韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

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テバク18話あらすじ&日本語訳vol.1

   

チャン・グンソク、ヨ・ジング出演SBSドラマ「テバク(대박)」18話です。

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喪服を早々に着替え、気持ちを切り替えると、テギルは外へ出てきた。

ソリム「どこ行くの?」
テギル「やるべきことをやらないとな。ヨナを呼んでくれ。みんなに話があるんだ」
ソリム「わかった」

ソリムがその場を離れると、テギルは何気なく視線を周囲に泳がせた。
と…?

向こうに、さっと笠が隠れるのが見える。

テギル「?」

人影が消えた方へと、テギルは吸い寄せられるように歩いて行く。

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危ないところだった。
慌てて逃げ出したマングムは、路地裏に身を隠し、乱れる息を抑えた。

マングム「…。」

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延礽君は大急ぎで宮廷へ駆け戻った。

恐る恐る父の部屋の扉を開けると…
「父上!」涙ながらに父に呼びかける末弟、延齢君の声が聞こえてくる。
横たわっている父と、それを取り囲んでいる世子や御医の姿が見えた。

延齢君「父上!目を開けてください!」

延礽君は呆然と父の傍らに膝をつく。「父上…」

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笠の消えた方へとテギルはゆっくり近づいていく。
突き当りに背を向けていた人影が目に入ると、大きく見開かれたテギルの目に涙が滲んだ。「父さん…?」

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「来るな」頑なに背を向けたまま、マングムは小さな声で言った。

テギル「父さんだろ?」
マングム「来るなって!」

「父さん!」真後ろまで来ると、それまでテギルの声に混じっていた”疑問”は完全に消えた。
「一体どうなってんだ?生きて帰ってくるなんて!」彼の目から大粒の涙が流れ落ちる。

マングム「そうだ、ケトンイ…。お前の父ちゃんだ。済まない、本当に済まんな」

マングムはゆっくりと息子を振り返る。
テギルは思わずマングムの襟首を掴んだ。「済まないってそれだけか?!」

テギル「生きてたのに何で今頃になって!」
マングム「…。」
テギル「父さんが死んだと思って、俺、どれだけあちこち彷徨ったか!」

マングムは言葉もなく、息子の肩を叩く。

テギル「言えよ。何で死んだふりなんかしたんだ?なぁ!」

マングムはぎゅっと口を閉じ、首を横に振った。

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「理由は何だ?」父の病室を出て、延礽君は御医に訪ねた。

御医「弱いものの脈はありますし、浅く息もあります。体温も正常にございます」

#前回、死んだと早とちりしてすみません。先を一切見ることなく、ネタバレも避け、そのときそのとき感じたことを素直に書いていますので、特に毎回のエンディングに関しては、先をご覧になった方にとってトンチンカンなことをよく書きます。皆さん、温かく見守っていただいてありがとうございます。

延礽君「理由を訊いているのだ。昨晩までお元気だった父上が、突然昏睡に陥った理由を」
御医「そ、それは…。断定は出来ませんが…」

御医はいつも煙が立ち上っている卓上の香炉をみやった。

御医「阿片を混ぜた香にございます」
延礽君「香?!」
御医「はい」

#確かに、倒れる前に一度振り返って香を見たんだよね。なんとなくスルーしちゃったけど。

延礽君は香炉を手に取り、蓋をあける。

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御医「楊貴妃花(※ケシ)を混ぜて作った香で、痛みを緩和するのです。毒性が強く、たびたび使ってはいけないと注意申し上げていたのですが」
延礽君「殿下に阿片を処方していたのか?!」
御医「あ、はい、その…」

話を耳にして、世子が出てくる。「なぜ誰も知らなかったのだ?」

御医「えぇ、その… 殿下が絶対に秘密にしろとお命じになりまして」

#いつもお香の煙モクモクだったから、周りの人たちにもいろいろ影響してるだろうと思いつつ。

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延礽君が大殿の外へ出てくると、そこには話を聞きつけた大臣たちが大勢集まっていた。
「延礽君様」キム・チャンジプが声を掛ける。

チャンジプ「殿下のご容態はいかがでございましょう」
延礽君「幸い峠は越えたようです」
チャンジプ「誠によろしうございました」

「…。」延礽君は厳しい表情で少論の大臣たちを振り返った。

少論の面々「…。」
延礽君「…。」

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#おーい わざわざ名前書くなら間違えるなよー

「それではまた」延礽君は前に向き直り、早々に彼らの前を立ち去った。

チャンジプ「…延礽君様?」

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延礽君が訪ねたのは内医院だ。
王に処方されていた香が並べられた。

延礽君「これで全部か?」
医官「はい」
延礽君「この中で阿片が混ざっているのはどれだ?」

医官が一掴みを紙に取り、延礽君に差し出す。
延礽君はそっと香りを嗅いだ。「この香が昏睡を引き起こすことはあるのか?」

医官「ケシの花は毒性が強く、むやみに使うと命を失うこともございます」

「それなのに一体なぜ!」延礽君が声を荒げる。「殿下に阿片を処方したのだ?」

#最近怒鳴ってばっかだねぇ(´-`)

