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テバク10話あらすじ&日本語訳vol.2

   

チョン・グァンリョル、チェ・ミンス出演SBSドラマ「テバク(대박)」10話、中盤です。

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いつもの剣士姿に着替えて庭へ出てくると、タムソはムミョンに頭を下げた。

#宮廷に行く前も庭で同じように送り出してるんだよね。そう、すぐ繰り返すドラマなのよ、これは♪

ムミョン「タムソ、済まなかった」

黙ってもう一度頭を下げると、タムソは背を向けた。
近くにいたジンギが立ち上がり、木彫の仏像を差し出す。

#冥土の土産じゃなかった(゚o゚)
そして鞄も何も持ってない!

タムソはそれを受け取ると、再び黙って頭を下げ、インジャの家を出て行った。

家の中から出て来たインジャが、去っていくタムソを見つめる。
振り返ったムミョンの目には怒りが滲んでいた。「王の命を奪うために差し出したのが、タムソだったのですか」

#この人、ずっとこの話してない?

ムミョン「王の命は奪えないまま、タムソだけ失ってしまいました。結局、師匠は敗れたのです」
インジャ「…。」
ムミョン「タムソは戻ってこないでしょう。永遠に」
インジャ「いや。タムソもいつかはわかるであろう。この世に永遠の敵もなければ、味方もないと」

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一人で住処へ戻ってきた延礽君は驚いて立ち止まった。「?!」
住処の前に大勢の人が集まっていたのだ。
彼らは延礽君の姿に気づくと、一斉に頭を下げた。「延礽君様」

領議政キム・チャンジプを始め、老論の高官たち。
そして、母、淑嬪の姿もある。

延礽君「?」
淑嬪「遅かったではありませんか」

延礽君は母に頭を下げた。「皆どうしたのです?」

キム・チャンジプを先頭に老論の高官たちが前に進み出た。

チャンジプ「しかと拝見いたしました」
延礽君「何を見たというのです?」
チャンジプ「昨夜の延礽君様のご活躍、そして殿下へのお気持ち。殿下のお心が延礽君様にあるのを拝見したのです」
延礽君「…。」
チャンジプ「よって今後私ども老論の大臣たちは、延礽君様のお力になろうと、こうして参じました」

「延礽君様、私どもの思いを受け入れてくださいますか」チャンジプが目を見開き、延礽君を凝視した。

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「…。」延礽君は高官たちを見つめた。
これが… 父の意図だったのだろうか…。

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「これは何だ?」屋敷の庭に積まれた荷物に、領議政キム・チャンジプは眉をひそめた。
持参したのは、商団をまとめる大商人(市廛の大行首)ホ・ベッキなる男だ。

※テロップに『市廛の大行首』と肩書があります。市廛とは政府主導で設置された商店で、政府に貢納を行う代わりに、特定の品目の専売権を与えられていたようです。大行首はその組織のトップのことですね。

ホ・ベッキ「これまで大監にお世話になった恩返しでして、深い意味はございません」

そう言ってベッキは笑う。

チャンジプ「まだ旅の疲れも癒えぬというのに。今すぐ全て持って帰られよ」

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市場の動きはすぐさま延礽君にも伝えられた。

サンギル「キム・チャンジプ大監の帰国後、商人たちの動きが尋常ではありません」
延礽君「…。」
サンギル「殿下のお心が延礽君様にあると、計算の早い商人たちが敏感に対処している様子です」
延礽君「商人たちの背後にはイ・インジャがいるはずだ。イ・インジャが黙っているはずがない」
サンギル「…。」
延礽君「イ・インジャと大行首の動きを見張るのだ」
サンギル「はい」

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「主君、おいでですか」ムミョンもまた商人の動きを見張っていた。

ムミョン「商人たちが背を向けたようです」
インジャ「ふむ。むしろ好都合だ。見せしめが必要だったのだから」

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インジャはさっそく、ホ・ベッキたち商人を呼び出した。

ベッキ「何の用だ?」
インジャ「さっそく老論についたようだな。権力にへつらう君たちのことだから、理解はする」
ベッキ「…。」
インジャ「世子の病状には好転が見られないし、帰国するや否や領相の座に上がったキム・チャンジプ大監の勢力も怖いだろう」

「だが」インジャはあくまでも穏やかに続ける。「これまで君たちの面倒を見てやったのは誰だ?」

インジャ「君たちは今、誰のおかげで贅沢を謳歌していると思う?」
ベッキ「それについては我々も残念だ。このまま世子側についていて、ぱたりと世子が死んでしまったら?延礽君が王になったら?!」

