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テバク19話あらすじ&日本語訳vol.3

   

チャン・グンソク、ヨ・ジング出演「テバク」19話の終盤です。

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ヒリャンと手を組むことを伝えたテギルは、目隠しをして、どこかへ連れて行かれた。
ようやく目隠しを外された時には、すでに日が高く昇っている。

テギルは眩しさをこらえ、あたりを見渡した。
ここは…どこか山の中に作られた秘密の棲家のようだ。
いくつかの建物が集まり、若い男たちが出入りしていた。

「中へ」ヒリャンに導かれ、テギルは後をついていく。
建物の中に入ると、大勢集まっていた男たちが一斉に立ち上がり、頭を下げた。

ヒリャン「挨拶を」

男たちは後から入ってきたテギルにも黙って頭を下げる。

ヒリャン「君たちは出ていなさい」

男たちが退室し、二人になると、ヒリャンは一通の書簡を差し出した。「明日、宮廷内外のあらゆる情報がここに集まる」

テギルはざっと目を通すと、顔を上げた。「これで全部か?俺に見せたいのは」

ヒリャン「今夜亥の刻、大きな取引がある」
テギル「亥の刻?」
ヒリャン「改革へのイバラの道に参加すると言ったのだから、見せてほしいのだ。君の本気を」

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日が落ちてから、テギルはヒリャンと共に外へ出て来た。

ヒリャン「今回の取引、君が自らやってくれ」
テギル「俺が?」
ヒリャン「手を汚すのが怖いか?」
テギル「…。」
ヒリャン「もっとも…失敗すれば君も無事では済まない。同じの舟に乗ったのだから、君が舵を取れ」
テギル「…。」

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さっそくテギルはヒリャン、そして彼の部下たちと共に取引の場へ出た。
役所の庭に荷車が三台。相手方は武官が一人だ。

テギルは前に進み出ると、懐から一掴みの金を出した。「約束の金、百両だ」
武官は金を受け取ると、背を向けようとした。「なるべく早く運んでくださいよ」

テギル「おい」
武官「?」
テギル「代金分は貰わないとな」
武官「何だ?」
テギル「(荷車を指し)品物、確かめさせてもらう」

後ろでヒリャンが感心したように微笑んだ。

武官が荷を覆っていた布をめくると、テギルはそこに現れた木箱の蓋を開けた。
金物の器が一杯詰まっている。
その一つを手に取り、テギルはたっぷり時間を掛けて眺めた。

武官「もういいでしょう」
テギル「いや。まだ駄目だ」
武官「?」
テギル「元の持ち主に返してやらないと」

「?」ヒリャンが首を傾げたその瞬間、施錠された役所の門を、誰かが外から叩き始めた。「!」
「品物の持ち主はあんたじゃない」テギルがヒリャンを冷ややかに振り返る。

ヒリャン「!」
テギル「民のものだろ」

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外からの力で、とうとう門が開いた。
雪崩れ込んで来たのは思い思いの武器を手にした町の人々…民だ。

彼らに囲まれると、ヒリャンは後ろの部下たちを振り返った。「何をしている。今すぐ片付けろ」
部下たちが刀を抜き、双方が睨み合う。

と、そこへ、「やめろ!」誰かの大きな声が響いた。
キム・チェゴンが官軍を連れて登場すると、さらに彼らを取り囲む。

ヒリャン「キム・チェゴン…」
チェゴン「丁丑年の謀反。あのとき取れなかったお前の首を貰いに来た」
ヒリャン「…。」

気がつけば役所の庭は駆けつけた町の人々でいっぱいになっている。
彼らの姿を、テギルは一番後ろで見守った。

官軍「武器を下ろせ」

ヒリャンの部下たちがおとなしくその場にひれ伏した。

ヒリャン「…。」
テギル「…。」

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テギルは目隠しをされ彼らの棲家へ向かう道中、目印(闘牋札?)を道に落とし、チェゴンに合図を残していた。

それに、あらかじめホンメからも情報提供を受けていたのだ。

ホンメ「チョン・ヒリャンって奴がイ・インジャと血書を交わしたらしいよ」
テギル「なぜ俺にその話を?」
ホンメ「あたしも生きる道を見つけないと」
テギル「…。」
ホンメ「せっかくなら頑丈な金づるをね」

