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師任堂(サイムダン)、色の日記9話あらすじ&日本語訳~前編

      2017/03/11

イ・ヨンエ、ソン・スンホン主演SBSドラマ『師任堂(サイムダン)、色の日記』9話をセリフの訳を交えながらご紹介します。

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「話とは?」そう言いかけて、キョムは怒りを含んだサイムダンの視線に言葉を飲み込んだ。「…。」

サイムダン「はっきり言っておきたいのです」
キョム「…どうぞ」
サイムダン「援助をうけることはできません」
キョム「何のことだかさっぱり」
サイムダン「どういう心境で援助しようとなさっているのかは知りませんが、誤解されるような行動はとりたくないのです」
キョム「私はただ、とても惜しい人材がいると教授官殿が言うから援助しただけですよ」
サイムダン「本当ですか?本当に私の子だとご存知なかったのですか」

「…。」キョムは黙って目をそらす。

サイムダン「…。」
キョム「一体何が問題なんです?四部学堂全体を支援することにしただけであって、そなたの子どもだという理由で機会を逃すなんて」
サイムダン「…。」
キョム「逆に訊こう。子どもの立場で考えてみたことは?聞くところによると実に優れた子どもらしい。勉強への意欲は人並みはずれ、中部学堂の窓の外で盗み聞きをしているのに、中にいる誰よりも実力のある子だと」
サイムダン「…。」
キョム「そんな子の将来を、ただ私とそなたの悪縁を理由に閉ざしてしまってもいいと?」
サイムダン「…至らない両親の元に生まれてしまったということです」
キョム「…。」
サイムダン「だから、これから償っていきます。私の子どもたちには… 私が」

「それでは」サイムダンが出口へ向かうのも引き止めず、キョムはやるせない溜息をついた。

サイムダン「よそに関わり合っていないで、宜城君ご自身の周辺にお気をつけください」

サイムダンがぷいと出ていく。

キョム「はぁ… ご立派だ。ご立派だよ、サイムダン。ひとつも変わってない」

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強がって帰ってきたものの、自分の事情で子どもの将来を閉ざしていいのかというキョムの言葉は、サイムダンの胸に重くのしかかっていた。
「どうすればいいのかしら」考えに耽りをしながら釜戸に薪をくべていると、そばで見ていた末っ子ウの声が聞こえてきた。「タッタッタッ」

ウ「お母様、釜戸の中に”音の木”がありますよ」
サイムダン「?」
ウ「タッタッタッ。音がします。この間、お出かけしたときに見た木です」
サイムダン「音の木?」
ウ「ぜったい”音の木”ですよ」

「音の木…」サイムダンは家族で出かけたときのことを思い出した。「楮(こうぞ)の木?」
音のする木を彼女が「楮の木」だと教えたのを聞いて、夫が「紙を作る木だ」と言ったのだった。
「!」サイムダンがふいに顔を輝かせた。「ヒャン、この薪、どこで手に入れたの?」

ヒャン「この間、荒地に行った時…」
サイムダン「!」

サイムダンはすぐさま自分たちの”荒地”へ走った。
農地にもできない、果物の実る木もない、不毛の土地だ。
でも、彼女はこれまで気づかずにいた。
そこには、楮林が広がっていたのだ。

サイムダン「紙を作って売ればいいんだわ!」

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サイムダンは、造紙職人を連れて、山中にあった作業場へやって来た。
作業場と言っても、扉は崩れ、壁や柱がかろうじてあるだけの囲いだ。

サイムダン「壁は丈夫だし、柱と垂木も少し直せばよさそうね」
職人「少しだって?全部打ち直さなきゃ駄目だぞ」

ぼやく職人の前を素通りし、サイムダンは外へ出る。「ここに紙桶(※紙の材料を溶かして溜める木の桶)を置いて、こちらに板材を並べて、型をひっくり返して水気を切ればよさそうだわ」

