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師任堂(サイムダン)、色の日記最終回あらすじ&日本語訳~後編

   

イ・ヨンエ、ソン・スンホン主演SBSドラマ『サイムダン、色の日記』最終話(28話)後編、いよいよ完結です♪

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突然胸に苦しみを覚え、うずくまっていたサイムダンは、子どもたちの帰って来る声に、何とか体勢を立て直した。

メチャン「ヒョンリョンが首席で合格したんですって!シジン(チギュン)も合格したんです」

兄弟たちと一緒に、フィウム堂の息子チギュンとチソンも来ていた。

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家へ入ると、ヒョンリョンとチギュンは、改めてサイムダンの前で拝礼をした。

チギュン「これまでのご恩に感謝します。行く宛のない僕たち兄弟を引き取って、ソン・シジンとソン・シウという新しい名前で生きていけるようにしてくださいました。全てお母様のお陰です」

「いいのよ」サイムダンは嬉しそうに微笑んだ。「しっかりやり遂げてくれて、私こそありがたいわ」
彼女は後ろの棚から小さく折りたたんだ紙を取り出し、チギュンに握らせた。「チギュン…」

サイムダン「弟と一緒に、ぜひ行ってみてほしいの。ここを訪ねてごらんなさい」

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山の上にある料理屋は、旅の疲れをしばし癒やす人々で賑わっていた。
そこで黙々と働いているのは、フィウム堂だ。

「母上!」「母上!」

「…?」遠くから声が聴こえたような気がして、彼女はハッと立ち止まった。
坂道を手を繋いで駆け下りてくる二人の子どもが遠くから見えてくる。
あれは!

フィウム堂「!!!」

フィウム堂は無我夢中で駆け出し、子どもたちを両手で抱きとめた。

#良かった。会えてホントに良かった( ;∀;)
このときはおそらく中宗没→次の仁宗も亡くなって、その後の明宗の代。全然描かれていませんが、だいぶ世の中変わっていると思います。

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サイムダンが用意した食事を、夫のイ・ウォンスはしおらしい様子で口に運んだ。
一口一口、サイムダンが甲斐甲斐しく椀に乗せてやる。「よく噛んで、たくさん召し上がってください」

サイムダン「至らない私に出会って、随分気苦労の多かったことでしょう。考えてみれば、旦那様は気の毒な御方です」
ウォンス「…。」
サイムダン「子どもたちにとって、誰よりも立派な父親でいらっしゃいました」

「…。」ウォンスの目が潤み、赤くなる。

サイムダン「これからもそのお気持ちはお変わりありませんよう」

「今までありがとうございました」そう言って、彼女は頭を下げる。

サイムダン「本当に… 申し訳なく思っています」

夫の目から流れ落ちた涙を見て、サイムダンは穏やかに微笑んだ。

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子どもたちと一緒に、サイムダンは海へ来ていた。

メチャン「すごく景色が綺麗ですね、お母様」

はしゃぐ男の子たちをよそに、サイムダンは長女メチャンと並んで砂浜に腰を下ろし、海を眺める。

メチャン「ザブン、ザブン…波の音がとても素敵」
サイムダン「そうね。本当にいいわ」
メチャン「北坪村の海とはまた違う感じです。海の色を見てください、すごく綺麗ですよ」

「そうね」二人は顔を見合わせ、笑った。

メチャン「お祖母様はきっとお元気ですよね」
サイムダン「…。」

少し考えて、メチャンが口を開く。「漢陽へ引っ越すとき、私だけお祖母様からお願いされたことがあるんですよ」

サイムダン「何ておっしゃったの?」
メチャン「絶対にお母様を寂しくさせないようにとおっしゃったんです」
サイムダン「…。」
メチャン「(祖母の口調を真似て)”表には出さなくても、とても寂しがり屋な子だから、あなたがいつも寂しさを埋めてあげなければいけない。いいわね?気に病ませても駄目よ”」

サイムダンは思わず笑い声を上げる。

メチャン「お母様」
サイムダン「?」
メチャン「ありがとうございます」
サイムダン「何が?」
メチャン「お母様が教えてくださったでしょう?未来は過去より明るくなるって。この世の光を私に見せてくださって、ありがとうございます」
サイムダン「それで、少しは明るくなった?」
メチャン「えぇ!(兄弟の方を指し)見てください。お兄様もヒョンリョンもウも、みんな明るく笑っているじゃないですか。あんなふうに笑えるようになったのは、全部お母様のお陰です」

