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師任堂(サイムダン)、色の日記25話あらすじ&日本語訳~前編

   

イ・ヨンエ、ソン・スンホン主演SBSドラマ『師任堂(サイムダン)、色の日記』25話をセリフの翻訳を交えながら詳しくご紹介していきます。

注:韓国で放送されているものは、日本版(完全版)と編集が違います。私の翻訳は韓国版です。

~~~~現代編~~~~

故郷の父の元に身を寄せてからも、息子のウンスはジユンに心を閉ざしたままだった。
ある日、ジユンの同志、サンヒョンとヘジョンが訪ねてくる。

ジユンを食事に連れ出すと、彼らはこれまでの成果を矢継ぎ早に語った。

ヘジョン「この”間違い探し”は、私たちの申し入れに対するRADEからのメッセージかもしれないわ」
サンヒョン「そうじゃなきゃこんな画像を載せるはずないですよ」
ジユン「…。」
サンヒョン「あぁ、それから寿進坊日記に判読もほとんど終わりました」

サンヒョンが持参したファイルを取り出す。「あれから進んだんです。お聞きになりますか?」

ジユン「…読んでみるわ。置いていって」

「そうね」「そうしてください」元気のないジユンを見て、二人は引き下がった。

ヘジョン「ごめんね。来るなり堅い話しちゃって。悪かったわ」
ジユン「(微笑)いいの」
サンヒョン「先輩、ゆっくり休んで、また頑張りましょう」
ヘジョン「(ニコニコ)」
ジユン「私たち、あとどれだけ戦えるのかしら…」

弱気になっているジユンの言葉に、ヘジョンたちは思わず顔を見合わせる。

ジユン「落ち着いて考えてみたら、あんたたちに申し訳なくて。関係ないのに私の勝手で巻き込んでしまって」
ヘジョン「ちょっと、そんなこと言わないでよ。あたしたち好きでやってるのに」
サンヒョン「…。」

ジユンが重苦しい溜息をつくのをみて、サンヒョンは酒をぐいと流しこむ。「何で先輩が申し訳ないなんて言うんですか!」

サンヒョン「先輩は僕のせいでクビになったんです。全部僕のせいなんですよ!いつだって考えなしに感情で突っ走って、浮かれてスキを見せちまって…」

自分に嫌気が差し、サンヒョンはガックリとうなだれる。
そんな後輩に、ジユンは苦笑いを浮かべた。「ちょっとあんた」

ジユン「それがあんたの魅力であり、長所なのよ」

「飲みなさい」サンヒョンのグラスに酒をついでやる。

サンヒョン「先輩、このまま引き下がったら、先輩と僕たち、負けですよ」
ジユン「…。」
ヘジョン「(空気を読み、サンヒョンを叩く)もっと飲みましょ」

+-+-+-+

ミン教授はある料亭での会合に参加していた。
ソンジングループ会長が「韓国大総長のミン・ジョンハク教授」と紹介したのを、館長がすぐさま訂正する。「まだ決まったわけでは」

ミン教授「(列席者に)社長、先日のフォーラムでご挨拶いたしましたが… ミン・ジョンハクです」

相手の男性が握手の手を差し出した。

#パルボンハルベじゃないか!

