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テバク18話あらすじ&日本語訳vol.2

   

チョン・グァンリョル、チェ・ミンス出演SBSドラマ「テバク(대박)」18話、中盤です。

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「ここに命じる」正殿に集まった大臣たちを前に、世子が宣言した。

世子「書生イ・インジャを無罪放免にし、あやつの部下たちもまた特別に赦免とする」

「邸下!」驚いた老論の大臣たちが口々に叫ぶ。「なりませぬ!」

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外へ出て来た延礽君は、待っていたテギルの前で苦渋の表情を浮かべた。「イ・インジャが無罪放免になった」

テギル「!」

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インジャたちがさっそく牢を出てくると、世子が直々に義禁府を訪れていた。
「邸下」彼らは丁重に頭を下げる。

世子「ご苦労であったな」
インジャ「聖恩の限りにございます」

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世子が住処に戻り、一人でいるところを訪れたのは…
テギルだ。

世子「ペク・テギル、お前は一体何者だ?あちらこちらに名を馳せているのは何故なのだ?」
テギル「邸下でいらっしゃいますか、イ・インジャを釈放したのは」

「…。」世子の視線はテギルが握っている剣へと移る。
父、粛宗自らテギルに与えたものだった。

#よく剣を握った謎の男を一人で世子の前に通したねぇ、お付きの人たち。

世子「その剣は…」

「父上が大事にしておられたものだ…」世子は心の中でつぶやき、改めてテギルを見つめる。

世子(心の声)「私には一度さえこのような贈り物をくださることはなかったのに…」

「ところで」世子が言う。「似ているな」

テギル「?」
世子「延礽君に。いや、淑嬪様か…」
テギル「!」
世子「父上にも似ている」
テギル「…。」
世子「そなたの父親は賭博師ペク・マングムであろう」
テギル「なぜそれを…?」
世子「そなたは知らぬはずだ。随分前、そなたの父親が宮廷に連行されて来たことがある」

それは世子が母と別れる直前のことだ。
禧嬪張氏は憎き淑嬪(当時は淑媛)を追い込むため、ペク・マングムの育てていた赤ん坊が”死んだはずの永寿”だとして、マングムを拷問に掛けたのだ。
世子は同席したわけではなかったものの、遠くからその様子を目にしていた。

世子「幼い頃のことで、私も記憶がおぼろげだが…。そなた、生年月日はいつだ?」

「!」テギルはドキリとして目を見開いた。

テギル「よくわかりません」
世子「イ・インジャがそなたを推薦した。そなたに官位を与えろと」
テギル「!」
世子「理由はわからぬが、無理に官位を与えることも出来ぬし、私も逆賊に問われたイ・インジャを手放しで信用することは出来ぬ」
テギル「…。」
世子「そこでだ。ペク・テギル、そなたにあやつの背後を暴いて欲しいのだ」
テギル「!」
世子「キム・チェゴンの弟子だというし、そなたを今この時から禁衛営の別武士に任じよう」

※禁衛営の別武士=国王の護衛と首都防衛を担う禁衛営の精鋭武官

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「着替えろ」師匠キム・チェゴン自ら、テギルに一揃えの官服を差し出した。

テギル「断ったらどうなるんだ?」
チェゴン「殿下が病に臥せていらっしゃるから、世子の命令は則ち御命だ」
テギル「…。」
チェゴン「受け入れろ。それほど上の官位でもないから」

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「ふむ」官服に着替えたテギルを目にし、チェゴンは唸り声を上げた。「なかなか様になっているな」
チェゴンが”別武士”と書かれた号牌を差し出す。「受け取れ」

テギル「別武士?」
チェゴン「随分昔のことだが、私も一時は別武士だった」

※以前、粛宗を襲った逆賊について延礽君に語ったことがありました。若い頃の犬斫刀が生き残った、あの謀反です。そこで「別武士キム・チェゴンがいなければ私は死んでいた」と言っていたんですが、そのときは”別武士”という言葉の調べがつかなくて、省いていました。実在のキム・チェゴンもこの謀反のとき”別武士”として記録に名前が登場します。

チェゴン「品階はないが自由に宮廷を出入りできるし、他の官職にくらべて干渉されない。自由に動ける方だ」

「だからって」テギルは全く気が進まない様子で呟いた。

チェゴン「お前も軍官だ。自負心を持て」

チェゴンは拳でコツンと弟子の胸を小突いた。「こいつめ」

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依然として意識の戻らぬ粛宗に、御医は鍼治療を施した。
と、鍼でいっぱいになった粛宗が不意にピクリと顔をしかめたかと思うと、目を開けたではないか。

「父上!」付き添っていた延齢君が驚いて声を掛ける。

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宮中の動きが俄に慌ただしくなった。
並んで歩くチェゴンとテギルのもとにも知らせが届く。「殿下が意識を取り戻されたそうです」

