」

ピル「話って何だよ?」
クギル「こんな状況で言うことじゃないけど…」
ピル「?」
クギル「あぁ!言っていいのかな、こんなこと」
ピル「何なんだよ?」
クギル「興奮しないで聞けよ。暴行に遭った時、犯人の手首に傷があったって言ったろ?」
ピル「あぁ」
クギル「…はぁ、参ったなぁマジで」
ピル「何なんだよ?兄貴」
クギル「今日、偶然ジェヒョンさんの手首を見たんだけど… 同じ傷があったんだ」
ピル「…。」
クギル「…。」
ピル「本当か?」

ウンウンとクギルは頷いた。

クギル「人には一つや二つ傷はあるもんだ。けど、何でよりによって左腕に全く同じ傷があるんだ?」

「…。」ピルは落ち着いて考えを巡らせる。

クギル「まさか… 違うよな?」
ピル「否定するには証拠が多すぎる」
クギル「!」
ピル「壊れたキーホルダーの欠片、手首の傷、こんなに偶然が重なるはずがない」
クギル「それはそうだけど…」
ピル「あいつが犯人だ。間違いない」

歩き出そうとしたピルをクギルが慌てて引き止める。「おいおい、どこ行くんだ?」

ピル「そんなヤツがスジンのそばについてるんだ。放っておけるはずないだろ」
クギル「…。」
ピル「兄貴、ありがとな」

ピルは駆け出した。

クギル「話して良かったのかな。また問題起こすんじゃないか?」

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ジェヒョンが着替えを済ませ、病院の前まで戻ってきた。
中へ入ろうとしたところを、いきなり現れたピルが乱暴に掴む。

ジェヒョン「何なんです、今度は?」
ピル「話がある」

「ついて来い」掴んだ襟首を問答無用で引っ張った。

ジェヒョン「(ピルの手を振り払い)何の真似だ?!」
ピル「図々しい野郎め!よくもスジンのそばにいられるな」
ジェヒョン「一体何言ってるんだ?」
ピル「通り魔事件の被害者が、お前の手首の傷を見たと証言した」

ジェヒョンはふっと笑う。「誰が?ヤン・グギルさんか?」

ジェヒョン「今度は友だち同士グルになって俺を犯人に追い込むつもりだな」

「確認してみりゃいいことだ」ピルはジェヒョンの左腕を掴み、袖をまくりあげる。「!」
その手首に、包帯が巻かれていた。

ジェヒョン「何するんだ!」

包帯を引き剥がすと…
そこには古い傷を横切るように、新しい傷が出来ていた。
クギルが手首の傷に気づいたのを察し、家に帰ったときに自ら傷つけたのだ。

ピル「!」
ジェヒョン「…。」
ピル「どういうことだ?」
ジェヒョン「さっき怪我したんですよ。何です?怪我しちゃいけないんですか?」
ピル「お前、クギル兄が傷を見たのに気づいて、余計な真似したんだろ」
ジェヒョン「呆れますね。これ以上馬鹿げた憶測に踊らされたくありません。好きなように解釈してください」

ピルは怒りがこみ上げ、ジェヒョンの襟首を掴む。

ジェヒョン「今度殴ったら、停職じゃすみませんよ」
ピル「…。」
ジェヒョン「よく考えて行動しろよ。公務員なんだから」
ピル「…。」
ジェヒョン「スジンが死の淵を彷徨っているときに… 全く情けないな。スジンが何で二度とあんたに会わないと言ったのかわかったよ。警察なら警察らしく、証拠を持ってこい」

背を向けようとしたジェヒョンを、ピルはもう一度掴まえた。「お前の言う証拠、目の前に突き出してやるから待ってろ」

ピル「お前の正体、絶対に暴き出してやる」

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停職中のピルは私服のまま派出所へ押しかけ、PCの前に座った。

