韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

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テバク1話あらすじ&日本語訳vol.1

   

チャン・グンソク、ヨ・ジング出演SBSドラマ「テバク(대박)」1話です。
アクセスを分散させるため、1話を3記事に分けてみますね。

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権力の頂点、玉座。

玉座を守ろうとする者。
玉座を勝ち取ろうとする者…。

1728年に反乱を起こし、政権を覆そうとした男、それがイ・インジャだ。

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「久々ですね、白面書生、イ・インジャ」そう言って、若者が彼の前に将棋盤を乱暴に投げた。

-反乱を阻もうとする男。ペク・テギル。

若者をチラリと見るとインジャはふっと笑みをこぼし、駒を盤の上に広げる。
雪のちらつく中、二人の対局が始まった。

テギル「(駒を取り)やけに簡単に取らせるんだな」
インジャ「(駒を取り)”肉をやって骨を取る”。わからぬか?基本中の基本だ」
テギル「たとえ王を獲ろうとも、手足となる兵士たちを失って何の意味がある?(”卒”の駒を動かす)」
インジャ「ならばこの卒を全部救ってどこへ使うつもりだ?」

「ほれ、王手だ」インジャが余裕の笑みを浮かべ、駒を動かす。

テギル「…。」
インジャ「兵士たちの犠牲なくして、どうやって王を仕留める?まさに大義のための犠牲ではないか」
テギル「一体誰のための大義で、誰のための犠牲だ?」
インジャ「我が朝鮮のため、民のため」

「!」テギルが思わず盤を叩く。「民だと?」

テギル「よくもそんなことが言えたな」
インジャ「…。」
テギル「玉座欲しさに国中の民を踏みにじっておいて!」
インジャ「腐った朝鮮を変えられるのは、玉座のみだ」
テギル「いや。民を顧みない王など要らぬ」
インジャ「阻止しようと言うなら、お前も斬る。容赦なくな」

「…。」動じないインジャの様子に、テギルは小さく溜息をついた。「あぁ、あんたはいつもそうだ」

テギル「何でも好きなように切り捨て、気に入らなければ殺してしまう」
インジャ「…。」

「やれよ」テギルは両手を広げた。「やれるものなら」
インジャの後ろに控えていた護衛が刀を抜くやいなや、テギルの後ろから別の刀がそれを阻止する。
ぶつかり合う刀に瞬き一つせず、二人は睨み合った。

001

インジャ「ペク・テギル…」
テギル「イ・インジャ…」
インジャ「私は都城へ向かう」

「そこで…」インジャは盤に刺さった折れた刃先を抜くと、王駒に突き刺す。「また会おう」
立ち上がると、彼はテギルに背を向けた。

テギル「(独り言)イ・インジャ…。両班(※特権階級)だからってえらく饒舌だな。だが、この世の道理ってのは…」

彼は卒の駒を一つ、つまみ上げる。「最後には民が勝つんだ」

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1693年、漢陽。

厨房で慌ただしく料理の準備が進んでいた。

妓生「まだなの?」

かまどの前でうつらうつらしていた女は、ハッとして立ち上がる。「もう出来ます!」
料理を手に妓房の廊下を進み、部屋を開けると… そこで騒いでいた男に彼女は目を見開く。「あんた!」

男「お、お前…」
女「(耳を掴み)出なさいよ、ほら!」

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女は夫を引っ張って外へ出てきた。「何て人なの?!」

男「何だ?俺を誰だと?ぼろ足袋履いちゃいるが、これでも両班の血筋なんだぞ!お前にゃ勿体ない亭主なんだ!偉そうに」
女「遊び歩いても亭主は亭主だって、今まで我慢してたのは誰?!私よ」
男「泣くなって。近所に見られるだろ」

泣き出した妻を不憫に思ったのか、ふいに表情を和らげると、男は妻の手をとった。「なぁ、俺が好きで遊んでると思うか?」

男「賭博しか能がないんだから仕方ない」
女「子どもでも出来たらどうなるのか怖いわ…」
男「何言ってんだ。元気な子を産めばいい。天下のペク・マングムが我が子一人食わせられないと思うか?」
女「口ばっかり…」
男「疲れるだろうから仕事は終わりにして、これで雌鶏でも一羽飼って煮てくれよ」

