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テバク22話あらすじ&日本語訳vol.3

   

チャン・グンソク、ヨ・ジング出演「テバク」22話の終盤です。

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「変わってしまった王室の血統を正すのだ…?」インジャが差し出した密書を見て、密豊君は衝撃を隠し得なかった。

密豊君「この書簡、真に大妃様が送った物なのか?」
インジャ「違います」
密豊君「?」
インジャ「大妃様が私に直接お渡しになった物です」

※補足。英祖が先代王を毒殺したとし、密豊君を王に擁立してイ・インジャ(李麟佐)が乱を起こしたのは、史実通りです。
ドラマのインジャは粛宗時代から王を殺そうとしていたので、英祖の世になってから「英祖が先代王を毒殺した」とか「雑仕女の子だ」とか、適当な理由をつけたように見えてしまいますね。

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インジャは密かに大妃(=先代王の妃)の元を訪ねていた。

#まさか宮中に入ったのか?まさか~

御簾越しに姿の見える大妃を前に、尚宮から渡されたのが、その書簡だ。

大妃「先代王が毒殺されたあの日が忘れられぬ。王を見ると血が逆流するこの心情、そなたにはわかるか?」

インジャは固く頷く。

大妃「そなたが宮廷の外で民の心を動かせば、私は少論の大臣を動かそう。そなたがこの腐りきった国をひっくり返してくれるなら、私は必ずや王の命を断ち切ろう」

インジャは再び頷いた。

大妃「どうか大業に成功なさい」

#ドラマ内ではポッと出て来た人だから、見てる側は実感しづらいですね。

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インジャ「密豊君様が我が手をお取りになれば、その瞬間、大妃様も刀を抜かれるでしょう」

密豊君はまだ迷っている様子で、黙って考えを巡らせる。

インジャ「もう十分ご覧になったではありませんか。この勢いなら都城まで十日。十日あれば十分です」
密豊君「…。」
インジャ「密豊君様、決心なさいませ」
密豊君「えぇ。そなたと志を共にしよう」

インジャは微笑んだ。

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都城の町は閑散としていた。

チェゴン「すでに北へ避難した者も少なくない」
テギル「師匠、俺はホン店主に会っていくから、師匠は山砦へ行って先に準備してろよ」
チェゴン「そうだな…」

「こいつ!」チェゴンがハッとして声を上げる。

テギル「?」
チェゴン「師匠に命令するとは何様のつもりだ!」
テギル「師匠、どうせやるくせにごちゃごちゃ言うなよ」

テギルはチェゴンを残し、さっさと歩き出した。

チェゴン「生意気な奴め!」

そう言いながら、テギルの頼もしい後ろ姿に、チェゴンはニッコリ微笑んだ。

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「何?薬を手に入れてくれって?」ホンメが言う。

テギル「あぁ、今すぐだ。あんたの手に入らない物は漢陽にはないだろ」
ホンメ「数年ぶりにいきなり現れて何ワケのわからないこと言ってんだよ」
テギル「なぁ、ホン店主」
ホンメ「?」
テギル「今まであれだけ民の血と汗を食い物にして来たんなら、一度くらい彼らのために一役買ってもいいじゃないか」
ホンメ「そんなこと言われちゃ寂しいね。あたしが民の血と汗だなんてさ…」

「…。」テギルは目を見開き、まっすぐにホンメを見つめた。

#何なの?この”イケメンがじっと見つめる”作戦

ホンメ「薬を手に入れるのは難しいことじゃないけどさ、何をどれだけ手に入れりゃいいんだい?」

テギルはニヤリと笑った。

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テギルはすぐに山砦へ戻ってきた。「みんな準備できたか?」

ヨナ「馬は30頭、簡単な食糧も用意したわ」

テギルは頷き、持って帰ってきた袋を卓に置く。「ホン店主がくれた。ソリム、お前が持っててくれ」

マングムが地図を広げる。「全国の行商人たちの道標だ」

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マングム「テギル、お前とトッケビの旦那、ソリムはこの安城へ行ってイ・インジャの動きを止めろ」