それだけではない。
ソリムたちもさらに踏み込んで調査をしていたのだ。

ソリム「延齡君の財産回収を助長したのはチョン・ヒリャンだったわ」
ヨナ「非常用のお米まで、民の膿血のようなお金がみんな巻き添えになっているの」

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呆然とテギルを見つめ、チョン・ヒリャンは顔を歪めた。

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ヒリャン「なぜ…!」
テギル「最初から王になど関心もない。逆賊など尚更のことだ」
ヒリャン「私の罪… 私の失態だ。最初からそんな器ではなかった奴を…!」
テギル「よく聞け。このペク・テギルが胸の内に抱く大義は一つ。この武器を持っている人たちの手に、鎌や鍬を握らせてやること。国は国らしく、民は民らしく!」
ヒリャン「黙れ!!!」

ヒリャンが咄嗟に掴んだ刀を、テギルは即座に叩き落とす。
テギルが刀を振りかざすと、そばにいた町の人が彼の腕を掴んで止めた。

テギル「?」

その瞬間、ほんの僅かな隙をつき、ヒリャンは一目散に走って逃げる。

#なーんやそれ
手下が官軍にしがみついて、ボスを逃がしてるね…。

町の人「あなたの目に王を見たんです」
テギル「!」
町の人「その手を汚れた血に染めるわけにはいきません」

「…。」テギルは振り上げた武器を下ろした。

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塀を飛び越え、無我夢中で駆けて来たチョン・ヒリャンは、角を曲がったところで、驚いて踏みとどまった。
サンギルたちが待ち構えていたのだ。

ヒリャン「!」

慌てて踵を返すと、そこもすでに塞がれている。「!」
ゆっくり近づいてきた延礽君の姿に、ヒリャンは呆然と肩を落とした。

延礽君「ここまで来るのに… 苦労したな」

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役所から出て来たテギルを、町の人々が万歳で迎えた。

テギル「…。」

町の人々の後ろに、延礽君がそっと姿を見せる。
テギルとチェゴンは並んで頭を下げた

チェゴン「延礽君様には俺からお話しした」

「…。」英雄を称える人々をチラリと見やると、延礽君はそのまま背を向ける。

テギル「…。」

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テギルは主のいなくなった逆賊の棲家に戻り、捜索していた。

棚から見つけたのは、草の詰まった小さな樽だ。
彼は匂いを嗅いでみてハッと表情を変えた。
これは…ひょっとして王が倒れた原因ではないか?

そこへ、延礽君が入ってきた。「それか?」
樽を受け取り、匂いをかぐ。

延礽君「逆賊鄭氏を現場で捕らえ、明白な証拠まで。父上は殊のほか感服なさるだろうな」
テギル「殿下のためにやったんじゃない」
延礽君「民のために働くのは… 王の仕事だ」

「…。」それには答えず、テギルは黙って捜索を続ける。

延礽君「何を探しているのだ?」
テギル「イ・インジャと結託した証拠」
延礽君「…。」
テギル「俺の目的は最初から最後までイ・インジャだ」

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チョン・ヒリャンが捕まったと聞き、イ・インジャは素早く考えを巡らせる。「血書はどうなった?」

ムミョン「血書は見つかりませんでした」

「!」インジャは思わず卓を叩いた。「見つけ出せ」

インジャ「今すぐ血書を見つけ出すのだ!」

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翌日。

延礽君は報告のため、父、粛宗の枕元にいた。

粛宗「ペク・テギルが逆賊鄭氏を捕らえたと…?」
延礽君「はい、父上」
粛宗「あやつが余の念願を… 念願を果たしてくれた」
延礽君「…。」

床に伏しながらも、粛宗はしっかり目を見開き、天井を見つめた。

粛宗「呼んで来るのだ」

「…。」延礽君は小さく頭を下げた。

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暗くなってから寝室を訪れたテギルと、粛宗は御簾越しに対面した。「これからどうする?」

粛宗「町の賭博師として生きていくつもりか?」
テギル「率直に申し上げてよろしいでしょうか」
粛宗「…。」
テギル「惨く険しかったこれまでの日々。耐え忍んできた全ての苦痛への補償をいただきく存じます」
粛宗「ふむ…」
テギル「ですが、殿下や延礽君様とは関係なく、私は私なりに、自分の人生を自ら補償しながら生きていくつもりです。この国の民、ペク・テギルとして」
粛宗「こちらへ… 近う寄るのだ」

