韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

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テバク4話あらすじ&日本語訳vol.3

   

ユン・ジンソ、イ・ムンシク出演「テバク」4話の終盤です。

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碁盤の上に、予め黒石が9個置かれている。
そこへ、インジャが1手、最初の白石を置いた。

粛宗「恐れを知らぬな」
インジャ「…。」
粛宗「一国の王を相手に恐れがない。心の乱れもない」

「まるで自分が王であるかのように」そう言って興味深げにインジャを見ると、1手打つ。

インジャ「恐縮にございます。そのようなわけが…」
粛宗「前訓練隊長イ・イジンとチャ・チャンチャン、イ・ウォン・ジン。そなたの祖父であろう」

「!」インジャの眼差しが鋭くなる。
連行される祖父、泣き叫ぶ母、無残に殺された家族たち…。遠い日の記憶がめまぐるしく脳裏をよぎった。
インジャはそっと白石を置く。「…。」

粛宗「どうした?余が知らぬと思っていたのか」
インジャ「…。」
粛宗「囲碁の先生は口実で、実際にはか弱い世子の背後に隠れて朝廷を翻弄するつもりではないか?」
インジャ「まさかそのような… 困惑いたします、殿下」
粛宗「余が恨めしいであろうな。いや、余を殺したいか。そなたの家門を滅ぼした張本人ではないか」

044

インジャ「殿下。権力と富に目がくらみ、党派争いに血眼になっている… そのような重臣たちがいるのですから、換局の断行を避けられるはずがありましょうか。私は恨んでなどおりません」
粛宗「…。」
インジャ「庚申、己巳、甲戌の年、3度にまたがる換局は、我が国朝鮮と民のため、殿下の偉大な決断でございました」

「顔を上げてみよ」粛宗の言葉に、二人の視線が静かにぶつかった。

粛宗「本心だな。そなたの眼差しに偽りはない」

インジャは頷いた。

粛宗「囲碁を口実に余に会いに来た理由は何だ」
インジャ「殿下はすでに答えをご存知です。それなのに、何故躊躇っておいでなのですか」

「…。」二人の間を短い沈黙が流れる。

インジャ「代理聴政のことを申し上げているのです」

※代理聴政=老齢や病気などで王が執政できなくなったときに、世子が代わりに執り行うこと。

「…。」粛宗は唐突に立ち上がり、遠い空をみやる。

粛宗「どれ… そなたの眼識を聞かせてもらおう」
インジャ「代理聴政をしようとすれば、執権勢力である老論が反発しますし、しなければ少論の不満が懸念されます」
粛宗「…。」
インジャ「ですが殿下、恐れながら申し上げますが、手で水を遮ることは出来ません。流れる川の流れを止められるのは堤防にございます。世子邸下の代理聴政は自然の流れ、なぜ無用な心配をなさるのですか」

「無用な心配?」黙って聞いていた粛宗が振り返り、声を上げて笑った。

インジャ「…。」
粛宗「実に簡単に言うのだな」

「だが」粛宗の顔から一瞬にして笑みが消え去る。「そなた…」
粛宗はインジャの前にドンと腰を下ろし、彼を見下ろした。「百の目と千の耳を持つ怪物を知っておるか」

インジャ「雨を降らし人肉を食らう怪物のことでしょうか」
粛宗「知っておるな。そなたも… その怪物になりたいのか?」
インジャ「滅相もございません。私は世子邸下の囲碁の先生に過ぎず、それ以上、それ以下の何者でもございません」
粛宗「そうか?ならば政治への志はないのだな」
インジャ「はい、殿下。私のような若輩者が政治を論じられるわけがございません」

そう言って微笑んで見せたインジャは、俯くと人知れず眼光をキラリと光らせた。

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「どうなったのですか」宮廷を出ると、ムミョンがそっとインジャに尋ねた。

インジャ「百の目と千の耳を持つ怪物を知っているか」
ムミョン「え?」

「ふふふ」インジャは低く笑うと、右手に見える仁政殿を振り返った。「…。」

※仁政門の向こうに見えているのが仁政殿。王の即位式など、宮中の重大な行事を行う場所です。

【王よ、私は政治への志はない。あの玉座なら別だが…。
見ておられよ。いつか必ずやあの玉座を我が手に掴もう】

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「いつまでそんなことをしているつもりですか!」淑嬪の叱咤が庭に響いた。