幸せそうな子どもたちを眺め、サイムダンは微笑んだ。

メチャン「お母様、今みたいにいつまでも幸せに暮らしましょうね、私たち」
サイムダン「…。」
メチャン「どこにも行っちゃ駄目ですよ。私たちをおいて突然いなくならないでくださいね?」
サイムダン「…。」
メチャン「どうして何もおっしゃらないのですか?約束してくださらないと」
サイムダン「(頷き)えぇ、約束するわ」

ホッとして笑ったメチャンの頭を、サイムダンは優しく撫でる。「メチャンがこんなに立派に育ってくれて嬉しいわ」
サイムダンはふと思いつき、腕から外したものを、メチャンの腕に嵌めかえた。

ジユンにもらった腕輪だ。

メチャン「何ですか?お母様」
サイムダン「”ご縁の贈り物”よ」
メチャン「ご縁の贈り物?」
サイムダン「えぇ。この世にはたくさんの”縁の糸”があるわ。自分で気づく縁もあれば、気づかない縁もある…」

そう言って、サイムダンは遠くへ視線を移す。

サイムダン「その縁の中から、メチャンが私の娘に生まれてくれたことに感謝して、贈り物をしたの」

「お母様!」ウが懸命に走ってきて、花を一輪差し出した。「お母様の好きな石竹の花です」

サイムダン「まぁ!どこで見つけたの?」
ウ「岩の間にありました」
サイムダン「きっと私たちを待っていたのね」

「盲地にもたくさん花が咲いているだろうなぁ」ヒョンリョンが思い浮かべたのは、かつて家族で出掛けた土地。
ウォンスが騙されて買った、あの広い土地だった。

※盲地=道路に接しておらず、建物を建てられない土地。

ヒョンリョン「あそこで苦労して働いたあの頃が、ときどき恋しいです」
サイムダン「そうね」
ウ「盲地っていうと、お父様と行ったところじゃないですか?僕、覚えてます!」

お父様、という言葉に兄たちが顔を曇らせる。

ヒョンリョン「お父様のことは口に出すなと言ったろ」
ウ「…。」
サイムダン「…。」
ソン「ヒョンリョン、やめろよ」

#素直に父の話を口にするウ、言っちゃ駄目だとウを叱るヒョンリョン、叱れば余計母が悲しむとさらに気遣うソン。成長度合いと、ひとりひとりの性格が出ていていいですね^^

サイムダン「あなたたちにはお父様をもう少し理解してあげてほしいの。こうして元気に育ったのも、全てお父様のお陰よ。あなたたちにとっては立派なお父様だったでしょう?」
子どもたち「…。」
サイムダン「私からの切実なお願いよ」

そのとき、遠くからウォンスがやって来た。「みんな!お父さんが来たぞ!愛する子どもたち!」
嬉しそうに駆け出したウに続き、兄と姉たちもサイムダンに促されて父へと駆け寄った。

