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オーマイビーナス Oh my Venus 2話あらすじ&日本語訳vol.2

   

シン・ミナ、ソ・ジソブが出演!「オーマイヴィーナス」2話の後半です♪

+-+-+-+

部屋の前までやって来て、ヨンホは彼女を振り返った。
「…。」その大きな扉を見上げ、彼女は俄に緊張を募らせる。「ここ…どこなんですか?」

ヨンホ「スイートルーム。僕の部屋」
ジュウン「!… 私がどうしてここに?」
ヨンホ「連れてって欲しいんでしょう?地球の外まで」
ジュウン「…。」
ヨンホ「僕みたいな男とスイートルームで二人きりだなんて、地球外だと思うけど?」

ジュウンは溜息をつき、頷いた。「いいわ」

ヨンホ「(感心したように)ほぅ、いいんですか?」
ジュウン「開けてくださいよ、ドア。見物でもさせてもらうわ、地球外がどんなものか」

+-+-+-+

スイートルームの中へ入ると、ジュウンが緊張した様子で奥へ進んでいくのを、ヨンホは静かに観察した。
彼女が立ち止まったのは、ソファテーブルの上に置かれた自分の荷物の前だ。
「…。」黙って荷物を見つめている彼女の様子が気に掛かり、ヨンホは彼女に近づくと、そっと肩に手をおいた。

ジュウン「あぁ…」
ヨンホ「痛みますか?」
ジュウン「(頷く)えぇ」
ヨンホ「…かなり酷く?」
ジュウン「そうですね」
ヨンホ「心じゃなくて、肩です」
ジュウン「?」
ヨンホ「心は僕の管轄外だ」

「大丈夫です」ジュウンはその手をさっと払いのけた。「もう帰りますから」
トランクを持ち上げようとして、彼女は痛みに「あぁ」とうめき声を上げた。

ヨンホ「感づかないってことは、今回が初めてですね?」
ジュウン「え?」
ヨンホ「ソファでやります?ベッドへ行きますか?」
ジュウン「(ドキッ)!!!」
ヨンホ「(顔をしかめ)肩が外れてます」
ジュウン「!(肩を押さえる)」
ヨンホ「出来ればホテルに相応しい程度の悲鳴でお願いしますよ」
ジュウン「…。」

ヨンホは勢いよく上着を脱いだ。

0016

#はち切れそうな胸ボタン、万歳!!!

+-+-+-+

「あぁん!あぁん!あはぁん!!!」激しいジュウンの声がドアの外まで漏れ聞こえる。

ヨンホ(声)「まだ始めてもいませんよ」
ジュウン(声)「まだ心の準備が… あぁ!!!」
ヨンホ(声)「心の準備なんか!痛いのは最初だけですから」
ジュウン(声)「あぁあ!」
ヨンホ(声)「そんなに動いたら合わないじゃないですか!我慢して!!!」
ジュウン(声)「あぁあああ!!!!」

+-+-+-+

「誤解したでしょうね」ホテルの前でスジンがポツリと言った。「私たち、食事してただけなのに」

ウシク「よりによって君がジュウンと同じ事務所だなんて」
スジン「どうしたらいいんだろう」
ウシク「何もするな」
スジン「?」
ウシク「俺が何とかするから、君は何もするなよ」
スジン「…。」
ウシク「ジュウンのことは傷つけるだけ傷つけた。君のことは傷つけるわけにいかないよ」

スジンは嬉しさを噛みしめる。「天下の悪女になるのも、悪い気分じゃないわね」

+-+-+-+

”一戦”交えたジュウンたちは、ベッドの上で疲れ果てていた。

ヨンホ「強烈な復讐でしたね…。(彼女を振り返り)コルセットを破ったから…」
ジュウン「復讐なら元カレにするべきよ。どうしてあなたに?」
ヨンホ「もう”元カレ”になったんですか?」

ジュウンはまだ痛む肩を押さえ、顔を歪めた。

ヨンホ「髪一本掴んでないのに。見かけよりクールですね」
ジュウン「見かけと違うのは1つや2つじゃないから、何からお話しすればいいのか困るわ」

「彼、見たことある顔だけど」ヨンホは洗面所までやって来ると、鏡を覗いて言った。

ジュウン「そうですか?(ブツブツ)私はさっぱり見慣れないわ」

ヨンホはふわふわの掛け布団を持って来ると、それで彼女の肩を包んだ。
隣に腰を下ろすと、彼女の手を取り、指先で脈を取り始める。

#幸せ♥

ヨンホ「(腕時計を見ながら)腹が立っても、ちょっとだけ止めててくださいね」
ジュウン「…ありがとうございます。漢方医ですか?」
ヨンホ「シーッ(時計から目を離さず)患者は診ないけど」

