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師任堂(サイムダン)、色の日記4話あらすじ&日本語訳~後編

   

ソン・スンホン、イ・ヨンエ主演『師任堂(サイムダン)、色の日記』4話の後半に進みますね。

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自室にこもり、サイムダンの父、シン・ミョンファは王から賜った詩をじっと見つめていた。
そこへ、音もなくあらわれた客人は… 中宗の従者だ。

従者「殿下がひそかに下賜された詩が漏れたのは何故だ」
ミョンファ「…。」
従者「自ら死を招いたな」

従者が刀を抜こうとしたそのとき…
「旦那様」外で妻の声が聞こえた。

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ミョンファの妻が入ってくると、夫は一人静かにそこへ座っていた。「どうした?」

妻「サイムダンの病状がひどくなっています」
ミョンファ「…。」

ふと床に目をやった妻は、目を丸くした。「!」
泥の跡が、奥へと続いていたのだ。

妻「!!!」
ミョンファ「…。」
妻「!!!!!」

#たまらん!このシーンたまらん!この女優さん、表情の演技が素晴らしいですね。
なんてリアルなんだろう。表情の変化だけで泣いてしまった。

妻はゆっくりと夫の背後にある屏風に近づき、跪いた。

妻「恐ろしい一団が迫っております。どうか… どうか子を救う時間を一日だけ… 一日だけくださいませ!」

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「この婚礼を強行すれば、あなたの娘はもちろんのこと、宜城君にも危険が及びます」中宗の従者は、ミョンファにそう告げ、立ち去った。
平凡な男を見つけ、婚礼を挙げさせろと。

妻「他の人と婚礼を挙げさせようとおっしゃるのですか?」
ミョンファ「子を救うためだ…」
妻「…。」
ミョンファ「己卯士禍のことを忘れたか。前日まであれほど大事にしていた学者たちを一太刀で退けたのが殿下だ。自ら授けた詩を引き取るために、殺生を犯すのが殿下なのだ」
妻「…わかりません。何も耳に入ってきません!我が子の他には…何も目に入らないのです」

「宜城君を… 宜城君を探さなければ」妻が立ち上がり、部屋を出ようとすると…「!!!」
そこに呆然と立ち尽くしていたのは、サイムダンだった。

サイムダン「… お母様」

目を合わせるなり、二人の間にどっと悲しみが溢れだす。
「婚礼を挙げたら、宜城君が危なくなるのですか?命まで…?」手を取り合い、母娘はその場に崩れ落ちた。

サイムダン「あの方が傷つくのは駄目です…!」

母はただ頷くのが精一杯だ。
サイムダンは父の前に進み出た。「他の人と婚礼を挙げます!」

ミョンファ「!」
サイムダン「宜城君をお守りください!」
ミョンファ「…。」
サイムダン「他の人と挙げます。宜城君でなければ、他の誰でも構いません…」

最愛の娘を守ることは、最愛の娘の幸せを奪うことでもある。
それでも構わないと、迷わず愛する人を守ろうとする娘の切実な訴えに、ミョンファの目から涙がこぼれ落ちた。

#近くに家族がいたのに、思わず声漏らして泣いてしまいました。
サイムダンの悲しみはもちろんだけど、ひたすら「アガヤ…」と子を呼ぶことしか出来ない母親の心情があんまり真に迫っていて…。

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朝早く、チヒョンたち一団は北坪村に迫っていた。

#ここまで来るのにいつまでかかってんねん、この人たち。サイムダンも使用人たちも、まるで散歩みたいに行き来してたけど。

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居候している部屋を出ると、イ・ウォンスは思い切り伸びをした。

ウォンス「?」

と、目の前に並んでいたのは、サイムダンの両親だ。

ウォンス「どうなさったのですか?」

深刻な目でじっとウォンスを見つめていたかと思うと、シン・ミョンファは丁重に頭を下げた。

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ようやく医者を連れて戻ってきたキョムは、途中で執事が待っているのに気づいた。「どうした?」

執事「(目を合わせられず)鳥竹軒で婚礼を執り行っております」
キョム「婚礼?誰の婚礼なのだ?」
執事「サイムダンお嬢様です」
キョム「サイムダン嬢?見間違いじゃないのか?」

