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オーマイビーナス Oh my Venus 4話あらすじ&日本語訳vol.2

   

シン・ミナ、ソ・ジソブが出演!「オーマイヴィーナス」4話の後半です♪

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「VIPセンターを、極少数だけが利用できるVVIP健康センターにアップグレードする考えです」ウシクの説明を聞いているのは、チェ理事だ。

チェ理事「ビジュアルはかなり高級だな。メダリストだからか、えらく優秀じゃないか。”無料サービスにおいてはガフンが韓国一”か…」
ウシク「イメージ作りにもいいですし、差別化戦略にも、もちろんグローバル・マーケティングにも」

「よし」チェ理事は深く考える様子もなく、さっさと資料を閉じた。「これにしよう。いい感じだ」

チェ理事「あ、キム・ヨンホ支社長の方は調べがついたか?」
ウシク「まだまだですが、うっすらと。もう少しハッキリしてからお話しします」

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自分の執務室へ戻ると、ウシクは深刻な顔でPCを覗いた。
画面いっぱいに表示されているのは、ヨンホの国際運転免許証の画像だ。

ウシク「…。」

ジュウンのそばでたびたび出くわすその男は、「何度も倒れ、何度も助ける関係だ」とジュウンとの関係を語った。
その彼が、自分が突き止めようとしていたアメリカ支社長その人でもあったとは… なんという因縁なのか。

彼は携帯を手に取ると、メールを打ち始めた。

「俺だよ、ウシクだ。
ジェヒョクが心配してたぞ。
体はどう?
あの男とはどうして知りあったんだ?」

そこまで打って、彼は送信ボタンを押せず、天を仰いだ。

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スジョンは今日もエステを訪れていた。

エステティシャン「温度は大丈夫ですか?」
スジョン「…はい」

脇に置いていた電話が鳴る。ウシクからだ。
チラリと名前を確かめると、彼女は音を切り、電話を伏せた。

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ジュンソンは徹底的なメディカルチェックを受けていた。
裸の上半身にいくつも器具を付け、ベッドの上でしばし待機しているところへ…突然見知らぬ若い女性が飛び込んでくる。

女性「コリアンスネーク?」
ジュンソン「えぇ」
女性「何で私のこと断ったんですか?」
ジュンソン「何のことです?」
女性「広告ですよ!CF!私とはやらないって言ったんでしょ?!」
ジュンソン「え?!」
女性「宇宙人か何か?私ですよ!チャン・ヒジン!CFクイーンのチャン・ヒジン!美肌女神のチャン・ヒジン!人並みはずれたボディライン!彼女にしたい女性芸能人1位!」
ジュンソン「…。」

「わぁ」一気にまくし立てたチャン・ヒジン嬢の後ろで、ジウンが声を上げた。「本物だな」

ジウン「Hi、ヒジン」
ヒジン「Hi」

そこへ大慌てでマネージャーが走ってくる。「申し訳ありません!」

ヒジン「謝るのはスネークさんの方でしょ!(自分の頬に手をやり)眠れなかったんだからぁ」
ジュンソン「考えてみるって言っただけなんですけど」
ヒジン「考えてみるって?ちょっと、私とCF撮るのに何を考えるの?!ホントに男なんですか?」

「あれ?」彼の体を覗きこんだ彼女は、左腹の傷跡を指差した。「盲腸?」

マネージャー「おい、ヒジン!恥ずかしいからやめろって!盲腸は右だろ!出るぞ」
ヒジン「(右胸の傷跡をつついて)ん?マネージャーさん、スネークさん具合が悪いみたい!」
ジュンソン「???」

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ジュウンは袋にいっぱいの薬を眺めていた。
まずは病院へ行き、ヨンホの車で移動しているところだ。

ジュウン「(薬の袋の文字を見て)甲状腺機能低下だったのは悲しいことだけど、満32歳っていうのは悪くないわ」
ヨンホ「逞しいですね」
ジュウン「だけど、一生薬を飲まなきゃいけないっていうのはちょっと…」
ヨンホ「飲むことばかり考えてないで、飲まないようになることを考えないと」
ジュウン「もう…。人が聞いたら何かいいものでも飲むのかと思うでしょうよ」
ヨンホ「だから言ってるんです」
ジュウン「…。」
ヨンホ「機能が回復すれば飲まなくていい薬なんだから」
ジュウン「ところで…どこに行くんですか?」