彼は顔をあげると、彼女のおでこに手を当てた。

#幸せ♥♥

ヨンホ「体温が低すぎます。脈も。それに…。とにかく、体調のいい日に必ず病院へ行ってください。肩ももう一度チェックして」
ジュウン「…。」
ヨンホ「大丈夫に見えても、癒えるには時間が必要なんです」

「傷は外から見るのとは違うから」ヨンホは前を見つめたまま呟くように言った。

ジュウン「…。」

彼女はかぶっていた布団を脱ぐ。「もう帰ります」

ジュウン「いろいろありがとうございました」

「そうですね」ヨンホが車のキーを取ろうと立ち上がった。

ジュウン「いいんです」
ヨンホ「?」
ジュウン「病んでる人に弱くて、危険な目に遭ってる人にはもっと弱い。それは知ってます。だけど…」
ヨンホ「だけど?」
ジュウン「たぶん… 待ってると思うんです」

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ジュウンがロビーへ降りてくると、一人立っていたウシクが振り返った。
彼が荷物を持とうと差し出した手を、彼女は拒絶する。

ウシク「!」
ジュウン「…。」
ウシク「どこか… 君が大声を出して、俺が土下座できる… そういう場所に行こう」
ジュウン「さっき肩が外れてたんだって」
ウシク「?」
ジュウン「治してくれた人に言われたわ。無理するなって。結論は決まってるんだから、簡潔に終わらせましょ」

淡々とした彼女の言葉に、ウシクは頷くことしか出来ない。
歩き出した彼女の後に、彼は黙って続いた。

+-+-+-+

レストランへやって来ると、ウシクはジュウンの前に飲み物を並べた。「水、ジュースにコーヒー、どれからにする?」

ジュウン「…。」
ウシク「全部同時にぶっ掛けられても何も言えないけど、誤解しないでくれ。今日は…」
ジュウン「今日の話なら私から。誤解しないで。私、あの人とスイートルームにいたけど、何もない関係だから」
ウシク「…。そんな雰囲気じゃなかっただろ」
ジュウン「(笑)そうね。けど、あんた何で言い訳するの?」
ウシク「スジンとロビーにいるだけでもあんたは誤解される状況で、私は男とスイートルームにいたのにそうじゃないのね。あんたの目にはそう映ってるのよ、私のことが。終わりだって言葉も必要なさそうだけど?」
ウシク「ジュウン」
ジュウン「じゃあ、長々と続いた私たちの関係、ここでケジメつけましょ」
ウシク「お前、どこか具合悪いのか?」
ジュウン「(感情を抑え)あんたが訊くことじゃないわ。帰って」
ウシク「スジンは…」
ジュウン「(爆発)スジンのところだろうと何処だろうと!!!… 帰って」
ウシク「…。」
ジュウン「振ったのはあんただけど、気持ちを捨てるのは私自身よ」
ウシク「…。」
ジュウン「だけど、末永く幸せにとは言えないわ。もう経験したからわかるの」
ウシク「…ありがとうな」

ジュウンは皮肉な笑いを浮かべた。「カン・ジュウン、今日はよくやったわ、ホントに」

ウシク「それから… 別れるついでに厚かましいことを頼むけど、スジンは悪くないんだ。だから…」
ジュウン「ぶっ殺してやろうか、こいつ」
ウシク「…。」
ジュウン「別れるついでに?そのついでにぶっ殺されたくなかったら黙ってなさい!私は弁護士よ。だから」
ウシク「あぁ、わかってる」

「誰よりもな」ウシクが語気を強める。

ウシク「お前は知性と美貌の弁護士になりたがってた」
ジュウン「…。」
ウシク「法曹界のシンデレラになりたがってたんだ!そして、なった。だけどお前は… 多くを失いすぎたんだ、ジュウン」
ジュウン「…そう?だけど、あんた私が弁護士になってすごく助かったはずよ。美貌は失ったけど、知性はまだ健在だもの。だから、知ってる品と格式全部使って耐えてやってるところなんだから、火に油を注がずに黙って消えて。なるべく遠い地球の果てまでね」
ウシク「…俺も同じくらい戸惑ってることだけはわかってくれ」
ジュウン「…。」

#何でウシクはチラリと上を見たんだ?居心地悪さの表現?

