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師任堂(サイムダン)、色の日記12話あらすじ&日本語訳~後編

      2017/03/15

ソン・スンホン、イ・ヨンエ主演『師任堂(サイムダン)、色の日記』12話の後半を見ていきましょう♪

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今日も飲んだくれマンドクは、真っ昼間から賭場を放り出された。「二度と賭場に近づくな!」
賭場の前で悪態をついていた彼は、ふいに目の前に立ちふさがった男を見上げる。「どなたです?」
男… ミン・チヒョン宅の執事がマンドクを連れて行ったのは、フィウム堂の元だった。

フィウム堂「造紙署の職人として働いていたと聞いたわ」
マンドク「そ、それは…えぇっと… 造紙署でしばらく働いていたには違いありませんが」

「大事な腕を腐らせてはいけないわね」そう言って、フィウム堂は小袋をマンドクの前に放り投げる。
中に詰まった銭のぶつかる鈍い音が響いた。

マンドク「これは?」
フィウム堂「その腕前、私が買いたいの」
マンドク「ど、どういうことでしょう?」
フィウム堂「あなたがシン氏婦人の工房を出てから、とんでもない連中が入って紙を造っているわ。なかなか儲かっているようね。苦労したのはあなたなのに、自分たちだけいい思いをするなんて、それこそ骨折り損のくたびれもうけではないかしら」
マンドク「あの女ども!台所のがらくたで紙を造るだなんて言うもんだから、一つ一つ秘法を教えてやったのに、俺だけ除け者にしていい思い?そんなの許せませんよ!」

「だから」フィウム堂が語気を強める。

フィウム堂「やってもらいたいことがあるのよ」

「…。」マンドクは目の前に転がった重たい小袋を拾い上げた。「何ですか、それは」

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雲平寺の高麗紙を再現しようと、サイムダンの工房では試行錯誤が続いていた。
試作した紙は、なかなか本物の質には届かない。

男「高麗紙だか何だかってやつは何でそんなに難しいんだ?」
大将「おい、言葉に気をつけろ。”高麗紙ってやつ”?」
女「そうよ。私たちを救ってくれる紙だっていうのに」
男「俺の目にゃどの紙も一緒だ!」
男2「うまくいくようでいかなくて、苛々するんだよ」
男3「好きで失敗してるんじゃないぞ」

「大丈夫ですよ」パルボンと共に試作をするサイムダンが口を開いた。

サイムダン「がっかりすることはありません。紙の質はだんだん良くなっているじゃありませんか」
女「パルボン爺が言うとおりにやっているのに、どうして同じ紙ができないんでしょう」
サイムダン「研究を続ければ、いい結果がでるはずです。さぁ、仕事をしましょう」

皆が動こうとした瞬間、ヒャンが「ひぃ」と声を上げた。「あれは!」
指差した先にひっそりと立っていたのは… マンドクではないか。

ヒャン「あの泥棒、何でまた現れたのよ!」
サイムダン「…。」

「私です」マンドクは小さくなり、ヘラヘラと笑った。

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舞い戻った酔っぱらいを、ヒャンと流民たちが取り囲んでいた。

マンドク「あれ以来、1日たりとも心穏やかな日なんてなかったよ。それが、またここで紙を造っていると聞いて、迷って、また迷ってだな…」
男1「一度逃げた奴がまた逃げない保証なんてないぞ」
ヒャン「そうですよ」
男2「(男1に)君はこの間逃げようとしたじゃないか」
男1「お、俺は手ぶらだったぞ」
マンドク「人には恥ってもんがあるのに、俺がまたここへ来るなんてよっぽどの考えなんだぞ」

黙々と作業をするサイムダンに聞こえるように、マンドクは声を高くした。「盗んだ紙代、ここで一生懸命働いて全部返すさ」
「何喋ってばかりいるんだ!」とうとう大将の怒号が飛んだ。「働け」
「そうだそうだ、働こう」マンドクがここぞとばかりに立ち上がる。

「一人でも人手が必要なときだから、造紙署の職人が加わってもいいですよね?」サイムダンはそっとパルボンに話した。

パルボン「えぇ、そうですね。よいお考えです」

そこへ…「ごめんください!」酷く慌てた様子で駆け込んできたのはキョムの従弟フだ。

従弟「うちの従兄… つまり宜城君大監に会いませんでしたか?」

「あ…」サイムダンは会ったとも会っていないとも咄嗟に言えず、言葉を詰まらせた。「何かあったのですか?」

従弟「たびたび行方をくらませはするんですが、今回は少々長くて」
サイムダン「…。」
従弟「ここにもいらっしゃってないと… そういうことですね?」
サイムダン「…。」

