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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

スイッチ-世界を変えろ32話(最終話) あらすじ&日本語訳

   

チャン・グンソク主演SBS韓国ドラマ『スイッチ-世界を変えろ』最終回のあらすじを、セリフの日本語訳を混じえて紹介していきます。

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クム・テウンの裁判が始まった。

裁判長「只今より2018コの1099番、被告人クム・テウンの殺人および殺人教唆、特定経済犯罪加重処罰等に関する法律違反等についての裁判を始めます」

傍聴席にはヤン部長を挟んでコ係長とイム係長、詐欺団の3人、そして最前列にはチョ・ソンドゥの姿もあった。

#インテたち、そんなとこにいて大丈夫なの?!

裁判長「検察側、起訴事実の要旨をお願いします」

ハラが立ち上がる。

ハラ「被告人クム・テウンは2014年から外交積荷を通し不法に搬入した麻薬取引で、財産を不正に蓄え、この情報を検察に提供したナム・スンテの殺害を教唆、有力な証人だったパク・ヨンジンを殺害しました」

#今思い出した!前回の訳で「ソンドゥは何か殺人に関わってたっけ?」って書いたけど、ナム・スンテを殺しちゃったのはソンドゥでしたね。階段で暴れたのを取り押さえようとして。すみません、すっかり忘れてました^^;

ハラ「また、K貯蓄銀行を引き継ぐ過程において、ケ・チュンシクを自殺と偽装、殺害した容疑があり、天然ガスへの投資過程において、ビクトール・ジャンとサ・マチョンを自ら殺害した容疑があります。よって検察は被告人クム・テウンを刑法第250条第1項殺人罪、刑法第31条第1項殺人教唆罪、特経法第3条第1項第1号、刑法第356条により、殺人、殺人教唆等で起訴いたします」

「以上です」ハラが席につく。

裁判長「弁護側、反対尋問なさいますか」
弁護士「いいえ。そのかわり、チョ・ソンドゥを証人として申請いたします」

ハラとジュンスの視線が傍聴席へ向かう。
最前列に待機していたソンドゥが立ち上がり、証言台へ進み出た。
小さく微笑むクム・テウンとは反対に、ソンドゥの表情は固い。

「画面をつけてください」弁護人の合図で、モニターのスイッチが入った。
スマートフォンでのメッセージのやり取りが映し出されている。
そのうち、キム室長から送られたものを弁護人がいくつかピックアップして紹介した。

キム室長(メッセ)「ナム・スンテを監禁してください。しっかり見張っていただきます」
キム室長(メッセ)「麻薬の売上代金はいつもの口座に入金してください」

***モニター画面のメッセージ全訳***

キム室長「(音声通話着信通知)010-0473-1784 通話ボタンを押せば繋がります」
キム室長「(音声通話着信通知)010-0473-1784 通話ボタンを押せば繋がります」
キム室長(メッセ)「ナム・スンテを拘禁してください。しっかり監視していただきます」
ソンドゥ「○○」
キム室長「(自動メッセージ)すみません。今通話できません」
キム室長「(自動メッセージ)すみません。今通話できません」
ソンドゥ「電話取ってくれ。大変なんだ」
キム室長「誰も居ないとき、密かに処理なさってください」
キム室長「ナム・スンテを吊るしたら電話を」

(別の日)

ソンドゥ「(自動メッセージ)運転中なので後で電話します」
キム室長「麻薬の売上金はいつもの口座に入金してください」
ソンドゥ「俺の手間賃を引いて入れるからな」
キム室長「ダメです。それはまた後ほど」
ソンドゥ「知るかよ」
キム室長「抜かずにそのまま入金してください」
ソンドゥ「イヤだね」
キム室長「それはチョ社長の金ではありません。警告です。今すぐ代金を入金してください」
ソンドゥ「(自動メッセージ)現在電話に出られません」
ソンドゥ「(自動メッセージ)運転中なので後で電話します」

(別の日)

