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師任堂(サイムダン)、色の日記12話あらすじ&日本語訳~前編

   

イ・ヨンエ、ソン・スンホン主演SBSドラマ『師任堂(サイムダン)、色の日記』12話をセリフの翻訳を交えながら詳しくご紹介していきますね。

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「宜城君が?」夜更けに突然キョムが訪ねてきたと聞き、サイムダンの母イ氏は不安を露わにした。

下女タム「今すぐお話ししたいことがあるとおっしゃるんですが、どうしましょう」
サイムダン母「…。」
タム「一体何事なのか、漢陽から駆けつけたようです。目つきがギラギラしていて…」
サイムダン母「…。」
タム「あの…ひょっとして、サイムダンお嬢様のことを知っていらしたんじゃありませんか?」

「これ!」サイムダンの母は厳しくたしなめる。

サイムダン母「…。」

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「それはどういうことだ?宜城君が鳥竹軒に?」軒轅庄にいるキョムの大伯母の元にも知らせが届いていた。

執事「20年前のことでお話したいことがあると、頑として居座っておられるそうです」

大伯母は大きく一つ溜息をつき、覚悟を決めた。「連れて来なさい」

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軒轅庄からすぐに執事がキョムの元へやって来た。「若様。行きましょう」
執事の声にも、キョムはじっと目を閉じたまま、動くことはない。「帰ってくれ」

執事「20年前、シン進士様がお亡くなりになる直前、手紙を送っていらしたのです」

「…。」キョムが静かに目を開いた。

執事「大伯母様に私がお渡ししました」
キョム「どういうことだ?手紙とは」
執事「行きましょう。全て話してくださるはずです」
キョム「…。」

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キョムの大伯母は再びあの手紙を開いた。

『子どもたちの婚談があるにも関わらず、いつも近くにいらっしゃるからと、ご挨拶の一つもまともに出来ませんでした。
本日、次女は別の相手と婚礼を挙げることとなりました。
事前に何の便りもなく、この知らせを聞くことになり、困惑なさることでしょう。
しかし、これが宜城君と我が娘を守るため、最善の選択であることを、どうか察していただけますよう願います。
軒轅庄の大奥様に詳しい事情を明かせず申し訳ありません。
宜城君がこの件について深く知ることのないよう、お願い申し上げます。
それが宜城君の将来に害を及ぼさずに済む唯一の道だと信じる、私たち夫婦と次女の切実なお願いです。
軒轅庄の平安を今一度お祈り申し上げます』

手紙を閉じ、もう一度深く溜息をつく。
ちょうどそこへキョムが顔を見せた。「教えてください」

キョム「大伯母様が受け取った手紙は、どんな内容だったのですか」
大伯母「無作法な奴め。皆が寝静まっている夜更けに何という狼藉か!」
キョム「真実を話してほしいのです!」
大伯母「今更そんなことを聞いてどうする?20年前のことだ。今は他の家と婚礼を挙げ、息子、娘を次々に産み幸せに暮らしている女性なのだ」
キョム「幸せに暮らしている?天才少女と呼ばれた画家でした。しがない男の妻となり、炊事、洗濯、野良仕事に、紙を造る力仕事までしているのです!通りで直売までしたんですから!あんなふうに生きるべき人ではありません!」
大伯母「…。」
キョム「どれほど美しく光り輝いていた女性だったか、よくご存知ではありませんか」
大伯母「…愚かな奴だ。お前の軽挙暴動が、サイムダンを死に追いやるかもしれないと、推し量ることもできぬか?」
キョム「?」
大伯母「過去のことを掘り返そうとすればするほど、サイムダンもお前も危険に陥るのだ。だから、何も知ろうとしてはならぬ」
キョム「それは…どういう意味ですか?」

「…。」大伯母は頑なに顔をそむける。

キョム「全ての出来事の背後に、殿下が授けられた詩があるのですか?」
大伯母「!」
キョム「そうなのですか?」
大伯母「…。」
キョム「殿下は本当にそんな御方だったのですか?自分が授けた詩を取り戻すために、罪もない人を!」
大伯母「やめなさい」