「わかりました…」従弟フは半泣きで頭を下げ、工房を出て行った。

サイムダン「…。」

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キョムは、水辺の東屋で筆を握っていた。
筆先に神経を集中させ、丁寧に紙の上を滑らせる。
昂然たる鷹の姿が出来上がっていくと共に、キョムの頭の中でゆっくりと考えが巡った。

キョム(心の声)「20年前、雲平寺では朝鮮一の高麗紙が造られていた。雲平寺での虐殺以降、ミン・チヒョンが高麗紙の生産と紙の商権を独占している。だが、今ミン・チヒョンの店にある高麗紙は、20年前に北坪村で使っていた高麗紙とは歴然とした違いがある」

※架鷹図=悪鬼を祓う護符として描かれる鷹の絵。まだ黒目が入っていませんね。参考

鷹の足に手紙をくくりつけ、キョムは崖の上から空高く飛ばした。

#飛んでいく鷹を見送るキョム様が最高にイケメンな件♥

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明国。

朝鮮からの使臣ソ・セヤンが伽耶琴の腕前を披露していた。
演奏が終わったそのとき、どこからか聞こえる鷹の声に、彼は立ち上がる。「?」

鷹の足から手紙を取ると、彼はすぐさま開いて目を通す。「宜城君、とうとう勝負に出たか」
宴を共にしていた中国人が声を掛けた。「ソ殿」

中国人「漢陽から連絡があったようですな。鷹の羽ばたきが聞こえました」
セヤン「えぇ。宜城君の鷹です」
中国人「あぁ、兄弟のように親しくしていると言っていた王族ですかな?」

セヤンは頷いた。

中国人「何か急用でも?」
セヤン「恐れ入りますが、大学士との面会を取り計らっていただきたいのです」

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その頃、サイムダンの家では、ウォンスが土産にと居酒屋で売りつけられた”楊貴妃のお粉”を塗ったメチャンたちが、顔の湿疹に大騒ぎをしていた。
居酒屋へ抗議に向かったウォンスは、「大人が塗るものを子どもが使ったからだ」と言われ、いとも簡単に納得してしまう。
おまけに、科挙の勉強に集中できないことまで言い当てられてしまったのだ。

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「お母様のお顔、忘れるかと思いました」帰宅した母と並んで食事をしながら、メチャンが言った。

サイムダン「みんな、ごめんなさいね」
末っ子ウ「お父様も一緒に食べればいいのにな」
長男ソン「山で勉強すると出て行かれました」
長女メチャン「申し訳なくて逃げ出したのよ。私の顔、こんなにしちゃって」
サイムダン「顔、どうしたの?」
長女「見てくださいよ。白玉みたいだったのに吹き出物がこんなに!」
サイムダン「…。」
末っ子「お母様、紙はできたんですか?」
サイムダン「えぇ、できたわ。(皆に)よく噛んで、たくさん食べなさいね」
皆「はい!」
次男ヒョンリョン「早く食べてまた比翼堂に行きます」
サイムダン「比翼堂がそんなにいいの?」
次男「はい!あそこは僕たちが住んでいる世界とは違っているし、そのまた違う世界へ繋がる通り道みたいな場所だと思うんです」

「それに…」ヒョンリョンが続ける。

次男「宜城君様も大好きです」
サイムダン「…。」
次男「だけど、最近はいらっしゃらなくて」
サイムダン「…そうなの?」
次男「はい。授業にもいらっしゃらないし」
末っ子「お母様、おなかがいたいです」

「あら」サイムダンが箸を置き、ウのお腹に触れる。「ここ?」

末っ子「厠に行きたいきもするし」

兄、姉たちがくすりと笑う。

長女「ちょっと、食事中にあんたって子は」

サイムダンは笑ってウを膝に抱き、優しくお腹をさする。「♪お母さんの手は薬~」
そうしながら、サイムダンは物思いに耽った。「…。」

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朝廷ではまたしても宜城君の名前が話題に上がっていた。

大臣「殿下、宜城君がもう何日も行方知れずだと噂になっていますが、事実なのですか?」
中宗「…。」
大臣「宜城君が何も言わずに行方をくらましたと…そういうことですか?」
大臣「厄は薬で祓えぬという言葉があるではないですか。また放蕩の持病が出たのでしょう」
大臣「とはいえ、殿下のそばを離れない約束をしたから破談を許され、比翼堂まで賜ったのではありませんか。殿下との約束をそのように躊躇もなく破ってよいのですか」

