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師任堂(サイムダン)、色の日記6話あらすじ&日本語訳~前編

      2017/02/19

イ・ヨンエ、ソン・スンホン主演SBSドラマ『師任堂(サイムダン)、色の日記』6話をセリフの訳を交えながらご紹介します。

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キョムが強く掴んだ手を、しばらく歩いたところでサイムダンは思い切り振り払った。

キョム「こんなことがあるか?あんな別れ方をしたなら、幸せに暮らせばいいものを!」
サイムダン「大声を出さないでください!酔っていらっしゃるんですね」

「お帰りください」背を向けようとしたサイムダンの腕を、キョムが無理やり掴んだ。「別れにも礼儀がある」

キョム「求婚状を出し、生涯を共にすると約束した仲だった。どうして… どうしてたった一言の弁明もなく他の男の妻になれる?言ってくれ。言ってくれないか!」
サイムダン「全てつまらぬことです。今更何が変わるのですか」
キョム「…つまらぬこと?そなたにはこの時間が無駄だったと?」

「…。」言葉がなく、サイムダンは目をそらす。

キョム「私は20年一瞬たりとも忘れたことなどなかった。忘れられるものか!そなたの記憶はそれほど便利に消せるものなのか?私たちが交わしたあの時間、幸せ、思い出、約束は!」
サイムダン「…。」

頑なに視線をそらすサイムダンに、キョムは虚しくその手を放した。

キョム「20年という時間も、そなたを消すことはできなかった。酒に溺れ、絵も捨て、放蕩者だと後ろ指をさされながら、思いつく憂さ晴らしは全部やった。それでも!」

キョムは顔を歪ませ、胸に手をやる。「そなたはずっとここに…ここにいるのだ」

サイムダン「…。」
キョム「一体どんな甲斐性のない男なのだ?妻子をあんな家に追いやるとは!」
サイムダン「軽々しくおっしゃらないでください。子どもたちの父親であり、私の夫なのです」
キョム「…なぜそんなに堂々としていられる?」
サイムダン「少なくとも私は自分の生活に責任を持っています。あなたのように人生を無駄に過ごしてはいません」
キョム「…。」
サイムダン「本当に… 本当に私が辛いのは何だかお分かりですか?」
キョム「…?」
サイムダン「20年前、私があれほど愛した才気あふれる青年は、もうすっかり消えてしまったようです。あの輝かしかった時間は、本当にあったのかどうか…それが悲しく、侘しい限りです」
キョム「…。」
サイムダン「甲斐性がないとおっしゃいましたね。私の目には、まさにあなたがそう見えます」

足早に立ち去るサイムダンを、キョムは引き止めることができなかった。「…。」

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家に戻り、寝る支度を整えると、サイムダンはもう一度外を確かめた。
そこには誰もいない。

「…。」彼女は力が抜け落ちたかのように、そこへ座り込む。
固く封じ込めてきた悲しみが、扉を突き破って溢れてきたかのように感じられた。

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あばら家での暮らしは一向に変わらなかった。

ある日。

「漢陽に来たらいい暮らしができると思ったのに…」長男がぼやきながら戻ってくる。
彼の苛立ちは本を読んでいる弟に向かった。「静かにしろ!」

「…。」洗濯をしていたサイムダンが立ち上がる。「皆、集まりなさい。話があるの」
長男と次男も、面白くなさそうに立ち上がり、庭に出た。

サイムダン「やはりここが私たちの家ということになりそうだわ」
長男「嫌です!こんなみすぼらしい家で一日だって暮らしたくありません。今すぐ北坪村に帰りましょう」
長女「そうですよ、お母様」
サイムダン「ヒョンリョン(次男)も同じ意見なの?」
次男「本さえたくさんあれば構わないけど… それでも北坪村の方がいいです」
サイムダン「北坪村の実家は、墓地の管理をする代わりにアンドンの伯母さんに分財されたの。お前たちも知っているでしょう。もう私たちの家はここなのよ」
一同「…。」
サイムダン「でも、落ち込んではいけないわ。これには私たちのまだ気づいていない何か意味があるかもしれない」
長男「どんな意味なのかさっぱりわかりません!知りたくもないし!」
サイムダン「引っ越して来た日のことを思い出してみなさい。雨を避ける場所さえなくて、どんなに困っていたか。皆、覚えているでしょう?」
長女「あのとき、本当に天が崩れるかと思いました」

