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テバク11話あらすじ&日本語訳vol.1

      2016/05/07

チャン・グンソク、ヨ・ジング出演SBSドラマ「テバク(대박)」11話です。

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「この仮面はどこで手に入れた?」足元に落ちた白面書生の仮面を、インジャが拾い上げる。

テギル「”知彼知己 百戦百勝”だ」
インジャ「敵を知り、己を知れと?誰が敵で誰が味方だと思っているのだ?」

※知彼知己=孫子の兵法にある一節。相手を知り、己を知れば、百戦も危うくないという教えで、”知彼知己”の後は、”百戦百勝”ではなく、正確には”百戦不殆”です。

インジャ「嘆かわしいことよ。ようやく殻を破ってこの世に出て来たと思ったら、未だつまらぬ復讐欲に自らを縛り付けているのか。いい加減父親からの死から抜け出すのだ」

テギルはインジャの手から受け取った白面書生の仮面をじっと見つめると、それをポイと足元に落とし、踏みつけた。

インジャ「!」
テギル「親父の復讐のためだけなら、もう数百回は殺してるさ」
インジャ「?」
テギル「俺が必要なんだろ。だから俺を殺せないんだ。あんたが描いてる大きな絵。それを完成させるために、俺が必要なんだ」

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「ふむ」インジャが微笑む。「今頃気づいたか」

テギル「あんたこそ夢から目覚めたらどうだ?」
インジャ「私の抱く信念!私の夢見る大義… 一体お前に何がわかるというのだ?」
テギル「少なくともこれだけは確かだ。あんたは絶対に味方にはなり得ない」
インジャ「…。」
テギル「俺にとっても、王にとっても、民にとっても」

「…。」インジャが黙って目を細める。
「このチビめ」痺れを切らして詰め寄ろうとした六鬼神を、犬斫刀がさっと制した。

テギル「…。」

犬斫刀は静かにテギルに声を掛ける。「ここじゃ歩いてくる人間を誰も避けはしない」

犬斫刀「ゆっくり来い。焦らずに」

犬斫刀を先頭に、三傑は部屋を後にした。

インジャ「…。」
テギル「たびたび会うだろう。これから」
インジャ「…。」

背を向けて、テギルは「あぁ」と振り返る。「忘れるなよ」

テギル「あんた、今日は俺が生かしておいてやったんだ」

テギルが出て行くと、インジャはそっと呟いた。「お前の見ているものが全てではない、ペク・テギル」

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白面書生の面を拾い上げ、インジャは遠い昔に思いを馳せた。

祖父「子曰、志於道 據於徳 依於仁 遊於藝。どういう意味か解析してみなさい」
インジャ(青年)「孔子はおっしゃった。道に志をおき、徳を守り…」

青年だったインジャに、優しい祖父イ・ウンジンはいつも学問を教えてくれた。

【ありとあらゆる美辞麗句で飾られた文章。あの頃はそれが真理だと思っていた】

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【だが、私が目の当たりにしたこの世の素顔は、書物とは遠く隔たりがあったのだ。異国との戦乱で無残に踏みにじられてもなお、我が国の王と大臣たちは、少年の幼い忠言さえ許しはしなかった】