「行こう。送るよ」ウシクがいつものように優しく言う。

ジュウン「こんな地獄みたいな時間、まだ我慢しろって?」

彼女は立ち上がると乱暴にトランクを掴み、彼の前を去った。

ウシク「…。」

+-+-+-+

タクシーに乗り込んだジュウンは放心状態だった。

運転手「どこへ行きましょう?」
ジュウン「…。」
運転手「お客さん?」
ジュウン「え?」
運転手「どこへ行きます?」

「あぁ」ジュウンはしばらく考えを巡らせる。「空港に」

ジュウン「すみませんが、暖房を」

車が動き出すと、ジュウンはシートに身を沈め、溜息をついた。

【あのとき排水口に落としたのは… 果たしてリップスティックだけだったんだろうか】

+-+-+-+

ジュウン「上品なフリして損した!ジュースもコーヒーもぶちまけてやるんだったわ」

空港にやって来たジュウンは、停めたままになっていた自分の車と再会した。
ゴミだらけのシートを片付けながら、痛む肩を押さえる。
「表向きは大丈夫でも、癒えるには時間が必要です」ヨンホの言葉が思い出された。

バッグの中に畳んであったコルセットをゴミ袋に入れると、彼女はその勢いで指輪を引っこ抜き…

無理やり引っこ抜き…

ゴミ袋へ放り込んだ。

【シンデレラになりたかったって夢は、法曹界だけで満足しなきゃ】

~~~~

「何で法曹界のシンデレラなんだ?」付き合い始めて数年も経たない頃。雪の降る中でウシクが言った。

ウシク「お前、シンデレラより恵まれてるだろ。お母さんもいるし、弟もいるし、それに俺だっているんだ」

鼻をすすりながら、ジュウンはソフトクリームを舐める。

ウシク「シンデレラはエクボあるか?」
ジュウン「(ニヤニヤ)」
ウシク「お前のエクボに一度落ちたら抜け出せないんだぞ」
ジュウン「お父さんが初めて買ってくれた本がシンデレラでさ、結末が気に入ったんだよね。”その後、二人は末永く幸せに暮らしましたとさ” だけど、弁護士にもなりたいし」
ウシク「二人って誰と誰?」
ジュウン「私と…」
ウシク「(ジーッ)」
ジュウン「(笑)自分だと思った?」
ウシク「違ったらタダじゃすまないぞ」

ジュウンがそれに答えず、ソフトクリームの上の部分を舐めてしまうと、ウシクが新しいのを差し出した。

ウシク「シンデレラにはもう勝っただろ」
ジュウン「はぁ、法曹界までは遠いね」

「ちょっとそこの狸!」ジュウンはまた喫煙学生たちを見つけ、駈け出した。「見たわよ!タバコやめなさい!」

~~~~

 【実際、シンデレラのストーリーを法的に見れば、暴行や虚偽事実の流布くらいにはなるだろう。
”その後、二人は幸せに暮らしました”って言葉は、現実じゃ笑えもしないたわ言だってこと】

+-+-+-+

翌日。

執務室でジュウンは考え込んでいた。
入ってきた秘書のヒョンジョンが彼女を見て首を傾げる。「先生?」

ジュウン「9時じゃ早すぎるし、9時半だと代表と打ち合わせがあるかもしれない」
秘書「?」
ジュウン「10時なら?そうね、人間なんだからトイレに行くこともあるだろうし、他に用事があるかもしれない。11時なら申し訳なくて迷ってるかもしれないし」
秘書「先生?」

0017

#素晴らしすぎる↑

ジュウンがガバッと立ち上がった。
目の前の時計はちょうど12時を指している。

ジュウン「けど、12時に来ないのはおかしいわよ」

+-+-+-+

ジュウンが乗り込んだのはスジンのところだ。
「どうしたの?」スジンは何事もなかったように彼女を見上げた。

ジュウン「こっちの台詞よ。”どうしたの”って何?!」
スジン「…。」
ジュウン「あの日、レストランの化粧室で私と会ったでしょ」

「?」スジンは少し考えて、急に驚きを浮かべる。「まさか、あれがあんただったなんて」
ジュウンは目を閉じ、怒りを押さえた。「オ・スジン」

ジュウン「つまり、ウシクとは何の関係もない、ただの偶然だって?」
スジン「先約だったって表現が正確ね。化粧室で会ったのは偶然で」
ジュウン「(絶句)」
スジン「話はそれだけ?」
ジュウン「…。」
スジン「まだあるのね♪」