先輩「おい、ポン巡査、そこで何してる?」
ピル「…。」
先輩「お前、署長の話忘れたのか?停職処分が終わるまで派出所に来るなって言われただろうが!」
ピル「警査、通り魔暴行事件の防犯カメラの映像、ありますよね?」
先輩「おい、ポン巡査」
ピル「警査、僕、何が何でもあいつを捕まえなきゃいけないんです」

先輩が呆れて笑う。「俺たちだって警察だぞ。この町に警察はお前しかいないのか?帰って待ってろよ」

ピル「警査!」
先輩「…。こいつ…」

ピルは立ち上がり、頭を下げた。「お願いです」

先輩「はぁ、全く…。参ったな」

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ピルは防犯カメラの映像を何度も何度も再生し、犯人の姿に目を凝らした。
根負けした先輩が、コーヒーを持ってきてピルの前に置いてやる。

ピル(心の声)「間違いなくあいつだ。証拠…こいつがパク・ジェヒョンだっていう証拠を見つけないと」

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さて、ソクテチームはピル不在のままマンホールと格闘していた。
ソクテが持参したドリルでマンホールに穴を開けようとする。

チンスク「こんなドリルじゃどうしようもないね。はぁ、何でみんな来ないんだろ」

「みんな!」クギルが引っ張っていたのは… スーツ姿のタルスだ!

チンスク「わっ!オ・ダルス?!」
ソクテ「兄貴!どうしたんだ?」
タルス「助けが必要だって聞いて」
チンスク「…。」
タルス「…久しぶりだな」

タルスは足元のマンホール跡を見下ろした。「それはそうと、お前ら何してるんだ?」

チンスク「見りゃわかるでしょ。ドリルで掘ってるのよ」
タルス「?」
ソクテ「ピルの願いを聞いてやってるところなんだ」
タルス「願いって?」

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ひと通り話を聞いたタルスは、皆が散々してきた反応を繰り返す。「時間旅行だって?」

#もうそこは省略でお願い

タルス「お前ら、ピルの言うこと信じてるのか?なんてことだ…」
チンスク「信じてるんじゃなくて、信じようと努力してるところだってば」
クギル「もしかしてってこともあるだろ。スジンが助かるためだったら、何だってやるさ」
タルス「…。」
クギル「なぁ、ソクテ、これってドリルで何とかなるのか?この調子じゃ10年かかるぞ」
ソクテ「じゃあどうすんだよ」
クギル「おい、タルス!」
ソクテ「…?」

二人が目を見合わせた。「!」

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スジンのそばには両親が付き添っていた。
娘の手を握っていた母親がハッと息を呑む。「!」
指がピクリと動いたのだ。

スジン母「あなた!スジンが指を動かしたわ」

「スジン?」父の呼びかけに、スジンはゆっくりと目を開けた。
そこへジェヒョンが入ってくる。
「スジン!」彼は枕元に駆け寄り、妻の顔を覗き込んだ。「気がついたか?」
スジンが振り返り、ジェヒョンを見る。「…。」

ジェヒョン「僕がわかる?」
母「スジン、私たちがわかる?」

ゆっくりと母に視線を移し、スジンは頷いた。

スジン「ここはどこ?」
父「スジン、事故に遭ったのは覚えてるか?」

ジェヒョンが緊張してスジンを見る。
スジンの視線が一瞬ジェヒョンへと向かいかけて、途中で止まった。「…。」

スジン「じ… 事故?」
ジェヒョン「…。」
スジン「ううん、覚えてないわ」
母「いいのよ。私たちがわかればそれでいいの!」

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スジンの意識が戻ったことで、主治医も笑顔を見せた。「良かったです」

主治医「意識が戻ったので、もう安心なさっていいでしょう。あとは手術した箇所がしっかり回復するのを見守ればよろしいかと」
ジェヒョン「事故当時の記憶がないようですが、別の問題が生じることはありませんか?」
主治医「あぁ、交通事故のショックで短期的な記憶喪失を起こすこともあります。そのうちだんだん記憶の戻るケースが多いですから、あまりご心配なく」
ジェヒョン「そうですか。それは良かった…」
主治医「失くした記憶はむやみに刺激なさらず、絶対安静をとれるようご協力ください」