マングムが地図の”安城”に目印を置く。

マングム「残った3人はここ、大田の下でイ・インジャへの物資を断つ。その後はそれぞれ慶尚道と全羅道へ移動。現職の官衙と反乱に参加する民を抱き込み、チョン・ヒリャンとパク・ピリョンに対抗する」
テギル「いや、俺は木川へ行く」
マングム「木川?ここは要衝地じゃないぞ」
テギル「あぁ、だからここが重要なんだ」
皆「?」

そこへ仲間が入ってきて、マングムに耳打ちする。

マングム「(皆に)事がデカくなったぞ」
テギル「?」
マングム「イ・インジャの奴、密豊君様を担ぎ上げやがった」
テギル「密豊君?」
マングム「全く…イ・インジャの奴、上手くやりやがる」
ソリム「全部ハッタリじゃないんですか?占領する場所ごとに食糧と土地をあげるなんて言えば、誰だって仲間に入りたがるわ。私だってイ・インジャがそういう人間だって知らなきゃ、命がけでもついて行ったでしょうね」
トッケビ「そんな大勢を俺たちでどうやって阻むんだ?一人や二人じゃない、十万二十万を越える軍勢なんだ」
チェゴン「…。」
トッケビ「いっそのこと官軍を動員して一度にやらないと不可能だ」

「可能だ」テギルが言う。
皆が彼に注目した。

テギル「イ・インジャの足首を掴みさえすれば…。けど、問題なのは、俺たちに与えられた時間は5日しかないってことだ」

5日でテギルが乱を抑えられなければ中央軍を出すと、英祖はそう言ったのだ。

テギル「5日経てば、兵馬節度使の指揮下で5万の軍と、都城禁衛営の精鋭3000が安城に集結する」

「そうなれば…」テギルが重い溜息をつく。「民が血を流すのは避けられない」

テギル「けど俺はたった一人の民だって傷つけたくないんだ」
チェゴン「5日もある」
テギル「?」
チェゴン「殿下は5日と約束なさったが、ただ座して待っておられるはずはない」
テギル「…。それなら3日。俺たちの目標は3日以内にイ・インジャの足首を掴むことだ」

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軍営を訪れた英祖は、倉庫に用意された武器を確かめた。

英祖「五衛都摠府都摠官」

控えていた武官がさっと進み出た。

※五衛都摠府=中央軍である五衛の総指揮をする場所。都摠官はその長官職。

英祖「今この時から銃と火薬の所持を許可する。五衛の各軍にここの銃を全て分けよ」
都摠官「はい、殿下」

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執務室へ戻ると、英祖は各部の長官を呼び集めた。

英祖「現在、摠戎廳(=京畿の軍事を担う軍営)の人員はどうなっている?」
武官「隊長が1名、別将が3名、以下1,350名です」
英祖「そのうち訓練のよく出来ている武官1,000名を集め、精鋭部隊を結成、命令を待て」
武官たち「はい、殿下!」
英祖「守禦廳(=都城南部と南漢山城を守る軍営)もまた、都城西大門の警備を半分にし、訓練都監、禁衛営、御衛廳の武官たちは全員厳戒態勢を維持せよ」
武官たち「はい、殿下!」

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チェゴンが宮廷に立ち寄り、英祖の元を訪れた。

英祖「ペク・テギルが木川へ発った?」
チェゴン「はい、殿下。私も殿下にお目にかかった後、すぐに発ちます」
英祖「そなたはどうだ?可能だと思うか?」

俯いたまま、チェゴンは口をつぐむ。

英祖「軍もなしにイ・インジャを阻むのは可能なのかということだ」
チェゴン「士農工商が混じっているとは言え、20万の挙兵です」
英祖「…。」
チェゴン「ですが、私はペク・テギルを信じます」

「俺を信じて入れ」と言ったテギルの顔を、英祖は思い浮かべた。
それが自分の願いだと、彼は言ったのだった。

英祖(心の声)「ペク・テギル、私もお前を信じる。だが、玉座に坐している王としては、信じられぬ…。許されないのだ、何を信じることも」

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イ・インジャは木川へ到達していた。
進む一行の前に、ふいに別の一団が現れる。
民を引き連れた役人だ。

