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テバク9話あらすじ&日本語訳vol.1

      2016/05/25

チャン・グンソク、ヨ・ジング出演SBSドラマ「テバク(대박)」9話です。

”獣以下”だとか”死んで当然”とか、粛宗があちこちから恨まれてる実感がちっともないまま、なんかストーリーは盛り上がってるみたいです(笑)
とにかく行きましょう~。

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厳かな行列が宮廷に到着した。

謝恩使として清国に派遣されていたキム・チャンチプが、6年ぶりに帰って来たのだ。

※テロップで1712年以来6年ぶりに帰ってきたって書いてあるんだけど、wikipediaにも韓国民族文化百科事典にも翌年帰ってきたって書いてあるような…?

「キム・チャンチプ大監」領中枢府事がさっそく握手を求める。

判中枢府事「一体何年ぶりでしょう」
左議政「左相大監、よくぞお戻りに」

※現在の左相(=左議政)が、チャンチプを「左相」と呼んでいるのは、前職だったから。

朝廷の最高官たちが再会を喜び合うのを、インジャたちが遠巻きに眺めていた。

インジャ「年老いた虎が死に場所を探しに来たか」

#随分とあちこちに虎がいるドラマだね~

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キム・チャンチプはさっそく正殿での御前会議に出席した。
彼の丁重な礼を受けると、粛宗が笑い声を上げる。「随分老けたな」

粛宗「何年向こうにいた?」
チャンチプ「6年ぶりにございます、殿下」
粛宗「ほぅ。領議政の座を開けておいたゆえ、朝廷をしかと率いてくれ」

※領議政=国政における最高位。全ての官僚のトップ。

チャンチプ「聖恩の限りにございます。殿下」

チャンチプが領議政の位置に移ると、近くにいる大臣たちが口々に声を掛ける。「お慶び申し上げます。領相大監」
向かい側にいる大臣たちは憮然とした表情で下を向いた。

とそのとき、世子が急に咳込んだかと思うと、血を吐いたではないか。

キム・チャンチプ「…。」

※何だかちょっとぎこちないシーンですねぇ^^;
キム・チャンチプたちは老論派。向かい側で渋い顔してるのは、反対勢力の少論派(世子派)の人たちですね。

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住処に戻ると、世子は面会を断って引きこもった。
外で大臣たちの声が聴こえる。「…。」

右参賛「なぜ世子に会わせぬ?!この目でご容体を確かめねばならぬのだ」
尚宮「大監、今はお通しできません」

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世子はイ・インジャを呼び寄せる。

インジャ「お呼びでしょうか、邸下」
世子「母上が流刑に遭った日… 山のように大きな男だと思った。そなたなら私を助けてくれると。ゆえにその手を取ったのだ」
インジャ「私を信じられないのですか?」

「…。」いつも穏やかな世子の目が、俄に鋭くなった。

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世子に懐疑心を与えたのは、延礽君の言葉だ。

延礽君「あやつがどんな人間なのか、どんな野望を抱いているのか、目的は何なのか。朝廷内にどれだけ深く根を張っているのか、ご存知なのですか?」

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世子「信じられぬというよりも、確信を持ちたいのだ」
インジャ「世子のお気持ちだけ頂戴すると、すでに申し上げたではありませんか」
世子「朝廷の大臣たちを翻弄し、朝鮮全土の賭場を資金源にしているそなたが、何の私欲もなしに私を王位に就けようとするか…?」
インジャ「…。」
世子「言葉通りには信じられぬ。このくらいで止めることは出来るか訊いておるのだ」
インジャ「玉座が必要です」
世子「!」
インジャ「君主も必要です」
世子「…。」
インジャ「党派、士農工商の別にも揺らぐことのない玉座。玉座に坐して民を案じ、我が国朝鮮を泰平の御代(みよ)へといざなう君主が」
世子「結局、そなたも王位に就きたいのか」
インジャ「邸下、邸下は必ずやそのご尊名を歴史に刻む立派な君主になられましょう」
世子「本心なのか?」

インジャはいつもの微笑みを浮かべ、頭を下げる。
世子もまたホッとしたように頷くと、緊張が解けた途端にまた咳込み、インジャの前で血を吐いた。
「!」何も言わず、インジャはさっと手拭いを差し出す。