「そうね」サイムダンが優しく微笑む。「私もそうだったわ」

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キョムは筆と戦っていた。
筆を持つ手が震えて思うようにならず、ついには怒りがこみ上げて全て放り出す。
もう何日も何も食べず、そうやってただ心身をすり減らしていたのだ。
20年前あれほど愛した青年は消えてしまった… サイムダンの言葉が彼の心に重くのしかかっていた。

「20年前の青年はどこ行ったというのだ…?」キョムは虚しく笑う。「才気などあったのかどうか」
彼は自分の手を見つめた。「この手がどんな絵を描いたのか、思い出せもしない」

キョム「一体私にどうしろと?」

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憔悴しきった姿でふらりと外へ出ると、キョムの足はサイムダンの元へ向かっていた。
気持ちよく晴れた午後。
庭でじゃれ合う子どもたちに「気をつけなさい」と声を掛け、楽しそうに笑っているサイムダンの姿が見える。

キョム「…。」

黙ってそこを通り過ぎると、池のほとりの木に繋がれていた犬を見て、キョムはふと足を止めた。
犬の親子だ。
寄り添っている親子に手を伸ばし、キョムは思わず顔を綻ばせる。
それはいつしか、サイムダン親子の仲睦まじい姿に重なっていた。

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陽が傾くと、サイムダンの家では夕飯の準備が始まっていた。
「ごめんください」男性が訪れる。

ヒャン「どちらさまですか?」
男性「安國坊から来ました。これを奥様にお渡しするようにと」

ヒャンがサイムダンを呼ぶ。「お嬢様、安國坊から品が届いていますけど」

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届けられた絵を開いてみて、サイムダンは目を潤ませた。「!」

サイムダン(心の声)「あの人が蘇ったわ。あの人の画才は生きている!」

絵をそばに置き、サイムダンは詩をしたためる。

遅日江山麗
春風花草香

翳った陽射しに江山は麗しく
風がそよぎ 草花の香りを届ける

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届いた詩に、キョムは続きを書き加えた。

泥融飛燕子
沙暖睡狗子

泥を咥え 燕は忙しく飛び回り
暖かな砂の上で 子犬が眠りに落ちる

~~~~現代編~~~~

ジユンは息子ウンスを連れ、イ・ギョムの『母犬画』を前にしていた。

ジユン「どう?」
ウンス「暖かい」

ジユンは息子の頭をなで、一緒に眺める。

ジユン「ウンス、私たち、今の町に思ったより長く住むことになるかもしれないわ。大丈夫?」
ウンス「うん」
ジユン「どうせ住まなきゃいけないなら、楽しく暮らしたいの。ウンスと一緒にいい思い出たくさん作って」
ウンス「僕も」
ジユン「お母さん、ウンスさえいてくれればいいわ」

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帰り道の商店街で、ジユン親子はある塗装屋で立ち止まった。
店先で作業していたのは、引っ越しの日にトラックの前に立ち塞がってひと騒ぎ起こして以来、何かと噛み付いてくるあの女性だ。

「こんにちは」ウンスがペコリと頭を下げる。

女性「あぁ、あんたね、私学の」
ジユン「こんにちは」
女性「あぁ、…えぇ」
ジユン「白いペンキが欲しいんです。室内用で、刷毛とローラーも」

「お祖母さんと正反対だねぇ」女性が立ち上がった。「待っててくださいよ」

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ジユンたちは3人で家の片付けを始めた。
一緒に掃除をしながらも、義母だけは不満顔だ。「ここにいつまで住むつもりかしら」

一段落すると、ジユンは息子と並び、小さな植木鉢に種まきをした。
手に持っているのは、トスカーナから持ち帰った、あの小さな巾着袋だ。

ウンス「石竹の花?」
ジユン「たぶんね」
ウンス「お母さんの一番好きな花だ!」
ジユン「そうよ」

ウンスの視線が巾着袋に移る。「だいぶ古い袋みたい」

ジユン「古いわよ。きっと何百年か経ってるわ」
ウンス「わぁ!」
ジユン「ウンスはどんな花が一番きれいだと思う?」
ウンス「お母さん!」

ジユンはたまらず我が子に手を伸ばした。「まぁ可愛い子!」

ウンス「くすぐったいよ」

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「何がそんなに楽しいんだか」ベランダで楽しそうにしているジユンたちを尻目に、義母が冷蔵庫を開けた。

義母「それでもまぁ、こうやって家を綺麗にするといいわね」
ジユン「そうですよ、お義母様。一日を過ごすにもいい気分で過ごさないと。家が暗いと心も暗くなりますから」

そこへジユンの携帯が鳴った。「どうしたの?」

ジユン(電話)「…サイムダンの屋敷跡?」

ジユンは義母の目を気にし、そわそわと外に出た。

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ミン教授の助手たちは、ジユンとサンヒョンが住むアパート前まで近づいていた。「この近くですよね」

助手1「ハン・サンヒョンのサークル仲間がいるんだけど、そいつが先月ここまで車で送ったって」
助手2「はぁ全く!ソウルでキムさんを探すレベルだ。何日目だよ、これで」
助手「(アパートを指差し)ここをあたってみよう」

と、そこへ…
すれ違いで出て行った女性に、助手たちがハッと振り返った。「あれは!ジユン先輩じゃ?」

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「先輩、こっちですよ」サンヒョンがジユンをどこかへ案内した。「ここが昔の寿進坊の場所なんです」

サンヒョン「この辺に間違いないですよ」

二人は立ち止まり、上がってきた坂を見下ろした。

ジユン「サイムダンの屋敷跡か…」
サンヒョン「金剛山図がここにあったってことになるけど… わぁ、タイムマシーンに乗って飛ぶわけにも行かないし。何か飲みながら話しましょうよ」

二人が目の前の店に入っていくのを、ミン教授の助手たちは物陰に入って見届けた。

助手2「「金剛山図って言ってた!」
助手1「ジユン先輩がハン・サンヒョンと一緒にいたぞ。こりゃ一挙両得だ。だろ?」

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カフェのテラス席で、ジユンはそこからの景色を眺めていた。
向こうに山が続き、自然の多く残っている土地だ。

サンヒョン「サイムダンの屋敷跡がカフェだなんて… すっかり様変わりだな」
ジユン「サイムダンもときどきここであの山を眺めたんでしょうね」
サンヒョン「でしょうね」