「直接伺います。大伯母様が教えてくださらないならば」キョムは立ち上がろうとした。

大伯母「サイムダンも…その詩を見たのであろう」
キョム「!」
大伯母「その詩を見た人のうち、唯一生き残っている人。それがサイムダンなのだ」
キョム「それは… どういう意味ですか?」
大伯母「生き残った者がいると知れば、その瞬間、殿下は最も残忍な存在となる。もしお前があの日サイムダンと婚礼を挙げたとしたら…お前とて無事では済まなかったはずだ」
キョム「!!!」
大伯母「権力とはそれほど残酷なものなのだ」
キョム「殿下が…?」

「シン進士もサイムダンも、分別のある選択をしてくれたということ」そう言って、大伯母は頷いた。

キョム「全て知っていながら、どうして私に一言も…!」
大伯母「事情を知れば、お前がじっとしていたはずはない。血気盛んなお前は宮廷まで押しかけて大騒ぎしたのではないか?もしそうであれば、今、お前は命があると思うか?」
キョム「…。」
大伯母「肝に銘じなさい。絶対に殿下を敵に回してはならぬ。それが、お前の大事に思うサイムダンを守る唯一の道だ」
キョム「…。」
大伯母「いっそのこと以前のように生きなさい。過ぎたことは全て水に流し、雲を友に流浪して生きるのだ」

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川の畔で馬を下り、キョムは穏やかな水面を眺めた。
何も知らずに過ぎ去った20年を思い、彼は愕然と膝を落とす。
大粒の涙がとめどなくこぼれ落ちた。「サイムダン…!!!」

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「これじゃないんだが…」見本に持ってきた紙を撫で、パルボン爺が顔を曇らせた。

サイムダン「どこが違うんです?」
パルボン「高麗紙はもっと柔らかくないと」
大将「それが最高級の高麗紙だって言ってたぞ」
男「1枚で3両も払ったんですよ!」
パルボン「はっきりこれだとは言えません」
サイムダン「どういうことです?」
パルボン「雲平寺の高麗紙と似てはいますが、随分違います」

パルボンはそう話しながら、紙を日光にかざす。「紙の組織が細かくて一定だから、光が透過して光沢が出ないといけないんですが、微妙に違います」

パルボン「雲平寺の高麗紙に一度触ることさえできれば、見よう見まねで覚えた方法を思い起こして、何とか造れそうなんですが」
女「お爺さん、それじゃ無理だってことですか?」

「こんな紙に3両も払ったの?」「でも俺はクッパを食べたいから1両にしようって」「ちゃんと調べて買えよ」周囲で皆がこぼし始めた。

「…。」サイムダンは落ち着いて記憶を辿る。
お父様が使っていたあの紙…!
ひょっとして…?

サイムダン「少し家に戻ってきますね」

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家に駆け戻ると、サイムダンはしまい込んであった木箱を開けた。
その奥から、隠してあった父の直筆の詩を取り出す。
ヒョンリョンが見つけた後、結局焼いてしまうことができなかったのだ。

紙を広げると、サイムダンは紙にそっと指を這わせ、意識を集中させた。「…。」

「!」雲平寺を訪れた時、紙を造っている現場に積まれていたのは、この紙に違いない。「これだわ!雲平寺の高麗紙」

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白紙の部分を切り取り、サイムダンはその紙を工房へ持ち帰った。
パルボンは紙をしばらく熱心に触ると、顔を上げる。「雲平寺の高麗紙です!」

サイムダン「(頷く)その通り。雲平寺の高麗紙です」
パルボン「そうです。雲平寺の高麗紙に違いありません」
サイムダン「一級の紙店で1枚3両もする紙より、この雲平寺の高麗紙がはるかに良くないかしら」
パルボン「良いも何も。こういう高麗紙を造ることさえできれば、いくらでも言い値で売れます」