執事の困った顔に、キョムの顔色が変わった。

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婚礼の儀式が始まると、シン・ミョンファは屋敷の入口に一人じっと立っていた。
門の周囲には、婚礼を告げる赤と青の飾りがいくつも掛かっている。

そこへ、とうとうたどり着いたチヒョンたち一団が駆け込んでくると、ミョンファの鋭い声が一喝した。「止まらぬか!」

ミョンファ「私的に兵を率いるのも大罪だが、性理学を根底とする国で、学士の家の婚礼を侵害しようとは!天倫之罪で死罪になりたいか!」

チヒョンが顎で合図をすると、手下たちが一斉に襲いかかる。
と、屋根からひらりとあらわれた剣客が、彼らをいとも簡単に退けた。

チヒョン((心の声))「あやつは間違いなく軍の者だ」

剣客の視線に、チヒョンは思わずさっと顔を隠した。
ここは引くしかない。
チヒョンは撤退を余儀なくされた。

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サイムダンの屋敷へ向かおうとして下男たちに阻止されたキョムは、閉じ込められた納屋で喚き叫んでいた。

大伯母はシン・ミョンファから届いた書簡を、静かに読み返す。「…。」

『子どもたちの婚談がありながらも、いつでも近くにいらっしゃるからと、まともなご挨拶一つできずにおりました。本日、娘は別の相手と婚礼を挙げることとなりました。事前に何の挨拶もなくこの知らせを受け、戸惑われたことでしょう。しかし、これが宜城君と我が子を守るため、最善の選択であったことを、どうか察していただけますよう願います」

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淡々と婚礼の儀式は進んだ。

ミョンファ(声)「身を潜め、何としても生きる道を選択するのだ」

一日待ってくれという約束どおり、娘の婚礼が済むと同時に、ミョンファは… 逝った。

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納屋の扉が開かれる。
外へ出てみると、屋敷は驚くほど静かだった。

キョムがサイムダンの元へ駆けつけると、そこは喪をあらわす白で染まっているではないか。
思いもよらぬミョンファの位牌を前に、キョムは愕然と膝を落とした。

「何かの間違いだろう?」ようやくサイムダンと対面すると、キョムはすがるように言った。

キョム「何かの間違いだ。何か理由があって演技をしているんだろう?」
サイムダン「…。」
キョム「そうだろう?」
サイムダン「ご覧になったとおりです。すべて終わりました…」
キョム「!」
サイムダン「宜城君も… 私も… 共にした何もかも… すべてです」