ジンギ「何です?」
役人「戊申党、イ・インジャ大元帥にお会いしたい」
インジャ「どなたです?」
役人「占領した土地を全て民に返してくれると聞きました。事実ですか」
インジャ「事実です。媽媽様も許可なさったことですよ」

そう言って、インジャが隣を振り返った。
進み出たのは…

密豊君「密豊君、李坦だ」

「密豊君様!」一団が一斉にひれ伏した。
後ろの方で見物している人垣に紛れ、テギルも彼らのやり取りをつぶさに窺う。

役人「我々、木川の民はイ・インジャ軍と共に戦うことを誓います」

「民心は天心だと言うが」ジンギが感嘆して木川の民を眺める。
インジャもまた満足気に笑みを見せた。

インジャ「荷を解き、兵士たちを休ませよう。馬にも十分草を食べさせなさい」
ジンギ「ということは…」
インジャ「明日の夜、竹州山城を越える」
ジンギ「承知した!」

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さっそく木川に構えた軍営で、インジャは一人、書物を開いていた。

「たくさん食べさせろよ」そう外に声をかけながら、ジンギが意気揚々と中へ入ってくる。

インジャ「指示どおりにしたか?」
ジンギ「(頷く)ところで、客人ですよ」

入ってきたのは、ファングだ。「旦那様」

インジャ「そなたがなぜここまで…?」

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「ペク・テギルを…?」ファングの話に、インジャが溜息のように呟いた。

ファング「はい。王がペク・テギルを呼び寄せました」
ジンギ「何だ、また奴ですか?」
ファング「ペク・テギル…」

「一生鼠のように隠れて生きろ」穴蔵に隠れた自分に言い捨てたテギルの言葉が思い出される。

インジャ「それで、少論の大臣に私の意を伝えたか?」
ファング「はい。ですが、宮廷の動きが尋常ではありません。じき王が動くようです」
インジャ「(頷く)王は中央軍を動かしてでも私を阻もうとするだろう。そなたは急いで漢陽へ戻り、宮中の動きを見張るのだ」

ファングは静かに頭を下げ、席を立った。

#せっかく会いに来たのにそれで終わりか。つれないねぇ

ジンギ「ペク・テギルか…。奴が動いたら面倒なことになるんじゃ?」
インジャ「(頷く)縁というのはそういうものだ。避けようとも避けられぬ宿命。再び出会えばそのときは、私が死ぬかペク・テギルが死ぬか、二つに一つであろう」

「どこにいる?ペク・テギル…」インジャは独り言のように呟いた。

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丘を上がったところから、テギルたちはインジャの軍営を一望にしていた。

トッケビ「堂々と錦衣還鄕(※故郷に錦を飾る)ってやつか」
テギル「皆騙されているからな。ふたつの顔を持った野獣に。民に見せてやるんだ、イ・インジャがどんな奴なのか」
トッケビ「みんな、上手くやるよな?」

テギルは黙って頷いた。

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全州城に荷物を背負った商人の一行が到着した。
マングムたちだ。

中へ入ると、マングムは部下たちに指示を出すパク・ピリョンの姿を見つける。「!」
仲間の一人にそっと指示を出して別行動させると、マングムは慎重に奥へ進んだ。

一方、数名の部下を引き連れて馬を走らせたキム・チェゴンは尚州城に辿り着く。

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テギル(声)「父さんも師匠も、誰より信用できる人たちだ」

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ホンメ一味も本領を発揮していた。
漢陽の町にイ・インジャの悪行を貼りだし、人々に語って聞かせたのだ。

ホンメ「イ・インジャとは誰か?この不届き者の話をするとね、こいつは…」

ヨナは漢陽の様子を探り、伝書鳩でテギルに伝える。

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テギル(声)「ホン店主も、ヨナも…」

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ヨナが漢陽で放った伝書鳩がテギルの元にたどり着いた。

#伝書鳩って帰巣本能を利用したものだと思うけど、どこいいるかわからない主人を見つけられるんですかね。
テギルが巣か?!