「わぁ!」皆が歓声を上げた。「俺たち稼げるんですか?」「前より稼げるさ!」

サイムダン「私たちにだって造れないわけはないわ。今まで紙を造って来たのですから。その努力に、天が私たちに贈り物をくださったのです」

皆がうんうんと頷く。

#大将が嬉しそうなのがいいよね^^

サイムダン「皆で力を合わせて、黄金のように変わらず長持ちする高麗紙を何としても再現しましょう」

「やりましょう!」サイムダンの掛け声に、皆が続いた。「やりましょう!」

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中宗が大臣たちを伴い、執務室へやって来た。
ある役職が任期満了で解任となるのだ。

中宗「後任は誰がよいか、皆で推薦を」

領議政が咳払いをし、前へ進み出た。「吏曹参議ミン・チヒョンを推薦します」

中宗「ミン・チヒョン?」
領議政「ミン・チヒョンは過去に平昌の県令を務めたことがあり、あちらの実情に詳しいので、彼より適任者はいないでしょう。それに、正三品から正二品への昇級になりますから、聞こえも悪くありません」
中宗「左相と右相はどうお考えかな?」

「…。」二人が躊躇していると、領議政が振り返り、二人をジロリと見た。

左相「ふさわしい人物ですし、的確な案配だと思われます」
右相「ですが、吏曹でミン・チヒョンが担っていた役割は大きく、まだ進行中の業務もあります。引き継ぐ時間をいただきませんと…」
領議政「ミン・チヒョンがいないと朝廷が回らないわけじゃありますまい。朝廷は臣下一人が牛耳るものじゃありませんよ」
右相「…。」

大臣たちを窺いながら、中宗はゆっくりと考えを巡らせる。

領議政「そうではありませんか?殿下」

「ははは」中宗は余裕たっぷりに笑ってみせた。「領相大監のおっしゃる通りですよ」

中宗「だが、ミン・チヒョンについては少し考えましょう」
領議政「…。」
中宗「もっと良い人物が出てくるかもしれない」

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「ミン・チヒョンと領相…」中宗は自室で嘲笑を浮かべた。

中宗「欲深い者は小さな利得一つを巡って時には狼となり毒蛇となり、お互いに噛み付くものだ」
内禁衛将「…。」
中宗「今後、キョムがあやつらの間で絶妙な”分銅(ふんどう)”となってくれるはずだ。余はあやつらが互いに食いちぎるのを黙って見ていよう」

「それも面白そうではないか」そう言って内禁衛将を振り返る。

内禁衛将「…。」
中宗「尚膳、明日は比翼堂にでも行ってみよう。キョムに会いにな」

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中宗は身分を伏せ、平服で比翼堂を訪れた。
あちらこちらで思い思いに活動をする芸術家たちを見て回る。
「初試も目前なのに、そんな本を読んでどうなる?」男の声が耳に入った。

男「官位なんて。出世する奴はするが、駄目な奴は駄目だよ」
男「いっそのこと一生芸術でも楽しみながらのんびり暮らそうか」
男「スズメの涙ほどの禄じゃ家族を養うのも難しいから、賄賂を貰って暮らすしかありませんよ」
男「チッ、だから宜城君の支援を受けて朝鮮芸術に花咲かせる方がマシだよ」
男「えぇ、そうですとも。殿下に身を捧げて働いたって、一瞬で首が飛ぶ世の中なんですから。キム殿の亡父もそうではないですか、己卯士禍のときに。生涯、殿下のそばで務めたのに、結局は死罪になったではありませんか」

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中宗は苛立った様子で庭へ出て来た。
そこへ慌てて掛けてきたのは、キョムの従弟、フだ。「殿下!」

従弟「申し訳ございません。前もって知らせをいただければ…」
中宗「構わぬ。この自由な雰囲気を余が壊す必要はない。宜城君は?」
従弟「それが… 昨日出掛けたまま、まだ戻っておりません」
中宗「何と!」
従弟「どこかへ行くときは必ず言って出掛けるんですが」
中宗「いつ戻るかもわからないのか」
従弟「申し訳ございません!殿下」

「ひとときも余のそばを離れるなと家を与えたものを!一体どこをうろついているのだ?」中宗は怒りを露わにした。

中宗「行くぞ。無駄足だった」

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桶の水に浸した紙の原料を、サイムダンは素足で丹念に踏み続けた。
「高麗紙を造ればいいのよ、雲平寺の高麗紙を」そう自分に言い聞かせながら。