~~~~過去編~~~~

街かどで絵を描くイ・ギョムのまわりに、人だかりが出来ていた。
「20年くすぶっていた画才が一気に溢れるとは!」大喜びしているのは、いままで散々振り回されてきた従弟だ。

野次馬「ところで、噂を聞かなかったか?あの旦那、男色家らしいぞ。どこかの男とじゃれ合ってるのを見たって」

それでも女性たちはキョムの美貌に顔を輝かせる。「あの人の顔見てよ!」「朝鮮一の美男だって」「それだけじゃなくて王様の寵愛を一身に受ける王族らしいわ」「神様がよい物を全部集めてあの人に注いだのよ」

絵ができあがると、従弟が絵を周囲に披露して回る。

キョム「(従弟に)適当なところでやめろよ。神秘性が薄れる」

キョムは馬にひょいと飛び乗ると、黄色い歓声に手を振り、華麗にその場を後にした。

キョム「人気がとどまることを知らんな」
従弟「全くですよ」
キョム「ところで、気になることが一つある」
従弟「何です?」
キョム「知り合いの女性が絵を1枚貰い受けたんだが」
従弟「従兄が女性に絵を贈ったって?」
キョム「!私じゃない、知り合いの話だ」

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家へ帰っても、二人の話は続いた。

従弟「従兄がある女性に絵を贈って」
キョム「おい!私じゃなくて、知り合いだ」
従弟「つまり、従兄の知り合いがある女性に絵を贈ったと」
キョム「そう。その女性が返事に詩を送ってきたらしい」
従弟「それで?」
キョム「女性というのは、どんな気持ちなら詩を送るんだ?」
従弟「詩には何と書いてあったんです?」
キョム「いや、まぁその… 特に何かあるわけじゃなくて、それでも詩というのは、その…」
従弟「?」
キョム「…もういいや。帰れ」
従弟「さっきからどうしたんですか、全く!」

キョムは外へ声を掛ける。「冷たい水を一杯持って来い!」

従弟「そんなに言いよどむなんて、一体誰の話なんです?」

照れて熱くなったのか、キョムは服の帯を解き始めた。「暑さは過ぎたと思ったのに、何でこう暑いんだ?」

キョム「こんな面倒な服で出歩かなきゃならないなんて」

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朝、正殿に集まった大臣たちはさっそく騒いでいた。「学者の描く山水画にも掟があるではないですか」