「あぁ」ヨンホが何故か言いづらそうに苦笑した。「何ていうか… 強制捜査?」

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何かの施設へ無理やり連れてこられたジュウンは、壁に貼ってある写真を見て驚愕した。
でっぷり太った水着女性のビフォーアフターの写真がいくつも並んでいる。

ここは【ビューティーボディークリニック】だ。

彼女は必死でヨンホの腕を振り払った。

ジュウン「憲法第12条第1項、国民は誰もが法律に違反していない限り、強制…」
ヨンホ「どうします?」
ジュウン「?」
ヨンホ「(彼女の体を指し)僕が巻き尺持って来て測りましょうか?」
ジュウン「(ギョッ)…強制捜査や尋問を受けない権利があるんですから」
ヨンホ「”No、やりません”はナシだって言ったでしょう?あなたの体はもう僕のものだ」

「僕のもの」「僕の勝手です」ヨンホは繰り返す。

ジュウン「…。」
ヨンホ「(人が通り掛かるのをチラリと見て)僕にも”不審者だと思われない権利”があると思うけど?」

彼は嫌がる彼女の背中を力いっぱい押した。

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ジュウンは全身のサーモグラフィを撮影していた。
PCの画面に現れる検査結果を、ヨンホが覗きこむ。顔、胸や腹の辺り以外は、かなり温度が低い。

検査装置の中で立ったまま、ジュウンは恥ずかしくて思わず言った。「いっそのことこっちを見てくれたほうが…」

ヨンホ「シーッ」
検査員「話をされてはいけませんよ」

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測定を終えて出て来た頃には、すっかり暗くなっていた。
ヨンホの電話が鳴り出す。「?」
助手席のジュウンが寝入っているのをチラリと確かめると、彼はヘッドマイクをつけ、電話をONにした。「はい」

ミン室長(電話)「本家から夕食にいらっしゃるようにとお言付けです」
ヨンホ(電話)「行けません」
ミン室長「ヨンジュン君が一時帰国したようでして」
ヨンホ「遠くにいると、戻るのが難しい距離だと…」
ミン室長「そうお伝えします」

#「ヨンジュンくんが帰国したから」という一言で、最初「行けません」と即答したヨンホが、少し辛そうというか…感情の混じった表情になりましたね。
ヨンジュンくんがキム理事長と後妻との間に生まれた息子だということは、ヨンホとは異母兄弟ということになります。

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玄関のチャイムが鳴ると、召使たちが一斉に顔を輝かせた。「ヨンジュンお坊ちゃんがいらしたみたいですよ、奥様!」
料理の手を止めると、ヘランは嬉しさを隠しきれず、そわそわとキッチンを出て行く。

召使「あんなに恋しがっていらっしゃるのに、長い留学をどうやってお待ちになるのかしら」
召使「3年なんてすぐよ」

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皆が集まり、帰国したヨンジュンも加わって夕食が始まっていた。
「会長」口を開いたのはチェ理事だ。
彼は席を見渡した。「私的な席では…相舅とお呼びするべきですね」

※相舅=結婚した両家の親同士や兄弟同士の呼び方

チェ理事「うちのヨンジュンは今年も奨学金をもらったんです」

嬉しそうなチェ理事の言葉にも、会長は顔色一つ変えない。

チェ理事「アイビーリーグの奨学金だそうですよ。頭の出来は義弟に似たようで」

義弟…と言われた張本人、キム理事長もまた知らん顔で食事を続ける。
そのとなりでヘランが困ったように小声で言った。「お兄さん」

会長「(ヨンジュンに)よくやったね。お母さんに孝行したじゃないか」
ヨンジュン「はい」
チェ理事「義弟に似て人格も…あははは」
キム理事長「(無反応)」
チェ理事「ヨンジュン、行動と精神をしっかり整えろよ」
ヨンジュン「…。」
チェ理事「ガフンの家柄を考えろ。歴史と伝統を誇る…」

そこへキム理事長が咳払いをした。

チェ理事「!」
キム理事長「(ヨンジュンに)どれくらいいるんだ?」
チェ理事「あぁ!一週間くらいで戻るそうです」

「勉強が忙しいみたいで」とヘランが添える。

キム理事長「気をつけて戻るんだぞ。必要なものがあれば言いなさい」
ヨンジュン「はい。ありがとうございます、父さん」

「先に失礼いたします」キム理事長は会長に言い、席を立とうとした。

会長「ヨンホが戻ったこと、軽く考えないでいただきたい」
キム理事長「!」
会長「この老いぼれ最後の願いだ。ヨンホが自分の居場所を見つけられるように、皆で助けてやってほしい」