医官「殿下は2年前より胆石による痛みを訴えておいででした。吐血なさることもございまして」
延礽君「父上は黙って痛みに耐えていらっしゃったのか…?」

自分、世子、そして全ての官僚たちに気づかれぬように…?
香の煙の向こうで、ときどき咳き込んでいた父の姿を、延礽君は思い浮かべた。

延礽君「阿片の混じったこの香はどこから入る?」
医官「内医院で使う香は、全て典医監から入りますが、それまでにどう行き来しているのかは知り得ません」

世子が入ってきた。「確認はしたのか」

世子「寝殿へ運び入れる香は一つ一つ確認していたのかと訊いておる」
医官「そうしております、邸下。私どもは一つ一つ香を確認しておりますが、全て焚いてみるわけにもいかず…」
世子「…。」
医官「申し訳ございません、邸下」

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テギルはマングムの話を聞いた。

テギル「それで…イ・インジャと取引したって?」

マングムが黙って頷く。

テギル「父さん… 俺が王になりたいなんて言ったことあるか?そんなこと考えたこともないし、なりたくもない。俺はただ…父さんさえいてくれりゃいいんだ」

じっと黙っている父の手を、テギルは握った。「父さん」

テギル「今やってること全部やめにして、俺と一緒に暮らそう。な?」
マングム「駄目だ」
テギル「何で駄目なんだよ!」
マングム「お前の命は、お前一人のもんじゃない」
テギル「俺の命が俺のもんじゃないなら、誰のだよ?!」

「民だ」マングムが大きく目を見開く。

テギル「!」
マングム「俺の命だって、俺だけのもんじゃない」
テギル「父さんの命が何で?一体何言ってんだよ?」
マングム「そのうちわかるさ。今はまだ早い」

テギルはすがるような目で父を見た。「頼むからわかるように話してくれ」

マングム「テギル、今から話すから、しっかり聞くんだぞ」

マングムは声を潜めた。

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ヨナを呼んできたソリムは、テギルが誰かと話しているのを見て首をかしげた。「テギル?」

ソリム「どなた?」

マングムはさっと笠を目深に引き下げる。「俺の話、わかったな?」

テギル「…父さん!」
マングム「また戻ってくる。そのときまで…いいな?」

マングムはさっと背を向け、路地の向こうに消えた。

テギル「…。」

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#背格好も体型も年齢も同じくらい、服装も色違いっぽい雰囲気。なんか二人組ユニットみたいだね。

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「マングムに会った?!」話を聞いて、トッケビは飛び上がるほど驚いた。「そりゃどういうことだ?!」

テギル「…。」
トッケビ「お前の父親が生きているって、本当なのか?!」

「マングム!俺も会いたいぞ!」トッケビは叫び声を上げ、辺りを見渡した。
「探すなってさ」テギルがぼんやりと呟く。

トッケビ「探すなって、どういうことだ?」
テギル「…。」

マングムは言ったのだ。
「まだ早い。俺は俺でやることがあるから、お前もお前なりに動け」と。

テギル「父さん… 生きてた」
トッケビ「マングムが生きていたんだな!!!」

「天が助けてくれたんだ!」トッケビが叫ぶ。
そこへ、勤めを終えたチェゴンが帰ってきた。「何事だ?」

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「王様が倒れた?!」チェゴンの話に、ソリムが目を丸くした。

チェゴン「それで、俺は当分殿下のそばについていなきゃならない」

「イ・インジャ…」テギルが口を開いた。「イ・インジャの仕業だ」

チェゴン「証拠があるのか?投獄されている奴がどうやって」
テギル「そうでなきゃ、例の逆賊鄭氏の仕業か」
チェゴン「…。」
テギル「証拠がなくったってわかる。殿下を昏睡させたのも、親父と生き別れにさせたのも、全部イ・インジャの手中で起きてるんだ」

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牢の中で、ファングが意識を集中させ、身を震わせるのを、インジャはじっと見守った。

インジャ「王の命運は尽きたか?」
ファング「腐っても鯛は鯛、牙が抜けても虎は虎。気運が強く、少しも読めません」

インジャは頷き、考えを巡らせる。「息は残っているようだな」

#ずっと思ってたけど、延礽君も甘いよねぇ。
別々に投獄しなよ。

「噂は早いものだな」そう言いながら入ってきたのは、少論の大臣、キム・イルギョンだ。

インジャ「耳ざといものでして。ところで何か御用でしょうか」
イルギョン「そなたは無論のこと、そなたの仲間も気に入らぬが、雷を避け、大波をも割くそなたの命運は認めざるを得ぬわ」
インジャ「それで、少しは考えが変わりましたか」
イルギョン「そなたを救い出してやろう」
インジャ「…。」
イルギョン「世子邸下を説得し、無罪放免にしてやる」
インジャ「同副承旨の座はいかがです?」
イルギョン「?」
インジャ「あぁ、ならば兵曹判書になさいませ。それをお望みだったのでは?」
イルギョン「私をからかっているのか?!」
インジャ「雷を避け、大波をも割くこのイ・インジャに、たかが役職一つ差し上げられぬわけがありません」
イルギョン「…。」
インジャ「それもお気に召さぬなら刀を握らせてさし上げましょう」
イルギョン「刀?」
インジャ「はい。令監に刀を握らせてさし上げますので、それで老論の大臣たちを一掃なさっては?」
イルギョン「…。」