「はい、殿下」テギルは立ち上がり、御簾の内側へ入ると、粛宗の目の前に静かに腰を下ろした。

粛宗「永寿よ」

「!」思いがけない言葉に、テギルはハッと顔を上げた。

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テギル「…はい、殿下」
粛宗「兄は兄らしく、弟は弟らしくあらねばならぬ。これはこの世を支える根本的な名分だ。忘れるでないぞ」

「…はい、殿下」テギルはほとんど声にならない声で、ようやくそう答えた。

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外へ出てくると、そこに弟…延礽君が待っていた。
じっと前を見据えている弟の横顔を、テギルはじっと見つめる。

テギル(声)「私は民となるべきですか、兄となるべきですか」

階段を下り、延礽君に近づいたところで、反対側から世子がやってきた。

世子「逆賊鄭氏を捕らえたと聞いた」
テギル「はい、邸下」

世子は頷くと、チラリと延礽君を見やり、そのまま二人の前を通り過ぎる。
「では私はこれで」テギルは延礽君に頭を下げ、その場を立ち去った。

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「お前が王位に上がれば…」粛宗の言葉を、世子は途中で遮った。「父上」

世子「滅相もないことを」
粛宗「最後まで聞くのだ。お前がこのまま王になれば… 世継ぎのいないお前が王になれば、老論が延礽君を擁立しようとするだろう。延礽君をどうするつもりだ?」
世子「…。」
粛宗「延礽君を殺すのか、生かしておくのか、それを訊いておるのだ」
世子「…。」
粛宗「王子は兄弟との戦いに勝ってこそ生き残ることができる運命。王の運命は父親がこの世を去ることで始まるのだ」

「…。」黙っている世子を、粛宗はじっと見た。「さぁ答えよ」

世子「…。」

#って最後までだんまりかい

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翌日。

粛宗は龍袍に袖を通し、宮廷を見下ろせる風通しのよい屋外に出ていた。

#テギルとの対面まではとても良かったのに… 何シーンも相手や場所を変えて引き伸ばしちゃうのは勿体無いね。
続いてる印象なのに、何時間も流れてるし。

そばに付いているのは延礽君だ。

粛宗「ペク・テギル… あの子に対しては、敵となっても手を組んでもいけない。割れた瓦では雨水を防げぬ。行く道が違うのだから、互いの運命を受け入れよ」
延礽君「肝に銘じます」
粛宗「逝く前にお前の生きる道を作っていくつもりだ。常に身辺を綺麗にしておけ」
延礽君「…。」
粛宗「いつか王位に就き、我が国朝鮮を後世に刻むのはお前であろうから」

そう淡々と話し終えると、粛宗はゆっくりと顔を上げ、目の前に広がる景色を眺めた。

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粛宗「ほんの… 一瞬であったな」

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静かに鐘の音が響く。

「王様よ、お戻りくださいませ!」宮中から聞こえてくる声に、待ちゆく人々が不思議そうに振り返った。

主を失くした龍袍を、内官が屋根の上で力いっぱい翻し、天へ旅だった王を呼ぶ。
その声は、高く晴れ渡った空にどこまでも広がった。

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ここでエンディングです。

テギルと対面した粛宗に鷲掴みにされて、鄭氏事件で不平ぶーたらだったのが吹っ飛びました。
本当にこれまで他のドラマで見たこともないような、凄い王様でした。
毎回、粛宗が出てくるたびに、次は何を言うのか、どんな顔をするのかとドキドキでしたね♪

その前の鄭氏事件については…
後から「実はあのときこんなやり取りもあって」とあれこれくっつけるのは最近よく見る手法だけど、元のいきさつの描写ができていない上に、ちょっと”何でもあり”が過ぎました。せっかくテギルが英雄になったのに、雪崩れ込んできた町の人たちにお口ポカーンです。

残り少なくなっていましたが、延礽君はちゃんと自分の地位を確立しなきゃならないし、そこにテギルの存在をどう絡めて見せ場を作るのか、とてもむずかしいところだと思います。
延礽君もテギルもこのところ硬い表情ばかりで、もう少しいろんな表情が見られるといいなぁ♪

最後に…王の死を、ありきたりな「泣いてひれ伏す重臣たち」とかで表現せず、厳かな内官の声や、青空に翻る龍袍で描いたのはとっても気に入りました。
しばらくは何かの拍子に思い出すかも。

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