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病室で一人になり、スジンはゆっくりと考えを巡らせていた。

道路を渡ろうとしていたところへ、スピードを上げて近づいてきた一台の車。
ピルが轢かれそうになったのを抱えるようにして、自分が轢かれたこと。
その瞬間視界に入ったあの車は…

スジン「…。」

ここにはいられない!
起き上がろうとしたものの、体にチューブが繋がっていて、すぐには身動きがとれなかった。
そこへジェヒョンが戻ってきたのを見て、彼女は慌てて目を閉じる。
「スジン」そう言われて、スジンはなるべく自然に、微睡みから覚めたように目を開けた。

ジェヒョン「大丈夫?何か思い出した?」

スジンは首を横に振る。

スジン「お母さんたちは?」
ジェヒョン「食事でもして来てくださいって、お帰ししたんだ。一日何も召し上がってなかったから」
スジン「あぁ… ありがとう」
ジェヒョン「ところで、スジン」
スジン「?」
ジェヒョン「事故のこと、全く思い出せない?」

「…うん」スジンは小さく頷く。「思い出せないわ」

ジェヒョン「それなら、どこまで覚えてる?」

「えーと」スジンは考えを巡らせた。

スジン「イギリス旅行に行こうとしてたこと。それから… ジェヒョンさんのジャケットから飛行機のチケットを見つけたこと」
ジェヒョン「その後のことは、全く思い出せない?」
スジン「…うん。ジェヒョンさん、一体何があったの?」
ジェヒョン「いや、知らなくていいよ」
スジン「…。」
ジェヒョン「悪い記憶は消してしまおう。まずはゆっくり休んで」
スジン「うん。ジェヒョンさん、私、寝るわ。すごく眠いの」

スジンが目を閉じると、ジェヒョンは布団を丁寧に掛け直してやり、席を立つ。
扉が閉まると、スジンは目を開けた。「!」

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点滴のカートを押し、スジンは人目を避けて病室を出た。
向こう側にジェヒョンが去っていくのが見える。「…。」
急がなければ…。
ナースセンターを横切ろうとしたところで、案の定、職員に見つかった。「患者さん、動いちゃダメですよ」

職員「早く戻って横になってください。手術したばかりなのに、こんな体で…」
スジン「あの…!」
職員「?」
スジン「本当にすみませんが、電話一本だけさせていただけませんか?急を要することがあって…。本当に急いでるんです」

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人のいなくなった派出所で、ピルはまだ防犯カメラの映像を睨んでいた。
そこへ電話がなる。「もしもし?」

「ピル…」今にも泣きそうな、か弱い声が聴こえてくる。

ピル「!」

「ピル…」もう一度声がした。

ピル(電話)「スジンか?!」
スジン(電話)「うん。さっき目が覚めたの。こっそり電話したのよ」
ピル「!」
スジン「急いで来て。話があるの」
ピル「あぁ、病室に行く」
スジン「ダメ。病院の前よ。病院の前で会いましょ」

「わかった」ピルは急いで駆け出した。

#病室がダメだなら、病院の前はもっとダメでしょうよ。スジンは致命的に待ち合わせが苦手と見た。

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ジェヒョンの車が、人気のない空き地へ入ってくる。
ドラム缶の中に火をくべると、トランクから出したボストンバッグを開け、帽子、マスク、衣服、キーホルダー… 証拠の品を次々と火に投じた。

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ちょうど道路が混む時間だ。
なかなか到着しないピルを病院の前で待ちながら、スジンの心は焦るばかりだった。

そこへ向こうから歩いてくるのは…
ジェヒョンだ!