皆が黙りこんだのをよそに、会長は料理に感嘆の声を上げた。「ふむ、苦味を抑えてよく出来てる」

ヘラン「お口に合ったようで良かったですわ、お義母様」
チェ理事「(皆の様子を探る)」
キム理事長「(知らん顔)」

「…。」久しぶりに帰国したヨンジュン青年は、気まずい家族の空気や、相変わらず冷徹な父の態度に、寂しそうに俯いた。

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家の前に車が停まると、ぐっすり眠っていたジュウンはパッと目を開け、また閉じた。

ヨンホ「(呆れて)車置いて行きましょうか?」

ジュウンは再び目を開け、頭をボリボリと掻いた。「あぁ」

ヨンホ「さっきの恥ずかしさはどこ行ったんです?」
ジュウン「(ぼんやり)夢の中に置いて来ました」
ヨンホ「では明日会いましょう」

そう言われ、ジュウンはダルそうにシートベルトを外した。

ジュウン「ホントにジョン・キムさんなんですよね?」
ヨンホ「?」
ジュウン「今度はホントなんですよね?」
ヨンホ「きっと会うたびに合点がいくと思いますよ」
ジュウン「私、最近の女にしては至純至高なんです。ホントに信じますからね」
ヨンホ「(笑)」
ジュウン「私が真剣に言うと笑うんだから…」
ヨンホ「ご心配なく、至純至高なカン・ジュウンさん。僕がジョン・キムである以上、こちらから投げ出すようなことはありませんから」

ジュウンはニッコリ笑った。「一生懸命やります」

ジュウン「私だって諦めたりしませんから。恥ずかしいけど… ”お世話マイレージ”は満タンですよ♪」

「じゃあ」ジュウンは車を降りた。
「…。」サイドミラーを見つめていると、彼女がクルリと振り返り、手を振る。
「もう行って」という合図に、ヨンホは車を発進させた。

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いつの間にかすっかり朝になっていた。
賑やかなチャイムの音に、ジュウンはまたソファの上でハッと目を開ける。
「Ma’am! ma’am!」ジウンの声が聴こえた。「!!!」

恐る恐るドアを開けると、そこに立っていたジュンソンが困ったように目を細める。「あっ」

ジュンソン「朝から大変失礼を…。今日はお手伝いに…」

ドアがさらに開き、ジウンが顔を覗かせる。「グッモーニン♪ma’am」
「ちょっと待って」ジウンが慌てて閉めようとしたドアを、誰かがすかさず押さえた。「!」
ヨンホだ。

ジュウン「!!!!!」

彼らは一気にジュウン宅へ突入した。

ジュウン「(必死で阻止)朝早くにいきなり何なんですか!」
ヨンホ「昨日言ったでしょ、明日会おうって」
ジュウン「えぇっ?でも、だって…」

「Ma’am、彼氏でもいるの?」ジウンがニヤニヤと部屋の中を覗きこむ。

ヨンホ「いや、振られたんだ」

彼はジュウンを軽く押しのけると、後ろの二人に言う。「入れ」

ジウン「ほぅ♪」
ジュンソン「失礼いたします」

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3人組は手袋にマスクで装備を固めると、一斉に仕事を始めた。
冷蔵庫や棚の食品を徹底的に押収する。

ヨンホ「ジュンソン、残せるものはあるか?」
ジュンソン「(首を横に振る)」
ヨンホ「ジウンは?」
ジウン「1つもありませんよ。Nothing!全部死んでる」

どっさり集められた押収物、”死んだ食べ物たち”を前に、ジュウンは思わず鼻をつまんだ。

ジュウン「(いくつかの食品を手に取る)どうして?これは体にいいのに」
ヨンホ「手短に言いますよ。甲状腺には良くないんです」
ジュウン「(絶句)一生懸命食べてたのに!」

ヨンホが瓶を1つ手に取る。「(製造年月日を確かめ)ゴマ油は発酵してるし」

ジュウン「奥にあって気づかなかったんです」
ジウン「(小さな容器を手に取り)これ、冷蔵庫にあったけど、何?」
ジュンソン「虫よけみたいだけど?」
ヨンホ「?」

彼女は恥ずかしくて立ち上がった。「長く持つようにと思って!」

ヨンホ「カン・ジュウンさんが食べていいもの、駄目なものです」

ヨンホが順に食品を指差す。
”食べていいもの”側にはほんの少ししか残っていなかった。

ジュウン「なるべく控える…じゃなくて?海苔もワカメスープも大好きなのに」
ヨンホ「ワカメは食べないと」
ジュウン「?」
ヨンホ「1年に一度。誕生日にね」
ジュウン「…。」