ソンドゥ「(自動メッセージ)運転中なので後で電話します」
キム室長「韓国病院2階の病室を一つ、空けておきました」
キム室長「そちらへ誘導してください。職員を4名ほどお付けします」
キム室長「人目が多いので、騒ぎにならないように」
キム室長「詐欺師たち3人全員拉致しなければなりません。一人も逃さず」
ソンドゥ「わかったってばー」
キム室長「どうなりましたか」
ソンドゥ「(自動メッセージ)現在電話に出られません」
キム室長「チョ社長」
キム室長「(音声通話着信通知)010-0473-1784 通話ボタンを押せば繋がります」
ソンドゥ「逃げられた」

#ドラマで紹介されたのはこのうちのほんの2箇所で、最後、病院でボン監督たちを捕まえようとした作戦のやり取りは、まるごと触れられていません。作りこんであって素晴らしい~^^ そして、楽しめるのは私のような物好きだけ(笑)

******

弁護人「証人、このメッセージは誰が送ったものですか」

「キム・ヒョヌク室長が送ったものです」ソンドゥが淡々と答える。

弁護士「ならばナム・スンテを北漢山へ吊るしたのは誰ですか」
ソンドゥ「キム・ヒョヌク室長です」

弁護人が堂々と裁判長に向き直る。「お聞きの通り…」

弁護人「被告人クム・テウンは、ただの一度もチョ・ソンドゥにこの事件に関する指示を下したことはなく、全ての事件の計画と実行はキム・ヒョヌクを通してのみ起きています」

「以上です」弁護人が席につくと同時に、傍聴席の記者たちが忙しく膝の上のノートPCを叩く。
思惑通り事が進み、したり顔のクム・テウンを、向かい側の検察席でハラとジュンスがじっと見つめた。

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被告人クム・テウンに対する検察側の尋問が始まった。

ハラ「被告人はフィールギャラリーの職員であるキム・ヒョヌク室長に、ナム・スンテ、パク・ヨンジン、ケ・チュンシク、チョン・ドヨンの殺害を指示なさいましたね?」

「検察はいつから無罪推定の原則、証拠優先主義を無視するようになったんです?」クム・テウンは挑戦的だ。

クム代表「私が指示した証拠があるんですか」
ハラ「では、全てキム・ヒョヌクが指示したということですか」
クム代表「えぇ、そうです」
ハラ「証人チョ・ソンドゥを動かしたのも、キム・ヒョヌク室長だと?」
クム代表「えぇ。キム・ヒョヌクさん本人を呼んで証言させたらどうです?」

ハラが怒りで顔を引きつらせる。
「裁判長、以上です」彼女はあっさりと検察席へ戻った。

「弁護側」裁判長が審議を進める。「証人審問はありますか」
「いいえ、ありません」弁護人がそう答えると、クム・テウンは証言席を立った。

成り行きを見守っていたヤン部長が首をかしげる。

ヤン部長「オ検事、どうしたんだろう?何でもっと追い込まない?」
コ係長「さぁ、何かひっくり返すネタでもあるんじゃないですか?」

しばし法廷に重い沈黙が流れる。
「…。」じっと黙っていたジュンスが勢いよく立ち上がった。「裁判長」

ジュンス「証人チョ・ソンドゥを再尋問してもよろしいでしょうか」
クム代表「?!」

「異議あり!」弁護人が慌てて立ち上がる。

弁護人「すでに尋問を終えた証人を、検察側が再尋問する理由がありません!」
ジュンス「チョ・ソンドゥの持つ決定的な証拠に対し、証拠隠滅および懐柔の疑いがありますので」
裁判長「決定的な証拠と…?進めてください」