インジャがふっと微笑み、他の商人たちに視線を移す。
彼らは一斉に目をそらした。「…。」

ベッキ「済まないが君について行くことは出来ん。我々は我々で生きる道を探すことにする」

「ならば」インジャは考えを巡らせるように視線をチラリと上に泳がせた。

インジャ「私がこれまでに与えたものを返してもらわねば」
ベッキ「確かに君の助けもあったが、市廛を守ってきたのは我々だ。我々の財産であり、我々の基盤。君に限らず、もう誰一人のものでもない」

「では失礼しよう」ベッキが一方的に立ち上がる。
と、インジャが震える拳でドンと卓を叩いた。「!」

インジャ「”蛙はおたまじゃくしの頃を知らぬ”と言うが… まさに君たちのことだ」

「ではこれで」ベッキはインジャの言葉を受け流し、背を向けようとする。

インジャ「機会をやろう。君たちが私について来るなら大目に見る」

ベッキは余裕の笑みを見せた。「どうか達者でな」
笑って出ていこうとするベッキに、インジャはコキリと首を鳴らす。「ふむ」

ベッキが扉を開けると、そこにはムミョンが立っていた。
と、出会い頭にムミョンはベッキの腹に短刀を差し込む。「!!!」
他の商人たちは大慌てで後ずさりし、身を伏せた。

「イ… イ・インジャ…」声を震わせるベッキを、インジャは立ち上がって見下ろした。
その目はどこまでも冷たく乾いている。
ムミョンから短刀を受け取ると、インジャは自らトドメの一刺しを加えた。

インジャ「どうか極楽往生を」

インジャがトンと背中を叩くと、ベッキは口から血を吐き、そのまま前に倒れこんだ。

商人「た、助けてくれ!」
インジャ「”落張不入”… 一度置いた碁石を戻すことは出来ぬ」
商人「助けてくれ!!!」

インジャは他の商人たちを見渡した。「私を侮辱する者… このイ・インジャを裏切る者は!!!…他にいるか?」

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延礽君の元へサンギルが慌てた様子でやって来た。「どうしたのだ?」

サンギル「市廛の大行首なのですが…。昨夜、市廛の商人たちの集まりがあり、月香閣に入るところは確認されたのですが、それ以降行方がわかりません」
延礽君「それで?」
サンギル「情報によればその席にイ・インジャがいたようでして」

「イ・インジャが…」延礽君は立ち上がった。

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延礽君は部下たちをぞろぞろ引き連れ、私服で昼間の月香閣へ乗り込んだ。
行首のファングが彼らを出迎える。「延礽君様、このような時間にいかがなさいましたか?」

延礽君「来てはいけない時間だったか?」
ファング「…。」
延礽君「どうした?その表情は」

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#オフスタイル延礽君が久しぶりで嬉しい♥

「何か隠し事でもあるのか?」延礽君はニッコリと微笑む。

ファング「そのようなはずが」
延礽君「ならば少々見て回ってもよさそうだな」

「くまなく探せ」延礽君の合図に、全員が一斉に各部屋へ散った。

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延礽君は奥の部屋の扉を開けると、そこに立って中を見渡した。
一番下手に腰を下ろすと、ゆっくり想像を掻き立てる。

帰ろうとして立ち上がったホ・ベッキが扉へ向かい…

延礽君「?」

想像にしたがって視線を動かすうち、延礽君はその足元に目を留めた。
敷居のところに微かに滲んでいるのは…血ではないか?

延礽君「高醋を持って来るのだ!」

※高醋=血液反応を調べる強酸性の酢。

サンギルが差し出した高醋を受け取り、敷居に残る痕跡にふりかけてみると、一瞬にしてそこが赤く浮かび上がった。

サンギル「血痕です!」

一体何を仕出かしたのだ…?延礽君はさらに考えを巡らせた。

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「延礽君が?」情報はすぐさまインジャの耳に入った。

インジャ「確かに、血のにおいはすぐには消えぬものだ」
ムミョン「延礽君は食い下がろうとするに違いありません」
インジャ「市廛の大行首が死んだのだから… 問題は延礽君ではなく、王だ」

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「殺人とな?」延礽君の報告に、粛宗は特に関心を示さなかった。