職人「やれやれ、そんな簡単じゃないんだってば」

「こちらへいらして」サイムダンがさらに駆け出す。
彼女は大きな釜戸を覗き込んだ。

サイムダン「釜戸や釜もそのままだから、ここで楮の木を煮ればいいわね」
職人「道具はどうするんです?紙を作るのはままごと遊びじゃないぞ!」

サイムダンはニッコリ微笑み、ヒャンに合図をした。

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比翼堂では、キョムが大勢の見物人に囲まれ、一心に筆を走らせていた。
「誤解される行動は取りたくない」彼の頭の中もまた、サイムダンの言葉が渦巻くばかりだ。

書き上げた絵に歓声が上がると、キョムはするりと人だかりを抜けた。

従弟「従兄様、今日も素晴らしい!一杯やりましょうよ」
キョム「お前は好きなだけ飲め。私はもうボロボロだ」
従弟「今度はどうしたんです?気分が上がったり下がったり」

悶々としてキョムは従弟を振り返った。「知り合いの話なんだが」

従弟「誰です?」
キョム「前に話した、例の… 私の知り合いで、昔別れた女性がいるという…」
従弟「以前おっしゃっていた?」
キョム「あぁ。その人が最近その女性に会ったんだが、とても不憫な暮らしをしていると言うんだ。それで密かに援助した。だが、女性がそれを知って怒ったって言うじゃないか」
従弟「それで?」
キョム「その反応は酷すぎないか?ん?なんとも思ってないのになぜ怒るんだよ!生活が苦しければ受け取ればいいじゃないか」
従弟「わかりやすいですね、従兄様の知り合いって方」
キョム「え?」
従弟「よっぽど恩に着せたんでしょう、従兄様みたいに」
キョム「違うぞ!私は決して…!」

ムキになって否定してしまい、キョムはハッとして口を押さえる。

従弟「お?違うんですか?」
キョム「…とにかく、そんなんじゃないんだ。すごく親切な人で、本当に何とも思ってないんだって。生活が苦しくて、子どもたちまで大勢いるし」
従弟「子どもたち?!何人いるんです?」
キョム「…二人かな?」
従弟「二人?!」
キョム「いや、三人?いやいや、四人だ」
従弟「四人?!そりゃ下心なんてないに決まってる!」
キョム「そうだろ!」
従弟「そりゃそうですよ」
キョム「だから言ってるんだ!」
従弟「(勢いづいて)私だって…」
キョム「私だって?」
従弟「…そういう意味じゃなくて」

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ヒャンが持ってきた道具を、職人は覗き込んだ。

ヒャン「紙を造るには灰汁を取ることが大事だと聞いて、壺の底に穴を空けてみました」
職人「穴を空けただけでどうする?カスがそのまま出てしまうだろ」

サイムダンがここぞと布を広げる。「不純物を濾すために、綿で網袋を作ってみたわ」

職人「まともな道具は何一つないな」

サイムダンは慌てて他の道具を次々に見せた。「これが樹皮包丁、ほら、これもあるわ。竹笊も」

職人「待った、待った」
サイムダン「…。」
職人「ふざけるな!!!」
サイムダン「!」
職人「ままごと遊びじゃないんだよ。こんな道具じゃどうしようもない。紙は何と言っても簾だ、簾。紙匠の手にしっくり馴染む竹の簾!」

サイムダンは職人の顔の前でパンと手を叩いた。「まさにぴったりの簾があるわ」
隣でヒャンが簾を広げて見せる。

サイムダン「鳥竹で作った簾よ。江陵の北坪村から持ってきたのだけれど、これくらい目が詰まっていれば十分じゃないかしら」

「…。」簾には文句が言えず、それでも気に食わなくて、職人は積み上げられた他の道具を指した。「わしにこんなつまらん台所道具で紙を作れって?」

職人「わしは造紙署の紙匠だったんだぞ!女どもが甘く見やがって」
ヒャン「聞き捨てなりませんね。何です?女は紙を作っちゃいけないって法に書いてあるんですか!」
職人「(耳を押さえ)うるさい。こんなところじゃ仕事できんから、よそをあたってくれ」