領議政「右相は絵にも見識があるから、よくご存知でしょう」
右議政「ははは、私はただの真似事でして」
左議政「王族が掟という掟を全て無視してどうするのですか!」

「絵を何枚か描いたのが一大事ですか」入ってきた中宗に、皆が一斉に頭を下げる。

中宗「宜城君は政治には微塵の興味もない、ただ風流の好きな遊び人というだけだ」
左議政「愚かな民が宜城君に追従しているのが問題なのです。乱れた絵が基準となり、風俗が乱れ、ついには国の基幹が崩れることになるのです」
領議政「今すぐ安國坊を閉鎖すべきです。その他に方法はございません」

※安國坊=王がキョムに与えた住処

中宗「余が行ってみよう。一体どんな絵を描いているのか。安國坊に知らせを出せ」
内官「はい、殿下」

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薄汚れた格好でふらふらと歩いているのは、サイムダンの夫イ・ウォンスだ。
彼は、向こうから近づいてくる人影に、慌てて顔を隠した。「メチャン!」

隠れようとして石にけつまずいたウォンスは、結局娘に見つかることとなった。「お父様!」

ウォンス「メチャン…」
メチャン「会いたかったんですよ!」
ウォンス「父さんも会いたかった~!メチャン!」
メチャン「何て格好してるんですか?帰りましょう」
ウォンス「それはできないよ、メチャン」

メチャンはぐいと父の手を引き、歩き出した。「行きましょ。みんな待ってますから」

ウォンス「待った!みんな待ってるって?母さんも父さんを待ってるかな」

メチャンは小さく溜息をついた。「とりあえず帰りましょ」

ウォンス「ほらな、待ってないさ。母さん、一度も父さんの話しなかったろ。そうだろ?」

家の前まで来ると、メチャンは外から窺った。「誰もいませんよ。入って」

ウォンス「駄目だ。どうしても勇気が出なくて入れそうにない」
メチャン「鞭だって自分から打たれたほうが痛くないって言うでしょう?自分が悪かったって言うんですよ」
ウォンス「駄目だ、駄目だ!あのさ…(家の方を指差し)あそこに厠があるだろ。そこに隠れてるから、まずは食べるものを持ってきてはくれないか?鞭に打たれるにも体力がないと。あんまり腹が減って気力もないし、やたらと臆病になってな」
メチャン「わかりました。しばらく隠れててください。食べるもの持ってきますから」
ウォンス「たくさんな」

「わかりましたから」メチャンは気の進まない様子で台所に向かった。

そっと忍び込み、台の上に掛けてあった布巾をめくると、そこに置いてあったのはおむすびだ。「やった!」
一つ手に取ったところで、ヒャンの鋭い声がとんだ。「お嬢様!」

メチャン「小腹がすいちゃって」
ヒャン「いけません!きっかり人数分だけ作ったんですから」
メチャン「私が晩ごはんで食べなきゃいいでしょう?」
ヒャン「駄目ですって!そう言ってこの間も2つ召し上がったでしょ!」
メチャン「違うってば!」
ヒャン「駄目です!」
メチャン「お父様に持っていかなきゃいけないんだから!」
ヒャン「えっ?」
メチャン「…。」

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ウォンスは厠に隠れていられず、外に出ていた。「メチャンは何で戻ってこないんだ?」
ようやく戻ってきたメチャンの手には…
何もない。

ウォンス「食べ物は?」
メチャン「見つかっちゃいました、ヒャンに」
ウォンス「…。」
メチャン「ぴったり人数分しか作ってないって。死んでもくれませんよ」
ウォンス「ヒャンのやつ、最初から気に入らなかったんだ。ここへ来る時、ヒャンの代わりに乳母を連れてこようってあれだけ強く言ったのに」

と、そこへ登場したのがヒャンだ。

ウォンス「ってヒャンだ…」
メチャン「そんなことしてないでお父様、堂々と入ればいいんです」

「どうぞ」ヒャンがつっけんどんに言う。

ウォンス「(ヒャンに)お前は言うな」

「行きますよ」二人がウォンスの手を引いた。

ウォンス「(ヒャンに)お前は触るなって。腹が減ってたまらん」
ヒャン「(押す)」
ウォンス「押すなって!」

角を曲がったところで、家から出てきた妻の姿に、ウォンスは慌てて身を隠した。

サイムダン「…お入りください」
ウォンス「!」

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ここで区切ります。

荒れ狂ってたキョムが何でサイムダン親子と犬の親子でそんなに急変したのか…。キョムの人となりがわからんです。
ウォンスさんは意外といいキャラかもね^^

 - サイムダン(師任堂)色の日記