淑嬪「昼夜問わずお酒に賭博に、色恋に暴力まで!王の息子として恥ずかしくないのですか!なぜそんな与太者のように…」

「そうですよ!」息子、延礽君は負けじと食って掛かる。

延礽君「与太者です。与太者ならどうで、遊び人ならどうだと言うのですか!」
淑嬪「!」
延礽君「どう生きようと何も変わりはしないのです!」
淑嬪「…。」
延礽君「母上も…私のことは諦めてください」

「!」淑嬪はたまらず延礽君の頬を打った。

延礽君「!… 母上」
淑嬪「当分の間、謹慎なさい。母からの罰です」

「…。」延礽君はそれ以上反抗することをせず、黙って頭を下げた。

【母上、これでよろしいですか。こうすればよろしいのですか…】
【いいのです。よく我慢しましたね。耐えて、耐えて、ひたすら耐えるのですよ。生き残ってこそ事を起こせるのです。生きてこそ…玉座を獲得できるのです!】

045

延礽君を見送ると、淑嬪は建物の向こうでこちらを見ている人影に視線を移した。
イ・インジャだ。

【みすぼらしい雑仕女が、いつの間にか権力の頂点に座ったか…】
【これも…すべてイ様のお力ではありませんか】

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マングムが唐突に金の袋をケトンイに差し出した。
「やっと貯めた金なのに!」驚くトッケビにシッと人差し指を立てる。

何気なく袋から金を出してみたケトンイは、ハッと息を飲んだ。「父ちゃん、何だよこれ!」

マングム「何って、お前を両班にしてやる金だ」
ケトンイ「両班?!」

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「何してる?さっさと脱げ!」親子は風呂桶の前ですったもんだしていた。
ケトンイに服を脱がせ、マングムはお湯の温度を確かめる。

#外で持て余してるトッケビ爺の姿がとてもいい^^

ケトンイ「何だよ、こっ恥ずかしい」
マングム「何言ってんだ?親子の間で何が恥ずかしいだ。馬鹿言ってないで早く脱げ」
ケトンイ「自分でやるって」
マングム「20年溜まった垢を落とすにゃ一晩かかっても足りねぇんだ。さっさと脱げ」

マングムは無理やりケトンイの履物をずり下ろし、ゲラゲラと笑って尻を叩いた。

ケトンイ「わぁ!何すんだよ!」
マングム「デカイ図体して大げさだな、ははは」
ケトンイ「尻叩くなっつったろ!」

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綺麗になったケトンイを仕立屋に連れて行くと、彼は息子に立派な服を用意してやった。

ケトンイ「どうだ?」
マングム「いやぁ、馬子にも衣装だな」
ケトンイ「何言ってんだ、元がいいんだよ」

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あつらえたばかりの立派な衣装に身を包んで町を歩くケトンイの足取りは、いつになく弾んでいた。

ケトンイ「ところで、父ちゃん」
マングム「ん?」
ケトンイ「両班なら両班らしい名前がないといけないんじゃないか?」
マングム「両班らしい名前?あるさ、もちろん」

「族譜にな」マングムはそう言い、足を早めた。

ケトンイ「?」

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「ここは変わらないな」マングムが尋ねたのは、ホンメの元だ。

マングム「あんたも変わらない」

20年ぶりに現れた彼に、ホンメは目を丸くする。「ホントにマングムさんかい?!」

二人はさっそくご馳走を前に酒を酌み交わし、再会を祝した。

ホンメ「お前さんとはそんないい仲じゃなかったけど、どういう風の吹き回しだい?」
マングム「少しばかり金も手にして、暖かい寝床についてみたら…」
ホンメ「ついてみたら?」
マングム「一つだけ気に掛かってな」

「族譜だ」マングムは彼女をまっすぐ見て、そう言った。

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実は族譜を賭けた勝負に負けた時、彼はそれを抱えて逃げ出したのだった。
そこを捕まえたのがホンメだ。
「両班の族譜なら金同然じゃないか」そう言って、彼女は無理やり族譜を取り上げたのだ。