スジンはチラリと時計を見る。「昼ごはんまだでしょ?」

+-+-+-+

「ヒレ肉をどうぞ」店にやって来たスジンを前にヒョヌが大げさに言う。

ヒョヌ「うちの店で一番ぶ厚いステーキなんで、面の皮の厚い人には特別にオススメしますが」

ヒョヌのキツイ冗談に表情1つ変えず、スジンは静かにメニューを眺めた。

スジン「私はグリーンサラダだけもらうわ。ドレッシング抜きでね」
ヒョヌ「ドレッシングなしでどんな味がするんです?」
スジン「食べ物を味で食べるの?」
ヒョヌ「?!」

向かいで黙って見ているジュウンの眉がピクリと動いた。

スジン「私、ちょっとジュウンと話があるの。(メニューをヒョヌに返し)注文取り終わったなら」

「ホント!!!」思わず水の入ったグラスを掴んだヒョヌの手を、ジュウンが止めた。「ヒョヌ、ここはあんたの仕事場でしょ」

ヒョヌ「(笑顔でスジンに)水をぶちまけて、皿も割って。事業にはそういう楽しみがなきゃね」

スジンは笑顔でうんうんと頷く。

ヒョヌ「(ジュウンを振り返り)でしょ?ジュウン」
ジュウン「(頷く)」
ヒョヌ「今日は乱闘ウェルカムよ!ファイティン」

ヒョヌが立ち去るとスジンは笑った。「ヒョヌ、相変わらず激しいわね」

ジュウン「食事が喉を通るかしら」
スジン「それでも食べなきゃ。空腹が続くと暴食しちゃうもの。体に悪いじゃない?」

「太るし」スジンが小さく付け足す。

+-+-+-+

ステーキの皿を前にしたジュウンの向かいで、スジンはサラダのコーンを1粒フォークですくう。

ジュウン「スジン。オ・スジン?」

スジンは手で制し、ナプキンで口を押さえる。
彼女は小さくゲップを吐き出し、ニッコリと微笑んだ。「続けて」

ジュウン「私、あんたに何か悪いことした?」
スジン「さっき謝りに来たの?」
ジュウン「(呆れて)あのね、オ・スジン。あんた忘れてるみたいだけど、毒舌に直説、仮説、夜説(※夜説とは官能小説、陰を踏んで言った模様)、全部私の専売特許よ。だから謝罪でも言い訳でも何でもしなさいよ」

「ウシクが何もするなって」あくまでスジンはしおらしく言った。「自分で何とかするからって」

スジン「言い訳か…そうねぇ。男女が惹かれ合うのは説明のつかないことだって、あんたのほうがよく知ってるし。道義的責任はまぁ… (ニッコリ)認めるわ」

「…。」小憎たらしいスジンの態度に、ジュウンは震える手でステーキナイフを握った。

スジン「まだ謝るようなことはしてないわ。ひょっとして、謝ったらあんた、変わるの?」
ジュウン「あんたってホント…。大変身したからってナメてるわけ?目を覚ましなさい。私はカン・ジュウンよ」

「ふはは」スジンは思わず笑い声を上げた。

ジュウン「?!」
スジン「タイムスリップでもした?」
ジュウン「…。」
スジン「確かにね、理解はできるわ。かつてのカン・ジュウンがどうだったか、知らないわけじゃない。こんなこと言いたくないけど… 目を覚まさなきゃいけないのは、あんたよ」
ジュウン「…何?」
スジン「皆の注目を集めてたルックス、あんたに一途だったウシク、その気にさえなれば何だって出来たあの頃?あんたの好きなものは全部そこにあるだろうけど、私は違う。私の好きなものはここにあるの。だから、タイムマシンに乗るならあんた一人で乗って」
ジュウン「…。」