「!!!」彼女は慌てて病院の中へ逃げ込んだ。

「あ、スジ…」声を掛けようとして、ジェヒョンはスジンの様子に首を傾げる。「なんで外に?」
ピルの車が病院前へ入ってきたのは、ちょうどその時だ。
中へ入っていくジェヒョンを見て、ピルは先を急いだ。

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ここでジェヒョンに捕まるわけにはいかない!
スジンは痛むお腹を押さえながら、懸命にロビーを進んだ。
エレベーターがなかなか到着せず、焦って何度もボタンを押す。
「スジン!」ジェヒョンに呼び掛けられ、彼女は大急ぎで奥の廊下へ逃げ込んだ。

ジェヒョン「スジン!どうしたんだよ!」

夜になり、外来病棟は人気もなく、薄暗い。
物陰に隠れて追手をやり過ごすと、スジンは非常階段を上がった。

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とにかくジェヒョンから離れなければ。
夢中で階段を上がるうち、スジンは階段を踏み外し、思わず「あっ!」と大声を上げてしまう。
ガランとした病院に、彼女の声が響き渡った。

ジェヒョン「!」

方向が定まった。
ジェヒョンが非常階段へ向かって駆け出す。

そこへ追いかけてきたピルが、廊下の向こうを駆けていくジェヒョンに気づき、さらにその後を追った。
急げピル!

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夜になってもマンホール跡ではファミリーたちが盛大にミッションに励んでいた。
タルスが導入した重機を操作し、マンホールにドリルを打ち込んでいるのは、クギルだ。

タルス「おい、クギル!まだ掛かるか?急げよ、通報される」
クギル「わかってるって」
チョンエ「(チンスクに)クギルさんはいつの前にこんなこと覚えたの?」
チンスク「軍隊でやったって言ってなかった?」
ソクテ「考えてみたらいろいろ技を持ってるよな、クギル兄も」

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屋上にたどり着いたスジンに、ジェヒョンが追いついた。「おい!カン・スジン!」
「来ないで」スジンはじりじりと後ずさりし、端へ追い詰められる。

ジェヒョン「全部覚えてたんだな。事故の前にあったこと… 全部覚えてたのか」
スジン「近くに来ないで。あっちへ行ってよ」
ジェヒョン「なぜ嘘をついた?」

「なぜだ!」ジェヒョンが鋭い声を上げる。

スジン「…。」
ジェヒョン「俺が説明してやるよ。君は大きな誤解をしてる。話をしよう。な?」
スジン「…。」
ジェヒョン「スジン」
スジン「そうよ、全部覚えてるわ。私を轢いたのもジェヒョンさんじゃない。だから、あっちへ行って」
ジェヒョン「…。」
スジン「あっちへ行ってよ。来ないでってば!!!」

そこへピルが彼らを追って屋上へたどり着いた。「スジン!」

スジン「ピル!」

「スジン、こっちへおいで」ピルはジェヒョンの背後にいるスジンに、慎重に手招きをした。

ピル「俺の方に来るんだ」

スジンが頷いた瞬間、ジェヒョンがくるりと身を翻し、スジンを後ろから羽交い締めにする。

スジン「あっ!」

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マンホールの掘削は続いていた。
突然、穴から噴水のように水が吹き出す。「おっ!」
「やった!」皆が歓声を上げた。

タルス「ちょっと待った!穴があいたら、次はどうするんだ?」

「?」「?」「?」皆が顔を見合わせる。

クギル「さぁ」
ソクテ「そうだな、次のことはピルから聞いてないんだけど」
チンスク「えっ?」

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「近寄るな」スジンを腕に抱え、ジェヒョンはゆっくりと後ずさりする。

スジン「離してよ!」
ピル「優しく言ってるうちに離せ」
ジェヒョン「…。」
ピル「スジンを離せ!!!」
ジェヒョン「全部お前のせいだ。お前さえいなけりゃ、こんなことにはならなかった。今すぐ失せろ!自分のせいでスジンが死ぬのを見たくなかったらな」
ピル「言ったよな。絶対お前の正体を暴いてやるって。もうそんなことしても無駄だ。諦めろ」
ジェヒョン「あぁ、全部おしまいだ。それなら皆一緒に終わりにしようぜ」
ピル「!」

