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テバク3話あらすじ&日本語訳vol.2

   

チョン・グァンリョル、チェ・ミンス出演SBSドラマ「テバク(대박)」3話、中盤です。

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淑媛が訪ねて来ると、王妃はにこやかに彼女を迎えた。「体の具合はどうだ?」

王妃「妊婦にいい薬を準備しておいた」

王妃の合図で、控えていた尚宮が木箱をそっと差し出す。

淑媛「ありがとうございます」

「ところで」淑媛は、そばに座っている見知らぬ女性を遠慮がちに見た。

王妃「あぁ、うっかりしていた。紹介しよう、こちらは月香閣のソルジュ」

ソルジュは淑媛に向き直ると澄ました顔で頭を下げた。

王妃「せっかくだからそなたも一緒に。陞卿圖は知っているか?」

※陞卿圖=棒を投げて出た点によって階級が上下するのを競う遊び

王妃「忠武公(※李舜臣)は戦争中もこれで遊んだそうだ」

「軍部の階級秩序を正すのに、これほどいいものはないということ」王妃はそう言って冷ややかに淑媛を見る。

淑媛「…。」

「そなたの番だ」王妃に促され、ソルジュが4本の棒を手に取り、振り始めた。
と!どんどん動きが激しくなり、ついには何かに取り憑かれたかのように白目を剥いたではないか!

淑媛「………!」
王妃「淑媛、あまり驚くでない。お腹の子のことも考えなければ」

ソルジュは白目を剥いたまま、突然淑媛をカッと振り返った。「!」
何かを辿るようにまぶたを震わすと、ようやく前を向き直り、大きな溜息をつく。
正気に戻ったようだ。

「…王妃様」ソルジュが何やら耳打ちをすると、王妃はハッとしたように淑媛をチラリと見た。

王妃「(ソルジュに)そなたはもう帰りなさい」
ソルジュ「王妃様。棒を投げて未来をご覧くださいまし」

王妃が溜息をつくと、ソルジュは立ち上がり、その場を後にした。

王妃「彼女は神占もするし顔相も観るのだが… 男の子だそうだ。いや、龍袍を着た男が見えたと言ったか…?そなたのお腹の子のことだ」

※龍袍=龍の刺繍が入った王の衣装。つまり、淑媛のお腹の子は王になる、という占い結果ですね。

淑媛「王妃様。一介の占術を信じられるのですか」

王妃はふっと笑う。「どうした?」

王妃「女の子を望んでいたのか?」
淑媛「…。」

027

王妃は床の棒を拾い上げる。「そなたが勝てば、友して可愛がることにしよう」
「だが、私が勝てば…」そう言ってニヤリと笑う。

王妃「そなたの息の根を止めようぞ」
淑媛「…。」

王妃は目の前の台に4本の棒をバラまいた。
すべて、印のない表の面だ。

王妃「気にならぬか。どのように息の根を止めるつもりなのか」
淑媛「王妃様、陞卿圖は単なる運だと聞いております。なぜ気軽に楽しむ遊びなどに…」
王妃「これより良い機会がどこにある?たった一度で悪縁が良縁になるかもしれぬのだ」
淑媛「…。」
王妃「早くお投げなさい」

淑媛は仕方なく台の上の棒を拾い集めた。

王妃「”モ”か”ユッ”が出れば、そなたの勝ちだ」

淑媛が投げた4本の棒は… 3本は印のある裏面を示した。

※最後の1本も裏になれば、淑媛の勝ちでした。
参考:Wikipedia

王妃「”ト”ではないか!これがそなたの運命のようだな」
淑媛「王妃様…」

「悪い噂がある」王妃は唐突に言った。

王妃「そなたを巡って噂があるのを知っているか?死んだ王子、永寿に関することだ」
淑媛「…。」
王妃「そなたに別の亭主がいるとか、六月赤子が王の子ではないとか、実は生きているとか…」
淑媛「王妃様、なぜそのような噂を気になさるのですか」
王妃「その男の名前はペク・マングムだとか…?」