虚ろだったソンドゥの目に、わずかに力が宿ったように見える。
彼は立ち上がり、証言台へ進み出た。

ジュンス「証人はキム・ヒョヌクの指示を受けナム・スンテを監禁、暴行なさいましたね」
ソンドゥ「はい」
ジュンス「ナム・スンテが死亡した経緯を知っていますか」

「…。」ソンドゥが小さく俯いた。「私が過失致死を装って殺しました」

クム代表「!!!」

傍聴席にざわめきが起こる。

ジュンス「法廷で殺人を認めるんですか」
ソンドゥ「はい、認めます」

「!!!」不安に駆られ、クム・テウンが身を乗り出す。

ジュンス「ナム・スンテを監禁した理由は何です?」
ソンドゥ「麻薬取引の映像をナム・スンテが持っていたからです!」
ジュンス「麻薬取引の映像?」

ハラが立ち上がり、予め持っていたUSBメモリをジュンスへ手渡した。
「ひょっとしてこれのことですか」ジュンスがソンドゥにそれを掲げる。

ソンドゥ「はい、そうです」
ジュンス「裁判長、この映像を証拠第4号として提出いたします」
弁護人「裁判長!異議あり!その映像は手続を踏んだ証拠目録に提示されていません」
ジュンス「裁判長、被告が念入りに証拠隠滅を図ってきたという点をご考慮ください。ナム・スンテがこの映像を持っていただけで監禁されたように、証人チョ・ソンドゥの身の安全のため、事前提出が出来ませんでした」
裁判長「認めます。続けてください」

ジュンスがUSBメモリを書記官に手渡すと、程なくしてモニターにその映像が映し出された。
薄暗い倉庫の中で麻薬を差し出す手。
その手から麻薬を受け取ったのは、まさにクム・テウンその人だ。

ジュンス「(映像を指し)ここにいる被告人が全ての殺人および殺人教唆の主犯、別名ヒグマですか」

「はい、そうです」頑なに前を向いたまま、ソンドゥが答える。
「クム・テウンがヒグマだって!」ボン監督が傍聴人たちを煽った。

~~~~~~~~

逮捕されたキム室長は、面会に来たソンドゥにUSBメモリを託していた。

キム室長「映像が私の手にあります。私に何かあったら、公開してください」

そのUSBメモリをソンドゥはドチャンの手に託す。「キム室長から受け取ったものです」
そして…
ドチャンは検事として復帰したジュンスにプレゼントしたのだった。「退屈なときに見てください」

あれほどジュンスとハラが捜査の切り札として欲しがったナム・スンテのUSB、それがこうしてジュンスの手に渡ったのだった。

~~~~~~~~

ジュンスの審問は続く。

ジュンス「さっきオ・ハラ検事の尋問では全てキム・ヒョヌクの指示だったと言いましたが… なぜそんなことを?」

「そう言えと言われたからです」そう答え、ソンドゥはかすかに笑みを滲ませる。

クム代表「!!!」

ジュンスが証言台に手を付き、ソンドゥの顔を覗き込んだ。「誰が?」
ソンドゥの澄んだ目がクム・テウンへと向かう。
彼は人差し指でまっすぐにクム・テウンを指した。「クム・テウンです」

クム代表「!!!」

ざわめきが収まるのを待ち、ジュンスは裁判長を振り返る。「以上です」

顔をヒクヒクと引きつらせるクム・テウンに、ソンドゥは静かに決別の微笑みを投げかける。
クム・テウンがガックリと椅子に身を鎮めるのを見届けると、ソンドゥは氷のように冷たい表情で席を立った。

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判決の日がやって来た。

裁判長「被告人クム・テウンは、2018年5月3日、サ・マチョンとビクトール・ジャンを殺害し、これを揉み消すため多くの証拠を隠滅。その他、金融機関から数百億を横領し、世論を捏造、また、事件を揉み消すため数人の検事へ不正請託を行うなど、罪状は極めて悪く、改善の余地もないとみなす。よって被告人クム・テウンの殺人等の事件について、次のように判決を下す。被告人クム・テウンは…」

法廷の後ろの扉がそっと開く。
姿を見せたのはドチャンだ。

裁判長「刑法第250条第1項、殺人。有罪」

「!」ハラがホッと息をつく。

裁判長「刑法第250条第1項、刑法第31条第1項殺人教唆。有罪」

記者たちが忙しくキーボードを叩く。

裁判長「特定経済犯罪加重処罰などに関する法律第3条第1項第1号、刑法第356条特定経済犯罪加重処罰等に関する法律違反。有罪。検察が提起した全ての起訴内容を有罪と認める」

「これにより、本法廷は被告人クム・テウンに…」裁判長の言葉を、法廷内の全員が固唾をのんで待った。

裁判長「死刑を宣告する」

「!」ヤン部長たちが一斉に立ち上がり、勝利を称え合う。
傍聴席の妹に微笑みかけたハラは、後ろに立っている人影に気づいた。「!」
ドチャンだ。
驚く彼女に、ドチャンは静かに笑いかけた。