男は銭を2枚、妻の手に握らせてニッコリ笑った。「一発当てて来るからな」

女「…。」
男「すぐ帰るから」

いそいそと走っていく夫を呆れて見送ると、彼女は誰かがこちらを眺めているのに気づいた。「!」
インジャだ。
彼女を見て小さく頷くと、インジャは手にしていた盃をコトンと置いた。

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雌鶏を抱えて夜道を歩きながら、女は夫の言葉を思い出していた。
「…。」思わず溜息が漏れる。

女「(雌鶏に)許して。憎くても亭主だもの。ひもじい思いはさせられないでしょ?」

ふとかすかな気配を感じ、女は後ろを振り返った。「誰かいるんですか?」
首をかしげ、歩き出そうとしたところへ、突然近づいてきた誰かが彼女の口を塞いだ。「!!!」

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「今、何か聞こえなかったか?」博打に戻った亭主が窓の方を振り返る。

彼は配られた牌を神妙な顔で確かめると… 妓生たちの隙をついて逃げ出した。
が、廊下の端へたどり着く頃には用心棒に捕まり、外へ引きずり出される。
目の前に現れた女主人を、男は見上げた。「ホンメ姐?」

女主人「あたしにとって男ってのはたった三種類さ。肉親、仕事をやらせてる弟分たち、それから閨事の相手」
男「?」
女主人「けどさ、父親は賭場で木っ端微塵。旦那は女遊びが過ぎてあたしの手で葬った」

彼女は愉しげに男の顔を覗きこむ。「あたしの血肉とも言える金でやらかしたから、二人ともあんなザマになったのさ」

女主人「親でさえ容赦しないのがあたしだよ」
男「!」
女主人「血の一滴も繋がってないあんたの命一つ、消せないと思うかい?」
男「姐さん、恐ろしいこと言うなよ」
女主人「言うこと聞かないからさ。あたしが誰だと?ホンメだよ、ホンメ!」
男「払わないなんて言ってないよ」
女主人「どうやって払うってんだい?女房でも売るってのかい?」
男「い、い、いつだって売ってやるさ、女房くらい」

「そうかい?」女主人がニヤリとほくそ笑んだ。「それならそうなさいよ」
女主人は金束を放り出した。「100両。利子の20両は引いたよ。勘定はきっちり計算しないとね」

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女は見知らぬ部屋の中で目を覚ました。「!」
見るからに高価な品々が鎮座する棚を抜け、開けた空間に出ると、そこには卓上いっぱいにご馳走が並んでいる。
「…。」女は少し躊躇すると、皿の食べ物を掴み、貪った。

「毒だぞ」ふいに背後で声がして、女は驚いて口を押さえ、振り返った。
彼女を眺めていたのは… インジャだった。

インジャ「妥協ってものをよく知っている女だ」

インジャは部屋へ入ってくると、ご馳走の並んだ卓の前に腰を下ろした。

女「どなたです?人違いだと思いますけど」
インジャ「(料理を口に運び)まずは食べなさい。明日、入宮して大仕事がある」
女「私が宮中で働く雑仕女なのをご存知で?」

「ふふん」インジャは笑って彼女を見上げた。「知っているとも」
卓上に無造作に放り出したのは、金束だ。「もうひもじい思いをすることはない」

インジャ「今にも潰れそうな小屋で凍えることもない。亭主の借金の肩代わりで連れて行かれはしないかと気を揉むこともないのだ」
女「一体… 私に何をお望みで?」

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意気揚々と賭場へ繰り出した亭主がうなだれて外へ出てきた頃には、空が白んでいた。
雪は雨に変わり、容赦なく彼に降り注ぐ。