「Ma’am」隣の部屋から出て来たジウンは、少々レトロなコートに帽子、スカーフを巻いてポーズを取った。「これ、誰の?」

ジュウン「わっ!」
ジウン「お祖母さんの?」
ジュウン「(恥ずかしくて)ああっ!」
ヨンホ「(ニヤリ)いい趣味ですね。金斗漢みたいだ…」

0036

+-+-+-+

「睡眠障害?」ジュウンが首を傾げた。

ジュウン「私、どこでもよく寝られるけど」
ヨンホ「寝るべき時間に寝るべき場所で寝られてないでしょう?」
ジュウン「…。」
ヨンホ「ほとんどソファーで眠って、夜更かしして、ときどき二度寝する」
ジュウン「(図星)」

ヨンホは彼女の前に腰を下ろした。

ヨンホ「昼夜を問わずカフェイン摂取。消化器系は正常なわけないし、体脂肪率が高いのに運動不足で、もちろん便秘で腸も不健康」
ジュウン「…。」
ヨンホ「膝の関節、手足のしびれもあるだろうし、姿勢を見る限り、腰に首、脊髄も悪いはずだ」
ジュウン「……。」
ヨンホ「歩くのを見てると、骨盤も歪んでるし、股関節も…」
ジュウン「………。」
ヨンホ「甲状腺機能が低下してると、当然、慢性疲労に体重増加。やたらと冷えてイライラする」

「あなたって… ブラックジャック?!」ジュウンが怪訝そうに言う。

ヨンホ「え?…まぁとにかく、検査結果を見なきゃわからないけど、間違いありませんよ」
ジュウン「…。」
ヨンホ「よく聞いてください。睡眠、歩くこと、食事、運動。全部やり直します。OK? 習慣の積み重ねが病気を生み出し、体を作るんです」

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ヨンホは一人、自宅でマシンと戦っていた。

「今度はホントに信じますよ」ジュウンの言葉が繰り返し思い出される。
限界の限界まで筋肉を痛めつけ、彼は思わず膝を押さえる。

彼の膝には幼い頃、事故で負った傷跡が残っていた。

0037

ヨンホ「…。」

+-+-+-+

翌日。
彼女はソワソワと、車の前で待っているヨンホのところまでやって来た。「私一人で行けるのに♪」

#トコトコ小走りで来るの可愛いよね♥

ジュウン「ここまでしなくても」
ヨンホ「僕だってそのほうがいいけど、ここまでする必要があるんですよ」

彼は開いていた車の窓からダウンジャケットを手に取り、彼女に渡した。

ジュウン「寒くないですけど」
ヨンホ「後で必要になります」

ヨンホは一旦ジャケットを車に戻し、代わりにファイルを取り出した。「これは今見て」

ジュウン「…。」

開いてみると、そこには彼女の診断結果が赤裸々に記録されていた。「!!!」

ヨンホ「簡単に言うと、全体的に肥満だけど、特に腹部とお尻」
ジュウン「はっ!」
ヨンホ「各種成人病の予備軍、首猫背、ヘルニアの初期です」

「行こう」一気に言い終えると、ヨンホは車に向かおうとした。

ジュウン「待って!私、また強制捜査されるんですか?」

「…。」ヨンホは厳しい表情で、彼の腕を掴んだ彼女の腕を、掴み返した。

ヨンホ「今回は逮捕…いや、拘留かな?」
ジュウン「!」

目をまんまるにした彼女を残し、ヨンホは涼しい顔で先に車に乗り込んだ。

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走る車の後部座席で、ジュウンは大きなジャケットにくるまれて丸くなっていた。
彼女は生きた心地がせずに顔を出す。「私、どこに護送されるんですか?」

ヨンホ「(運転しながら)もう着きますよ」

車が入っていったのは、彼の自宅の駐車場だ。

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「わぁ!」中へ入ると、ジュウンは思わず感嘆の声を上げた。「ここがジョン・キムさんの家なんですか!」

