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師任堂(サイムダン)、色の日記22話あらすじ&日本語訳~後編

   

イ・ヨンエ、ソン・スンホン出演『師任堂(サイムダン)、色の日記』22話、後半に進みます。

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数人の文官と官軍を伴い楊柳集落へやってきたキョムは、いつもの寛いだ服装とは違い、真っ赤な官服に身を包んでいた。
キョムはゆっくりと通りを進み、鍛冶場へ入る。
奥までやって来ると、そこで立ち止まった。

武官「シン・サイムダンは前へ出て王の命令を受けられよ」

「突然何事なの?」「お嬢さんは何も悪いことしてないぞ」紙所の人々が騒ぎ出す。
奥の扉からサイムダンが姿を現すと、皆が一斉に口をつぐんだ。

サイムダンがひざまずくと、キョムは武官から書状をうけとり、ゆっくりと広げた。

キョム「”平山 シン氏サイムダン、図画署提調の監督の下、御真影制作を遂行し、その責任と本分を果たすべし”」
サイムダン「…!」

「御真影制作って言ったら、王様の顔を?!」「お嬢さんが?!」紙所の人々が再び湧く。

サイムダン「聖恩の…限りにございます」
キョム「お立ちください」

立ち上がったサイムダンの視線が、キョムの優しい視線とまっすぐに交わる。

キョム「心から祝福します」

#あかん、溶ける。。。

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サイムダンの作業室で、キョムは茶のもてなしを受けていた。
彼女がお茶を淹れている間、彼の視線はあの真っ赤な絵に向かう。

大きな白い芍薬に寄り添うように舞う、一匹の可憐な蝶。
自分の思いにサイムダンがそっと寄り添ってくれているように感じられて、彼は心がじわりと潤うのを感じた。

「どうぞ」サイムダンの声に、キョムはハッと視線を戻した。「ありがとう」

キョム「なぜ御真影画工に志願しようと?随分と不意をつかれました」
サイムダン「本当に選ばれるとは思ってもみませんでした」

「ひょっとして…」両手の指先で茶器をそっと抱え、サイムダンがキョムの顔を覗く。

キョム「?」
サイムダン「…。」
キョム「選抜の際に私が推したのでは…そう思っているのですか? 」

「違うことを願うのみです」サイムダンはそう言ってふっと微笑んだ。

キョム「選抜は徹底して匿名で行いました」
サイムダン「私のことでお立場が悪くなるのではないかと心配で」
キョム「最も優れている画工を選んだだけです。しかし、これから進むべき道は険しくなるでしょう」
サイムダン「覚悟しています」

「…。」サイムダンのまっすぐで力強い瞳に、キョムは小さく頷いた。

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「殿下の肖像画を女に任せるわけにはいかぬ!」多くの両班たちが集まって抗議行動に熱を上げていた。

騒がしいのは彼らだけではない。
大臣たちもまだ到底納得したわけではなかった。「日の当たらぬ人材を登用するだと!」

右相「殿下がご存命なのにこの調子なら、いざ即位したらまず我々からそっくり入れ替えると言い出しますよ」
左相「その通り!本音を実に赤裸々に宣言したのです!」
領議政「全く…」

「急ごう」彼らがやってきたのは中宗の部屋だ。

領議政「(内禁衛将に)殿下にお目にかかりたい」
内禁衛将「御身体の具合が優れず、今日は無理です」
右相「重大で急ぐ用件なのだ」
領議政「少しだけでいいから取り次いでくれ」
内禁衛将「薬を召し上がり、やっとのことで眠りにつかれました。本日は駄目です」
領議政「これは参ったな…」

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「僕は医者になる」ある男の子が発言し、皆の視線がそちらへ集まる。
楊柳学堂では、子どもたちだけで丸くなって座り、話し合いをしている様子だ。

別の男の子「僕は海の王子チャン・ボゴ!海賊たちと戦って金銀財宝を手に入れるんだ」

「”人莫不飲食也、鮮能知味”」そう言い出したのはテリョンだ。「”食事をしない人はいないけど、真の味を知る人は稀だ”」

テリョン「僕は全国一の味の評論家になる」
ヒョンリョン「味の評論家?それって何?」
テリョン「初めて漢陽に来た時、一番腹が立ったのは、不味いのに無駄に高いだけの食べ物!真の味に対する冒涜だよ。それを一つ一つ暴いてやるんだ。