伝書鳩の首に掛けられている小さな手紙を、テギルは広げてみた。

『漢陽の町に、インジャについての悪い噂が広がり始めました』

トッケビ「ははは、ホンメの口先はまだ現役だな」

テギルは後ろの仲間たちを振り返る。「皆さん、準備は出来ましたか?」

皆「はい」
テギル「絶対に成功させなければなりません。今日、我々が失敗すれば、中央軍が動くでしょう」

テギルの言うとおり、中央郡はすでに出陣の準備を整え、都城の外で待機していた。

テギル「お話しした通り、彼らの弱点は全国から集ったばかりで互いの顔を知らないこと。我々はその弱点を突きます。いいですね?」
皆「はい」

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ほどなく、トッケビが仲間を引き連れ、インジャの軍営を訪れた。
「やれやれ」トッケビは持ち前の親しみやすさで倉庫番に話しかける。「一杯やったら体がほぐれたよ」

トッケビ「あんたがたも大変だろうに、戻って休みな。ここはわしらが見張っていよう」

ちょうど疲れのたまっていた倉庫番が大きなあくびをした。「そうしようか?」
「ではご苦労様」二人の倉庫番はトッケビに勧められるまま、持ち場を離れた。

倉庫を開けてみると、そこには食糧がどっさり詰まっている。
トッケビたちに急いで運び出させておいて、テギルは一人、馬舎へ受かった。

一方、ソリムは女たちの中に紛れ込み、炊き出しを手伝っていた。

ソリム「こんなにたくさん作るんですか?全部食べられるのかしら」
女「大勢いるんだから。これくらい作らないと力がつかないよ」

女が鍋のそばを離れた。
今だ!
ホンメからもらった薬を取り出すと、ソリムは手早く鍋に入れる。

夕食を終えた民兵たちが腹痛に苦しみ出すまでに、そう時間は掛からなかった。

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インジャは各部の代表を集めていた。

インジャ「いよいよ我々は安城を越え、気勢を集めながら都城へ向かう!皆覚悟は出来ているか!」
皆「はい!」

そこへジンギが慌てて駆け込んできた。「主君!」

インジャ「何事だ?」
ジンギ「大変です。兵士たちが何か悪いものでも食べたのか、一斉に下痢を」
インジャ「…?!}

「旦那様」別の男が走ってくる。

男「食糧庫が燃えています!」
インジャ「!!!」

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インジャが駆けつけたとき、食糧庫はすっかり炎に包まれていた。
人々が水を汲んできては火を消そうとするが、とても追いつきそうにはない。

「!!!」炎を前に、インジャは呆然と立ちすくんだ。
そこへ、また別の男が駆けてくる。「大元帥様」

男「馬が全部消えています!」
インジャ「一体どんな管理をしていたのだ!!!」

確実に何か変だ。

インジャ「突然の下痢、食糧に馬まで…!」

インジャはハッと顔をこわばらせた。

インジャ(心の声)「我々の陣営に鼠が忍び込んだのだな…」

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インジャ陣営から持ち出した食糧、馬を運び、トッケビたちはひっそりと道を進んでいた。

ソリム「テギルは大丈夫かしら」
トッケビ「この世で一番無駄な心配は何だと思う?テギルを心配することだ」

トッケビはそう言って笑った。

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ずらりと勢揃いした官軍を前にして、英祖は口を開いた。

英祖「民を惑わせて反乱を起こし、朝廷を侮蔑した逆賊イ・インジャとその一党を、ひとり残らず屠戮せよ」

「はい、殿下」全員が声を揃える。

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#何度聞いてみても「屠戮」って言ってる…TT

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灰になっていく食糧庫を見つめていたインジャは、後ろにやってきた馬の音に振り返った。「?」
そこにいたのは…馬にまたがったペク・テギルだ。

テギル「久しぶりだな、イ・インジャ」
インジャ「ペク・テギル!!!」

愕然と見上げるインジャに、テギルはニヤリと口角を上げた。

323

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ここでエンディングです。

今週も長い文章に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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