サイムダンが職人の腕をぎゅっと掴む。「初めてだから至らないところも多いわ」

サイムダン「悪いところがあれば、どこが悪いのか事細かく言ってくださいな。すぐに直すわ」

美人だなぁ…。すがるように見つめるサイムダンに、職人は思わず見とれ、ハッと気を取り直す。

職人「すぐ直すだなんて、そこからしてなっとらん。(積まれた道具を指差し)これを全部すぐ直すって?」
サイムダン「…。」
職人「紙造りをどこまで舐めてるんだか。ワシは前後の見境いもつかん女と仕事はできん!」

「やらんぞ!」職人が背を向ける。

サイムダン「利益は折半にしましょう」
職人「!」
ヒャン「お嬢様!」
サイムダン「約束するわ。収益は等しく分けると」

「…。」職人が静かに振り返った。「楮の木は?」

職人「楮の木はちゃんと確保できた上でのことかい?」

サイムダンはニッコリと微笑んだ。

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制服に身を包み、ヒョンリョンは中部学堂へやって来た。
「よぉ!」門を入ったところで、同じく新入生のテリョンが彼を呼び止める。

ヒョンリョン「わぁ!会えて嬉しいよ!」
テリョン「僕も!君、名前は?」
ヒョンリョン「僕、ヒョンリョン。イ・ヒョンリョンだよ」
テリョン「あぁ。僕は…」
ヒョンリョン「テリョン!チャン・テリョンだろ?」
テリョン「何で知ってるの?」
ヒョンリョン「ちゃんと覚えてるよ」

二人は連れ立って駆け出した。

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「ふむ」講義室の窓辺で、キョムはのんびりと目を閉じる。「これは風鈴の音か、風の音か」
彼の背後で、生徒たちが困ったように顔を見合わせる。

キョム「心を空にしろと言ったのだ。雑談をしろと言ったのではない」

中央の席で一人の生徒が本を開いた。ミン・チヒョン長男、ミン・チギュンだ。

キョム「本も閉じろと言ったぞ」

チギュンは溜息をつき、本を乱雑に閉じる。

ミン・チギュン「先生、論語の時間です」

※ここ、テロップが思い切り間違えてますね(笑)コピペで作ってるとよくやりがちな間違い。

ミン・チギュン「今日で里仁篇を終える予定になっているんです」
キョム「そんなものを学んで何の役に立つ?」
チギュン「え?」
キョム「何のために学ぶのだ?」
チギュン「国の力になれる立派な人になるために学ぶのです」
キョム「立派な人とな。よかろう、立派な人とはどんな人だ?」
チギュン「…。」

「教えてください」口を開いたのは、チギュンの後ろの席の子どもだ。「どんな人が立派なのですか?」
「そうです。僕たちを教えにいらしたんでしょう?」また別の子どもが続く。
キョムは軽やかに笑った。「先生というのはただ教えるだけだと思うか?」

キョム「お前たちの心の中に答えはある。それに自ら気づくよう手伝ってやること、それもまた先生の役割だ。私はお前たちが自ら答えを見つけるまで、何も教えるつもりはない」

そう言って、キョムは再び子どもたちに背を向け、目を閉じる。

チギュン「立派な人とは、もちろん孔子様です」
キョム「(知らんぷり)」

「ただ…」ヒョンリョンが口を開いた。「僕の心の中にある答えを言えばいいんですよね?」
キョムが振り返る。「正解があるわけではない。好きなように答えてみなさい」

ヒョンリョン「(ニッコリ)僕のお母様です」
キョム「…。」
ヒョンリョン「僕はお母様がこの世で一番立派だと思います」
キョム「なぜそう思う?」
ヒョンリョン「お母様は、辛くてもその状況の中で最善の選択をしなさいと教えてくださいました。漢陽へ来てから辛いことがたくさんありましたが、毎回最善の選択をなさって乗り越えたのです。お母様は強くもあり、とても優しい方です」