チェゴン「!」
武官「目を覚ますなり、キム様をお呼びです」

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大殿へ駆けつけた延礽君を、キム・チャンジプが引き止めた。「延礽君様」

延礽君「?」
チャンジプ「少しここでお待ちください」

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起き上がった粛宗の前にいたのは、世子と都承旨(←だったかな?この御方)だ。

書状を都承旨が恐る恐る読み上げる。

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【民心を安定させるため、特別に罪人たちを赦免する。イ・インジャと関係者たちを全員釈放せよ】

「お前はしばらく出ていろ」粛宗は末息子の延齢君をまずは外に出した。

粛宗「逆賊イ・インジャを釈放したと…?」
世子「はい、殿下。殿下が意識を…」

粛宗は目の前の膳を思い切り世子へ向けてひっくり返す。
器が飛び散り、中身が世子に降り注いだ。

世子「!」
粛宗「お前に失望することさえ飽き飽きする。余が今すぐ…」

「私は…」世子はまっすぐに顔を上げ、父を見る。「父上が心から憎らしいです」

粛宗「何と」
世子「私はいつになれば父上の御心を得られるのですか」
粛宗「…。」
世子「世子となり代理聴政をしていながらも、常に延礽君と延齡君に押され陰になっています。私は本当に長子なのですか。一体なぜ私を世継ぎになさったのですか!」

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顔をひきつらせたまま父の部屋を出てくると、世子はそこで待っていた延礽君を睨んだ。

世子「…。」

追い打ちを掛けるように、今度は延齡君がやって来る。「兄上、もう父上にお目にかかってよろしいでしょうか」
3人の兄弟の間に、重い沈黙が流れた。

と、そのとき、扉の向こうから父の声が聴こえる。「キム・チェゴンを呼べ!」

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キム・チェゴンがやって来ると、延礽君が大殿の前で迎えた。

延礽君「待っておいでだ」

一緒にやってきたテギルを残し、チェゴンが中に入る。
テギルの着ている藍色の官服を、延礽君は静かに眺めた。「よく似合う」

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テギル「…。」
延礽君「イ・インジャが推薦したそうだな」

黙って頷いたテギルを、延礽君はじっと見つめた。

延礽君(心の声)「ひょっとしてペク・テギルと私を仲違いさせようというのか?」

「何でそんな目で見るんだ?」テギルが不思議そうに尋ねる。

延礽君「そなたは敵か?味方か?」
テギル「?!」

そこへキム・チャンジプがやってきた。「延礽君様」
延礽君に頭を下げると、チャンジプはテギルに視線を移す。「どなただ?」

テギル「ペク・テギルと申します」
チャンジプ「ペク・テギル…。(延礽君に)少しお話が」

「そなたはこれで」延礽君に言われ、テギルはそこで二人の前を離れた。

チャンジプ「…。」

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イ・インジャたちは数日ぶりの美味い食事を前にしていた。

インジャ「火種はなにより早く伝播するもの。ペク・テギルも延礽君ももうじきわかることだろう。誰が敵で誰が味方なのか。そなたたちも食べなさい」

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キム・チャンジプに呼ばれて行ってみると、老論の大臣たちと共に御医がいた。

チャンジプ「香に阿片が入っていたそうですね」

御医が頷く。

チャンジプ「(延礽君に)責任を恐れれば言葉を慎むものです。知っておいででしたね?」
延礽君「はい」
チャンジプ「延礽君様、このようにひた隠しにして一人で解決しようとして、延礽君様の手にかかるような奴らではありません」
延礽君「…。」
大臣「延礽君様、20年前すでに謀反を主導し、この20年、朝廷を裏で意のままにしてきた者なのです」
延礽君「私が口を開けばむしろ尻尾を隠すのみ。証拠もなしに結果は変わりません」
大臣「延礽君様、この宮中に延礽君様お一人でいらっしゃるわけではないのです。孤軍奮闘なさらず、助けを求めてくださいませ」
延礽君「はい。次からはそうしましょう」

#このシーンがあまりにどうでも良すぎてしばし休憩(笑)延礽君が阿片の件を老論軍団に黙ってようが、私たちにもストーリーにも1ミリも影響ありませんって。

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「わぁ!」凛々しい官服で帰ってきたテギルを、トッケビとソリムがいつものように並んで出迎えた。「おめでとう!別武士様」

トッケビ「お慶び申し上げまする~、別武士様!」
ソリム「めちゃくちゃ似合ってるわ!」

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「やめろよ」テギルの表情は冴えなかった。

トッケビ&ソリム「…。」
テギル「イ・インジャが釈放された。喜んでる場合じゃない」
ソリム「わかってる。私はただ… あんたに笑って欲しくて」
テギル「…?」
ソリム「ずっと走り続けてきたんだから、少し休むんだと思っちゃ駄目?」
トッケビ「イ・インジャはいつでも捕まえられる。あまり気を落とすな」