国の意図に反する忠言を提出し、逆賊とされ厳しい罰を受けることもあった。

【孔子と孟子を聖賢と崇めながらも、民は決して主体にはなれない世…。それが私の生きている世だった】

そして、インジャ自身の家にも悲劇が訪れる。

【王が強行した血の換局で全てが変わった。家門、家族、”イ・ヒョンジャ”としての人生…】

家族は無惨に殺され、インジャはある日突然全てを失ったのだ。
そのときだった。
インジャが自分を隠すようになったのは…。

【私は白い仮面の中に自分を隠し、我が手でこの世を掴む日が来るのをずっと待っていた。
幼い少年だったイ・ヒョンジャが、イ・インジャという名前で生まれ変わったように、ペク・テギル、お前もまた歩むことになろう。私の歩いたその険しい道を…】

~~~~

賭場の奥の部屋から出て来たテギルを、そこにいたファン・ジンギが呼び止めた。「おい」

テギル「!」

テギルはまっすぐ歩いてくると、ジンギが持っている大剣の鞘をさっと押さえる。

ジンギ「ほぅ」
テギル「今は闘うときじゃない」
ジンギ「…。」

静かにジンギを制し、テギルは背を向けた。

ホンメ「犬っころがエラく荒っぽくなったねぇ」

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「どうも気になるんですがね」ジンギがインジャ一人になった奥の部屋へ入った。

ジンギ「キム・チェゴンの弟子、本当に奴を王にするつもりですか」
インジャ「信じられぬか?」
ジンギ「何のためにあいつを王に?世子はどうする?」
インジャ「世子は捨て駒だ」
ジンギ「?!」
インジャ「私はその先を見ている。世子が死んだ後だ」
ジンギ「だとしても、あんな無鉄砲なやつを」
インジャ「宮廷で生まれ育った世子には、決して出来ぬこと。王の下にいては決して叶わぬ改革。身分制を打破して民が主となる国…。それは、王の血統に生まれながら奥深い奈落を経験した者、ペク・テギルにしか成し遂げられぬ」
ジンギ「…。」
インジャ「見ているがよい。ペク・テギルの名は満天下に知れ渡ろうぞ」

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「イ・インジャを潰す?」突然白面を被って現れた若者に、老人は笑った。

老人「君のような若造は無数にいた。だが、皆どうなったと思う?誰も彼も三途の川を渡ったさ」
延礽君「それで?市廛の商人たちの悪行を一つ残らず記録し、その帳簿でイ・インジャを強迫しようとしているそなたは…生き残る自信があるのか」
老人「こう見えても一時は千を超える亂廛を率いた身だ」

※亂廛=国の許可を得ない不法店舗

延礽君「それなのに、亂廛の商人たちを投げ出し、苦労して作った帳簿をイ・インジャに売り渡そうとしているのは何故だ?」
老人「それは私の自由。イ・インジャは私に500両提示した」

「宮様は私にいくら提示なさいますかな?」老人は問い返す。

#間違いなく最初は”君のような若造”とか言ってるんだけど、ここで急に王子扱いし始めたことに延礽君は特に反応してないね。謎すぎる。

延礽君「…いくら欲しい?」
老人「1000両」
延礽君「冗談が過ぎる」
老人「私がこの帳簿を宮様に渡せば、イ・インジャは私を放っておきますかな?500両は帳簿代、残りの500両は命代ですよ」
延礽君「…1000両だそう」
老人「!」
延礽君「ただし、そなた自ら大臣たちの前に出て証言してくれるならな」
老人「…。」
延礽君「どうする?」

老人は懐から書物を差し出した。「金は不要。命だけ保証していただきたい」

延礽君「有り難い。そなたの命、必ずや守ろう」

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「あの男が便殿に立つまで守るのだ」部屋を出ると、延礽君はさっそくサンギルに指示した。

※便殿=王が政務を行う場所

延礽君「絶対に死なせてはならぬ」
サンギル「はい。ところで延礽君様、ペク・テギルが漢陽に足を踏み入れました」
延礽君「!」

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町を歩いていたテギルは、不意に目の前に現れた男に手引きされ、ある料理屋の個室へやって来た。
そこで待っていたのは、延礽君だ。

テギル「宮様だったか」
延礽君「座れ」

テギルは彼の正面に腰を下ろす。

テギル「高貴な御方がひとりぼっちで昼間から酒とは。振られたのか?」
延礽君「気にならぬか。タムソがどうなったか」
テギル「…。」

テギルが最後に見たタムソは、森の中で延礽君に抱きしめられている姿だ。

テギル「もう興味ないさ。もっと大事なことができたからな」
延礽君「イ・インジャ…」
テギル「!」
延礽君「…だろう?」

延礽君は酒瓶を手に取った。「いっぱい受けろ」
テギルは手元の盃を掴み、無造作に突き出す。

延礽君「お前って奴は!本当に礼儀を知らないのか」

「???」テギルが首をかしげ、仕草で酒を催促する。
延礽君は諦めて酒をついだ。

テギル「それで、俺を呼び出した理由は?」
延礽君「友にはなれずとも、志を共にする同志にはなれそうな気がしたのだ」
テギル「同志?」
延礽君「父親の復讐をするつもりではなかったのか」
テギル「今頃、イ・インジャは三途の川を渡っているはずだ」
延礽君「?」
テギル「単に復讐が全てだったらな」
延礽君「もっと大きな志があると?」
テギル「そういうあんたは?なぜイ・インジャを倒そうとしてるんだ」
延礽君「積もった感情は私も同じくらい深い。どうした?嫌か?」
テギル「俺は俺なりにやることがある」
延礽君「…。」
テギル「あんたはあんたの好きにしろよ。下手に俺の前をうろついて邪魔にならないようにな」
延礽君「私の好意を無視するのか」
テギル「宮様の好意はちっとも好意に思えなくてね」
延礽君「!」

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言葉を失う延礽君に余裕の笑みを見せると、テギルは早々に立ち上がった。「なら、これで」

延礽君「その刀…」
テギル「?」
延礽君「殿下がその刀を下賜なさった意味がわかるか」
テギル「意味?」