「僕も…」畳み掛けたのはテリョンだ。「お母様を一番尊敬しています」

テリョン「食べ物にかけてはこの世の誰よりも聡明な方です」

皆が楽しげに笑った。

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講義が終わる時間。
学堂の門前に、母親たちが迎えに集まっていた。

ソ氏「母親会の日でもないのに、なぜこう大勢集まっておいでなんです?とびきりお洒落して」
母親1「自分のことを棚に上げて。そういうウォヌのお母様(※ソ氏)こそ今日はどうなさいました?お化粧も服装も尋常ではありませんわ」
ソ氏「あとで大事な集まりがありましてね。ところでチャンゴのお母様?」
母親1「はい?」
ソ氏「口紅が濃いわ。肌の色と合わないわね、浮いちゃって」
母親1「やだ!」

「お母様」子どもたちが出てくる。

ソ氏「今日はどうだった?宜城君様の授業はどうだったの?」

「知らない」子どもはぷいと歩き出した。
と同時に、当の宜城君、キョムが出てくると、母親たちは子どもそっちのけでキョムを迎えた。

ソ氏「あら、ご機嫌いかがです?宜城君様」
キョム「あはは」
母親1「ご苦労様でございました」
母親2「むさ苦しいところでご不便がなかったかどうか…」
キョム「不便なことなどありませんよ。ただ私の教育方針は少々大胆かつ奔放でして、子どもたちが戸惑っていることでしょう。全て意図があってのことなのですが、母親会の皆様がどう思われるか、それが心配ですね」
ソ氏「まぁ!心配だなんて!大胆、奔放。なんて的を射た教育方針なのかしら!」
キョム「ははは。恐縮です」
ソ氏「あの… 母親会を比翼堂で行うのはいつ頃に?」
キョム「あぁ、準備しております。後ほどお知らせしましょう」

母親たちは嬉しそうに顔を見合わせる。「それではまた」
背を向けた母親たちに、キョムの声が飛んだ。「本日はお母様方…」

母親たち「?」
キョム「大変お美しうございますね」
母親たち「あら♥」「あら♥」「あら♥」「あら♥」「あら♥」

母親たちを見送ると、キョムはふぅっと溜息をつく。
と、そこへヒョンリョンが一人で出て来た。「これから帰るのか」

ヒョンリョン「はい。さようなら(ペコリ)」

「一人で帰るのか?」キョムは周囲を見渡した。

ヒョンリョン「あ… お母様は今お忙しいんです。最近新しい仕事を始められたので」
キョム「新しい仕事?」
ヒョンリョン「はい」

キョムが「どんな」と聞こうとしたのと同時に、ヒョンリョンは元気にお辞儀をした。「さようなら」
ヒョンリョンが去っていくと入れ替わりに、教授官が出て来る。「依然として暮らし向きは厳しいようだ」

教授官「初授業に紙一枚準備できずに来ていた」
キョム「…。」
教授官「どうだ?教師業は。やりがいがあるか?」
キョム「まぁな」

「子どもに何十年も経った古本一冊ぶら下げて寄越して…」キョムがぶつぶつとぼやく。「自分はチラリとも顔を見せないで」

教授官「…誰のことだ?」

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「さっさと歩けって!だから女と仕事はできねぇって言ってんだ」当のサイムダンは、紙を造るため、職人の後について必死だ。
集めた楮の枝をたっぷり背中に背負い、山道を歩く。

ヒャン「女、女って…。お嬢様、漢陽に来れば運が開けると思ったのに、何なんですか、これ…」
サイムダン「(笑)」
ヒャン「(声を潜めて)ところで、あの人、本当に造紙署の出身なんですか?」
サイムダン「不動産商に紹介してもらったんだけど、悪い人じゃなさそうだわ」
ヒャン「お嬢様に悪い人がわかるのかどうか」