ハラ「!」
ドチャン「…。」

「死刑だと?!」クム・テウンがドンとテーブルを叩き、立ち上がった。
「俺が死刑なわけがあるか!!!」手元の資料を手あたり次第に投げつけ、テーブルをひっくり返す。
彼の目に留まったのは、一番うしろで静観しているドチャンの姿だ。

クム代表「サ・ドチャンにペク・ジュンス!お前ら恐れ多くもヒグマに喧嘩を売りやがって!!!お前ら一緒に死刑台まで連れてってやる!一人で死ねるか!一人じゃ死なんぞ!!!」

警備員たちに引きずられるように、クム・テウンは法廷を後にする。
騒ぎに気を取られたハラが再びドチャンへ視線を戻したとき、そこに彼の姿はもうなかった。

ハラ「!」

#裁判は意外と呆気なかったですね。これだけ捜査したんだし、もっと色んな人に証言に立ってほしかったな。まとめると結局ソンドゥの復讐物語でした^^

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昏睡状態で入院していたキム室長は、ベッドの上でピクピクと指を動かした。
「…。」ゆっくりと、その目が開く。
彼は死の淵から生還した。

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裁判所の前はまだ閑散としていた。
外へ出てきたドチャンを、追ってきたハラが大声で呼び止める。「サ・ドチャン!」

ドチャン「…。」
ハラ「どこ行くの?」
ドチャン「やることは済んだし、俺も自分の道を行かないとな」
ハラ「このまま行くの?」

半ばすがるようなハラの目を見て、ドチャンは静かに彼女に向き直る。「オ検事」

ドチャン「初めて俺にペク・ジュンスの代役をやらせたときのこと、覚えてるか?」
ハラ「…。」
ドチャン「”この一件さえ終わったら、二度と会わない” 、そう約束したと思うけど」

#何でそんな優しい口調なん♥

ハラ「そのときとは違うでしょ」
ドチャン「何が違う?」
ハラ「あのときはあんたが裏切るから、腹が立ってたのよ。今は… このまま行かせるなんて申し訳ないわ」

「…。」ドチャンは少し戸惑ったように視線をそらす。
「待って」ハラがポケットから何かを取り出した。
「プレゼントよ」そう言って差し出したのは…

#泣いた(´;ω;`)ブワッ

父サ・マチョンと並んで笑顔を見せる、彼の写真だ。
「家族写真だな」ドチャンが顔をほころばせる。「たった1枚の」

ハラ「お父さんの遺言、守れるといいわね」
ドチャン「?」

ドチャンを見つめるハラの目は、どこまでもまっすぐで美しい。

ハラ「一番大きな詐欺は、一人の人の心を完璧に手に入れることなんでしょ?」

「…。」その目に彼女の意を汲み取り、ドチャンは柔らかく微笑む。
そして、上目遣いに彼女を覗き込んだ。「オ・ハラ」

ドチャン「デカい詐欺には、デカいセッティングが必要だ」

「…。」ドチャンらしい切り返しに、ハラが思わず笑う。

ドチャン「手に… 負えるかな?」

イエスの代わりに、彼女は笑顔でまっすぐに彼を見つめた。
ドチャンもまた小さく微笑み、軽やかに背を向ける。

彼の後ろ姿が遠ざかっていくのを清々しく見送り、ハラは反対側へ背を向けた。

#ちょっと!二人の会話も表情も素敵すぎてたまらんのですけど!私でさえ「ぎゃーっ!」ってなるのに、うなぎさんたちは大丈夫なの?心臓止まったりしないの?

+-+-+-+

ドチャンを先頭に、詐欺団のメンバーが銀行から出て来た。
それぞれの手に1冊ずつ、通帳が握られている。

ドチャンが彼らを振り返った。「出会いは短く。別れはもっと短く」

ウンジ「別れ?」
ドチャン「ウンジ、お前はモルジブに行かないと。旅行作家になりたいんだろ」
ウンジ「…。」
ドチャン「インテ、お前はまた事業を始めろよ」
インテ「…。」
ドチャン「ボン監督は映画でカンヌへ行かないとな」
ボン監督「あぁ、お前の話… いや、俺たちの話でシナリオを書いてみるさ」
インテ「事業資金には多すぎるだろ…。ありがとうな、兄貴。大事に使うよ」
ウンジ「会いたくなったらどうするの?」