男「…。」

彼の手には… 何一つ残っていなかった。

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すっかり夜が明けた頃には、雨は上がっていた。
一晩考えた末、女は綺麗に身支度を整え、通明殿を見上げた。「…。」

002

「王は大雨の翌日、いつも散策に出る」彼女はインジャの言葉を反芻する。「輿も傘も使わず、庭を二回り歩く。廃位後は仁顕王后の住んでいた通明殿に入ることもない」

女は大切に抱えていた美しい靴を、通明殿の門前に揃えて置いた。

インジャ(声)「通明殿の前に廃妃が履いていた靴を。その上に大きな蓮の葉を置くのだ」

女は通明殿前の階段を急いで駆け下りると、掃き掃除を始めた。
そこへ…
向こうの通りをゆっくり誰かが通りかかる。

「…。」女は地面を履きながら、歩いて行く男の横顔を盗み見た。
王だ!
王…粛宗は彼女に気づくこともなく、通りの向こうへと姿を消した。

女「…。」

「待つのだ」インジャの言葉が蘇る。「王は必ずやお前に気づく」

思い直し、もう一度顔をあげると、彼女はハッと目を見開いた。
通り過ぎたはずの王が、まっすぐに自分を見ているではないか。

「!」静まり返った通明殿の庭に、彼女が慌ててホウキを投げ捨てる音だけが高く響いた。
王がまっしぐらに近づいてくると、彼女は地面にひれ伏す。
「5歩のところまで近づいたら、顔を上げて目を合わせよ」インジャの指示を慎重に反芻すると、近づいてくる王の足元をじっと見つめた。

王はあっさり彼女の横を通り過ぎ、通明殿の階段をあがる。

女「…。」

蓮の葉を拾い上げ、王は振り返ると、再び女の元へと降り立った。「立つのだ」
女は言われたとおり、ぎこちなく立ち上がる。

王「顔を上げよ」
女「!」

「三呼吸だ」インジャの声を女は思い浮かべた。「必ず三呼吸の間、王と目を合わせるのだぞ」
女は意を決し、王と力強く視線を合わせる。

インジャ(声)「一呼吸目で王の心を揺らし、二呼吸目で王の心臓を鷲掴みにする。三呼吸目には王の魂までお前のものになるだろう」

きっかり三呼吸耐え抜くと、女はさっと目を伏せた。

王「靴の上に蓮の葉を置いたのはそなたか?」
女「はい、殿下」
王「なぜそのようなことを?」
女「中殿…(言いよどむ)廃位王妃がお脱ぎになった靴に、雨の日にはあのように蓮の葉をかぶせていたのですが、今はそれが習慣になりました」

※中殿=王妃のこと。仁顕王后は廃位になってしまったので、中殿と言ってしまってから言い直したわけですね^^

王「名を何と申す?」
女「…ポクスンと申します」

ポクスン…震える声で女はそう答えた。

そのとき… 「殿下」横手にある門から女の声がした。
仁顕王后の廃位後、側室から王妃に上がったその人。張禧嬪(チャン・ヒビン)だ。

王「中殿が朝からここへ何用かね?」
張禧嬪「殿下はなぜこちらへ?」

「散策に来ただけだ」そう言ってポクスンに背を向けると、王は張禧嬪と目を合わせることなく、歩き出した。

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つれない粛宗の態度に深い溜息をつくと、張禧嬪の視線はポクスンへと向かった。
ポクスンは頑なに頭を下げる。彼女はもう一度インジャとの会話を思い浮かべた。

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ポクスン「私がやるべきことはそれで全部ですか?」
インジャ「そうだ。実に簡単ではないか?」

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粛宗はすぐに絵師を呼び、通明殿で出会った雑仕女の顔を描かせた。

粛宗「…。」

出来上がった絵をじっと見つめると、粛宗は満足気にゆっくり口角を上げた。

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ここで一旦区切ります。

しょっぱなからチョン・グァンリョル氏やチェ・ミンス氏の存在感を惜しみなく大放出ですね~!
もう張禧嬪が王妃になってるあたり、展開早そうです(笑)

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