男性「今回文化庁で国宝支援事業の一環として韓国大に大きな出資をすると聞きましたよ」
別の男性「ミン・ジョンハク教授の名声を聞きつけて、国会がプッシュしているんでしょう」
会長「(手をパンと叩き)ありがとうございます!」
ミン教授「身に余るお言葉です。教育への出資こそ”百年之大計”への価値ある出資ではありませんか」

+-+-+-+

朝。

水の瓶を片手にジユンが外に出ると、サンヒョンがベンチにいるのが見えた。
「大丈夫?」ジユンの問いに、サンヒョンが訊き返す。「大丈夫ですか?」
「あぁ、死にそう」ジユンはだるそうにベンチに腰を下ろし、頭を押さえる。

サンヒョン「昨夜、この町のお酒を一人で全部飲んじゃったんですよ」
ジユン「…。」
サンヒョン「何も言いませんから」
ジユン「?」
サンヒョン「先輩が全部放り出すって言ったとしても」
ジユン「…。」
サンヒョン「一番大事なのは先輩とウンスです。絵が何だってんだ。待ってますから。1年でも2年でも」

ジユンは大きく息をついた。「ありがとね、サンヒョン」

+-+-+-+

あっという間にヘジョンとサンヒョンがソウルへ戻るときが来た。

ヘジョン「旦那さえいなかったらもう一日居るのに」
サンヒョン「それにしても、働かないでやっていけるんですか、先輩?」
ジユン「文化センターで講座をすることになったの」
ヘジョン「おぉ、良かった」
ジユンの父「役所の人に頼まれてね。私が毎日のように娘の自慢をしたものだから」
ヘジョン「あはは!ここの町の人、ラッキーだわ。ソ・ジユン博士の講義が聞けるんだから」

「ウンス、おじいちゃんの言うことよく聞くのよ」そう言ってヘジョンが車に乗り込むと、サンヒョンもそれに続いた。
車が走り出すと、母の手をすり抜け、ウンスは無言で家へ戻る。

ジユン「…。」

+-+-+-+

ジユンの父は孫のウンスを連れ、散歩に出かけた。

ジユン父「ウンス、お母さんが憎らしいか?」
ウンス「…。」
ジユン父「本当に憎らしくてあんな態度を?」

ウンスは口をぎゅっと結び、コクリと頷く。

ジユン父「お母さんがお前をどんなに愛してるか。お父さんのことだって」
ウンス「お母さん… お父さんに会いたいって言ったこともないんです」
ジユン父「ウンス、それは…」
ウンス「お父さん、すごく寂しかったはずです、一人で…。愛してるって電話で言いたかったのに、お母さんがさせてくれなかったんです。電話しちゃダメだって。お母さんのせいです」
ジユン父「…。」
ウンス「お母さんがお父さんと一緒にいたくないから、それでお父さんは天国に行っちゃったんだ…」

「そんなことないぞ、ウンス」ジユンの父は悲しみに顔を歪め、ウンスを抱き寄せた。

#うーん。ウンスがそれで心を閉ざしているとは思わなんだ

+-+-+-+

文化センターの庭で、ジユンはサンヒョンが持ってきた寿進坊日記の資料を広げていた。「…。」
そこへ、向こうで誰かが彼女へ向けてカメラのシャッターを切った気がして、ハッと顔を上げる。
そういえば、この間もそんなことがあったのだ。

カメラを構えていた男性は、さっと背を向け、建物の中へ姿を消した。
後を追って男性の出て行った出入り口へ走った彼女は、そこにカードが挟んであるのに気づく。「…?」

古い男性の絵が印刷された表紙をめくると、短いメッセージが添えてある。

『勇気とは、祈りを終えた後の恐れである』

ジユン「…?」

ジユンはもう一度男性が消えた方を眺め、表紙の絵を見つめた。

+-+-+-+

帰宅すると、ジユンはカードの絵についてインターネットで調べてみた。
その絵は『韓服を着た男 A Man in Korean Costume』と題され、ピーテル・パウル・ルーベンスの作だとわかった。

※1983年に初めて公開された実在の絵です。参考

ジユンは素早く作品の解説文を辿る。「この人物はイタリアまで渡った…?」

ジユン「(文章を読み)遠路をやって来た訪問客であることを強調するように、帆船が描かれている…?」

#ジユンの語りにはありませんが、解説文には”かすかにではあるが背景に帆船が描かれている”とあります。そして、ここに西洋船に乗っているキョムの映像が挿入されていますが、キョムとこの絵の男性の関連性は、ここでは何もわかっていません。

下へスクロールしていくと、 別の絵が現れる。
『聖フランシスコ・ザビエルの奇跡』同じくルーベンスの絵だ。

ジユン「(文章を読み)漢字名は方濟各?フランシスコ・ザビエルは宣教師として… (文字を辿り)人々の中に朝鮮の服を着た男性の姿が見える」

その絵の中には、たしかにそのような男性の姿が見える。
「?!」彼女は『聖フランシスコ・ザビエルの奇跡』の中の男を、『韓服を着た男』と見比べた。「似てるわ」

ジユン「イタリア…?」

またしても、ヒントはイタリアへと繋がったのだ。

+-+-+-+

ミン教授はの部屋に助手がやって来た。「昨日、これがRADEのブログに掲載されました」
彼が差し出したのは、例の”間違い探し”の画像だ。

RADEが金剛山図に目をつけたという、美術関係者の話が彼の頭に蘇る。「RADEのブログに間違いないのか?」

助手「はい。確かです」
ミン教授「!」

ソ・ジユンの仕業じゃなかったのか…!