ヨンホ「ジョン・キムさん、ヨンホ兄さん、そちら… はやめて、これからは”コーチ”だ」
ジュウン「コーチ?」
ヨンホ「教えることはたくさんありそうだけど?」
ジュウン「… OK、コーチ。これからも私、荷物みたいに車に積まれて来なきゃいけないんですか?他の場所じゃ駄目なんですか?」
ヨンホ「ご本人は顔が知られてるし、(家の中を見て)必要な物は全部ここにある。何より僕は…」
ジュウン「(頷く)シークレット・トレーナー、ジョン・キム」
ヨンホ「…。」
ジュウン「私が荷物みたいに積まれて来た方が、ジョン・キム、いえ、コーチには安全でしょうね」

ヨンホは立ち上がり、別の場所へと移動する。「ジュンソンとジウン、僕が交代で担当します」
ジュウンは彼の後に続いた。

ジュウン「私のせいで…」
ヨンホ「みんな大変だと思うでしょう?だから頑張ってください。もう一度司法試験受けるくらいのつもりで」
ジュウン「司法試験のとき、死ぬ思いだったんですから!みんなに奇跡だって言われたわ…」

ヨンホが立ち止まり、彼女を振り返った。「それなら、今度は”幸運”を願いましょう」

ジュウン「?」
ヨンホ「”奇跡”はもう起きたんだから」
ジュウン「いや、叶いもしないほどの美貌を手に入れたいってワケじゃなくてね、私は元々…」

「シーッ」彼はさっと人差し指を唇に当てた。

ジュウン「?」
ヨンホ「美貌?」
ジュウン「うふふ♪ 見もしないでおっしゃらないでくださいな、コーチ。私はね、かつて大邸のビーナスって呼ばれてたんですよ」
ヨンホ「(ジーッ)」
ジュウン「慶尚南北道で、私が初恋じゃない男はいないほどだったわ」

「まぁいいわ。もうすぐ目の当たりにするだろうから」ジュウンは余裕の笑みを浮かべる。

ヨンホ「ひょっとして…」
ジュウン「?」
ヨンホ「虚言症が?」
ジュウン「何ですって?!」
ヨンホ「…。」
ジュウン「そんなこと言って後でどれだけ後悔するか…」
ヨンホ「いや、後悔は僕が勝手にしますから。ご本人はストレッチでもしててください」

#だけどさー、ヨンホはジュウンの携帯預かってたときに、画面の写真見てるよね。
あれは痩せてた頃の写真だったよね?

+-+-+-+

トレーニングルームに現れると、ヨンホは黙って彼女を手招きした。

ジュウン「何よ、子犬じゃあるまいし」

まずやって来たのはランニングマシンだ。
「苦しくなったら…」スピードボタンを押しながら、ヨンホが言う。

ジュウン「言いますから」
ヨンホ「耐えてください」
ジュウン「!」

次はスクワットだ。

ヨンホ「スクワットって聞いたことあるでしょ」
ジュウン「やったことありますよ」

やってみせようとして、彼女は1回目で尻もちをついた。

ヨンホ「それじゃ関節に負担が掛かります。体の重みで荷重が」
ジュウン「もう!恥ずかしくない単語でお願いします、コーチ」

「真似てください」ヨンホが足を開いて立った。「足は肩幅に」

ヨンホ「腕は軽く前に組んで。(後ろから彼女の腰を支え)腰を伸ばして」
ジュウン「!(恥ずかしくて後ろを振り返る)」
ヨンホ「(淡々と)目線は正面」
ジュウン「…。」
ヨンホ「お尻を締めて。そのままゆっくりダウン」

姿勢が保てず、彼女はよろめいた。「あっ!」

ヨンホ「アップ」

何とか彼女が立ち上がると、すぐに声が掛かる。「もう一度」

ヨンホ「それにしても”美貌”って」
ジュウン「見てればわかりますから」
ヨンホ「(首を横に振る)すみません。集中!もう一度、ダウン!アップ!お腹に力を入れるともっと楽になります。もう一度、ダウン!」