#このとき↑のサイムダン、少女の頃の雰囲気があって好きです^^

「?」ふと人の気配を感じ、振り返ると、そこに立っていたのはキョムだ。「!!!」
驚く間もなく、キョムはいきなりサイムダンを強く抱きしめたのだ。「…すまない」

サイムダン「…?」
キョム「すまなかった!この長い年月… どんな思いで生きてきたのだ?」
サイムダン「!」
キョム「そなたの犠牲で私は生きてこられた。これからは私がそなたのために生きる番だ」

驚いたサイムダンが彼を押しのけ、目を丸くした。「!!!」

キョム「朝鮮で一番強い男になろう」
サイムダン「!」
キョム「そなたのために…!何の心配もせず絵だけ描いていられるように」

遠くから流民たちの帰ってくる歌声が近づいてくる。

#白雪姫の小人たちみたい。「ハイホ~♪ハイホ~♪」って^^

サイムダン「人が来ます!早く行って」

サイムダンがキョムを追いやる様子を、坂の上で静かに眺めている人影があった。
…ミン・チヒョンだ。

工房を出て、後ろ髪を引かれるように馬のところへ戻ってきたキョムは、反対側に足音を聞きつける。
暗がりの中を急ぐ役人の姿が見えた。「…?」

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急いで歩いていた役人… 捕盗庁の従事官は、先に来ていたミン・チヒョンの元へたどり着いた。「先にお越しでしたか」
チヒョンの視線の先には、紙造りに精を出すサイムダンの姿があった。

従事官「良民ばかりなので、滞納した税を払うと言った以上、捕らえておく理由がなかったのです。
チヒョン「…。」
従事官「土地と家の権利書まで出して、流民たちの保証人になると言いまして」
チヒョン「?」
従事官「その代わり、1ヶ月に滞納分を払えなければ、流民たちは全員捕まえられます。シン氏婦人までひとまとめに」
チヒョン「見当はついた。狐を捕らえる餌か、虎狩りに使う餌か…」
従事官「は?」

チヒョンは足早に工房を後にした。
去っていく彼らの後ろ姿をそっと木陰から見送ったのは… キョムだ。「…ミン・チヒョン!」

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ふたたび朝が巡ってきても、キョムは比翼堂に帰ることなく、山を彷徨っていた。
切り立った崖に立ち、遠い空を望む。
衝撃と疲労…そして葛藤が、彼の美しい顔に深い影を落としていた。

笠を目深に被った男が一人、彼の元へふらりと現れる。
内禁衛将だった。

内禁衛将「北坪村へいらしたのですか」
キョム「…地獄へ行ってきました」
内禁衛将「…。」
キョム「私とサイムダンの人生を地獄に変えたのは殿下だということが… 一番の苦しみです」
内禁衛将「地獄に変えはしましたが、殿下もまた生涯を地獄の中で生きてこられました。大君の頃には暴君燕山君のために1日たりとも安心して眠れず、即位されてからは功臣たちの脅威に怯える日々でした。いつ王位から引きずり降ろされ死ぬかもしれないという恐怖を、生涯抱いて来られたのです。政変で権力を握った勲旧派の大臣たちは、優しく慎ましい中殿媽媽まで逆賊の娘だとし、7日で宮廷から追い出しました。愛する妻まで奪われ、どのようにこの年月を生きてこられたのか、想像を絶することでしょう」
キョム「…。」
内禁衛将「殿下を敵視なさらないでください。殿下を愛せないなら、愛する振りでもなさるべきです。それが、真にシン氏婦人を守る道なのです」
キョム「…。」

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ここで区切ります。

とても良かったんですが… 大伯母様がそこまで事情を察していることに戸惑ってしまい、少し感情がついていかなかったのが正直なところです。中宗が数人に詩を授けたという噂、詩を賜った者は殺されたという話、シン進士からの手紙の内容、それだけあればまぁ察するに値しますが^^;;;

 - サイムダン(師任堂)色の日記