ドチャンはそれに答える代わりにニッコリ微笑み、クルリと背を向けると、そのまままっすぐ歩き出した。

ウンジ「ドチャンさん…」

後ろ手にサッと手を振り、ドチャンが遠ざかっていく。
「俺たちも解散しよう」ボン監督が右へ。
そして、インテが左へ分かれる。

ウンジ「ちょっと!」

ウンジ「ちょっと!どこ行くの?私行くとこないんだってば!ボン監督!私どこ行けばいいの?一人でモルジブなんて行けないよ!」

3人とも、ウンジの声に振り返ることもなく、それぞれの方向へと小さくなっていく。
まるで子どものように、ウンジはその場に泣き崩れた。

#訳す過程で何度か観たけど、何度観ても同じように泣いてしまいます。それくらいこのシーンのウンジは可愛いし、それだけ詐欺団が楽しくて大好きだった気持ちが痛いほどわかる。次のステップのためには、今の楽しさから足を踏み出さなきゃいけないときがあるってことも^^

+-+-+-+

チン・ギョンヒはデスクの上に置かれたネームプレートを見つめていた。

チン検事長「…。」

思いがけず受け継ぐことになった検事長の席は、私にとって一体何だったのだろう。
私は必死になって何を守っていたのだろうか。
全てが終わってしまえば、まるでうなされていた高熱が一気に冷めたように、彼女の頭の中は澄み渡っていた。

扉が開く。
入ってきた監察官たちが頭を下げた。

チン検事長「行きましょう」

チン・ギョンヒはもう一度ネームプレートを一瞥し、検事長室を後にした。

+-+-+-+

「はい、わかりました」キレイなミランさんは、電話連絡を受け、すかさずロビーの通行ゲートをロックした。
逃げるキル・デロ検事を阻止するよう言われたのだ。

キル検事「おい、開けろよ」
ミランさん「(電話の相手に)通行ゲート、封鎖しました」

キル検事はいつかのハラの真似をして、ゲートを飛び越えようと、思い切りジャンプした。
「!」と、足が引っかかり、盛大にひっくり返ってしまったのだ。

キル検事「ああっ!」

床に転がった彼を、やって来た監察官が見下ろした。「キル・デロ検事、監察部へご同行を」

※彼については、どんな恩恵を受けていたのか、具体的に触れられていません。実にお気の毒です…。

+-+-+-+

クム・テウンの逮捕後、チェ・ジョンピル氏もまた逮捕され、牢の中にいた。

※おそらくK貯蓄銀行を使って私腹を肥やしていたあたりでの逮捕だと思われます。

独房で一人じっと目を閉じ、これまでの人生を静かに顧みる日々だ。

+-+-+-+

ナム・スンテ殺害を法廷で自白したチョ・ソンドゥもまた服役していた。
手元にあるのは一冊の聖書。
何気なくそれをめくると、中に写真が一枚挟んである。
チェ・ジョンピルから受け取ったその写真は、父親の部分が破られ、大好きな母と一緒に幼い自分が笑っていた。

ソンドゥ「…。」

母と自分を捨てた父に復讐することが、彼の人生の目的だった。
それを果たした今…

写真を見つめるうち、彼の目からとめどなく涙が溢れ出した。

+-+-+-+

暗い独房の壁に、小さな鉄格子窓から差し込んだ光が白いラインを作っている。
立ったまま壁にもたれかかり、クム・テウンはぼんやりと溜息をついた。

クム・テウン「チョ・ソンドゥ、お前を信じちゃいけなかったのに… 信じてしまった」

「息子だからって」そう呟く声は、とても弱々しい。

~~~~~~~~

彼の頭の中に、ある日のことが蘇る。
仲間に引き入れたペク・ジュンスの裏切りを疑ったときのことだ。

「地獄というのはな」彼はキム室長に言って聞かせた。

クム・テウン「… 愛する人のいない世界、信じられる人のいない世界。それが地獄じゃないか?」