「やれやれ、腰が痛い」職人が唄う。「濁り酒が飲めりゃ最高なんだがなぁ」

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キョムが比翼堂へ戻ってきた。

従弟「中部学堂の授業は大丈夫でしたか?」
キョム「子どもたちは一日じゅう四書三経ばかり読んでいるんだ。遊びたい年頃なのに」
従弟「どこもそうでしょうね」
キョム「あぁ… ちょっと調べてほしい人がいる」
従弟「誰です?」

「…。」キョムは小さく咳払いをすると、従弟の耳元に囁いた。

従弟「あぁ!それってひょっとして、子どもが4人いる、例の!」
キョム「シー!うるさい」
従弟「…。」
キョム「とにかく、その婦人がどこで何をしているのか調べろ」

去っていくキョムを眺め、従弟は首を傾げた。「まだ何かあるのか?」

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「そこまで気にするなんて、あの婦人は一体誰なんだ?」文句を言いながら、従弟は山道を歩いた。

従弟「あぁー!こんな山の中に何があるんだよ!はぁ、しんどい」

叫んだところへ、彼はハッと目を凝らした。「あるにはあるなぁ」

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サイムダンとヒャンは、運んできた楮の木の皮を懸命に剥き続けた。
「女二人で何ができるってんだ」職人はのんびり眺めながら、ほぅと声を上げる。「上手い上手い」

職人「(ヒャンを見て)力任せにやっちゃいかん。優しくな」
ヒャン「やってますよ。自分でやればいいのに」
職人「生意気な」

はぎ終わると、川へ行って綺麗に洗う。
それを持って帰って来ると、今度は台の上で叩き、鉢に入れて潰すのだ。

職人「(酒を飲みながら)叩け~!両班の奴らの尻っぺただと思って叩け~!そうだそうだ、上手いぞ」

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報告を聞きながら、キョムは中庭の池に小石を放り込む。「それで?」

キョム「その工房ってのは家から近いのか?」
従弟「工房なんてもんじゃないですよ。山の奥深い崩れかけの家に、道具をいくつか持ってきただけなんですから。美しいご婦人が下女一人連れて力仕事してましたよ」

「…。」キョムがもう一つ小石を池へ投げる。

従弟「どこかで紙匠を一人見つけてきたみたいですけど、飲んだくれで有名らしいです」
キョム「飲んだくれ?」
従弟「造紙署の出身だって吹聴して回ってるそうですけど、詐欺に等しいって。それでまともな紙ができるわけないでしょう」

「…。」キョムは苛立ちを募らせた。

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翌日。

フィウム堂もまた、サイムダンが紙を造っていると聞きつけ、偵察に来ていた。
泥だらけになりながらせっせと働いているサイムダンの姿は、彼女の目にどう映ったのだろうか。

フィウム堂(心の声)「あんたが紙を造るって?たかがそんな紙で絵でも描くつもり?」

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その後もフィウム堂は執事にサイムダンの動向を調べさせた。

執事「あの婦人が絵を描いているという噂は、どこからも聞こえてきません」
フィウム堂「絵は描いていないと…?」

フィウム堂はニヤリと微笑む。「そうなのね」

#ちょっとよくわからないシーンですね。

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全国の紙商が会議に集まっていた。
取り仕切るフィウム堂が登場すると、彼らは一斉に頭を下げ、腰を下ろした。

執事(司会役)「近頃、我々の紙市場を密かに探っている者がいるようだ。万が一、裏取引をしたり、基盤のない地方から紙の納品を受けたのが発覚したら、そのときは…」
フィウム堂「漢陽はもちろんのこと、全国どこにも店を開けぬようにするわ!」

「肝に銘じます」商人たちが声を揃えた。

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キョムは、イム・コッチョンから報告を受けていた。

コッチョン「造紙市場の主人はただの見せ掛けで、実際はミン・チヒョンの妻が牛耳ってるそうですよ」
キョム「そうか」
コッチョン「えぇ。両班宅の奥方が頭領だなんて奇妙ではあるけど、その夫人について奇妙なのは一つや二つじゃありません」