キョムは彼女の腕を掴み、振り向かせる。「そんなのがあるか!」

サイムダン「…。」
キョム「逃げよう。誰も知らないところへ… 誰にも邪魔されないところへ逃げよう!!!」

キョムに抱きしめられると同時に、サイムダンの目から堪えていた涙が溢れ出す。
彼女はやっとのことでキョムを押しのけた。

サイムダン「もう… 初夜も済ませました」
キョム「!!!」

#もう何から何まで悲しすぎる…。
ふたりとも何てピュアな顔するんだろうね…ㅠㅠ

そこへ、ウォンスが呑気に新妻を探す声が聞こえてくる。「夫人」
走り去るサイムダンをこれ以上追いかけることも出来ず、キョムはその場に崩れ落ちた。

~~~~現代編~~~~

キョムは…

いや、違った^^;;;;(※普通に書き間違えました:笑)

サンヒョンは颯爽とバイクをぶっ飛ばしていた。
後ろにジユンを乗せ…。

サンヒョン「ってことは今、鳥竹軒の母屋の壁に金剛山図が隠してあるってことじゃないですか!」
ジユン「それさえ見つければミン教授の金剛山図が偽物だって明らかになるわ」

「はっはっはっ!」サンヒョンが豪快に笑う。「ヤツらおしまいだ!」

ジユン「ねぇ、どこ行くつもり?」
サンヒョン「鳥竹軒」
ジユン「正気?こんなバイクで江陵までどうやって?!ターミナルに行ってよ」
サンヒョン「あぁ、ターミナル!OK!」

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鳥竹軒へ辿り着き、案内板を確認したジユンは溜息をついた。「ここにはないわ」

ジユン「90年代に全部撤去されて、復元されたものだって」
サンヒョン「それなら、どこかに痕跡でも残ってないかな。壁はそのまま使ったかもしれないでしょう?」

※外棟以外は撤去・復元された、と書いてありますね。

縁側から中へ上がろうとしたサンヒョンは係の男性に呼び止められる。「下りて!」

サンヒョン「少しだけ見ちゃ駄目ですか?」
男性「分別のある方々がなぜです?早く下りて!」

二人は入ることのできる別の部屋へやって来た。
サイムダンの肖像画が飾ってある。

サンヒョン「ユルゴク先生(※サイムダンの息子・儒学者)の生まれた部屋ですね」
ジユン「この建物だけは16世紀のままよ。龍の夢を見てユルゴク先生を産んだの。それで夢龍室っていうのよ」
サンヒョン「母屋は後から作ったそうじゃないですか。そこに金剛山図を隠してあるのに…」
ジユン「…。」
サンヒョン「90年代に再建築したときに、何か見つからなかったのかな」
ジユン「見つかってれば大発見になってたはずよ」

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二人は諦めて外へ出て来た。

サンヒョン「一体金剛山図はどこ行ったんだ?」
ジユン「…。」
サンヒョン「あの本をどこで手に入れたのか、教えてくれないんですか?」
ジユン「もうバスが来るわ」

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じっと考え込むジユンとは反対に、サンヒョンはバスの中でもちっとも落ち着かなかった。「あぁ、気になって仕方ない!」

サンヒョン「先輩、ホントに最後まで教えてくれないつもりですか?」
ジユン「…。」
サンヒョン「バスのチケットだって僕が買ったし、こんなはるばる江陵まで一緒に来たのに、ホントひどいよ…」
ジユン「…トスカーナ」
サンヒョン「イタリア?ボローニャ学会に行った時?」
ジユン「…。」
サンヒョン「つまり、イタリアでサイムダンの備忘録が発見されたってことじゃないか…。その本にはミン教授がギャラリー ソンと結託して国宝にしようとしてるニセの金剛… 本物に関する決定的手がかりも入ってる!」

サンヒョンが思わず立ち上がる。「これこそ世紀の発見!」

サンヒョン「美術史学会がひっくり返る大事件じゃないですか!」
ジユン「…。」
サンヒョン「トスカーナのどこです?古美術商?個人収集家?誰がくれたんですか?」

身を乗り出すサンヒョンの顔を、ジユンは押し戻す。「静かに帰りましょ」

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ミン教授の助手たちは、サンヒョンの行方を探し、近所を彷徨っていた。

助手1「ややこしい街だな。ソウルにこんな街もあったのか」
助手2「何で?人間くさくていいじゃないか」
助手1「ハン・サンヒョンのやつ、何で引越ししたのに届け出てないんだ?不動産屋に聞いたって、みんな知らないって」
助手2「下宿生はみんなそういうパターンじゃないか。もうちょっと探してみようぜ」

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サンヒョンのバイクの後ろにまたがり、家の近くまで帰ってきたジユンは、ちょうどそこへ通りかかった義母に見つかってしまう。
それっきり黙り込んでいた義母は、夜になって、ジユンを公園に連れ出した。

ジユン「お義母さん… すみません」
義母「結構よ。明け方から飛び出して一日中何をしていたのか、事細かく話してごらんなさい」
ジユン「それが… ちょっと事情が込み入っていて。どこからどうお話しすればいいのか…」
義母「それで何?上の若者と今までずっと一緒にいたの?そうなの?」
ジユン「…それはそうなんですけど」
義母「あなた、私を見くびってるの?!私、あなたの母親じゃないわ。姑よ!あなたの夫はどこにいるのか、生きてるのか死んでるのか… どう?辛い?夫がいなくなって」
ジユン「…。」
義母「だけどね、ミンソクはあなたには夫だけど、私にとっては息子であり夫なの!!!あなたのしてることは間違ってる。私は毎朝目を開けるたびに天地が崩れ落ちる気がするわ。だけど、どうにか持ち堪えて乗り越えようと踏ん張っているのに、あなた一体何を浮かれてるのよ!研究だかなんだか、それがそんなに重要なの?!」
ジユン「…すみません、お義母さん。お義母さんがお辛いのはわかってます。気をしっかり持とうとなさっているのもよくわかっているんです。だけど…」
義母「今すぐやめなさい!その共同研究だか何だか」
ジユン「!」
義母「生きるか死ぬかの問題でなければ、今すぐやめるの。いいえ、生きるか死ぬかの問題でもやめて」
ジユン「…。」
義母「あなたが勉強してることに、私がどうこう言ったことがある?だけど、これは駄目よ。忘れないで」

「今すぐやめなさい」義母はそう言い捨てた。

ジユン「…。」

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残り少なくなったスキンケアクリームの瓶を覗き、ジユンは苦笑いした。「大事に使ってたけど、もう少しだわ」

ジユン「ソ・ジユン。一体どこへ向かってるの?」

そこへ息子のウンスが枕を抱え、入ってきた。「お母さんと寝たいんだ」
ジユンは微笑み、息子を抱き寄せる。

ウンス「お母さん、いい匂い!」
ジユン「お母さんはウンスの匂いが好きよ。アイスクリームみたいに甘くて。お母さんは?」
ウンス「寝てる」
ジユン「それなら今日はお母さんとぎゅーっとくっついて寝ようか」
ウンス「(うんうん)本も読んでくれる?」
ジユン「(うんうん)いいわよ」

ジユンはウンスが手に握っている紙に気づいた。「何?」
開いてみると、ウンスの学校の授業料納付書だ。

ウンス「うち… お金ある?」
ジユン「子どもがそんなこと心配するものじゃないわ。お母さんがちゃんとするから。いいわね?」
ウンス「はい」

ジユンはもう一度しっかりと息子を抱きしめた。

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「玄関の前を確認してください」サンヒョンからのメールで部屋を出てみると、玄関の下に書類が数枚挟み込んであった。
古書の解読の続きだ。

『父の記憶は、私にとっていつまでもこの上ない悲しみであり、罰だ。
私の心がこれほどなのに、子どもたちまで皆いなくなった母の寂しさと悲しみはどれほど大きいだろう』