「おぉ~!」テリョンの熱弁に、子どもたちが楽しそうに拍手をする。
「みんな書いたよね?壺に入れよう」ヒョンリョンの合図で、皆が手元の紙を真ん中の壺に投じた。

門の外でその様子をそっと覗いている子どもがいた。「…。」
ひとりぼっちで立っているのは、ミン・チヒョンとフィウム堂の息子、チギュンだ。
そこへコン氏と一緒にサイムダンがやってきた。「?」

サイムダン「チギュンじゃない?」
チギュン「!」
コン氏「チギュンだわ」
チギュン「(ペコリ)こんにちは」
サイムダン「久しぶりねぇ」

「僕はこれで失礼します」逃げるようにその場を離れようとしたチギュンの腕を、サイムダンがさっと掴んだ。「ちょっと、チギュン」

「あ、お母様!」中にいるヒョンリョンが門の外へ出てくると、チギュンに気づき、パッと顔を輝かせる。「あ!やぁ、チギュン」

サイムダン「ねぇヒョンリョン、チギュンと一緒に家で食事をしない?」
チギュン「!」
サイムダン「庭のナスがちょうど食べ頃なの」
ヒョンリョン「そうですね、お母様!チギュン、一緒に行こうよ」
チギュン「…。」

「そうしましょう。ね?」戸惑っているチギュンに、サイムダンは優しく微笑みかけた。

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卓上に並んだおかずを一口、サイムダンがチギュンのご飯の上に乗せてやる。「ナスの和え物がピリリとして美味しいわ」
サイムダンと4人の子どもたちに混じって食卓を囲み、チギュンはまだもじもじとしていた。

サイムダン「たくさん食べなさい、チギュン。足りなければ言って。ね?」
チギュン「はい」
サイムダン「ソン、この間作ってくれた包丁、とてもいいわ。持ち手の曲がり具合が私の手にぴったり合うのよ」
長男ソン「お母様の手に合わせて形を決めましたから。今度はハサミを作ってみるつもりです」
サイムダン「まぁ、ソンは日に日に腕前を上げそうね」

「鍛冶の仕事をしているんですか?お兄さん」チギュンが驚いて尋ねた。

ソン「必要な物があったら言えよ。この兄貴が全部作ってやるからさ」
チギュン「…。」
ヒョンリョン「お母様、今日、夢を書いてみんなと一緒に壺に入れたんです。明日山へ行って埋めようと思って。十年後にみんなで集まって開けてみるつもりなんです」

「そうなの?」サイムダンがニッコリと笑う。

ヒョンリョン「ところでチギュン、君の夢は何?」
チギュン「…秘密だよ」
ヒョンリョン「友だち同士で秘密なんてあるかよ」
チギュン「…。」
サイムダン「ヒョンリョン、誰にでも秘密はあるわ。お母さんにもあるもの」
ヒョンリョン「何ですか?」
ソン「何ですか?」
末っ子ウ「何ですか?」
サイムダン「お母さん、御真影画工になったの!」
ヒョンリョン「殿下の肖像画を描くっていう…?」

「お母様!」ずっと黙っていたメチャンが口を開く。「女性にも道が開けたのですか?!」

ソン「わぁ!」
ヒョンリョン「お祝い申し上げます!」

「お母様!」メチャンが思わずサイムダンに抱きついた。

ヒョンリョン「画工として最高の栄誉ではありませんか。ということは僕たち、宮廷に入れるのですか?集賢殿を見てみたいのです。世子邸下がご覧になる経典ばかり集めてあるという蔵経閣も」
ソン「僕は五衛都摠府!」
サイムダン「そうね。全部行ってみましょ」
メチャン「私、お母様が誇らしいです!」

「愛してます、お母様!」メチャンは思い切りサイムダンにしがみつく。
「僕も!」他の子どもたちが声を揃えた。

ソン「お母様、おめでとうございます!」

拍手の音が響く。

サイムダン「冷めるわ。先に食べましょう」

愛にあふれる食卓で心のこもった手料理を噛み締め、チギュンも心が温まっていくのを感じた。

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ミン・チヒョンは家で荒れに荒れてていた。
日に日に焦りと苛立ちが募っていたのだ。