得体のしれぬRADEの影に、ミン教授はいよいよ怯えることとなったのだ。

+-+-+-+

義母と連絡が取れず、居ても立ってもいられずソウルのアパートへ行ってみたジユンは、部屋で倒れている彼女を発見した。「お義母様!」

病院へ運ばれ、点滴を受ける頃には、義母は意識をはっきりと取り戻していた。

医師「貧血がおありで、食事も召し上がっていなかったようですね」
ジユン「…。」
医師「ひとまず熱は下がったので楽になられたとは思います。しばらく安静になさってください」

#医師は中部学堂の先生ですね~。この安心感♪

医師が立ち去ると、義母は自虐的な溜息をついた。「私ももう行く時が来たようね」

義母「自分の体の面倒もみれないなんて」
ジユン「すぐ意識が戻ったんですから、まだ行く時でもなかったんですよ」

「言ってくださらないと」ジユンは恨めしそうに義母を見る。「どうして大丈夫だなんて?」
「他人なのよ」義母は吐き捨てるように言う。

ジユン「…他人?」
義母「いもしない息子を口実に、若い嫁の将来を邪魔したくないわ」
ジユン「何をおっしゃるんですか」
義母「私がウンスを育てたい気持ちはあるけど、ウンスより母親の方が必要だろうし、あなたも良い人に出会って…」
ジユン「私は気にせず別の道を進めって?私、まだ彼がこの世を去ったとは認められません。お義母さんから離れるつもりだってこれっぽっちもないんです」
義母「…。」

+-+-+-+

「これは何だ!」RADEの”間違い探し”を振りかざし、ソンジングループ会長はミン教授を責めた。

会長「(館長を指し)なぜ二人して私に報告しなかった?」
ミン教授「大したことはありません。お気になさらず」
会長「大したことないだと?RACEだかRADEだか、世界的に有名な奴なんだろ?俺だって聞いたぞ。今の状況を見ろ。金剛山図の国宝指定は目前なのに、少しでもケチがついちゃダメじゃないか」
ミン教授「私が責任を持って調整いたします」
会長「お前らひょっとして、個人的にメッセージや脅迫を受けているのか?」
ミン教授「…。」
会長「(館長に)おい!答えろ!」

「…。」じっと前を向いたまま、館長が口を開くことはない。

ミン教授「ありません」
会長「待てよ、例のソ・ジユン、あいつらと関係があるんじゃ?」
ミン教授「そんなことはないはずです」
会長「確かなのか?確かかと訊いてるんだ!」
ミン教授「…。」

+-+-+-+

ミン教授は助手たちに資料を一山持ってこさせた。「これで全部か?」

ミン教授「修士、博士が書いたのはこれで全部か?」
助手たち「…はい」
ミン教授「よく聞け。今からこの論文と類似しているものを探し出せ」
助手たち「え?」
ミン教授「わからないのか。題目、内容、似ているものを全部探し出せと言ってるんだ」
助手「…。」

+-+-+-+

教授の部屋を出てくると、助手たちは憂鬱そうにベンチに腰を下ろした。

助手1「今、教授が指示なさったこと… そういうことだよな?」
助手2「(頷く)」
助手1「はぁ、気が狂いそうだ」

+-+-+-+

ヘジョンとサンヒョンは寿進坊の日記を古美術協会長の元へ持ち込んだ。

#古美術協会長=過去編のマンドク。裏切られる予感100%やん