世子「下には虎の如きキム・チャンチプ大監が、上には虎より百倍厳しい父上がいらっしゃる。気の休まる暇がないな…」

「…。」明らかに健康状態の悪い世子を目の当たりにし、インジャは密かに眉間に皺を寄せた。

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その直後のことだ。
緝熙堂から一人出て来た世子は、ふと玄関前の大きな柱を振り返った。

世子「!」

そこには… 手刀が1本、突き刺さっていたのだった。

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領議政キム・チャンチプはさっそく老論派の大臣たちを集めた。

チャンチプ「宣戦布告してくる刺客がいるとは信じがたい」
大臣「領相大監が帰国されたので、少論がさっそく動いたのではないですか?」

「ふん」チャンチプは鼻で笑い飛ばす。「そんな能のある奴らだったか?」

それでも彼には一人、心に引っ掛かる人物がいた。
宮廷に戻ってきた際、自分を遠巻きに眺めていた、あの男だ。

チャンチプ「どうも宮廷に鼠が一匹潜んでいるようだ」

#誰も彼も勘が良すぎて、例えばいくつかの手がかりを辿ってようやく犯人に繋がるとか、そういうプロセスが全然ないよね。視聴者も一緒にそのプロセスを体験するのが楽しいのに。

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「止めると言ったら?」テギルの声に、チェゴンは刀を取ろうとしていた手を一瞬止めた。

チェゴン「…。」
テギル「俺が阻止すると言ったらどうすんだよ?」
チェゴン「死ぬだろうな。俺かお前、二人のどちらかが」
テギル「何が何でも王を殺すのか?逆賊になって?!」
チェゴン「お前に事情があるように、俺にも事情があるだけだ。退け。俺が刺客であろうと逆賊であろうと、お前の師匠には変わりない」
テギル「!」

テギルは掛けるべき言葉を失い、やるせなく溜息をついた。「…。」
「遅くなるから待つな」そう言い捨て、チェゴンは山小屋を後にした。

一人になると、テギルは大急ぎで師匠の荷物を調べた。
箱のなかから出て来たのは、宮廷内の見取り図だ。

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【二度と失いたくない。大切な人を…】

テギルは迷わず駈け出した。

【俺が助ける。師匠は俺が救うんだ!】

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タムソもまた、忍び服に着替え、宮廷に向かおうとしていた。

インジャ「準備は出来たのか?」
タムソ「はい」
インジャ「刺客によって混乱している隙をつけば、王の警護にも弱点が生まれるはず。お前はその隙を狙えばいい」

タムソは黙って頭を下げた。

インジャ「刀を抜くからには、後ろを振り返るな」

タムソが庭へ出てくると、ムミョンが待っていた。

ムミョン「焦っては駄目だ。落ち着いて、習ったとおりに。いいな?」

ムミョンにも深々と頭を下げ、タムソは出発する。
「全く…」そばにいたファン・ジンギが溜息を漏らした。

ジンギ「俺は主君の考えが理解できないな。ムミョン、お前には理解できるのか?」
ムミョン「…。」

そこへ、インジャが出てくる。「望みが何であれ…」

ジンギ「?」
インジャ「一つを得ようとすれば、相応する何かを差し出さねばならぬものだ」
ムミョン「…。」
インジャ「骨を削るほどの痛みであったとしても」

#あんな大げさな感じで脱獄させたファン・ジンギが、庭でのんびり仏像を彫ってることに、何とも言えぬ不安を覚える…。ちゃんと活かしてくれるんだろうか。

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領議政キム・チャンチプは、正攻法でイ・インジャ本人を訪ねた。

インジャ「どうなさいましたか」
チャンチプ「この家から嫌なにおいがしてな」
インジャ「…。」
チャンチプ「いつからだ?」
インジャ「ふふふっ、何のことでしょう」
チャンチプ「世子邸下の後ろに隠れ、少論を思うままにしていたのは、一体いつからだと訊いておる」
インジャ「理由はよくわかりませんが、私を捕らえるおつもりですか?」
チャンチプ「水を濁すドジョウ1匹、私が捕まえられぬと思うか?」
インジャ「ドジョウなのか、千年眠る大蛇なのか、どうしておわかりになるのです?」
チャンチプ「その畑が砂利とも知らず、このまま続けるつもりか」
インジャ「数十年耕してきた畑なのです。種を撒き、水も遣りました。次は収穫する番です」
チャンチプ「しかと見せてもらおう。縁故も官位も持たぬそなたが、どこまで上ってくるのか」