フィウム堂「旦那様、そんなふうになさってはいけません。用心に用心を重ねないと」
チヒョン「死んだように這いつくばって生きろというのか?」
フィウム堂「どうかそうなさってください。死力を尽くして旦那様を漢陽へ押し上げますから。この2年、私がどんな思いで生きてきたとお思いですか!好機を待つのです。どうしてそんなに…」

チヒョンはフィウム堂の上衿を鷲掴みにし、壁へ押し当てた。「生意気な!」

フィウム堂「家族たちがみな奴婢として連れて行かれるのを見ないとおわかりになりませんか!私が全てやりますから!こんなことをなさるなら、いっそのこと息を潜めてじっとしていらしてください。お願いですから!」

頭に血が上り、チヒョンは怒りに任せて妻の首を締め上げた。
そこへ顔を覗かせたのがチギュンだ。「父上!やめてください!」
危ういところで、チヒョンはその手を離し、部屋を後にした。

チギュン「大丈夫ですか、母上」

「…大丈夫よ」チギュンに顔をそむけたまま、フィウム堂は言った。「あなたは動揺せず勉強だけなさい」

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図画署前で両班たちが抗議の声を上げる中、サイムダンが業務のために姿を現した。
「女を入れるなんて!」口々に不平を言い合っていた画工たちは、当のサイムダンの登場に憮然と口をつぐむ。「!」

サイムダン「御真影を制作することになりましたシン・サイムダンと申します。初めてでわからないことばかりです。先輩画工の皆様のお力添えをお願いいたします」
画工「…。(小声で)何が先輩だ」
サイムダン「私の仕事場はどちらでしょうか」
画工「あっちへ行ってみてください」

サイムダンは彼らの間をすり抜け、言われた方へと歩き出した。

画工「何であんな堂々としてるんだ?人の食い扶持を奪って来たくせに」
画工「どこまで続くか見ものだな」

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上等の絹のチマを手に、クォン氏は上機嫌だ。
そこへウォンスが仕事から帰って来る。「絹のチマなんてどうしたんだい?」

クォン氏「お腹も大きくなってきたし、合う服がないとね」
ウォンス「…。」
クォン氏「お義姉様が御真影を描くっていうから、あの高慢ちきな反物屋がツケでやってくれたのよ」
ウォンス「ツ、ツケ?またツケを?!」
クォン氏「御真影が完成すればお義姉様の絵の値段はぐんと上がるわ。きゃははっ!考えただけで嬉しくなっちゃう」
ウォンス「…。」
クォン氏「私が言えたことじゃないけど、うちの旦那、本妻だけはうまくつかまえたわね」
ウォンス「金がそんなに大事なのかい?」
クォン氏「そりゃ大事よ。一番大事。金の雷に当たって死ぬのが夢なんだから」

「ご飯をくれ」ショボンとした様子でウォンスは背を向け、縁側にゴロンと寝転がった。
…と、目に入ったのは、足つきの棚の下に突っ込んであった風呂敷包みだ。「?」
広げてみると、中から出てきたのは自分の下着だった。「どうしてこんなところに突っ込んであるんだ?」

クォン氏「この間来てたんですよ」
ウォンス「言ってくれないと」
クォン氏「うっかりしてたのよ」

風呂敷の中に、手紙が混じっているのに気づき、ウォンスは何気なく広げてみた。

『クォン氏へ
健康そうに見えるけれど、旦那様は夜中に体が冷える体質よ。
夕飯を召し上がっても、眠る頃にはお腹が空いて物足りないとおっしゃるわ。
あまりお腹が空くと眠れないから、軽食と口直しのお茶がいつも必要よ。
豆腐や干した果物がお好きだわ。
それと、肌が弱いから下着には気を遣わなければいけないの。
特に下履きは慶州反物で買ったものが着心地がいいようだから参考になさって。
湿疹のでやすい体質で、一度できたら半月は苦労なさっていたわね。
ドクダミを浸した水で3日よく洗って差し上げれば、腫れがおさまるわ』