サンヒョン「本物の金剛山図に関する言及が序盤から出てきます」
ヘジョン「(用意した資料を差し出し)電子顕微鏡で撮影した紙の内部と、表面材質写真です。参考にお持ちしました」

協会長は寿進坊の日記に見入った。「ふむ、面白いですね」

+-+-+-+

二人は明るい表情で協会長の元を出て来た。

サンヒョン「先輩、あの人期待できるんじゃ?」
ヘジョン「面白いって言ったじゃない。鑑定界で”面白い”ってことは…」
サンヒョン「”本物のようですね”ってことじゃないですか」
ヘジョン「おほほ~。ねぇ、この間、協会長も全部入れ替わったんだし、期待してみようか」
サンヒョン「まともな目の持ち主ならわかるはずですよ。寿進坊日記」

+-+-+-+

夜。

「ウンス」ジユンがウンスの部屋を覗いてみると、ウンスはぷいと布団の中へ潜り込んだ。
ジユンはそれでも息子の枕元に腰を下ろす。
ウンスが緊張して身を固めるのがわかった。

ジユン「ウンス…。大人はね、ときどき素直になれないことがあるわ。愛してるのに愛してると言えなくて、会いたいのに会いたいと言えなくて…。すごく悲しいのに、人に弱みを見せたくなくて、悲しい顔もできないの」
ウンス「…。」
ジユン「だけど、そうやって気持ちを表せずにいると、二度とそんなチャンスが来ないことも多いわ。そうなったら、すごく苦しくて、いつまでも胸が…」

ジユンはそう言って胸をおさえ、目を閉じる。
底知れぬ悲しみがこみ上げて、ジユンは顔を歪めた。

ウンス「…。」

すっぽり頭から被った掛け布団を通して、ウンスの耳に母の忍びなく声が聴こえてくる。

ジユン「胸がすごく痛むの…」
ウンス「…。」
ジユン「どんな薬も効かないわ。こんなに胸が痛いのは、お父さんにすごく申し訳なくて…。愛してる、会いたい、ごめんなさい、そう言いたかったのに、言えなかったの。だからすごく申し訳ないわ…。お母さん、すごく胸が痛むのよ…」
ウンス「…。」
ジユン「ウンスにも申し訳ないわ。お母さん、バチが当たったのよ。お母さんが悪かったわ、ウンス」

「お母さんが罰を受けるのはイヤだよ」ウンスが小さな声で呟く。
布団から顔を出し、彼は母を見つめた。「お母さんが泣くのもイヤだ」

「ごめんね」ジユンは愛する息子を抱きしめ、泣いた。「悪かったわ」

+-+-+-+

それからというもの、ジユンとウンスは止まっていた時間を埋めるかのように、二人の時間を楽しんだ。

+-+-+-+

ここで一旦区切ります。

古い絵の男性やジユンにじわじわと近づくRADEの目的、どう展開するのか興味津々です♪

でも…再編集のせいかなぁ。
過去編でも中宗が急にキョムを殺そうとしたり、心境の変化についていけないことがあるけど、現代編でもそうですね。
ジユンは父からウンスの気持ちを聞かされたんだろうなと推測はつくけど、ジユンが急にウンスに心情を打ち明けて詫びる気になった、その心の動きがわからず、いつも気持ちがついていかないんですよね。
勿体ない。

現代編ではとにかく、謎のRADEに期待です♪

 - サイムダン(師任堂)色の日記

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