~~~~~~~~

そして、その自分が今いる世界は…
クム・テウンは遣る瀬なく息をつく。

クム・テウン「結局、自分で作ったんだ…。自分で地獄を作ってしまった」

「ははは」虚しく笑い、彼は力が抜けたようにその場に座り込んだ。

クム・テウン「いや、俺は誰も信じたりしない。信じもしないし、騙されもしない」

「ふはは」笑いながら、クム・テウンはその声を震わせる。

クム・テウン「俺はクム・テウンだぞ。ははは」

卑劣な笑いは、次第に孤独な涙へと変わる。
ひたすら上へのぼりつめることだけを目指し、邪魔なものは排除してひた走ってきた。
そうやって彼が掴んだものは、全て幻だったのだろうか。

「俺はクム・テウンなんだ」その言葉は、目の前の壁に跳ね返り、ただ自分へと帰ってくるだけだった。

+-+-+-+

商店街の一角。
ポン菓子屋の隅で椅子に腰掛け、優雅にポン菓子をかじっていたハラの母は、通りかかった若い女性を呼び止めた。「そこのキレイなお姉さん」

ハラ母「いらっしゃいな。これ食べてみて」
お姉さん「私ですか?」
ハラ母「あなた以外にキレイなお姉さんがいる?」

嬉しそうに笑い、女性はポン菓子を1枚受け取った。「ありがとうございます」
一口かじった途端、ハラの母はすかさず商品のポン菓子を差し出した。「食べたわね!3000ウォンよ」

お姉さん「!」
ハラ母「お姉さん、よく見たらオードリー・ヘップバーンに似てるわね」

「えへへ」お姉さんは素直に3000ウォンを手渡す。

ハラ母「睫毛がね♪」
お姉さん「!」
ハラ母「ホントよ~」
お姉さん「…。」

「観たでしょ?」お姉さんがいなくなると、ハラ母はポン菓子屋の主人を振り返った。

ハラ母「こうやって商売するのよ、おじさん」

「ほら」儲けた3000円を渡してやる。

ポン菓子屋「わぁ、本当に凄いですね」

「お疲れ様」ニッコリ笑い、ハラの母はポン菓子をかじりながら歩き出した。

+-+-+-+

新しく次長検事となったヤン・ジスン氏は、デスクの上で燦然と輝くネームプレートを熱心に磨いた。
こんなときについ聞きたくなるのは、愛する妻の声だ。
彼は携帯を取り出した。「あぁ、君。僕だよ」

ヤン次長「今日お寺に行くって言ってただろう?行ったら、瓦を10枚ほど奉納しておいで。あぁ、僕?僕は教会へお礼の献金をしてこないとね」

+-+-+-+

ペク・ジュンス検事がソウル中央地検のロビーへ颯爽と入ってきた。
すれ違う職員たちに小さく会釈をし、通行ゲートに差し掛かったところで、彼はふと立ち止まる。

「お願いがあるんです」ドチャンの言葉を思い出したのだ。「受付のミランさんに挨拶するとき、”キレイなミランさん”って言ってあげてください」

どうしよう…。
固まったようにじっとミランさんの背中を見つめていると、彼女が振り返った。「?」
彼に気づき、ミランさんがニッコリと微笑みかける。

ジュンス「おはようございます。キレイな… ミランさん」

彼女がパッと顔を輝かせた。「はい!おはようございます、ペク検事」
小さく微笑み、ゲートをくぐるジュンスを、ミランさんは幸せ一杯で見送った。

+-+-+-+

ジュンスとハラは、ある大物を捜査していた。
モニターの前にメンバーたちが集まる。

ジュンス「フリーハーテッド財団チェ・ヨンミン会長。大企業や有名デザイナーたちからブランド品の寄贈を受け、大規模なチャリティーバザーを催しています」
ハラ「問題なのは、市民たちの寄付金がこの人の口へどんどん入ってるってこと」

皆が頷く。

ハラ「決定的な証拠を手に入れないと」

+-+-+-+

豪華なホテルの一室で、誰かがピアノを奏でている。
洋室の中にはいくつかハンガーラックが用意されており、色とりどりの服を職員たちが整えていた。

そこへ扉が開き、男性が入ってくる。
ジュンスたちの捜査で名前の上がっていた、チェ・ヨンミン氏だ。

ピアノを弾いていた男性が、ゆっくりと立ち上がり、チェ・ヨンミン氏を振り返った。
ドチャンだ。

そばで待機していた職員たちが、上品に頭を下げる。
ボン監督、インテ、そしてウンジだった。

#あれ?