+-+-+-+

自宅に帰ってきたジュウンは、疲れてぐっすり眠っていた。
ベッドの上で。

ヨンホ(声)「寝るときはベッドで。眠れなくても習慣がつきます。足が冷えたら靴下を履いて」

眠りから覚めると、彼女は寝ぼけまなこで体を動かす。

ヨンホ(声)「ストレッチは起床20分後くらいに」

キッチンへ向かうと、ポットからマグカップに熱いお湯を注いだ。

ヨンホ(声)「空っぽのお腹に、まずは甲状腺の薬から」

「ぬるま湯で」彼の声に、ジュウンはギクリとする。

ヨンホ「冷え体質の人は消化器に負担が掛かる」

テーブルの上のPCに向かって身を屈めて作業しているうちに、彼女はふと顔をあげる。「!」
彼の指示を思い出し、彼女は姿勢を正してPCを膝に乗せた。

PCのキーを叩いていると、ヨンホがまだ彼女の顔をじっと見ている。

ジュウン「何よ?今度は!」
ヨンホ「(彼女の眉間を指でぐっと押し)誰かにおでこを押されてる感じで、あごを引いて、腰を伸ばす!最後にお尻をキュッ!」

0039

食事の時間だ。
皿の上の野菜をつまみながら、彼女は正面で満足気に見つめている”ヨンホ”に怒鳴った。「消えなさいよ!!!」

0040

ジュウン「想像の中でも容赦ないんだから!」

そうやって毎日、彼女はコーチに言われたことを従順に守り、正しい習慣作りを心がけた。

+-+-+-+

ある日…。

「大丈夫ですか?毎回落ち着かないでしょう?」運転するジュンソンの言葉に、ジュウンはすっぽり被っていた上着から顔を出した。

ジュウン「何日もやって慣れたし、ウトウトするくらいなんですよ」

「それはそうと、トレーニングの邪魔して申し訳ないわ」ジュウンはジュンソンの背中にチラリと目を遣る。

ジュンソン「弁護士さんを騙したのが気に掛かってましたから、罪滅ぼし出来るチャンスですよ。兄貴の秘密を守ってくださって、感謝します」
ジュウン「ププッ。脅迫犯みたいですね、私。とにかく、ありがとうございます!美貌でお返ししますから♪」

「期待しますよ」ジュンソンは努めてサラリと流した。

ジュンソン「もう着きます。そろそろご準備を」

後ろの座席から突然ジウンが起き上がった。「行くぜ~!」

ジュウン「わっ!ビックリした!」

+-+-+-+

晩のトレーニングをしっかり終え、今度はヨンホが彼女を家まで送り届けた。
車を停めると、助手席でぐっすり寝入っている彼女をチラリと見る。「…。」
ポンと上着を叩くと、ジュウンは飛び上がった。「はい、コーチ!」

ジュウン「今日もありがとうございました」

車を降りようとして、彼女は嬉しそうに振り返る。「私、5kg落ちたんです」

ジュウン「1日に1kgずつ♪」
ヨンホ「楽観が過ぎると体に毒です。甲状腺の薬を飲んで、機能が回復したお陰かもしれないから」

「遅くなりましたね」ヨンホが時計を見る。

ジュウン「はい、コーチ!」

車を降り、アパートの階段を彼女が上がっていくのを目で追って、ヨンホはかすかに表情をほころばせた。

#階段上がっていく姿が可愛すぎる( *´艸`)ププッ

車を発進させたところで、彼は思わずハッとブレーキを踏む。「…?」

+-+-+-+

薬を飲もうと袋を開けたところで、玄関のチャイムが鳴った。「?」

ジュウン「どちら様ですか?」

返事はない。
そのとき、後ろで携帯が鳴り出した。

ジュウン「?」

携帯をひとまずそのままにして、彼女は玄関へ向かった。
【コーチ】からの電話は鳴り続ける。

+-+-+-+

ジュウンが玄関の扉を開けると、そこにはポインセチアの鉢を持った男が立っていた。「僕ですよ、ジュウンさん」

ジュウン「?!…誰」
男「どうして… 知らんぷりするんです?」

ジュウンが思わず閉めようとしたドアを、男はすかさず掴んだ。
鉢を床に放り出し、中へどんどん入ってくる。
後ずさりしながら、ジュウンはよろけて床に倒れこんだ。

男「なぜ驚くんです?僕ですよ」
ジュウン「や、やめてください」

男は愉快そうに笑い、彼女の前に屈んだ。「僕、ジュウンさんの好きな花も持って来ておいたのに」

ジュウン「た、助けてください」

男がいよいよジュウンに迫ろうとしたその時!
突然後ろで気配がしたと思うと、ヨンホが駆けこんできた。

ジュウン「!」
ヨンホ「!」

+-+-+-+

ここでエンディングです。

最後に「助けてください」ってジュウンの口から出た瞬間、ニヤリと出来たり、そういうのが嬉しい♪
さぁ!さっさと記事を仕上げて、冷蔵庫の掃除にスクワットやらないとね!

今週も最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

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