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ホンメ「今さら族譜を取り戻してどうしようってんだい?」
マングム「うん、息子がな」
ホンメ「あぁ、あの赤ん坊?けど、困ったね。族譜はもうここにはないんだ」
マングム「?」

「あ…」ホンメは素早く考えを巡らせる。「300両あるかい?」

ホンメ「そうすりゃ方法があるかもしれないよ」

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マングムは取り戻した族譜を得意気に息子に差し出した。

047

ケトンイ「族譜?本物なのか?!」
マングム「今からお前の名前はテギルだ。ペク・テギル。藍浦白家13代ペク・テギル!」

「テギル!」ケトンイ…いや、テギルが目を丸くする。「ペク・テギル!」
彼は立ち上がり、胸を張った。「俺はもうケトンイじゃないぞ!」

テギル「両班だ!俺はもう両班だぞ~!」

大喜びするテギルに、父ちゃんと爺ちゃんも満足気に笑った。

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「淑嬪の息子?」インジャが驚きの声を上げた。

インジャ「あのケトンイとかいう若者がペク・マングムの息子だと?」

#賭場で会った元気な若者=マングムの息子 っていうのが判明する過程はすっ飛ばしてますね。
このドラマ、何気にいろいろお気軽にすっ飛ばすよねぇ。

ホンメ「えぇ、族譜を買い戻して行きましたよ」
インジャ「運命というものは一寸先もわからぬものだな」

彼はタムソを呼んだ。

インジャ「今夜、ある男の死をもって、待ち焦がれていた大業の最初の釦を嵌めようぞ」
タムソ「…。」
インジャ「タムソ、お前がその大業の口火を切りなさい」

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ペク家の庭には陽気な笑い声が響いていた。
3人で酒を飲み、両班テギル誕生を祝っていたのだ。

マングム「旦那!私に酒を注がせてくださいまし!」
テギル「一杯もらおうぞ」
トッケビ「はははっ」
マングム「おっと、旦那!旦那の名前は… 見たところケトンイじゃなくて…」
テギル「ペク・テギルと申す」
トッケビ「その通り!」
マングム「そう、ペク・テギル!ペク・テギルの旦那だ!」
テギル「あははっ!」
マングム「旦那は藍浦白家の何代目でした?」
テギル「…それは忘れちまった」
マングム「13代目だ!藍浦白家13代目のペク・テギル!」

そこへやって来たのがホンメ一団だ。「随分明るい月夜だねぇ」

マングム「?」
テギル「?」
ホンメ「マングムさんの三途の川もすぐ見つかるだろうよ」
マングム「こんな時間にどうした?」
ホンメ「あたしも気が進まないけど、悪く思わないでおくれよ。日の当たる場所に埋めてやるからさ」

「!」テギルの顔色が変わった。

マングム「何言ってんだ全く。今日はめでたい日なんだ。馬鹿なこと言ってないで帰りな」

ホンメ「参ったね。どうしたものか」

ホンメの手下たちがゆっくりと前へ出て来ると、後ろから走ってきたテギルが彼らに跳びかかった。

テギル「わざわざ今日みたいなめでたい日に、この両班テギル様に殴られてぇのか?」

と、その時!
ホンメが手に持っていた小刀で、唐突にテギルの脇腹を刺した。

テギル「?!」
マングム「テギル!」
トッケビ「テギル!」

「今度からでしゃばるんじゃないよ」あまりに突然のことにただ絶句するテギルに、ホンメは表情一つ変えずにそう言った。
彼女が引き抜こうとする小刀を、テギルはぎゅっと握りしめる。

テギル「そっちが先に剣を抜いたんだから、恨むんじゃないぞ」

そう言うと、テギルはホンメの額を思い切り拳で殴った。

ホンメが倒れた隙にトッケビたちが駆け寄る。「漢陽を出るぞ!ここに用はない」
彼らは急いで逃げ出した。

カッとなって立ち上がったホンメは、インジャの言葉を反芻した。
「ペク・テギル…あの子は決して殺してはならん」インジャはそう念を押したのだ。

ホンメ「腹が立つ!殴られたのに我慢しろって言うのかい?!あんたたち、支度しな!とことんやってやるよ」

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彼らは暗い山道を急いでいた。
刺されたテギルはみるみるうちに力を失い、地面に倒れ込む。