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さっそく王妃の兄チャン・ヒジェが、部下たちを率いてペク・マングムの自宅へ強制捜査に入った。
タイミングをはかったかのように、赤ん坊を抱いて帰宅したのがマングムだ。

ヒジェ「即刻あの男を捕らえよ!」

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マングムはあっという間に王妃の前で縛られ、拷問を受けていた。
大臣たちまで呼び立て、王妃は赤ん坊を抱いてマングムの前へ進み出る。

王妃「そなたと淑媛にそっくりなところを見ると、訊く必要もなさそうだ」

彼女は後ろに並んだ大臣たちを振り返る。「淑媛の産んだ六月赤子、死んだ永寿を覚えておいでですか」

王妃「その子がもし生きていたなら… 私が抱いているこの子だとしたら…。しかも、本当の父親が殿下ではなくこの男だとしたら!」

皆が困ったように固く口をつぐんだ。

王妃「さぁ、当事者はすべて揃った。真実を述べなさい」
マングム「…。」
王妃「そなたは淑媛の夫に違いないか?死んだとされる王子、永寿の実父に違いないか?!」

じっと黙っているマングムの体に、拷問官が熱い鉄を押し当てる。
マングムの叫び声が夜の不気味な宮中に響いた。

ヒジェ「本当のことを言ったほうが得だ。言ってみろ、”俺が淑媛の夫だ、永寿は俺の子だ”と!さっさと言え!」

「違う!」マングムが絞りだすように叫ぶ。「知らない女の人です」

マングム「永寿が誰なのかも知りません!一体何をおっしゃっているのかさっぱりわからないのです!」
ヒジェ「こやつ!」

ヒジェが再び赤く熱した鉄をマングムに押し当てる。

マングム「俺は知らん!知らないと言ってるんです!しがない町人ごときが、そんな高貴な方を知っているわけがないんです!!!」

じっと黙って耐え忍んでいる淑媛を見つめ、マングムは懸命にそう叫んだ。

「そう容易くいくとは思っておらぬ」王妃は今度は淑媛を振り返った。「ならばそなたが申してみよ」

王妃「この男を知っているか」

「…。」マングムを見つめる淑媛の目が悲しみに翳る。一体どうすればいいのだ…?

王妃「なぜ答えぬ?!」
淑媛「…。」
王妃「この子の屍の前なら話すと?」

王妃の合図で、後ろに控えていた尚宮が赤ん坊のおくるみを高々と掲げた。

淑媛「!」
マングム「!」

そのときだ。
「やめよ」静かな声が割って入った。
姿を見せたのは、粛宗ではないか!

「殿下」王妃は即座にいつもの笑みを繕い、頭を下げた。
粛宗は場の中央へ進み出ると、集まった面々をゆっくりと見渡す。「中殿よ、一体何をしておるのだ?」

王妃「殿下、その子どもが死んだ王子永寿だという噂がございます。それに、この男は淑媛が雑仕女だった頃…」

「はっきり警告したであろう」粛宗が王妃の言葉を遮る。

粛宗「たかが町の噂に振り回されているのはどいつだ」

粛宗はチャン・ヒジェを振り返った。「そなたか」

ヒジェ「違います、殿下!」
粛宗「ならば、右相か」
右相「滅相もございません!殿下!」
粛宗「この男の噂とな…」

「…。」固まったように粛宗を見つめたまま、王妃は緊張をつのらせた。

粛宗「中殿、もしも理に適った説明ができなければ、相応する代償を払うことになろう。それでも続けるか」
王妃「証拠がございます。その子が淑媛の子だという証拠です」
粛宗「証拠とな」