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翌日も、朝から朝廷の会議は白熱していた。

キム・イルギョン「邸下、ひょっとすると民が騒がしくなる恐れがありますので、罪人たちを赦免して邸下の人徳をお見せになり、ざわついた民心をお鎮めくださいませ」
キム・チャンジプ「邸下、イ・インジャをはじめとする大逆罪人を処刑し、このようなときほど王室の基盤を強固にすべきです」

「何と!」少論も老論も、互いの意見に激しく意義を唱える。

黙っていた世子がドンと卓を叩いた。「やめよ」

世子「殿下が意識を失っていらっしゃるときに、死刑執行して民心を鎮めることなどできようか」

「ならば」延礽君が口を開く。

延礽君「逆賊イ・インジャを釈放でもなさるおつもりですか」

世子は延礽君を見据えたまま立ち上がった。「話がある」

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世子は延礽君を連れて外へ出た。「真意は何だ?」

世子「私に逆らう真意は?」
延礽君「こんなことをして、父上がお目覚めになれば、一体どうやり過ごすおつもりですか」
世子「私はこの国の世子だ!殿下に成り代わり政治を論じる資格がある。だが、お前は!…なぜそう鼻高々なのだ?」
延礽君「本当に逆賊イ・インジャを擁護するおつもりなのですか」
世子「逆賊ではない!なぜあやつが逆賊なのだ?」
延礽君「邸下!あやつが玉座を狙っているからです!」
世子「玉座を狙っている?!」
延礽君「…。」
世子「ならば、お前は玉座を狙っていないと誓えるのか?」
延礽君「!」
世子「そうか。あのとき気づくべきだった。發兵符を出して私を脅したお前の目!ようやくわかったぞ。誰が味方で、誰が敵なのか」

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別れの日に、母、禧嬪張氏に言われたことを、世子は今、鮮やかに思い返していた。
踏みにじれと。世子を辱める者は誰であろうと許すなと、母はそう言ったのだ。
この母のように失敗を犯してはいけないと。

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牢の前にテギルが現れると、インジャはそっと目を開けた。

テギル「親父とどんな取引をした?」
インジャ「ペク・マングムに会ったのか」
テギル「…。」
インジャ「予想はしていた。私が投獄され、淑嬪も息を引き取ったのだから、あやつもまた姿を現す頃合いだろう。それで、死んだと思っていた父親に会ってどうだった?」
テギル「できることなら、こんなうんざりする悪縁は全部断ち切って、親父と遠いところへ行きたい、そう思ってた」

ポツリポツリと話すテギルは、どこか遠い目で宙を見つめる。「少し前までは」

テギル「だがな、あんたのその虫酸の走る顔を見たら、到底そんな勇気は出ないな」
インジャ「…。」
テギル「あんたを許し、全部忘れて暮らす勇気は」

「ふふふ」インジャが低い笑い声を上げる。「まさにそれだ」

インジャ「私がお前を諦めない理由は」
テギル「?」
インジャ「お前のその強い意志」
テギル「処刑を免れると思っているようだな」
インジャ「わかっているではないか。王に何が起きているか」
テギル「お前の仕業だろ」
インジャ「証拠はあるのか?」
テギル「…。」

「もう帰れ」そう言ったきり、インジャは再び目を閉じた。

#もぉー なんでわざわざ会いに来るわけ?今に始まったことじゃないけど、完全にインジャのペースじゃないか。

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義禁府を出て、テギルは静かに考えを巡らせた。

インジャ(声)「まずはこの牢獄を出て、ふたたびお前を訪ねよう」

そこへ…
「ここにいると言われてな」やってきた延礽君が声を掛ける。

テギル「…。」

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「父親に会ったそうだな」歩きながら延礽君が言った。

テギル「殿下が倒れられたと聞いた」
延礽君「…。」

延礽君は袖口から小さな箱を出す。
蓋を開くと、そこには例の”香”が入っていた。「阿片の混ざった香だ」
テギルが受け取り、匂いを嗅ぐ。

延礽君「父上がお使いになった香は灰になっていて、証拠がない。だが、それより問題なのはイ・インジャの処刑に反対する大臣たちだ」
テギル「…。」
延礽君「少論は勿論、成均館の儒生たちさえイ・インジャを解放してくれと上奏している。どうすればいい?」
テギル「…。」

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ここで区切ります。

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