+-+-+-+

「ちょっと!」チョンエがソクテを責める。

チョンエ「そんなことも知らずに掘ってたわけ?」
ソクテ「…。」
クギル「おい、なんとか言えよ」
ソクテ「俺だって知らないよ。穴開けてほしいって言われただけで、どうするのか教えてくれなかったから」

「電話してみようか」ソクテが手袋を脱いだ。
そのとき、雷鳴が響き、頭の上の街灯がチカチカと点滅し始めた。

皆「?!」

穴のあいたマンホールから、色とりどりの光が蠢き始める。

ソクテ「ありゃ何だ?」

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「あっ!」ジェヒョンが短い悲鳴を上げた。
スジンが彼の腕を噛んだのだ。

僅かなスキをついて腕をすり抜け、スジンは屋上の柵に上がった。

ピル「スジン!」
ジェヒョン「…。」
スジン「(ジェヒョンに)来ないで。来たら飛び降りるわ」
ピル「スジン、ダメだ!危ないから下りろよ」

ゆっくりと… ジェヒョンが近づき、手を伸ばす。

スジン「来ないで!」

ジェヒョンの手が彼女の手を捉えようとした瞬間!
「来ないで!」振り払おうとした弾みで、スジンは柵の向こうに…

ピル「スジン!!!」

次の瞬間、ピルは柵越しにスジンの手を掴んでいた。

#ザ・瞬間移動

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11時59分37秒。

マンホールから光の束が勢い良く飛び出す。
ファミリーたちの間をさっと通り抜け、トンネルをまっしぐらに突き抜けた。

皆「何?!」

+-+-+-+

ピルは必死でスジンの腕を掴んでいた。
離したらおしまいだ!

「うっ」ピルが苦しげに呻き声を上げたとき、光の束がふいにやって来て、二人まるごと包み込む。


そうして来た道を戻ると、光の束はマンホールの中へ飛び込んだ。

ソクテ「なななな何だ?!」

アアアアア~!

今度は”男女の声”がマンホールに響いた。

#(・∀・)ゲラゲラ

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時空を越えた二人の意識が、同時にそれぞれの体に飛び込む。
そう。
事故の直前だ!

スジン(心の声)「あれ?ここは?」
ピル(心の声)「何だ?マンホールに吸い込まれたのは間違いないけど…」

向こうから走ってくる車が目に入る。「!」

ピル「スジン!!!」
スジン「!!!」

今度こそ失敗するもんか。
ピルは全速力でスジンへ走る。

ジェヒョンの車が突っ込む寸前、ピルは道路を渡りきり、彼女をしっかり抱きとめた。

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ここでエンディングです。

1度目の視聴で拍手喝采したこのエンディングですが、2度め、訳しながら見た時は泣けました。
なんて愛情溢れる瞬間なんだろう( ;∀;)

どうせなら結婚前に戻ればよかったのに…と思った方もいらっしゃると思います。
でも、私が思うに、この瞬間じゃないとやっぱりダメなんですよね。

結婚前に戻ったら、スジンは確かにジェヒョンとの結婚を取りやめるでしょう。
でも、このときジェヒョンはまだ何もしていませんから、ただ正当な理由なく結婚をやめるだけになってしまいます。
善良なジェヒョンとの結婚を一方的に破棄したスジンが悪者になるでしょう。
ピルが必死に探している”ジェヒョンが犯人だという証拠”も、もちろんリセットです。

ジェヒョンがすでにいろいろやらかして、彼の凶行からピルが彼女を助けられる、危機一髪のこの瞬間、一緒にタイムスリップするのが一番ドラマチックじゃないですか~♪

ぎりぎりスジンを抱きとめた瞬間でストップしてエンディングにしちゃう演出がニクイです。

 - マンホール-不思議な国のピル ,