「こちらへ」王妃の合図で、白衣を着た女性が二人、進み出た。

王妃「産室の女官たちにございます」

赤ん坊を受け取ると、産室の女官たちは顔を覗きこんだ。

王妃「永寿が死ぬ直前まで世話をしていた者たちです。それゆえ、誰よりも永寿の顔を知っております。死んだ王子、永寿の顔を」

困ったようにお互い顔を見合わせる産室の女官たちに、ヒジェがしびれを切らした。「なぜ黙っておる?」

ヒジェ「早く答えぬか」
産室の女官「それが… その… 王子様ではないようです」

「そんなはずが!!!」王妃がおもわず凄んだ声を上げる。「しっかり見たのか?!」

産室の女官「確かにございます。顔も違いますし、王子様の胸にあった小さなホクロが、この子には跡形もございません」

王妃は慌てておくるみを引き取る。「殿下…」

王妃「殿下は誰よりもおわかりになるでしょう。この子が誰の子なのか、殿下自らお確かめくださいませ」

粛宗は静かに赤ん坊を受け取ると、その顔をチラリと覗いた。

粛宗「この子は永寿ではない」
王妃「!」

大臣たちがより一層深々と俯いた。

王妃「そんなはずがありません!もう一度…」

「決して」粛宗は目を見開き、王妃を睨みつけたまま、赤ん坊を指す。「あの子は永寿ではない!」

王妃「!!!!!」

「そんなはずが…」王妃はまるで蛇に睨まれたカエルのように小さくなって後ずさりをすると、その場にへたり込んだ。「そんなはずが…」

王妃「(淑媛に)まさか!またしても私を愚弄したのか!!!」

「お前ごときが私を…!」淑媛に掴みかかろうとした瞬間!
粛宗はすかさず王妃の結い髪を引っ掴む。

王妃「…殿下!」

「一体何の真似だ!!!!!」粛宗が抑えていた怒りを爆発させた。
「付いて来い」王妃の髪を掴んだままつかつかと歩いて行くと、門の外へ乱暴に放り出す。「もうやめられよ」

粛宗「やめればよい」
王妃「殿下!」
粛宗「やめるのだ!!!」

王がくるりと背を向け、遠ざかっていく。
がっくりと項垂れる王妃の前で、門が堅く閉ざされた。

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赤ん坊を抱き、よろよろと外へ出てきたマングムは、ゆっくりと宮廷を振り返った。

マングム「…。」

大きな窮地から解放された淑媛は、まっくらな部屋の隅で泣き続けた。

【どうしていいのかわからなかった…。
子どもも… 私もあなたも… みんな死ぬと思ったわ…】

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赤ん坊騒ぎは、実はもう一箇所に飛び火していた。
「今すぐうちの子を探して来て!!!!!」トッケビの嫁が発狂していたのだ。

「子どもを間違えちまって」トッケビは別のおくるみを抱いたまま、困ってキョロキョロと辺りを見回す。

#赤ちゃんがいるなんて…孫じゃなくて?!トッケビもやる男だねぇ(笑)

トッケビ「ちょっと待ってれば…」
嫁「この老いぼれったら!私の子はどこ行ったのよ!この野郎!」
トッケビ「この野郎だと…?!このあま!!!」

そこへボロボロになって帰ってきたのがマングムだ。
「おばさん、ここに…」恐る恐る声を掛けると、トッケビの嫁はすかさず我が子を抱き取った。

#全くの別人だねぇ!

ホッとして、嫁はマングムの頬を張り倒す。「我が子の区別も出来ないなんて!」

嫁「不憫だから乳までやったのに、なんでうちの子を連れて行くんだい?!」

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我が子を大切に抱いて歩き始めると、マングムはふと足を止め、遠くを振り返った。

028

マングム「しっかりお暮らし。もう会うこともないだろうから…」

再び歩き出したマングムを、トッケビが追いかける。「逃げようとしてただったんだ」

トッケビ「お前さんは大丈夫かい?」

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誰もいない暗い正殿で、粛宗はじっと考えに耽っていた。
「殿下!」外で大臣たちの訴える声が聴こえてくる。「国法に背き玉座を愚弄した者に処罰を!」