0018

「この件は終わりね」スジンは表情を和らげた。

ジュウン「あんた、私にこんなことするのって、昔のあの… イ・ジフンのせい?」
スジン「…誰?」

スジンは記憶を手繰り寄せると、あははと大げさに笑った。「ちょっと!」

スジン「いつの話してるのよ、ホントに」

「私が払うわ。道義的責任は感じるから」スジンは余裕の微笑みを浮かべ、ジュウンを置いて席を立った。

+-+-+-+

帰りの車の中で、スジンは笑い転げた。「イ・ジフンのせいかって?!」
ケラケラと笑ったかと思うと、俄に泣き顔になる。「私がどんなに好きだったか…」

~~~~

2001年 ソウル。
「イ・ジフンの”美しき青春”2部のスタートです」ラジオ局のスタジオで、イ・ジフンが静かに話し始める。

調整室でジュウンがワクワクしながら見守る中、ジフンの隣に座っているのは… スジンだ!

イ・ジフン「さぁ、”今日あなたに言いたい一言”は、リスナー、オ・スジンさんの声でお伝えします。こんにちは」
スジン「…こんにちは(ペコリ)私…ちょっと太ってるほうなんですけど」

「何であんなこと言ってんの?」スジンの言葉に、ジュウンは思わず苛立つ。「ジフンさんは私のものって公表しなきゃ」

スジン「友だちもあまりいないし。そんな私に、向こうから近づいてくれた友だちがいるんです。その友だちが言ってくれたんですけど、太る理由は寂しいか辛いか、もしかしたら両方だって。だからあんたは、寂しいか辛いか、もしかしたらその両方だって」

そう言って、スジンは涙を拭った。

スジン「”あんたに言いたい一言”よ。ありがとう!そばにいてくれて!」

二人の仲良しはガラス越しに見つめ合い、笑った。

0019

曲を掛けておいて、イ・ジフンはスジンの耳元で囁く。「お疲れ様、スジンさん」
その甘い声に、スジンは思わず飛び上がった。「!!!」

感激で失神したスジンが、スタジオに戻って見たものは…
楽しそうに話しているイ・ジフンとジュウンの姿だった。

#追記。さらっと流しちゃってたけど、イ・ジフンはジュウンの手の甲に電話番号書いてたみたいですね~。

~~~~

+-+-+-+

コーヒーに無意識にいくつも角砂糖を放り込む。
痩せていた頃の写真をぼんやり見つめながら、ジュウンはそれをすすった。

「あんたの好きなものは全部そこにあるけど、私は違う」スジンの強烈な一言が、頭から離れなかった。「目を覚ますのはあんたよ」

そこへ…

「Ma’am!!!」ドアが開き、勢い良く誰かが飛び込んでくる。
飛行機で隣の席だった… ジウンだ!

ジュウン「あっ!」

彼はまっすぐ目の前へやって来ると、嬉しそうに彼女を抱きしめた。
「先生!警備員呼びましょうか?」慌てて駆け込んできた秘書を、ジュウンは制する。「知り合いよ」

ジウン「(秘書に)知り合いダヨ♪」
ジュウン「ジウンさん、どうしてここに?」

「あ、えっと」彼は椅子を引っ張ってきて腰を下ろす。

ジウン「ma’amのことも心配だし、用事もあって。あ、ところでma’am、どうして僕のメールに返事くれなかったんですか?」

「?」ジュウンはそこで携帯を確認する。

【トレーナー ジウンさんより】
「ma’am!」
「ma’am!」
「ma’am!忙しい?」
「ma’am!どこ?」

ジュウン「バタバタしてて気づかなかったんです」

「あ!」ジウンはさっさと話題を変える。「ちょっとお願いがあって」
彼は持って来た封筒から書類を取り出した。

ジュウン「?」

書類には「スポーツエージェント 専属契約書」と書かれている。

ジュウン「エージェントとのスポンサー契約書ですね?(驚く)こんな仕事なさってるんですねぇ」
ジウン「(ニコニコ)」
ジュウン「読んでみますね」

「あ、そうだ」ジュウンが微笑む。「飛行機では本当にありがとうございました」

ジウン「Oh! NoNoNo!!!ma’amと僕は運命、Destinyだからね♪ ほら、今また会ったでしょ?」
ジュウン「(ポカーン)ジウンさんが会いに来たんでしょ」
ジウン「もう、そんなの関係ないよ♪」

「何だこれ」ジウンは、彼女のデスクに置かれた角砂糖を指差した。

ジウン「ma’am、こういうの食べてると、また具合悪くなるよ」
ジュウン「…。」
ジウン「えっと… ma’amのそのナイスフェイスが消えちゃう」

ジュウンは少し恥ずかしくて、手で頬をなでた。

ジウン「ジェニファー・アンダーソン、知ってる?」
ジュウン「あぁ、ステラショーに出てた、大変身して新しい人生を手に入れた?」
ジウン「そうそう!わかる?ジェニファー・アンダーソンもすごく幸せになったんだ。今じゃクイーン・オブ・クイーン。ma’amにだって出来るよ!どう?!」