夫のミン・チヒョンに少しでも色目を使った下女は、ひどい折檻をした上で売り飛ばす、そんな冷酷さも伝わっていた。

コッチョン「周りに親戚の一人もいない、孤立無援だって噂もあるし、(声を潜め)平昌出身の奴婢から聞いた話なんですがね、本妻は別にいるって」
キョム「本妻じゃないってことか」
コッチョン「噂ですけどね」

キョムは金をひと掴み卓に出す。「これで皆に飯でも食わせてやってくれ」

コッチョン「今度お会いする時にはもっとでかいネタを持ってきますよ」

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飲んだくれ紙匠はいつになく真剣な顔だ。
枠を水平に液から上げると、うすく張った紙の膜を、両手で端から慎重にめくる。「これが芸術ってやつだ」
出来上がった紙が枠から剥がされていくにつれ、後ろで見守っていたサイムダンとヒャンが歓声を上げた。「わぁ!」

サイムダンが初めて自ら紙を造り上げたのだ。

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さて、科挙の勉強のため山ごもりを始めたウォンスはと言うと…
妻恋しさにちっとも勉強は進まない。
熱心に書き綴っているのは、妻を想う詩ばかりだ。

ウォンス「”至誠感妻”。真心を尽くせば妻も感動する。うふ♪他に何があるかな?”妻下泰平”。妻の下にいるのが一番平穏だ。”苦盡妻来”。辛い時期が過ぎれば、妻が会いに来る」

「本当に♪」ウォンスが窓をくるりと振り返る。
「夫人♪」思い余って窓を開けてみると、冷たい風が一気に吹き込んだ。「…。」
「夫人どころか蟻ん子一匹いない」彼は窓を閉め、ゴロンと横になる。

ウォンス「ふふ♪ 末っ子は元気にしているかなぁ。あは~会いたい!(文句を言う長男を思い出し)ソンは最近えらく尖ってきたな。あいつは心配だ。(長女を思い出し)手紙を書くと言ってたのに、何の便りも来ないぞ」

「ヒョンリョン…」そう言って真顔で起き上がる。「ちゃんと中部学堂へ通っているだろうか」

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中部学堂の庭の木を軽々と駆け上がったキョムに、子どもたちがわぁと歓声を上げた。
「気持ちいいぞ」キョムは木の上から遠くを眺め、ふと下の子どもたちを見下ろした。「ここから見るとテリョンが痩せてみえる」

テリョン「本当ですか!」

皆の無邪気な笑い声が響く。
「本当だとも」そう言って笑い、キョムは改めて目下に広がる風景を見渡した。「木の上に登ってみれば、全てが違って見える」

「僕も登ってみたいです!」ヒョンリョンが手を上げると、「僕も」「僕も」と他の子どもたちが続く。

キョム「そうか?ならばお互い助け合って登ってみろ」

「はい!」元気な声と共に、皆一斉に木にしがみついた。

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「もう学堂へは行きません」家に帰ったチギュンが母のフィウム堂に訴えた。

フィウム堂「何かあったの?」
チギュン「教えもしないで自分たちで考えろという先生に、紙の一枚も持ってこられない新入り。とうてい通う気になれません」
フィウム堂「何も教えない先生?」
チギュン「宜城君という新しく来られた方です。殿下が大事になさっている王族で、学堂から追い出すことはできないだろうから、私がやめることにしたのです」
フィウム堂「テリョンという子はどうだったの?」
チギュン「新しく入った豚みたいなウスノロのことですか」

「仲間相手に何ということを!」フィウム堂が叱りつける。

チギュン「仲間だなんて!誰彼なく仲間にしてはいけないとおっしゃったのはお母様です」
フィウム堂「!」

親の背中をしっかり見て育っている息子を前に、フィウム堂はギクリと目を見開いた。

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ここで区切ります。

手がかじかんでいるせいで、見直すと今回かなりタイピングミスが。
見落としてるところがあるかもしれないので、「あれ?意味不明」と思ったらソレです。
すみません^^;;;

 - サイムダン(師任堂)色の日記