大臣たちは、大雨の降りしきる中、長時間訴え続けた。「張氏一家の罪を見過ごされてはなりません!」

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その夜のうちに、チャン・ヒジェの屋敷に軍官たちが乗り込んだ。「罪人チャン・ヒジェは王命を受けよ」

ヒジェ「!!!」

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【1694年。後に英祖となる延礽君が生まれた甲戌の年。
粛宗が断行した換局にて、執権乱用とされた張氏は没落し、威勢をとどろかせていた中殿チャン・オクチョンもまた廃位され、幽閉となった】

連行される元王妃、チャン・オクチョンのもとへ、王子が駆け寄った。「母上!」
王の世継ぎである世子、後の景宗だ。

チャン・オクチョンは両脇を掴む武官の腕を振り払うと、気高く微笑んで見せ、世子の手を取った。

オクチョン「恐れることはないのです、世子。母を案ずる必要はありません」

彼女は身をかげめ、世子の顔を間近に見上げた。「今から母の言うことをよくお聞きなさい」

オクチョン「踏み潰すのです!」
世子「…。」
オクチョン「誰であろうと!世子を辱める者、非難する者、阻む者… 許してはなりません。おわかりですか」
世子「…。」
オクチョン「母のような失態を犯してはなりません。肝に銘じるのですよ」
世子「母上…」
オクチョン「それでこそ王になれるのです。我が国…朝鮮の王に!おわかりですか、世子!」

「わかりました」世子は涙を流しながら頷いた。「母上のお言葉、決して忘れません」
「そうよ」オクチョンは世子の手をしっかりと握る。「それでこそ私の息子」

029

立ち上がったオクチョンは、門のところに立っている人影に気づいた。
粛宗だ。

オクチョン「殿下…」

嗚咽しながら深々と礼をするオクチョンの前で、粛宗は黙って背を向けた。

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王妃、そして張氏一族の大きな後ろ盾を一度に失ってしまった世子は、部屋に閉じこもり、布団を被って恐怖に震えていた。
そこへ入ってきた見知らぬ男は… イ・インジャだ。

世子「そなたは誰だ?」

「邸下の運命を占いましょう」インジャはそう言ってにっこり微笑むと、懐から小袋を出した。

インジャ「袋の中に白と黒の碁石がはいっています。黒を取れば、西人の勢いに死を免れることは出来ますまい。白を取れば辛うじて命はつながり、いつか王位を獲得することになりましょう」

※当時の政局は南人(ナミン)と西人(ソイン)という2大党派に分かれて対立しており、張氏は南人、先に廃位になった仁顕王妃や皇太后は西人でした。

インジャ「いかがでしょう?今夜、邸下の運命を占ってみては?」

世子は素直に手を伸ばし、インジャが少し開いておいた袋の中から碁石を一つ握った。
ゆっくり手を開いてみると…
そこに現れたのは白だ。

世子は安堵の笑みを浮かべた。
インジャが大きく頷く。「必ずや私が邸下をお守りします」

世子「そなたが?」
インジャ「はい、邸下」

インジャの話は続く。

インジャ「私が邸下を淵からすくい上げば、邸下は私に何をくださいますか?」
世子「何でもあげよう!余を守ってくれるなら、余の持っている物全部!」

「…。」インジャは静かに世子を見つめた。

世子「たとえ… たとえ王位でも差し出そう!」

インジャが柔らかく微笑んだ。「王位には邸下がお就きにならなくては」

インジャ「お気持ちだけ頂戴いたします」

030

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ここで区切ります。
あんなにダメ亭主だったマングムは見れば見るほどカッコよく見えてくるし、寡黙な粛宗はどんどん隠れた人間味が滲み出てくるし、インジャの狸っぷりにもどんどん磨きがかかりますね~^^

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