大粒の涙を流し、ウォンスは白い下着と手紙を胸元に抱きしめた。

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中宗は久しぶりの龍袍に身を包んだ。

内禁衛将「殿下、あともう何日か安静になさってはいかがでしょうか」
中宗「御真影制作を行う画工はサイムダンだそうだな」
内禁衛将「はい、殿下」

「長く王の座を空けすぎたようだ」前をじっと見据えたまま、中宗は呟いた。

#大臣たちが顔を真っ赤にして延々と文句を連ねるより、この中宗の静かな一言の方が何百倍も伝わる。

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御真影制作を進める会場に、関係者が集まっていた。
もちろんそれを取り仕切るのはキョムだ。

キョム「御真影というものは単に殿下のお顔を描く行事ではないことを、主管画工以下、皆が深く肝に銘じなければなりません」

中央で話を聞いているのがサイムダンだ。
他の画工や礼曹の文官たちが周囲を取り囲むように整列していた。

キョム「御真影を描くとき、ひれ伏したままではお顔の観察が難しいゆえ、お姿を見るときは立つ許可をいただき、描くときには座る許可を得ねばなりません」

「よろしいですか」キョムはサイムダンに向かって少し口調を和らげる。

サイムダン「はい」

サイムダンが視線を上げると、キョムは小さく微笑みかけた。
そのとき、中宗が会場へ到着する。
皆を前にし、中宗はさっと面々を見渡した。「主管画工以外は下がりなさい」

キョム「殿下、御真影制作には主管画工以外にも補佐役が必要です。誤りを見つける大臣たちも…」
中宗「主管画工が集中できるようにしたいのだ」
キョム「…はい」

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「近くへ来なさい」他の者を全員下がらせ、二人きりになると、中宗はサイムダンにそう言った。
床に広げられた大きな用紙の横をすり抜け、サイムダンは中宗の前に進み出る。

中宗「顔を描くのだ。もっと近くへ来て余の目を見ねばなるまい?」

サイムダンは戸惑いながら、さらに数歩前に進む。

中宗「顔を上げなさい」

サイムダンが顔を上げると、中宗は穏やかな目で彼女を見つめ返した。「シン・サイムダンと言ったか」

サイムダン「はい、殿下」
中宗「(頷く)シン・サイムダンとな…。2年前、高麗紙の競合で勝った…?」
サイムダン「はい」
中宗「ならば、シン・ミョンファの娘だな」

「!」サイムダンの目が一瞬動揺を見せた。「…はい、殿下」

中宗「よく覚えている。実直であったお前の父親。それに、こまっしゃくれた娘もな」
サイムダン「…!」
中宗「お前を覚えているのだ。金剛山へ行かせてくれと上疏したがっていた…」
サイムダン「!」

驚くサイムダンを見て、中宗は「ははは」と笑い声を上げる。

中宗「実に大胆不敵な少女であった。その大胆さがこの場を作ったのであろう」
サイムダン「恐れ入ります、殿下」
中宗「そのときと比べてどうだ?余の顔は」
サイムダン「…。」
中宗「顔を上げ、余を見て申してみよ」

サイムダンは恐る恐る顔を上げ、チラリと中宗の顔を窺った。「お顔に憂いが重なり、心中穏やかではおられないとお見受けします」

中宗「穏やかではないと?」
サイムダン「…。」
中宗「ならば余をどう描くつもりだ?お前の目に映るとおり、憂いがあり心中穏やかではない余を描くのか、それとも、堂々として威厳のあった以前の姿を描くのか?」

※”心中穏やかではない”と訳したところ、성정이 편치않다と言っているようなのですが、直訳すると”性情が穏やかでない、良くない”となり、ニュアンスがよくわかりません。

サイムダンは答えに窮し、目をしきりに泳がせる。

中宗「申してみよ」
サイムダン「御真影を描くということは、殿下のお姿だけでなくお心まで描くということです。それゆえ、魂まで気高く生き生きと描く所存にございます」
中宗「魂まで気高く生き生きと?もし描く者の心中に小さな恨みでもあったとしたら、それは可能か?」
サイムダン「!」
中宗「お前の答えが聞きたい」
サイムダン「亡き父が生きていたなら、今の私を誇らしくお思いになったはずです。そして、しっかり描きなさいと応援してくださったでしょう。それゆえ、情熱と真心を尽くし我が国朝鮮の顔、殿下の御真影を描き上げる所存にございます」
中宗「皺の一本、毛の一本でも描き違えば、罪に問われることもあると知ってのことか?」
サイムダン「誠心誠意お描きします!」