~~~~

山小屋でその刀を抜いてみた時、師匠がそばで口を開いた。「刀にも種類がある」

チェゴン「人を殺す刀、人を救う刀。お前が手に握るのは、どんな刀だ?」

~~~~

テギル「百の思考より、決断のこもった一度の行動。それがこの刀の意味だ」

テギルは延礽君を残し、部屋を後にした。

延礽君「百の思考より一度の行動か…」

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今日も朝廷では、いつものように議案が進められていた。
議事を進める世子の背後で、粛宗がじっと黙って見守っている。

#いやぁだー!こんなの私もすぐ病気になるわ

世子「ならば今日の案件は全て終わりか」

大臣たちが小さく頷く。
そこへ、入口の扉が開いた。
「遅くなりました。殿下」入ってきたのは延礽君だ。

皆が注目する中を、延礽君は世子と粛宗の前へまっすぐ進み出る。

延礽君「本日、議題に上げたい案件がございます」

同時に運び込まれた資料が提出された。

延礽君「過酷な刑罰を受けて死んでいった者たちの血書にございます」

「主人の目の届くところを離れたのが罪ですか?」延礽君は大臣たちを見渡す。

延礽君「ひもじさに餅をたった一つ盗んだのが、死に値するほどの罪ですか?ならば、飢えた民を死に追いやった朝廷の大臣たちには罪がないと言えるのですか?」

「延礽君様、罪人が罪を償うのは当然のことにございます」老論の大臣が訴える。

と、黙っていた粛宗が口を開く。「それで、案件は何だ?」

延礽君「私が提示する一つ目の案件は、悪舌刑、烙刑、杖刑、墨刑などの過酷な刑罰の廃止にございます」

大臣たちが顔を見合わせる。

延礽君「また、二つ目の案件として、このような者たちの無念を見聞きできるよう、申聞鼓の復活を提案いたします」

※申聞鼓=民が無念を訴えるときに鳴らす鼓

延礽君「同時に、良民たちにだけ賦課されていた軍役布を世帯単位で調整し、儒生や郷吏はもちろん、官職を持つ全ての両班たちまで確定実施することを提案いたします」

※軍役布=兵役を免除する代わりに納めさせる麻などの布

「そうすれば」粛宗の目はあくまでも穏やかだ。「泰平の御代が成せると思うか」
そこへ、延礽君は例の老人から受け取った帳簿を掲げる。

延礽君「この帳簿にこれまで市廛を独占していた商人たちが横領した税金の一切、横流しされた軍納品の品目は無論、賄賂を送った者たちの名前と金額まで、全て記録されてろおります!」

帳簿が延礽君から世子の手に渡った。

世子「それで…言いたいことは何だ?」
延礽君「最後の提案は、禁亂廛權の廃止にございます」

※禁亂廛權=六矣廛と市廛の商人たちが商圏を独占出来るよう、不法な亂廛を規制する特権を国が与えたもの

その場が一気にざわめいた。

延礽君「殿下、少数に過ぎぬ豪商たちばかり儲けさせているのが、現在の禁亂廛權にございます。脱税の巣窟となった禁亂廛權を廃止し、その日暮らしで生き長らえている亂廛の小さな商人たちに力を蓄えさせてくださいませ」

世子が言葉もなく視線をうろうろさせる。
難しい顔で湯を一口すすった粛宗は、器をドンと置いた。「…。」

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ここで区切ります。

はぁ…
難しすぎて死ぬ

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