「お母様、早くいらしてください!」子どもたちがサイムダンを呼ぶ。
「お母様!」仲睦まじい夫と子どもたちに微笑み、彼女はそっと背を向けた。

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※1話冒頭でも出て来た、キョムが美人画を書き上げるシーン、1551年はサイムダンの没年(47歳)です。
海辺のシーンでサイムダンが生涯を終えたことを匂わせ、その魂がキョムのもとへ向かったこと、キョムもそれを感じ取っていることを匂わせるような映像(私の解釈です)がここから続きます。
ただただあまりの美しさにウットリします…。が、二人で市場を歩くショットはいらなかったかと^^;

~~~~現代編~~~~

ジユンは夫と息子と共に、旅行に出掛けていた。

「老いた母を故郷に残し…?」息子のウンスが大きな石碑の詩を読み始めた。

ウンス「(詩を読み)…一人都へ発つこの心。振り返れば北村は遥か遠く、白雲だけが暮れゆく山を下っていく」

シン・サイムダン(申師任堂)が江陵から漢陽へ引っ越す時、母を想って詠んだ詩『思親』を刻んだ石碑だ。

元気に戻ってきた両親の間でウンスもすっかり元気を取り戻し、義母は仕事で大活躍している。
もちろんヘジョンやサンヒョンも彼らの復活を心から祝福しててくれて、ジユンは本当に幸せに暮らしていた。
RADEの一員という新しい顔も手に入れて…。

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街中でジユンはふとビルの大型ビジョンを見上げた。
ニュースが貴重な古画の発見を伝えている。

アナウンサー「16世紀ものと推定される山水画が発見されました。広い空間を描き出す技法が見られれる一方、独特な筆使いが神秘的な雰囲気を紡ぎ出しており、安堅や鄭歚にも劣らぬ傑作だと、専門家は評価しています。この絵を描いた主人公は果たして誰なのか、関心が集まっています」

それは…
サイムダンとキョムが金剛山図で描いたあの絵。
義禁府へ出頭する前、比翼堂へ戻ってきたキョムが、土の中に埋めたものだ。
そこには、比翼鳥の印がペアになって完成されていた。

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ジユンはイタリアへ向かう飛行機の中にいた。
「イタリアのどちらへ?」隣の男性(=過去編のイ・フ)が声を掛ける。

ジユン「ボローニャです」
男性「あぁ、ボローニャ?あぁ~いいですね!」

「そこはどこです?」男性はジユンが見ていた絵葉書の写真を指差した。
写真の中には、広がった畑の向こうに、Siesta de Lunaが見える。

男性「待てよ?行ったことあるような…。はて?どこだったかな?」
ジユン「…。」
男性「あははは~」

「はぁ美人だ」ジユンを見て、彼は思わず溜息を漏らした。

ジユンはあらためて絵葉書を見つめた。
「お話してなかったことがあるんですが」RADEの男性の言葉が蘇る。

RADEの男性(声)「RADEにはボスがいらっしゃるんです。RADEを作った方。めちゃくちゃ美男で、ものすごい芸術家で、お金持ちで、写真を撮るのが好きで」

「その方から預かりました」そうしてこの絵葉書が彼女の手に渡ったのだ。
裏返すと、そこには短いメッセージがあった。

『彼女を、ふたたび彼の魂のあるところへ』

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※ここからは、いわば『サイムダンとキョムの愛を感じる紀行番組』です。
Siesta de LunaはおそらくRADEのボスによって買い取られ?綺麗に改修されているもよう?。
ジユンが以前の訪問でこぼした巾着袋の種がキッカケなのか、庭には石竹の花が咲き誇っています。

サイムダン(声)「宜城君… 私が参りました」
ジユン(声)「ここに宜城君とサイムダンの悲しい愛が眠っている」

#ジユンの体を借りて(生まれ変わって)、サイムダンが数百年の時を経てここへたどり着いたような、そんな描き方になっていますね…。ここはとても印象的。

庭へ出たジユンは、広大な自然をゆったりと眺めた。
後ろでふいにシャッターの音がして振り返ってみると、向こうに美しい男性が立っている。

ジユン「…。」

この人だ。
直感が彼女にそれを教えてくれた。

#皆さんご一緒に!「それだけかい!」

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こうしてジユンは彼らの愛をその終息の地で見届けた。

『私たちの魂は一つ。
だから、私が去ったとしても別れではありません。
薄く延ばされた金箔のように、ただ遠く離れただけ』

~~~~ 完 ~~~~

へんてこりんな書き方になってすみません。
映像にいろいろな音声が被さっていますが、訳したもの以外はほとんど過去のセリフです。

ストーリーは疑問に思うことが多々ありましたが、サイムダンとキョムの愛は本当に美しくて、これまでどれほど心が潤ったかわかりません。
ラブラブが苦手な私は、愛しているのに一緒にはいられない、一緒にいても触れもしない、この二人の深い愛が本当に好きでした。

今は人気俳優が出ているからといってドラマを選ぶ時代ではありません。
ストーリーにいまひとつ引き込まれず、私の周囲でも早々にリタイアしてしまった人が多かったようで、残念です。
それでも最後まで翻訳にお付き合いくださった貴重な皆様、本当にありがとうございました。
28話という長さは、これまで訳した中で最長だったかも!
また訳さずにはいられないドラマが見つかったらお目にかかります♪

2017.5.20 yujina

【参考】Googleブックスで抜粋版が読める書籍『韓国時代劇秘話 朝鮮歴史の伝説となった女性たち』に師任堂についての解説があります。(※師任堂の箇所が出やすいようURLを調節してあります)両親や夫、子どもとの関わり方はとても興味深いですし、チマに描いた葡萄図や、安堅の絵との出会いなど、ドラマにも出て来たエピソードが登場します。面白いのでぜひ!

 - サイムダン(師任堂)色の日記