中宗は愉しげに笑い声を上げ、すっと真顔になる。「始めよ」

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ピンと張り詰めた空気の中、サイムダンは中宗の御真影を描き始めた。
下書きの線をとる黒炭が紙を擦る音だけが小さく響く。

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白昼の図画署の書庫に、フィウム堂はそっと足を踏み入れた。
向こうには業務についている文官の姿も見える。
慎重に慎重に、彼女は奥へと進む。
と、後ろから入ってきた文官が彼女に声を掛けた。「ここで何をしているんです?」

文官「ここは関係者以外立ち入り禁止です」
フィウム堂「翁主様の教師です。翁主様の指示で絵の資料集を探していたのですが」

「絵の資料はあちらですよ」文官は向こうの棚を指し、訝しげに彼女を見ると、背を向けた。

フィウム堂「…。」

「兵船図面の準備は順調なのか?」文官が、近くで業務を行う同僚に声を掛ける。

同僚の文官「仕上げの段階だ」
文官「どれどれ…?」

フィウム堂は資料の棚に向かいながら、密かに彼らを窺った。「…。」

フィウム堂(心の声)「兵船の図面、何としても手に入れなければ」

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キョムはフィウム堂が図画署から出ていくのを目にし、懐疑心を露わにした。「あの女がなぜ図画署に?」

文官「翁主様の授業に画集を探しに、たびたび来るのです」

そこへ食事を下げてきた女官が通りかかった。
見ると、全く手を付けないまま下げられた様子だ。「なぜそのまま下げるのだ?」

女官「主管画工様が下げるようにとおっしゃいました。召し上がらないとのことで」
キョム「…。」

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クォン氏の店をこっそり窺っているのはイ・ウォンスだ。
誰も見ていない隙きに、彼は湯気の上がっている鍋の蓋を開け、酒瓶にせっせとソルロンタンを詰めた。
御真影を描いているサイムダンに届けて、彼女を励ましたいと思ったのだ。
酒瓶を抱えて逃げようとしたところへ、クォン氏が現れた。「何してるの?」

クォン氏「あらま!お酒をくすねたの?!」
ウォンス「違うんだ!ちょっと持って行ってやりたいところがあって」

「すぐ帰って来るから」ウォンスは駆け出した。

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ヒャンが小さな風呂敷包みを抱え、憮然として家から出て来た。「どうしてお嬢さんの着替えを?」
待っていたのはウォンスだ。

ウォンス「着替えでも持って行ってあげなきゃいけないだろう?」

「いつからそんな親切に…」ヒャンはウォンスの胸に風呂敷包みを押し付けた。

ヒャン「(酒瓶を指し)それは何です?お酒?」
ウォンス「違うぞ。お前は知らなくていい」

呆れて家に戻ろうとしたヒャンをウォンスが呼び止める。「子どもたちは元気なのか?」

ヒャン「気になるならご自分で訊けばいいじゃないですか!」

ぷいと背を向け、ヒャンは家に入っていった。

ウォンス「自分の家なのに入ることも出来ないなんてな…。父親業も出来ずに…」

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すっかり夜になっても、サイムダンは御真影制作に没頭していた。
すでに中宗は退室している。
下書きの上から、彼女は龍袍の細かい文様にひたすら細筆で墨を入れた。

ふと気配を感じ、彼女はハッとして顔を上げた。
いつからそこにいたのだろう、キョムがじっと自分を見つめていたのだ。
驚く彼女に、キョムは優しく微笑んだ。「少しだけ時間をくれますか」

サイムダン「…?」

キョムは手にぶら下げた重箱の風呂敷包みを掲げて見せた。

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ここでエンディングです。
変なところで終わりましたね^^;
翻訳が一向に進まないまま、本放送からどんどん引き離されていきます…(涙)

 - サイムダン(師任堂)色の日記

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