~~~~過去編~~~~

サイムダンが子どもを連れ、北坪村を訪れたのは、父の命日でもあった。
彼女は下女タミを伴い、父の墓へ向かう。

年老いたタミは、サイムダンについて歩くのも一苦労だ。

サイムダン「膝の具合がそんなに良くないの?」
タミ「50年もこき使った膝ですから、もう軋んでもいい頃ですよ」
サイムダン「幼いころ私を追い回して、あなたの膝も大変だったもの」
タミ「それでも、その頃が一番良かったですよ」
サイムダン「…。」
タミ「漢陽にいらっしゃったら、今度いつお会いできるか」

「お父様がお待ちだわ」サイムダンは先を急いだ。

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見晴らしのいい丘の上に、父の墓はあった。
供え物を並べ、父の眠る墓をそっと撫でる。「お父様…」

サイムダン「私、漢陽に引っ越します。今度はいつ戻ってくるか… 戻ってはこられるのかどうかもわかりません。どうか一人残されるお母様のご無事を、ここで見守ってください」

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ここでエンディングです。

史劇ってどこもかしこも、なぜこうもメェメェ泣けるのか…。
現代編は何だか『永遠のゼロ』みたいな感じで、過去に思いを馳せ、過去の出来事がより事実として鮮やかに色づくっていう、そういういい効果があって好きなんですけど、それでも、嫁が若い男と一緒にいて苛立つ義母とか、そういうまさに現実的な話で急に引き戻さないでほしいなぁと、正直思ってしまいます。
それくらい、今回の過去編に胸が傷んだってことですね^^;

それにしても…
私は韓国人じゃないし、よくわからないけど、シン・ミョンファもイ・ウォンスも実在の人なのに、こういう扱いしちゃっていいんでしょうか…。

ではでは、また次回。
おつきあいくださって、ありがとうございました!

 - サイムダン(師任堂)色の日記

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