+-+-+-+

自宅。

大量に届いた出前をジュウンが張り切って頬張ろうとした瞬間、また玄関チャイムが鳴った。

ジュウン「あれ?」

彼女は不思議そうに玄関に向かう。「誰ですか?」

声「下の者ですけど、宅配が着てたから置いていきますね」
ジュウン「あぁ、はい。ありがとうございます」

扉を開けると、そこには大きなダンボールが1つ。「?」
差出人には”ソウル ハンマウム病院 救急室”とある。
飛行機で倒れた彼女が、救急車で運ばれた病院だ。

+-+-+-+

「はい」チャイムの音に、ヨンホは不用意に扉を開け、ギョッと凍りついた。
そこに立っていたのは、ガフン医療財団理事長、父だ。
彼は端正に頭を下げる。「お久しぶりです」

ダイニングに腰を下ろした父の顔は、実に硬かった。
「写真のことは、おそらくまだ理事長はご存知ありません」ミン室長の言葉が思い出される。

ヨンホ「理事長としていらしたんですか?」
キム理事長「父としてならどうなんだ?」
ヨンホ「かなり急を要する用事でしょうね」
キム理事長「冗談を言うくらいだから、元気なんだろうな」
ヨンホ「…。」
キム理事長「アメリカ支社にはチョン理事が行くことになるだろう。会長に呼ばれたのか?」
ヨンホ「?」

父がまっすぐに彼を見た。「座を譲ろうかと訊いてるんだ」

ヨンホ「高い地位にいるのはあまり好きじゃなくて… 悩んでるところです」
キム理事長「駄々をこねる年齢じゃないと思うが」

「…。」父子の視線がぶつかった。

+-+-+-+

出前のチキンを頬張りながら、ジュウンは荷物を開ける。
「救急車にお忘れになっていた品物をお送りします」そうメッセージが添えてあった。

彼女の着ていたブラウスの下に入っていたのは… 寒いからとジウンが着せてくれたコートだ。
「まんまるウサギみたいだ」彼の言葉まで蘇る。

その下にはまだいくつか品物があった。
「ん?」見慣れない財布を拾い上げると、彼女は中を確かめる。
そこには、数枚の札とクレジットカードが入っていた。【J KIM】
もう一つ、一緒に入っていたIDカードを拾い上げる。「?!」

そこには…【JOHN KIM】と記されていた。

ジュウン「ジョン・キム?!」

+-+-+-+

車を走らせるジュウンの目はいつになく真剣だった。

自分を「有名なトレーナーだ」と言ったジウンの言葉。
TVで見たジェニファー・アンダーソンのビフォーアフター。
「ジェニファー・アンダーソンはすごく幸せになったんだ」というジウンの言葉。
ジェニファーを蘇らせたと専ら噂の”ジョン・キム”という名前。

「ma’amだって出来るよ、Why not!」ジウンは彼女に微笑んだのだった。

いまや、選択肢は1つだ。
彼女は走りながら電話の発信ボタンを押した。

0020

+-+-+-+

「Wow!!!」ドアを開けると、ジウンは目を輝かせた。

ジウン「ma’am! どうしたの?」
ジュウン「本当のことだけ話すと誓ってください」
ジウン「?」

ジュウンは慎重に口を開いた。「ジョン・キムさんでしょ?」

ジウン「え?」

部屋の中にいたジュンソンが驚いて出てくる。
ジュウンが二人に見せたのは、あのIDカードだ。

ジュウン「(ジウンに)ジョン・キムなんでしょ?」

顔を見合わせて困惑する二人の後ろに、もう一人誰かが現れた。「その通りです」

ヨンホ「ジョン・キム」

視線がまっすぐぶつかると、ジュウンの目がみるみるうちに輝いた。

0021

+-+-+-+

ここでエンディングです。

後半は心配してたより気持ちよく見られました。
スジンに言われたキツーイ言葉も、まぁあれは仕方ないかなぁと。ジュウンも全く言い返せなかったしね。
それでいよいよジュウンが奮起したならスジンGJです^^

子犬のようなジウンの可愛さには和みますね~。
1話に一度はジュウンにじゃれるシーンを入れてほしいな♪

ではでは、1、2話と訳してきましたが、最後までお付き合いくださった皆様、ありがとうございました!

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