粛宗「殺人など普段からあることではないか。朝廷の大臣が死んだわけでもあるまいし、なぜお前が調べているのだ?」
延礽君「背後に世子邸下の囲碁の先生、イ・インジャが関わっているようなのです」

「!」のんびり碁を打っていた粛宗の目がにわかに鋭くなる。「なぜそう考える?」

延礽君「党派の別なく大臣たちに甘い汁を吸わせてはいましたが…」
粛宗「金を追う者は権力の流動に誰よりも目ざといものだ。少論に金を注いできた奴らが、なぜ一夜にして老論に乗り換える?」
延礽君「…。」
粛宗「形勢はすでにお前に傾いたと考えたからだ」
延礽君「!」

粛宗は手に持っていた囲碁の本をぽいと放り出し、眼鏡を外した。「そこへ…」

粛宗「市廛の大行首が死んだと?」
延礽君「遺体は見つかっておりませんが…。父上、今回の事件は私が捜査したいのです」
粛宗「気にするでない」
延礽君「…。」
粛宗「司憲府の掌令が民間の殺人事件に関わることはない」

そう言って、粛宗は少し考えを巡らせた。「もう下がるがよい」

延礽君「ですが父上…」
粛宗「下げれと言ったのだ」

延礽君が仕方なく出て行った途端、粛宗は顔を上げ、ふっと笑った。

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テギルは山小屋へ戻り、修行生活を再開していた。
一心に薪を割り続けるテギルを、師匠のチェゴンは遠巻きに見つめる。「…。」

テギルはもやもやとした気持ちを薪にぶつけていた。
「嫁になるわけでもないのに」タムソの冷めた言葉を思い出しては斧を振り下ろし…
延礽君に抱きしめられている光景を思い出しては斧を振り下ろし…。

テギル「…。」

そうやって悶々としながらも、時は淡々と流れていく。
梅雨が過ぎ、森が色づき、やがて真っ白になり…

そして、また桜の花びらが舞い散る季節がやって来た。

じっと目を閉じていたテギルは、ふいに目を開くと、素早く抜いた刀で空を切った。
と、真っ二つに斬り裂かれた桜の花びらがはらりと落ちる。

彼の放った矢は葉銭の穴を貫き、

遠くから放たれた矢を音だけで察知し、刀で斬り捨て、

目の前に飛んできた矢を片手で掴み取った。

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山小屋で食事をしながら、師匠がふと手を止めた。「お前を弟子にしたのは何故だと思う?」

テギル「…?」
チェゴン「似ている。ある御方にそっくりだったからだ」
テギル「誰?」

「ふん」チェゴンは笑った。「若い頃、ちょうどお前の年齢の時分に出会った」

チェゴン「まさに虎だった。苦楽を共にしてな。お前はその御方にそっくりだ」

「ふーん」テギルが無邪気に答える。「男前で立派な方なんだろうな」

チェゴン「虎の中の虎。山の王。山の神のような御方だった」

チェゴンはそう言ってまっすぐテギルを見る。

テギル「俺もそうなる。虎の中の虎。山の王。大虎だ」

チェゴンは思わず笑った。「それなりに様(さま)になって来たな」

チェゴン「もうここは狭いんじゃないか?」
テギル「?」
チェゴン「そろそろ山を下りろ」
テギル「!」

テギルが驚いて目を丸くすると、師匠は何事もなかったように再び食べ始めた。

#ずっとテギルが口一杯にご飯を頬張ってるのがいいよね^^
そして、照れ隠しにご飯を食べ始める師匠も^^

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旅立つ支度を整え、テギルが外へ出ると、師匠は小さく咳払いをする。

チェゴン「飯はちゃんと食え。むやみに喧嘩はするな。寝ても覚めても刀には注意だ。いいな!」

テギルはそれに返事をする代わりに、荷物を下ろし、目にいっぱい涙を溜めながら、丁寧に礼をした。

テギル「ありがとう、師匠。この恩は絶対忘れない」
チェゴン「…。」
テギル「俺の命…!いつか師匠のために捧げるから」

「ありがとう、師匠。本当にありがとう」感情が溢れだし、テギルは思わず俯いた。
「男のくせに泣くな!恥ずかしい」そう叱りながら、師匠はわざと彼から目を逸らした。

チェゴン「日が暮れちまう。早く行け」

テギルはそうして… 修行の日々を終え、大虎になるべく、新たな一歩を踏み出した。

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ここで区切ります。

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