マングム「大丈夫か?ケトンイ、大丈夫か?!」
テギル「大丈夫。死ぬもんか!ここで死んだら父ちゃんの息子じゃない」
マングム「そうだ、生きるんだ!生きてれば何だって出来るんだから!ケトンイ、行こう!」
トッケビ「喋ってないで早く行くぞ!」

夢中で先を進み、山道を抜けると、川に出る。
そこに船がポツンと繋いであるのが見えた。

トッケビ「船があるぞ。あそこに乗るんだ」

#不気味な川辺に都合よく船がポツンと。まさに三途の川を渡る船だね…。

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彼らが無我夢中で船を漕ぎだすのを、そっと見つめている人影があった。

インジャとタムソだ。

インジャ「撃て」
タムソ「ですが…」
インジャ「迷っているのか。恋情でも抱いたか」

「そうではなく…」そう言いながら、タムソの心の中に彼のまっすぐな姿が蘇った。

出会ってすぐに嫁にすると断言し、彼女だけが理解してくれればそれでいいと、彼は言ったのだ…。
彼女は迷いを振り払い、弓を構える。

が、やはり撃てはしなかった。「師匠、私は…」
黙って弓矢を奪い取ると、インジャは迷わず矢を放った。

「!!!!!」

ひゅるりと弧を描いた矢は、船を押しているマングムの背中に命中する。

マングム「!!!!!」

振り返ったマングムの視界に、遠くインジャが立ち去る後ろ姿が見えた。
「子どもはいつか私が引き取る」インジャの言葉が蘇る。

マングム「…ケトンイ」
テギル「ケトンイじゃない…テギルだって!」

船の中で朦朧とする息子を見つめながら、マングムの口から血が溢れた。「ケトンイ…」

テギル「何回言わせんだよ!」

そう叫んで振り返ったとき、ようやくテギルは父の異変に気づく。「父ちゃん!!!」

テギル「父ちゃん!!!何だよ、どうなってんだよ!!!」

後ろの山道を、ホンメたちが走ってくるのが見える。

マングム「今から俺が言うことをよく聞け」
テギル「何を聞けってんだ!とにかく船に乗れよ!早く!!!」

「おい!!!」マングムが、取り乱す息子をしっかり掴む。「最後だから…親父の話をしっかり聞け!!!」

テギル「最後って何だよ。父ちゃんは死なないぞ!死ぬもんか!!!」
マングム「父ちゃんみたいになりたくなかったら、博打はやるな。遠い田舎の片隅で、俺のことなんか忘れて暮らすんだ」

「行け」送り出そうとする父に、テギルは必死で訴える。「俺は父ちゃんと暮らす!死ぬまで父ちゃんと暮らすんだ!」

テギル「乗れって!」

「待ちな!」後ろにホンメが迫って来るのがわかる。

「旦那!!!!!」マングムがありったけの声でトッケビを呼んだ。
トッケビが船を漕ぐために持っていた櫂で、テギルの背中を一打ちすると、マングムは最後の力を振り絞って、船を押し出した。

船は川の流れに寄り添い、ゆっくりと進んでいく。
気を失ったテギルの目から、涙が一筋こぼれ落ちた。

046

【ケトンイ… いや、テギル…
お前は俺の息子だ。
誰が何と言おうと、お前は俺の息子。ペク・マングムの息子、テギルだ…】

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ここでエンディングです。

いつかテギルを守ろうとして死んでしまうだろうと思っていたけど、こんなに早く逝ってしまうなんて…。
人間味あふれるマングムのキャラが、ドラマの大きな魅力だったのに、灯りが消えてしまった気分です。

***告示***
当ブログについてにも明記しているとおり、ブログ記事の転載はお断りします。
現在、記事を全文コピペ転載しているブログを確認しております。
悪気がないのはわかりますが、1話分に約12時間掛けて書いている記事です。ご理解くださいませ。

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