チェ氏「日本の有名デザイナーの方が、我々のチャリティーイベントへ快く寄付してくださるとは。お礼を申し上げますよ」

日本の有名デザイナーというのは、ドチャンのことのようだ。

チェ氏「これをオークションにかければ、数100、いや、数1000万ウォンは下らないでしょう」

ドチャンの耳元でボン監督がそれらしく通訳する。

ドチャン「ヒトノカネデクラシテ、タノシイカ、コノクズヤロウ」
ボン通訳「むしろお役に立てて嬉しいと、そうおっしゃっています」

ドチャンは隣のハンガーラックから花柄の鮮やかな服を手に取った。
「ふむ」チェ氏の前に掲げてみる。「ブタニシンジュ、ダナ」

ボン通訳「この服をプレゼントしたいそうです」

「お着替えはあちらの部屋でどうぞ」インテが奥を指す。
服を手に奥の部屋へ向かうチェ・ヨンミン氏を見送り、4人はニヤリとした。

+-+-+-+

奥の部屋で着替えを終えたチェ・ヨンミン氏は、なぜかヨタヨタとよろめきながら出て来た。
「この服、もともとこうなってるんですか?」まるで手錠をかけられたように、左右の袖口が縫い合わさっている。

そこにいたはずの日本人デザイナーの姿は見当たらない。
代わりに、大きなモニターから映像が流れ始めた。

チェ氏(映像)「寄付金の申告は20%だけにして、残りの金は私の借名口座に回せ。どうせ誰にもわからんだろ」

「!!!」両手の自由を奪われた状態で、チェ・ヨンミンはその場に固まった。

そこへやって来たのは…
「ソウル中央地検です」ペク・ジュンスとオ・ハラのチームだ。

ジュンス「チェ・ヨンミンさん、あなたを緊急逮捕します」
チェ氏「えっ」

コ係長たちが手錠をかけ、あっという間にチェ氏を連行した。

「?」ジュンスたちの目に入ったのは、モニターの映像だ。
「寄付金の申告は20%だけにして、残りの金は私の借名口座に回せ。どうせ誰にも…」

「先輩、何か変よ」ハラが訝しげに首をかしげた。「証拠が私たちを待ってたみたい」
ふと、モニターのそばに、キラリと光るものが見える。「?」

ハラが拾い上げたのは…
見覚えのある金色のハンドスピナーだ。

ジュンスとハラは顔を見合わせ…
笑った。

+-+-+-+

一流の詐欺師は神出鬼没だ。
気づいたときには、もう風のように消えている。
もしあなたが思いがけない幸運を手に入れたら、
それはひょっとすると、彼らの素敵な”セッティング”かもしれない…。

*-*-*-* 完 *-*-*-*

長きに渡ってのご愛読、本当にありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

悪役も含めて登場人物のキャラがどれも素晴らしくて愛着が持てましたし、奇抜なセッティングも面白くて、ラストまで楽しく観られました。
最後はブタニシンジュで爆笑でしたね~^^

捜査が終わったら罪を償うとジュンスは言っていましたが、途中で『不法に取得した証拠は無効』という原則が出てきてしまったせいか、ジュンスの正義感がうやむやで終わってしまったのが、ちょっと心残りです。
逆に、不正は認められないと言い張っていた頑固なジュンスが、「捜査のためなら止むを得ない」と容認し、ある地点から覚悟を決めて自発的に仕掛けるようになり、最後は自分の命まで投げ出す… そういうジュンスの心の変化がこのドラマの面白さでもあったと思います。

記事を読んでくださる皆様がいつも熱く応援してくださって、訳していたこの2ヶ月間、とても充実していました。
終わっちゃうのがすごく寂しいです。
エンドロールのNG集でグンソクさんが「終わるのイヤだ~」と言ってたのと同じ心境ㅠㅠ
韓国での放送は終ってしまいましたが、まだまだこのドラマをたくさんの人が楽しんでくれるといいなぁと、心からそう思います。

改めて、お付き合いいただきありがとうございました。

yujina

 - スイッチ-世界を変えろ