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帰宅したミン・チヒョンに、使用人が進み出た。「宜城君様がお待ちです」

チヒョン「宜城君が?!」

真っ暗な自室へ入ると、突然闇の中から刀が首に突きつけられた。「!」

チヒョン「…何の真似です?」
キョム「昔、趙雲が大事にしていたという青釭剣ですよ」
チヒョン「…。」

「なかなかの剣使いだそうですね」そう言って、キョムは剣先を手元へ戻し、ゆっくりと指を這わせる。

キョム「絵描きの私には、確かめる方法がなければ。この剣に名前だけの価値があるのかどうか」
チヒョン「品定めをしてくれと?」
キョム「如何にも」

と、その瞬間、チヒョンめがけて剣が振りかざされる。
チヒョンがひらりとかわすと、キョムは部屋の隅にあった刀を手に取り、投げ渡した。

チヒョン「!」
キョム「…。」
チヒョン「傷を負うかもしれませんぞ」
キョム「誰が傷を負うか、やってみればわかるでしょう」

一瞬の沈黙の後、キョムが飛びかかる。
二人は激しく刀先をぶつけ合った。

シンと静まり返った月明かりの下で、刀がぶつかる冷たい音と二人の息遣いだけが響く。

チヒョン「筆を扱う学士の腕前にしては、なかなかですな」
キョム「剣がいいんでしょう。青釭剣だと言ったではないですか」

言葉をかわすと、また二つの影が激しく舞う。
二人が大きくすれ違ったその瞬間、キンと硬い音と共に刃先が折れ、笠がひらりと地に落ちる。「!!!」
笠を失ったチヒョンの首筋に、赤い血が滲んでいた。

「本物じゃないみたいだな」キョムは手に握った”青釭剣”を眺め、ぽつりとぼやく。

キョム「本物ならその首が飛んでいたはずなのに」
チヒョン(心の声)「私をからかうとは!」

「…。」背を向けたキョムは、いつの間にかそこにフィウム堂が立っていたことに、ようやく気づいた。「!」
目を見開いたまま動けずにいる彼女の横をゆっくり通り過ぎると、キョムはすれ違いざまに言い捨てた。「浅はかな…」

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フィウム堂に傷の手当を受けながら、ミン・チヒョンは棚の箱から大切にしまってあったものを取り出した。
20年前、雲平寺に居合わせた”生き残り”を示す画帳と、石竹の髪帯だ。

フィウム堂「怒りが湧いたときは、口をつぐみ、目を大きく見開けと教えられました。愛情が深ければ裏切られた失望も大きいもの。殿下が愛してやまぬ唯一の王族ではありませんか。使える札は私たちの方がずっと強いのです」

チヒョンは石竹の髪帯を見つめる。「まだ果実は熟していない」

チヒョン「熟したときには…」
フィウム堂「熟したときには私が摘んで差し上げましょう。旦那様のために」

けしからん女め… チヒョンは自信に満ちたフィウム堂を黙って見つめた。

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「あんなにやつれるなんて、一体どこを彷徨っていらしたんだか!」モンリョンの声に、キョムの従弟フは慌てて駆け寄った。「だれか来たのか?!」

モンリョン「誰も何も!我が宜城君様だってば!お帰りになったんだから!」
従弟「宜城君?あんたの愛する?!」

「兄者~!」従弟フがまっしぐらに駆け出すのを、モンリョンは嬉しそうに見送った。「私も行きたい♪」

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「シン氏婦人には何事もなかったか」キョムが淡々と尋ねた。

従弟「捕盗庁がやって来て流民たちを全部しょっぴいて行った事件がありました。税を払ってなかったとか何とか。シン氏婦人が流民たちの税を1ヶ月以内に全部払ってやると約束して、みんな釈放されたそうですよ」

キョムは驚きもせず、溜息をついた。「それでああやって夜を徹して紙を造っているのか」

従弟「はい。今、紙店に出ている最高級の高麗紙よりも遥かに質のいいっていう、昔の… 何だっけ?雲平?…だか何だかって高麗紙を造ろうと苦労してるところだそうですよ」
キョム「…。」

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フィウム堂はいつになく酒を煽った。
飲んでも飲んでも、それは大粒の涙となり、とめどなく流れ落ちる。「浅はかな…?」
自分を見るキョムの冷たい目、浴びせられた言葉が、彼女の脳裏に染み付いたまま、渦巻いていた。