テギルは黙って二人を見つめた。

テギル(心の声)「約束する。二度と誰も傷つけさせるものか。俺の大事な人たちを…一人だって」

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キム・チェゴンを前に、粛宗は苦しい呼吸を懸命に抑えた。「お前のその刀…」

粛宗「誰のためのものだ?」
チェゴン「ひとえに殿下のためにございます」
粛宗「イ・インジャを殺せ」
チェゴン「!」
粛宗「急襲だの暗殺だのそんな稚拙な真似はせずに、正面玄関から堂々とだ。お前は余だ。余の刀なのだから」
チェゴン「…。」
粛宗「持ってくるのだ。イ・インジャの首を!」

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「はい、殿下」チェゴンは深々と頭を下げた。

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「おいでか?」一人でいるインジャに元へ、客人がひっそり訪ねてきた。

インジャ「?」

そこに立っていたのは、チョン・ヒリャンだ。

インジャ「私を見張っているのは一人や二人ではないのに、実に危険なことを」
ヒリャン「…。」
インジャ「ならば私もそなたに感謝を示さねば」

インジャは客人に酒を振る舞う。
ヒリャンは粛宗を死の淵に追いやった阿片香を思い浮かべた。「あのまま死んでくれれば良かったものを」

ヒリャン「残念なことになった」
インジャ「それを言いに来たわけではないはずだが」
ヒリャン「ペク・テギル、本当にあやつを王にするつもりか」
インジャ「もしそなたが王になりたいのなら」
ヒリャン「私はそんなつもりはない」
インジャ「ならば?」

ヒリャンは手元の盃を裏返しに伏せた。「君を試そうと思う」

インジャ「?」
ヒリャン「処刑場に送られて尚、並外れた天運で命拾いをした。だが、備え持ったものが運だけならば、君と手を組む気にはなれない」
インジャ「それで?」
ヒリャン「まだ知らぬようだな」

ヒリャンが声を落とした。「王が目覚めた」

インジャ「…!」
ヒリャン「この機会に君の実力をあぶり出すつもりだ。このチョン・ヒリャンが」

「…。」インジャはじっとヒリャンの表情を窺った、
何を企んでいるのだ…?

ヒリャン「まずはペク・テギル、あやつを秤にかける。そして次。目覚めた王が君を放っておくはずがない。見せてもらおう、君がどう動くのか」

インジャが慎重に考えを巡らせる。
王が目覚めたということは…?

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夜になってから、タムソは一人で父の墓を訪れていた。
墓石に酒を掛け、ひざまずこうとしたところへ、誰かの声が飛んで来る。「今日が命日だろう?」

タムソ「!」

振り返ると、そこにチョン・ヒリャンが立っていた。

タムソ「またいらしたのですか」
ヒリャン「驚くな。今日はイスの友人として来たのだ」

ヒリャンは笠を外し、イスの墓に酒を注いだ。「私は借りの多い人間だ」

ヒリャン「実にたくさんの血を振り撒いてきた」
タムソ「…。」
ヒリャン「かの大業に失敗し、仲間たちを失った時。それに、この長い年月の間、大業のために死んでいった者たち…」
タムソ「父の死を正当化しないでください」
ヒリャン「正当化は出来ない。いかなる美辞麗句で飾ろうとも、死んだ君の父親の前で晴れ晴れと顔を上げることなど出来ぬ」
タムソ「…。」
ヒリャン「だが、君の父親イス、そして志をともにして死んでいった数多くの仲間、彼らが夢に描いてきた… 彼らの血と汗を肥やしとして育ててきたこの大業こそが、彼らの魂を慰めることのできる唯一の方法なのだ」
タムソ「師匠はたったの一度もここへ謝罪に来られませんでした」
ヒリャン「まだわからぬか?お前の師匠は待っているのだ」

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タムソ「…。」
ヒリャン「大業を成し遂げ、お前の父親に謝罪しにここへ来る日を、指折り数えて」
タムソ「呆れた言い訳ですね」

「お帰りを」タムソはぷいと顔をそむけた。

ヒリャン「思い出してみるのだ。師匠はお前をどんな目で見ていた?イ・インジャにとって、お前は唯一無二の存在だったはずだ」
タムソ「…。」
ヒリャン「一刻を争うぞ。朝鮮一の剣豪キム・チェゴンが、お前の師匠の命を奪いに来る」
タムソ「!!!」

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ここで区切ります。

なんかまたシーンがブチブチで^^;
誰が誰と一緒に誰に会って、誰と誰が話しているとそこへ誰かがやってきて、誰がどこそこを出てくると誰が待ってて…
ト書きばかりややこしくてきっと読みにくいですよね、翻訳も。

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