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以前と同じ軍服姿に身なりを整えたチェゴンは、宮廷の門番に本物の号牌を見せ、正面から堂々と中へ入った。

#ええーっ?!
名指しで人相書きが出回ってるのに。

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「本日夕刻より宮廷の門全てにおいて出入りを制限し、民もまた翌朝まで同行を禁ず」刺客征伐を任された延礽君の指令により、軍官たちが一斉に動く。「これに背く者は身分を問わず厳罰に処す!」

延礽君「今夜はいかなる者の挑発も許してはならぬ!よいか」
軍官たち「はい!」

#司憲府に行ったと思ったら、今度は護衛責任者になって軍官たちを動かしてる延礽君。何でもあり~♪

軍官たちが持ち場に散ったところで、サウンが近づいてきてそっと声を掛けた。「延礽君様」

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延礽君は父の元を訪れていた。

#サウンとサモを毎回ただのお使いで済ませるなっつーの!

父を守ろうと必死の息子を前に、粛宗は実に愉しげだ。「この父の命、お前の手に掛かっておるな」

延礽君「ですが父上。父上はなぜそのように…」
粛宗「なぜこのように落ち着いているのかと?余が玉座に坐しているのは”まぐれ”だと思うか」
延礽君「…。」
粛宗「どうだ。余と賭けをせぬか」
延礽君「賭けとおっしゃいますと?」
粛宗「見えるか。目の前のこの玉璽が」
延礽君「!」

卓上に鮮やかな緑の玉璽が鎮座していた。

※玉璽=国家の重要文書に使う王の印鑑

延礽君「父上!」
粛宗「刺客を捕らえよ。さすれば全てはお前の物だ」
延礽君「…。」
粛宗「だが、刺客を逃せば余は死んでいなくなり、世子が王位を継ぐことになろう。そのときはお前も直ちに朝廷を去れ」
延礽君「殿下、恐れ多くも父上との賭けに言及することは出来ませんが、刺客は必ずや捕らえます!」
粛宗「教えてやろうか。この玉座を手に入れる方法を」
延礽君「…?」
粛宗「刺客の奴らも、覆面を脱がせてみれば結局は余のそばにいた人間。余の可愛がっていた人間。大部分はそういう者たちだ。よく考えてみよ」

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父の部屋を出て歩きながら、延礽君は考えを巡らせた。
立ち止まり、後ろにいる護衛のサンギルを振り返る。「…。」

#特に意味はないのかもしれないけど、”刺客というのはそばにいた人間”と言われて、心当たりを思い巡らせているうちに、自分のそばにいるサンギルを振り返るのが自然で良いです。

サンギル「延礽君様」
延礽君「ついて来い」

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通りの角に隠れて、テギルは宮廷の門の様子を窺った。
師匠が持っていた見取り図を広げ、門の位置を確認する。

開陽門から伸びた線が宮廷内を通っていた。「開陽門?あっちか?」

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延礽君が訪ねたのは母淑嬪の元だ。

淑嬪「宿衛隊長?」
延礽君「内禁衛等の全権をくださり、今夜刺客の侵入を阻止するようにとおっしゃいました」
淑嬪「延礽君、これは試験です。殿下はあなたを試しているのですよ」
延礽君「はい、よくわかっています。それゆえ私もこの機会に、殿下は無論のこと朝廷の大臣たちにも、しかと見せてやるつもりです」
淑嬪「ひょっとして、心当たりの者でもいるのですか」

延礽君はタムソのことを思い浮かべた。
この前も彼女に頼まれ、宮廷の中を案内したばかりだ。
王を恨んでいるのもわかっていた。

延礽君「おりません」
淑嬪「そうなのですか?」
延礽君「はい」

延礽君はサンギルを呼び寄せる。「念のため、お前は母上のそばを守れ」

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ここで区切ります。

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