フィウム堂(心の声)「浅はかな女の嫉妬がどれほど恐ろしいか見せてやるわ!」

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鏡の前に座ると、キョムは丹念に髭を整えた。
心静かに刃先を動かしながら、かつてサイムダンと生きた輝かしい日々をゆっくり辿る。

キョム「…。」

彼に、もう迷いはなかった。

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「昼も夜も… 人のやることじゃないですよ」ヒャンが持つ行灯で足元を照らしながら、サイムダンは工房へ向かう山道を急いでいた。

ヒャン「よくて1日3000枚ですよ」
サイムダン「私たちはまだ家を行き来できるけれど、流民たちは何日も寝ていないのよ。文句を言ってないで急ぎましょう」

「はい」そう言って前を向いたヒャンが、目を丸くする。「わぁっ!」
山道にずらりと並んだ木に、提灯の温かいあかりが灯り、真っ暗な夜道を明るく照らしているではないか!「一体どうなってるの?」
サイムダンも驚き、ただただその不思議な光景を見上げる。「!」

ヒャン「行き来するたびに真っ暗でケモノでも出るんじゃないかってビクビクしてたけど、こんなに明るいなんて!綺麗です~!一体誰かしら?」

美しい灯りを見上げ、サイムダンの顔が少しずつ華やいでいく。
「あ!」ヒャンが向こうを指差した。「あのときの学士さん!」
とその瞬間、イム・コッチョンの手下二人が横から出てきて、音もなくヒャンを連れ去った。

※「あのときの…」というのは、サイムダンが漢陽へ引っ越す前、北坪村の実家を訪れたとき、「眉毛が黒々とした美しい男の人が、お嬢様をじーっと見てた」とヒャンがタムに言ってた、あのときですね。あのシーンは確か、現代編のジユンが昏睡状態でみた夢の中でした。

振り返ったサイムダンの前に立っていたのは…キョムだ。「そうやって笑ってください」

キョム「そなたは笑っているのが似合う」

#いいんだけど…いいんだけど…何このラブコメとかでよくやるサプライズ!^^;;;;;

驚くサイムダンの表情に柔らかく微笑み、キョムはゆっくりと彼女へと歩みを進めた。「どうです?気に入った?」
戸惑うサイムダンを前に、キョムはふぅっと静かに息をつく。「20年前に何があったのか…」

サイムダン「?」
キョム「ある日突然私に背を向け、なぜ逃げるように結婚しなければならなかったのか…。そなたにとって流民たちにどんな意味があるのか。なぜ彼らと高麗紙を造らねばならないのか。そこまで全て… 全てわかりました」
サイムダン「!」

言葉を失ったままでいるサイムダンに、キョムは頷いた。「全て理解できたのです」
サイムダンもまた小さく頷く。「あなたの道をお進みください」

サイムダン「私も自分の人生を進みます」
キョム「もはやそれは出来ない」
サイムダン「これ以上気に留めるのはおやめください。あなたの道を進むのです」
キョム「全て知ってしまったのに、知らぬふりをしていられるわけがないでしょう。そんなことが可能だと?」
サイムダン「そうしなければならないのです」
キョム「私がそなたで、そなたが私だったら!互いの立場が違ったなら!そなたは知らぬふりでいられるのか」
サイムダン「!」
キョム「そなたは今まで通りに生きればいい。流民たちのために、家族のために。それがそなたの道ならば、その道を進めばいい。けれど私は…いつでもそなたの見える場所にいます」
サイムダン「そんなことをなさってはいけません!」
キョム「他人の妻でも、振り向いてもらえなくても構わない」
サイムダン「あまりに… あまりに無謀です」
キョム「たとえ我々の進む道が永遠に交わることのない平行線だとしても、私はそうやって… 生涯並んで進みたいのです」
サイムダン「!」

キョムはそう言い切り、彼女からすっと視線を外すと、そのまま横を通り過ぎた。

サイムダン「…。」

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ここでエンディングです。

はぁ…。

こういうのを訳すのが楽しくて、こんな苦行を続けてるんですね…私。
スンホンさんはこういうシットリ柔らかいのが本当に似合います。
久々にとろけました♥

万年、報われない相手に無償の愛を注ぐ二番手男子にハマってしまう”二番手組合”の私ですが、キョムは両方持ち合わせてて素晴らしい(笑)

 - サイムダン(師任堂)色の日記